The41st big machine club
2008年01月26日 41st Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 in 筑波 〜秘密〜
俺のメンタリティは小学生並みだ。 別に威張る気も誇る気もないが(当然です)、これはキャラを演じてるとかじゃなく、単純に事実だ。 何の話かって言うと、昨日の夜、「明日は久しぶりに筑波だぜー♪」とか思ってたら。 テンション上がっちゃって、寝たのが今朝の6:00だったのだ。 直接原因はオークションと紺碧の艦隊。
んで、二時間半ほど寝て仕事に行き、最後の患者さんが帰ってからメール。 すでに筑波で走ってるはずのよしなしに、 1:30ごろこっちを出る旨を伝え。 残りの事務仕事を終わらせると、ハヤブサをまたいで走り出す。 ガスを入れ、船橋取手線から水戸街道に出たら、アクセルオン。
途中、気が向いたので県道19号から、いつもSDRで筑波に行くときに使う裏道を走った。 これが手痛い失敗となる。なにって、道路工事だ。 一車線殺されてアホほど混んでる19号を、じりじりしながらすり抜ける。
学園都市に入って広い道に出たら、200スピード(=1/2時速)くらいまで引っ張って。 途中でバンディッドのシリンダヘッドが赤いヤツ(後述)を抜いて、いつもの筑波山ふもとに到着。
よしなしに、『下についたから一服したら登る』とメールして、観光客と一緒に山を登る。
天辺(てっぺん)まできたら、そのままパープルに入り、一気に走って反対側の駐車場へ入った。 しかし、よしなし&BMWが見当たらない。 「こりゃ、上の駐車場で休んでるな」 と見当をつけ、またパープルをもどり、そのまま筑波の頂上まで上がってゆく。
途中にバイクがけっこういたので、チェックしながら走るのだが、よしのバカでかいBMはいない。
筑波の頂上で、『おめ、どこにいるんだ?』とメール。
5分ほど待つが、返事がない。 こりゃ届いてねーかもと思いつつ(筑波付近は電波が悪い)、駐車場を出て、峠を下る。 風返しに何人か溜まってたので、彼らにBMWを見なかったか聞こうと思い、そっちへ向かうと。 入りっぱなでよしなしが手を振ってる。
(あれ? BMWどこに停めたんだ?) 思いながらUターンして休憩所の前にハヤブサを停め、メットを取ってよしに向かってわめく。 「おめ、単車は?」
そのとたん。
よしなしのヤロウ、ものすげぇうれしそうな顔で 「え? ココ、ココ」 言いながら指差したのは
そこには、NSR250が鎮座していた。
「あんだぁ? あにこれ? どしたん? いくら?」 まだ状況が飲み込めず、軽くパニクってる俺に向かって、満面の笑みをたたえながら、 「オークションです。12万でした。’87ですよ」 と言った後、また、にくったらしい顔でニヤニヤしてやがる。 つまり、買ったもの聞いてもはぐらかしたり、ツーリング写真を撮って来ない(アップしない)理由ってのが。
まさにこの、俺の小僧時代の宿敵NSRだったのだ。
こないだのZやiroha、K君とのツーリングで、すでにお披露目してたらしい。 つまり、WEBでアップしなかった理由は俺。 ポンポイントなんのポイントだ。ピンポイントに俺だけを狙って、みなに緘口令を敷いてやがったのだ。
やろう、ニッコニコで「やっとブログに書ける」とか言ってやがんの。 かみパンチくれてやりゃよかった。 どうせ嬉しくて、何も感じないだろうから。 くっそ、やられたぜ。
駐車場には、何度か会ったことのあるヒトや、初めてのヒトがダベってた。 NSRショックがようやく一息ついたところで、彼らに話しかけてみる。 みんな、この寒空にわざわざ山の上で走ってるようなキチガイだ。 当然、いろんな話が出来るわけで。
やがて走り込んでたGSX-R1000とXJRのヒトも休憩に入った。 なので、こっちにも話しかけ、R1000の具合を聞いたり、バカ話したりする。 そのうち、DR400SM(だと思う)がやってきた。
このヒトも、前にあったことがあるヒトだったので、挨拶してダベリング。 が、寒いせいか皆なかなか走ろうとしない。 俺は走る気満々だったので、よしに声をかけて、パープルを走り出した。
最初は、レプリカ初心者のよしを引っ張ってやろうと走り出したのだが。 さすがNSR、けっこう頑張ってついてくる。 車を一台抜いたついでに、引き離しにかかることにした。
12月末以来の筑波だったが、天気もよくて道も凍ったりしてなかったので、ガンガンすっ飛ばす。 んで、そのままペースをあげていくと、往路に抜かしたバンディットがひらひらと軽快に走ってる。 トクン。 ちょっとだけ脈が上がった。
最近はずっと、ひとりで練習したり、moto君やマルゾーなんかの速いヤツとばかり。 対外試合は久しぶりだ。 追いつけたってことは、俺の方がいくらかペースが速いはず。 慌てたりムリしなければ、どこかで抜けるだろう。
なんて考えながら走ってると。 ふいに、ワクワクしてる自分に気がつく。 ホント、好きだなぁ、俺。
メットの中でわざと笑って余計な力を抜くと、ほんの少しだけ、ペースをあげる。 安全マージンをたっぷりと取って、逸(はや)る気持ちを抑えつつ、ち細かい部分を厳しくしてゆく。 やがてバンディットのテールにぴったりと張り付いた。 ミラーの中でメット越しに目が会う。
「直線でごぼう抜きじゃ、色っぽくないなぁ」 と思いながら、なんどか突っつく。 それでもそんなに乱れないのは、けっこうココを走りこんでいるせだろうか。 メンタルの弱い俺とは大違いだなぁと、少し感心しながら。 右コーナーからの先が下りの直線に繋がるところで、インに突っ込んで並んだ。
立ち上がりはハヤブサの十八番だ。 一気に抜いて、そのあとの高速S字へ向かって突っ込んでゆく。 ここんとこ切り返しが前より鋭くなってる自覚があったので、なるべくスムーズに体重移動をすることを意識しながらS字をクリアして、そのまま深めの左コーナーに向かって飛び込んだ。短い直線を手首のスナッチだけで加速して、次の右コーナーに飛び込み 。 立ち上がりでミラーを見るとバンディットを消すことが出来た。 会心のS字に気を良くしたせいか、そのあとも、リズムよく走りことが出来る。
ゴキゲンで駐車場に入ると、ちょっと遅れてバンディットも入ってきた。 目が合ったので会釈をし、さらに遅れてやってきたよしに向かって叫んだ。 「よし、そのままメット取るな。激烈に奇妙だから写真撮ってやる」
2レプにオフメット。カラーリングも込みで、軽くキチガイ沙汰。
すると、そんなバカ話にバンディットの乗り手も笑っている。 俺と目が合うと、「速いですね〜」と笑顔。 もちろん俺はニコニコしながら、「いやぁ、バイクがいいんですよ」などと、ありきたりのセリフ。
「そんなことないですよ。S字の切り返し、すげぇ速かったです。俺、結構走りこんでるのになぁ」 (あー気持ちいい。もっと言って!) なんてゴキゲンになりつつ、彼とよし、三人でダベリング。
結構若いようで、大学がどうのとか言ってたから、院生か、新社会人くらいだろうか。 ちょっと奇妙なテンションの子だったが、まぁ、スズキ乗りだから仕方ないだろう。 本人もそう言ってたし。
つーか変態とか言われて喜ぶキチガイが多い日本の現状に、俺はかすかに憂いを感じるね。
だべってると、陽が傾いてくる。 ここでよしなしと単車を交換して、NSRにまたがってみた。ものすげぇ足つきがいい。 「NSRってこんなに低かったっけ? 87だからかなぁ」 なんて考えながら、キックを踏みおろし、エンジンをかけて軽くレーシング。 あぁ、そうそう。NSRだけは、ΓやTZRに比べてアクセルが軽いんだよなぁ。
回転をあげてクラッチをつなぎ、しばらくゆっくりと走る。 減速帯を抜けたところで、よしの前に出てフル加速。 バーンと一気に拭け上がったエンジンに蹴飛ばされ、NSRはグイグイと加速してゆ…… ぶももももも……あれ? 途中までは例の憎き台形パワーで下からもりもり来てたのに、9000rpmくらいで突然エンジンが吹けなくなる。なんかレブリミッターっぽいつーかガス欠みたいな吹けの悪さだけど、 9000rpm以下なら絶好調で走れてるから、ガス欠ではない。 この年式のNSRに、万が一レブリミッターが付いてるとしても。 レッドゾーンから2000回転近く低い、こんな回転で効くのはおかしい。
コーナリングは気持ちよく、素直によく曲がり、狙ったとおりのラインで走れる。 なのに、立ち上がって9000を越えたところで突然、失速するのが、ものすげぇ気持ち悪い。 仕方なく回転を落として9000以下で走る。 それでも、そこそこ気持ちよく走れちゃうのは、さすがホンダ。
ハヤブサとは違った異次元の軽さに、「やっぱSDR手放すのヤメようかなぁ」と気持ちがくじけたり。 回転を押さえ目にして、コーナリングスピードをどんどん上げながら。 きゃっきゃと楽しんで走ってるうちに、気づけば風返しまで来てしまった。
そこでさっき、風返しの上でたむろしてた連中と、また少し話し。 やがて彼らは寒さに負けて、近所の銭湯だかなんだかを目指して帰ってしまった。 そこで俺とよしは、今日のもうひとつの目的である、蕎麦屋へ向かって走り出す。
またもパープルを走り、そのままT字路にぶつかって左へ降りて行くと、蕎麦屋は道沿いにあった。
全面禁煙は、香りの大事な蕎麦屋だから仕方あるまい。
俺は十割そば大盛り二枚、よしは十割の鴨ざるを食った。 十割好きの俺は大満足。新そばの季節にもう一度来たいね。
お腹いっぱいになったら、暖かい店内から出たくなくなってきた。 しかし、陽は刻一刻と傾いているし、喰った後タバコを吸いたいのは人情ってものだ。 よしなしは吸わないけど。 なので、サクサクと店を後にして、駐車場で一服つけながら、最後のひとだべり。
「これでようやく、NSRのことをブログに書けますよ」 と騒いでるよしに、「やられた。まさかNSRとはなぁ」としか返せない。 まさに、してやられたってトコだ。 んで、よしの着てるインナーの話とか、来週日曜日のケモ道ライディングの話をしたら。 さて、陽が落ちないうちに峠を降りようぜ。
蕎麦屋の駐車場でUターンしたら、そのまま山を登ってパープルの入り口に出る。 そこで、ちょっと遅れたよしなしを待ってから、最後のひとっ走りスタート。 ガンガンとパープルを攻め倒し、気持ちよく走り抜けたらUターンして、もう一度パープルへ。
前から来たよしなしに手を上げて挨拶をしたら。 寒風吹きすさぶ中そのまま、今日最後のパープルを攻める。 無理な力をかけずに走れるのが、嬉しくて気持ちよくて。
カマボコを乗り越えて峠を下るうち、陽が落ちてきた。 第41回 Crazy Marmalade でっかいもん倶楽部は、無事終了だ。 水戸街道を柏に向かいながら、嬉しそうなよしなしの笑顔を思い出す。
「へへ、ホント、バカだよなぁあいつ」
俺は、なんだか嬉しくて、こみ上げる笑いをこらえ切れなかった。
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