The 45th big machine club

2008年03月18日

45th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 in 首都高 〜鮮烈なる背中〜

 

11:00に待ち合わせをしてたので、その一時間前に行って練習しとこうかと思っていた。

ところが仕事が終わって帰ってくると、R君から『少し早めに、この間お茶した店にいる』とのメール。そんじゃまぁ、もともと早く行くつもりだったし、ちょうどいいかと9:10ころかな? ハヤブサをまたいで出発した。柏から常磐道に乗り、のんびりと首都高を目指す。

気温は低すぎず高すぎず。風もそれほど強くない。

「こりゃまた、今日は気持ちいいなぁ」

と思いながら走るうち、芝浦出口から降りるのをスカっと失念して、普通に芝浦パーキングへ向かってる、かみ@38歳:ドタマ弱め。レインボーブリッジを渡りながら、『そーだよ、こっからじゃ芝浦で降りられねぇじゃん』とつぶやいてみる初春。

芝浦PAで首都高マップをもらい、イチバン近い出口を探す。

芝公園で降りて、四苦八苦しながら約束の店に着くと、時間をちょっとすぎてしまった。

R君はすでに来てて、雑誌を読んでいるようだ。

彼のマシンを横目に見ながら店に入り、コーヒーを飲みつつ、しばらく喋りこむ。しゃれた店の雰囲気と、食事しながら雑誌を見てるオトコマエつーのはマッチングがいい。やっぱ絵になるね。と、確実に北千住のオンボロ飲み屋の方が似合う男は軽くため息をついたり。

キャスタからのメールに笑ったり、こないだ彼が行ったと言うツーリングでの出来事なんかを聞きつつ。

さて、そろそろ走ろうか。

R君の先導でガソリンを入れたら、首都高に上がってそのまま芝浦PAへ。

「それじゃ、まずはかみさんの知ってるこっちのコースを、3周しましょう」

メットの奥でうなずくと、R君はさらりと、ツーリングに行くように走り出した。

 

合流の一時停止を停まり、そこから本線に入りつつ加速してゆく。今日は飛ばさずに引っ張ってくれると言う、非常にありがたいシチュエイションだ。道も覚えなきゃならんが、それよりもR君の後ろで勉強させてもらおう。ちょっとずつスピードを上げながらも、スムーズに走るR君。

それほどぶっ飛ばさないし、直線では待っててくれるので、何とかついてゆくことが出来る。

一周目とはいえ、何度か走ったことがある新環状。おぼろげに覚えているので、怖さはまったくない。少なくとも、R君が引っ張ってくれるくらいの速度では、破綻することがない。後ろについて、彼の走りをじっくりと見せてもらいながら、自分の走りを少しづつ修正してゆく。

筑波ほどオーバーアクションは要らないが、高速だと思ってサボると曲がりきれない、このなんとも不思議な感覚は、首都高だけのものだ。いや、関西とかにもあるのかもしれないけど、俺の知ってる限りでは、高速でつま先を擦ったりするのはココだけだ。

 

同じような速度なのに、なぜ、R君の走りは、アレほどスムーズな感じがするのか。

しばらく走るうちに、思い当たる。

なるほど、彼は極端にブレーキをかけてないのだ。つまり、彼にとってこの速度は、余裕で流してる状態なのである。俺と比べて極端に加減速が少ないのは、この速度でコーナリングするならブレーキが要らないから。

あまりにキレイな走りと圧倒的な差に、悔しいとかさえ感じない。

それよりなにより、上手に引っ張ってくれるので、も、楽しくて仕方ない。俺が追いつくようになると、ちょっとだけ速度を上げてくれたり、コーナリングでは時々付いていけないような速度で走ってったり、楽しいわ参考になるわ、このあと授業料を請求されたら素直に払いそうなイキオイだ。

一周走って芝浦に入り、『スピードとか、このくらいで大丈夫ですか?』と気ぃ使ってくれる彼に、メットの中でニコニコしながらうなずくと、そのまま二週目にはいる。うん、道はだいぶんわかってきたから、カンバン見ないで走れるぞ。

 

やっぱりこのクラスになると、マージンとって余裕で走っても、すり抜けもかなりいいペースだ。俺はよく『すり抜けが得意』とか言ってるが、首都高のレヴェルでは、『まぁ、走れるね』程度の話なんだなぁと感心しつつ、それでも、二本目はもう少しついていけるようになった。

いや、ついてくこと自体はR君が後ろ見て走ってくれるからそんなにつらくないのだが、そうじゃなくて、自分で感じる速度が、さっきよりいくらか上がってきてる。さっきより余裕を持って、しかもさっきより早い位置でアクセルを開けられる。

峠を走ってるときみたいに、サスの動きを感じることが出来る。

もっとも、あとで聞いたら俺が苦戦しつつ走ってた、ちょっとツイスト気味の場所を、速いヤツラは全開でぶっ飛んでいくつーんだから、も、あきれるつーかため息も出ない。ま、とりあえず速いヤツのことは置いといて、自分の走りで楽しもう。

 

三本目は芝浦に入らず、そのまま行く。

今度はさすがに、ほぼ全線、気持ちよく楽しく走ることが出来た。3周走って芝浦に入ると、R君の友達がやってくる。R君と彼の友人の話を横で聞きながら、俺は走り出す前のテンション上がりすぎの状態が、ほど良く冷えていい感じになってきてる自分に気づく。

「かみさん、もうお腹いっぱいって感じですか?」

R君の問いに、腹すかせたガキみたいにぶんぶんと首を振りながら

「いやいや、全然。付き合ってくれるなら、もっと走りたい」

「それじゃ今度は、内回りを走りましょう」

と、C1内回りを先導してもらう。

こっちは、も少しツイストしてるし、クルマも結構いるので、速度自体はさっきより落ちる。だが、俺的にはほぼまるっきし先のわからない道だ。気をつけながら、充分マージンをとって走ろう。おいてかれそうになっても、R君は待っててくれるから、慌てる必要はないぞ。

R君のすりぬけを、『ちょっとmoto君に似てるなぁ』と思いながら走ってゆく。やがて一周しそのまま二週目に。コーナーのRが小さい分、多少大きめのアクションになるから、操ってる感があって楽しい。前を行くR君が(俺から見ると)ガッツリ突っ込んでいくのを見つつ、立ち上がりで喰らいつく。

ひとりでこの速度で走れるかは怪しいが、とにかく、首都高を今まででイチバン楽しく走れてる事実の前には、そんなことはどうだっていい。そのまま三週目に入る。このころにはだいぶん速度を上げることが出来てきた。道を覚えたわけじゃないが、気をつける場所はわかった。

やっべ、すんげ楽しい。

 

と、R君が道を変えて、箱崎に入る。

「トイレ行きます。このあと、新環状で芝浦まで行きますけど、例の白煙のチェックと、あと走りも見たいので、わかるところから先を走ってください」

了解ですよ、師匠。最初よりちったマシになったと思うんで、見てやってください。てなもんで、正直、もう白煙とかどうでも良くなってた。走り出してしばらくしたところでR君が俺を前に出す。せっかく見てもらうんだから、なるべく気合入れて走ろう。

コケたら迷惑かけるから、コケない程度に頑張るぜ。

さすがに覚えた新環状を、今までの集大成とばかりに走り出す。イケないような無理をしないで、言われたとおり、直線はしっかり開けてコーナリングは気持ちいいくらいで。例の速いヤツなら全開で行くって言う、曲がってるんだが真っ直ぐなんだかハッキリしないあたりへ差し掛かり。

全開なんて程遠いけど、俺なりに気持ちいい速度+ちょいくらいで走る。

『+ちょい』はもちろん、後ろでR君が見てるからだ。

 

芝浦PAに戻ると

「白煙、全然大丈夫でしたよ」

のあと、『思ったより速かった』『最初より速くなった』とほめてもらって、ちょっとゴキゲンの俺。

時間は1:00の10分前くらいだったかな。

やってきたR君の知り合いと、ちょっと話をした。近眼の治療であるレーシック手術の話してたら、その手術をやったというヒトが、俺に割引券をくれた。その額、なんと25000円相当。しかも『いっぱいあるし、俺には紙切れですから』なんて受け取りやすいセリフ。

や、神奈川の病院だから行けるかわかんないけど、初見の俺にくれたってのが嬉しいじゃん?

 

さて、そろそろ速い連中がやってきて、俺は確実にジャマになるだろうし、明日は仕事&ケモ。ガソリンもあと半メータだから、俺はそろそろ帰るよ。気持ちよく引っ張ってくれたコトを心から感謝して、R君に別れを告げると、柏を目指して走り出す。

帰り道で、R君のまねをして先を読みながら、なるべく速度を殺さないで走ってみた。

うん、気持ちいいけど、かなり平均速度が落ちるね。これであの速さだってんだから、あの男はすげぇや。上手いのも速いのもわかるけど、それがどのくらいってのがちっとも見当つかない。底が知れないってのはこういうのを言うんだな。

俺は、美しくスムーズで見る者に強烈な印象を残すあの走りを思い浮かべながら。

深夜の高速をゴキゲンで走り続けた。

 

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