The 57th big machine club

2008.08.10 第57回でっかいもん倶楽部 in 北茨城ビーフライン

〜シンクロナイズド〜

 

朝起きてみると、身体の重さはずいぶんと軽減してる。

これなら、走れそうだ。ただし、俺はメンタルがめっぽう弱いので、ここで体温計を見てしまうと、その瞬間グロッキーになる可能性がある。ここは知らん振りを決め込むに限るぜと、準備をして9:00より10分ほど前、家を出てバイクのところへ向かった。

すると。

すでに到着してる、GO!!!君とAGLA13のふたり。

やる気満々の連中に『日曜のこの時間なら国道もそんなに混んでないと思うけど、どうする?』聞くと、間髪いれずに『面白い方で』つーアタマの悪い返事が返ってきたので、それじゃあと国道を避けて県道19号から筑波に向かうルートを取る。

筑波までは俺が先導するのだが、言ってもGO!!!君とAGLA13、俺の速度差は、場所にもよるが平均すればそれほど大きくない(俺認識)ので、走るときに後ろを確認しないで済むのがすごく楽だ。交差点だけ気をつけて早めに指示器を出し、あとはいつも通り走る。

 

40〜50分弱くらいで、筑波に到着した。

この間は土浦北インター側から、そのままパープル(表筑波)に上がったので、今日は西側の筑波スカイラインから上がり、ついでに風返しも走ってからパープルに行こうと思っていたのだが、上がってみたら風返しに救急車が来てたので、そのままUターンしてパープルへ入った。

パープルを気持ちよく走ってゆく。

R1000で峠に来るのは初めてだが、思ったとおりハヤブサのときほど苦労しないで走れる。もちろん、まだまだ使いこなすなんて言えないが、それでも楽しく気持ちよい速度で走れるんだからSSってのはすげぇなぁと感心しつつ、時々ミラーでGO!!!君やAGLA13を確認。

と、前にクルマが三台いて、詰まってしまった。

三台だと、抜くのに苦労するなと思いながら走っていると、突然、先頭の車が右ウインカーを出す。続く二台も右ウインカーを出し、次の瞬間、加速し始めた。おぉ! 飛ばし始めたぞ、と嬉しくなって後ろにつけた俺は、追撃体勢に入ってアクセルを開けた……のだが。

 

速ぇんだ、こいつら。

えらいイキオイですっ飛ばし、そのままコーナーに突っ込んでゆく。おいおい、俺はこの速度じゃ入れねぇよとブレーキをかけて、それでもさっきまでよりはキッチリ突っ込んでゆくのだが、立ち上がるとヤツラは先へ行っている。くっそと短い直線で開けるも、次のコーナーのツッコミで引き離され、ジリジリと前に行かれてしまう。

駐車場についたときには、コーナーひとつ分くらい離されてしまった。

ちょっと悔しい。

ランエボ、ロードスター、ポルシェの三台。速かった。

 

駐車場で休憩しつつ、バカ話。

しばらく話したら、もう一往復行こう。

今度はAGLA13が先頭で、GO!!!君、俺の順番。GO!!!君の走りを後ろから見てると、相変わらずキレのあるコーナリングだが、スカスカで見たときは、もっと切れるというかブレーキリリースした瞬間、コケたんじゃねーかと驚くくらいバンキングが早かった気がするなぁ。

なんててめぇを棚に上げて思ってると、あっという間にUターンポイント。

ところがウカツにもAGLA13にその場所を教えてなかったので、AGLA13は先まで行ってしまった。GO!!!君がその後を追ってる間に、姑息な俺はサクサクUターン。帰ってきた二人がミラーに見えた段階で、クラッチをつないで走り出す。俺、GO!!!君、AGLA13の順。

この辺から、ちょっとづつ乗れてきた感じの俺は、調子に乗って飛ばしだす。GO!!!君に比べると、俺のバンキングは遅い。ブレーキも手前からかけて、早めにリリースする。ただ、道を知ってる分、俺の方が同じようなマージンでもイケるので、有利だ。

やっぱり、峠を走るのは楽しい。

 

駐車場まで来たところで四点を出し、すぐに見えた二人を確認したら、そのままパープルを出て北へ向かってくだる。いわゆる頭文字Dルートをくだり(カマボコだらけの路面ボロボロで、走れたもんじゃないが)よしなしオススメのソバ屋を左手に、フルーツラインへ。

ここから笠間あたりの50号までも、結構楽しいワインディングが続く。

ミラーを見れば必ず二人が見えるのが嬉しくて、ご機嫌で50号のコンビにまで。

ここで一服したあと、ビーフラインまでを俺が先導し、そこからGO!!!君にバトンタッチの予定なのだが、その前に通りがかりのスタンドで給油をしようという話になる。ところがスタンドなんてカケラもないまま、数キロ先の県道一号線まで来てしまった。

一号の入りっぱなで単車を停め、GO!!!君と相談する。AGLA13は会合に参加しない(笑

結局、あと4,50kmは持ちそうだから、このままビーフラインを上がって、国道123号とクロスするあたりで給油しようということに決まり、GO!!!君先頭にビーフラインを走り出した。とは言え、笠間付近のビーフラインは減速帯が多くて走りづらいから、まずはのんびり。

 

やがて徐々に速度が上がり、気持ちよくコーナリングしたり、アップダウンの多い直線をダイナミックに駆け抜ける。20kmほど走ると、県道51号線にぶつかるので、ここからGO!!!君のオススメルート。51号を右へ折れ、5kmほど行った所から、新しくてキレイな道に入る。

城里テストセンター横を抜ける、北茨城ルート屈指の高速ワインディングだ。

直線では軽く200をオーバーする高速ワインディングとなると、低中速ワインディングがちょっぴり苦手なAGLA13も、俄然、元気を取り戻す。逆に高速ワインディングの苦手な俺は、ヘルメットの中で言い訳を考え始めるわけで、いや、ホントはそんな余裕さえない

GO!!!君に遅れだしながら、後ろのAGLA13に突っつかれながら、なんとか走りきり。

ビーフラインに戻って123に出たところで、いったん給油。

 

大桂大橋のトンネルで『俺はやっぱり、トンネルは苦手だなぁ』としみじみ思いながら、日立大宮市内のビーフラインを駆け抜ける。国道118を1km北上して、さらに県北東部広域農道と名前を換えた道を、三人は飽きることなくランデブー。単車って、やっぱりこの時間が最高に楽しいよね。

29号をちょっとくだって松平交差点から県道33号を一気に北上。竜神大吊橋の脇を駆け抜け、461を東へ向かうと思いきや、なんとGO!!!君そのまま北上。袋田の滝を超えて道の駅『奥久慈だいご』へ向かう。なぜなら、そこから東に向かって伸びるモノがあるからだ。

その名は『県北北部広域農道』。

全長10kmのこの道を走るために、あえて遠回りをするこの姿勢こそ、このオトコがハイスピードランナーでありながらツアラーを自称し、かつ、周りがそれを納得してしまうゆえんなのである。平たく言うと、走るのが大好きなキチガイってことだ。最高だよね。

道の駅『奥久慈だいご』にて。ちょっと変わったアングルから。

暑いわちょっと具合悪いわで、ソフトクリームだけ食ったあと、トイレを済ましたら出発。広くて気持ちのいい県北北部広域農道を、西から東へ駆け抜ける三台のスーパースポーツ&それを駆るバカ三人。こんなに楽しいなら、あとで風邪がぶり返してもまるきし問題ないね。

 

GO!!!君は最近、rakからフェーザーを買って、ツーリングにはもっぱらそっちを使ってた。

んで、本人いわく『俺バカだから、乗らないと乗り方忘れちゃうんですよ』と苦笑してたように、久しぶりのR1を、わずかながら扱いかねていたようだ。それが、さすがにこのあたりになってくると思い出してきたようで、バツグンにコーナリングが切れてくる。

ちなみに俺は上記の話を聞いて、『俺もしょっちゅう忘れるけど、俺はバカじゃない』と心の中で反論してた。だが冷静に考えてみたら、GO!!!君は数時間で思い出すものを、俺は調子良かったら二三日忘れるから、俺のほうがバカってことになるじゃないかキーッ!

それはともかく。

見たことある人なら知ってると思うけど、切れ始めたGO!!!君のコーナリングってのは、なかなか始末におえない。突っ込んでってブレーキ。ブレーキランプが消えた瞬間、スパンと足元をすくわれてコケたみたいな高速のバンキング。寝たと思ったらすすすっと立ち上がり、一気に加速してゆく。

一連の動作によどみがないもんだから、何の疑問もなく同じコトをやりそうになり、当然、出来るはずもなく、ヘタクソな俺はとっ散らかってしまう。二三度そんなのを繰り返し、ようやく、同じところでブレーキしてちゃダメだと気づく、ウカツなかみさん38歳。

 

GO!!!君よりラインを少し内側にとって、ワンテンポ早くブレーキをかけ、そのままバンクし始める。俺が寝かし終わるか終わらないかくらいで、彼はすでにバンキングが終了してるので、立ち上がりのラインをクロスするようにして、出来るだけ早くアクセルを開ける。

突っ込みでブレーキングが軟弱な分、コーナリングから立ち上がり始めは俺の方が少し速度が乗ってるから、単車が起きてワイドにアクセルを開けられるGO!!!君と、結果的にトントンで立ち上がれる。言葉にすると、こんな感じだろうか。う〜ん、ちっと違うかな。

もちろん、俺の方が後から入ってるから、クロスするのは俺が後ろだ。

中低速コーナーで置いて行かれることがなくなったので、精神的にだいぶ楽になった。もちろんブレーキのタイミングが早いから、後ろのAGLA13は俺と似たような入り方するしかないので、自由度が少なくなってしまうのだが、ゴメン、もう後ろとか気にしてられないんだ。

今度、旨いもの食わせるから許してね、AGLA13。

てな感じで楽しく走り、広域農道からせまっ苦しい峠を走ったりしてるうちに。

北茨城東部広域農道のイチバン有名なところに到着。

 

ジュース飲んで一服してから、早速、広域農道を走り出したのだが、季節が夏なのを忘れてた。道の両脇の茂みが巨大化してて、前に来たどの回よりも、走りづらい。日曜だけに二輪四輪、どちらも結構いて対向車がちょっと怖い。もっとも、それでも充分楽しいけど。

前回の半分くらいのイメージで、頂上まで到着。

景色はいいものの、なんだか物足りない感じ。AGLA13をみると、やはり走りたそうな顔をしてるので、んじゃ、ここでダベるのはやめて反対側までくだろうと、イッキにくだり始める。対抗とブラインドに気をつけ、80%くらいでくだってゆくのだが、ここで俺は気づいた。

「あれ? なんか下りが怖くない」

乾燥320kgのVTXから始まって、340kgのロケット、109Rでは来てないけど乾燥220kgのハヤブサと割合でかい単車でばかり走ってるからか、乾燥172kg(諸問題あるようだけど:笑)のR1000での下りが、とてつもなく楽勝なのだ。速いってことじゃなく、精神的に楽

怖くないと調子に乗るのがヒトのサガ。主に俺のサガ。

「いやっほぉーぃ!」

雄たけびを上げながら、満面の笑みで峠を下り、Uターンして登り、また下る。

楽しくて仕方ない。

 

で、一往復して帰ってきたら、

なにやら怪しげな集団に取り囲まれた。

「こんちわー! どっからきたんですかー!」

ちっとも怪しくない。むしろいいヒトたち。地元らしい走り屋っぽい人たちと、挨拶を交わしてダベる。AGLA13のマフラーに食いついたあと、彼らはGO!!!君のR1に食いついた。バックモニタ外してあるとは言え、オーリンズ、マルケジーニ、食いつきどころ満載のマシンだ。

無論、ドノーマルの俺のR1000は軽く放置。

つーか、放置なら放置してくれよ。頼むからそんな優しい目で見ないでくれ。泣くぞ?

やがて1098までやってきた。

乗り手は写真右端のおじさんつーか、かなり老年に近そうなヒトだけど、話してみれば中身(精神)は若い。みんなすげぇいい笑顔で話しかけてくるので、パーツの話ができない分、俺はムダにいろんなことを話し込んだ。冗談を言って笑い、単車の話で盛り上がる。

コレもまた、ツーリングの醍醐味だよね。

相手が盆栽系のヒトならともかく、みなどっからどう見ても走るヤツラなので、話の内容や口ぶりにイラっと来ることがない。これから帰るのかと聞かれて『そうです』と答えると、461と394がぶつかった交差点にあるコンビニまで一緒に行かないかと誘われる。

行くに決まってるじゃん。

どうせGO!!!君やAGLA13も断らないと思ったので、二つ返事でOkすると、彼らと一緒に走り出した。走り出してすぐ、一番後ろの10Rかな? のヒトが道を譲ってくれたので、俺たちは前に出て、俺と同じ色(ちょっとだけ違う)のR1000のヒトについて走った。

 

思ったとおり、彼らはわりと速かった。

だが、もちろんスカスカの時ほどではないから、三人とも余裕を持ってついてゆける。車を抜く関係でR1000のヒトがちょっと前集団に離され、そこから追いつこうと気合を入れて走り出したときも、慌てることなくついてゆけるし、コーナリング中に追いつきさえ出来た。

ま、三味線ひいてた可能性もなくはないけど、夢くらい見させろよ。

そんなこんなで、コンビニに到着。

なんかマスツーみたいな画。

面白いから全部入れようと思ったけど、AGLA13だけ入らなかった。

可哀想だから

こっちからも撮ってみた。

ここでジュースを飲んで少し話し、メシ食ってる彼らに挨拶して、三人は帰路につく。

最初は高速で帰ろうかと言ってたのだが、まだ時間は充分にあるので、下道で行くことにした。いや、高速代が惜しいとかそんなんじゃなくて、この時間が終わってしまうのが惜しかったのだ。思案の末、帰りもビーフラインを戻るワインディングコースに決定する。

好きだねぇ、ホント。

50号に出たところで、最後の給油。前回、昼メシ食ったところだね。

ここから友部で高速に乗るかって話も出たが、やはり俺はこのツーリングを簡単に終わらせたくなくて『かみさんが決めていいですよ』言われた瞬間、『じゃ、下道で』と答える。んで、GO!!!君が先頭にでて走り出し、途中で俺が先頭になったりしながら南へ走った。

途中、軽く迷いかけたりもした(もちろん、俺が先頭のときだ)けど、無事、6号に出る。

6号に出るところで、信号待ちの間にGO!!!君と撮ろうと思ったら失敗して俺だけ。

 

んで同じくAGLA13と撮ろうと思ったら、こっちも失敗して俺だけ

なにこの自分大好きヤロウ。

6号を南下しながら、千代田石岡でAGLA13は高速に乗る。手を上げて別れたあと、GO!!!君とふたりでさらに国道を安全運転。こんなの見られたら、警察に表彰されちゃうんじゃないだろうか的な走りで、ふたりは延々と走り続ける。途中、さびしくなってきた俺は

「GO!!!君、道、すげぇ混んでるぜ。俺んち寄ってかない?」

と軽くホモセクシャリィな誘いをかけてみたが、穏やかに微笑みつつ目をそらして返事しねぇGO!!!君。ま、さすがに疲れてるだろうしね。北柏あたりでGO!!!君と別れたところで、本日のCrazy Marmalade でっかいもん倶楽部は、残念ながら終わりの時間となった。

最後の方は、三台がシンクロして走れた、すげぇ至福の時間だった。

 

曇りとは言えかなりクソ暑く、こないだよりもワインディングの総距離が長かった上に、結局、一度も高速に乗らず、延々と下道を走ったというのに、少なくとも6号線に乗るまでの間は、疲労感をほとんど感じなかったのが、なんだか不思議な感じだった。

GO!!!君やAGLA13が速いのはわかった上で、それでも三台の速度差にそれほどばらつきがなかったんだ、シンクロして走れたからだと思いたいところだが、冷静に分析してみるに、残念ながらそう言うコトでもないようだ。帰って体温測ったら、また熱が出てたから。

テンション上がってて、疲れてるのがわかんなかっただけみてぇだよ。

また、おかゆに逆戻り。

 

でも、今日は本当に楽しかった。

GO!!!君、AGLA13、ありがとう。

また一緒に走ろうぜ。

 

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