The 74th big machine club

2009.04.04 第74回 でっかいもん倶楽部 in 筑波 &宴会

―セッティング?―

セッティングを出そうつんで、午前中の仕事がハネたら筑波に行く気満々。

すると最後の方になって、赤いR1に乗った男が現れる。もちろん、自称ツアラーにしてナリさん組のツーリング隊長、GO!!!君だ。入ってきてブーツを脱ぐGO!!!君に、「ちょ、レーシングブーツ! なにそのやる気満々。今日はどこ行くの?」「ちょっと筑波にでも行こうと思いまして」で、ニヤリ。

 

それじゃぁとシートバッグにセッティング用の長ドライバを乗せ。

仕事がはねるや否や、アズスーンアズ飛び出す俺とGO!!!君。

途中でガソリンを入れて、16号から船取を折れて北上。県道19号を進んで矢田部から常磐道に乗る。俺は最近、200以上はあんまり頑張らない方針を固めているので、トップで250行かないくらいの感じで走ってゆく。

隊長は時々すっ飛んで前に出ては、三味線を弾いて戻るのを繰り返し、俺を無言で威嚇する。

やっぱ隊長って、超、怖ぇなぁ。

組長やなっこ姐ぇさんとの確執で、イラついてるのかもしれないね。

そんな感じで遊んでたら、土浦北はすぐ。途中まで下道を走って40分なら上出来だろう。

 

山を登ってそのまま一本目を流して走る。

サスペンションの手応えを確認しながら走っていると、なにやら思いのほか悪くない。心配してた低速コーナーも全然問題ないし、ダラダラ曲る長いコーナーなんてアクセル操作がちょっとラフでも安定して曲れる。もちろんその代わりに、『操ってる感』は若干希薄になるけど。

Uターンポイントまで来たら、隊長が俺のリアシートを指差している。見てみると、セッティング用のドライバーがかなり顔を出していた。もちろんグリップ部分の太さが通るほど開いてないから、落っこちることはないのだが、ま、後ろを走ってて気持ちのいいものじゃない。

なので隊長に詫びつつ、ドライバをバッグに入れ直して、今度は下りを80%で走り始める。

うん、下りもいいね。寝かしてゆく時の挙動が、神経質じゃなくなった感じ。全体に接地感が少し希薄と言うかサスの奥を使うには積極的な入力が必要だけど、それはまぁ減衰が前より締まってるんだから仕方ないだろう。ナリさんみたいにアクティブに走らない最近の俺には、むしろ好みかも。

なんだかんだ結構気に入ってしまったので、結局、いじらないでこのまま行くことにした。

セッティングもクソもないじゃん、俺。

休憩所で、GO!!!君と一服しながらダベりんぐ。

バカ話しながらしばらく休憩し、二本目に行こうといったら隊長。

「いや、ボクはもういいです。同じところ何回も走るのつまんないんで」

つわけでひとり寂しく、二本目に突入する。

 

俺より若干遅い四輪が遊んでくれたので、それでもあんまり退屈しないで走れた。操ってる感を犠牲にして、全体的には少し速く走れるようになったのかな? 怖くないし多少ラフに扱っても安定してるので、安心して寝かしたり開けたり出来る分、アベレージはちょっと上がった気がする。

一周して戻ると、隊長が若者と話していた。

GSX-R1000のケーロクが欲しいと言っていたその若者とちょっとしゃべり、隊長とイロイロ話し込んでるうちに、どうもタイアが終わってるっぽい事に気づく。リアはそれでもスリップサインまで行ってないが、フロントのショルダーはガッチリ無くなりんぐ。

ちょうどいいから、こないだ発売されたパワーワンを入れようと決める。

つーか思うに、センターが減らなくてサイドが柔らかい最近のタイアは、センターだけアホみたいに残るから交換するときにちょっと思い切りが要るね。GO!!!君みたいにスパっと寝かすタイプの乗り手にはいいんだろうけど、俺には精神衛生上よろしくないかも。

「リアタイア、まだ半分弱ぐらい余ってるから、またじゅんにあげようかな」

「なに、じゅんを手なづけようとしてるんですか」

「や、廃タイアで、しかも016で、いったいナニを手なづけるんだっつの。なんとなく思いついたから、言ってみただけだよぅ。むしろ逆に、「俺は廃品回収じゃねぇです」って怒られるよ、マジで。ま、他に要りそうなヤツもいないし、いいや、捨てちゃおう」

そうと決まればサスもいじらないことにしたわけだし、とっとと戻ってタイア交換したい。

俺たちは柏ライコ目指して筑波山を下った。

 

ライコランドについたら、早速タイアコーナへ。

パワーワンがなかったらコルサ3にしようとか言いながら行ってみると、どうやら売ってる。んじゃ、買おうかつーんでレジに行ったら、昔の患者さんの女の子(つっても二児の母だが)に行き会ったので、タイアくれつって手続きしてもらった。すると、待ち時間が1時間以上だという。だもんで

「GO!!!君、先に帰っちゃっていいよ」

「ヤですよ、面白いものが見れなくなっちゃう」

「う〜んと、それはアレかい? コ・ケ・ロってことかい?」

鬼の隊長らしいセリフに大笑いしながら、とりあえず店内を見て回って時間をつぶす。そのうち「あ、そういえばアレが必要だったんだ」つーのを、お互いに思い出して、GO!!!君はバンジョーボルトだったかな? 俺はピンロックシールドのピンロックシートを買い込んだ。

店内にも飽きたので、外でタバコ吸ったりコーヒー飲んだりしながらしゃべる。

つーかライコは当然、単車がイロイロ来るので、見てるだけでも結構楽しい。

キャスタのRVTのシールドとタメを張る、なかなか強烈なシールドのRVF。

 

と突然、携帯が鳴った。ま、携帯はたいていの場合、突然に鳴るもんだけど。発信者を確認するとショーファーさんだった。いつもなら急襲するヒトが珍しく「今から行きますよ」電話をかけてきたのだ。俺は家に居なかったんだから、すげぇ野生の勘だ。俺のシックスセンスとは大違い。

とりあえずショーファーさんにタイア交換してる旨を伝え、あとで合流しましょうと電話を切る。

すると、ぽつりぽつり来てた雨が、ソコソコ降り始めた。思わず天を仰いで、哀しい悲鳴をあげる。

「うわぁ、俺、あのタイアで、しかも新品で、雨の中を帰るのかよ」

それを聞いたGO!!!君、ニヤリと笑って。

「お膳立てはバッチリですね。期待してますよ」

いっそ先に俺んちに帰っててくれないですか、隊長?

 

そのあと、千葉の吟遊詩人GO!!!君に『伝説のオイル』のサーガを聞いたりしながら、なんだかんだ、トータル三時間くらい待たされて、ようやく作業完了。隊長の「タイア交換はやっぱり専門店が早いですね」の言葉に、スピスタでの悪夢を思い出しつつうなずきながら、新タイアを見る。

エグいねぇ。まさに小僧時代の思い出、ヨコハマゲッターみたいだ。

雨の中、「何があっても隊長の期待には応えないぞ」と言う断固たる決意の元、俺はだるま屋ウイリー事件直後の大泉洋さながら、そろ〜りと発進した。いつもの裏道なんぞゼッタイ通らず、国道の白線を踏むたびに「こぇ〜」と叫びながら、ほうほうの体(てい)で自宅に帰る。

 

Nに電話しておいたので、家に帰るとすでにケータリングの中華が来ていた。

そのままGO!!!君と宴会を始めていると、

ほどなくショーファーさんも到着。

つまみ的なものを、とお願いしておいたら、つぶ貝とかわさび漬けとか俺好みのつまみを買ってきてくれた。そのまま宴会になだれ込んでワイワイやってるうちに、俺はすっかり出来上がってしまう。となればいつもの得意技、宴会中の電話なんだが、そこで思い出した。

「あ、そうだ。俺、eisukeさんとショーファーさんを、話させたかったんだ」

どちらもガタイのでかいイカつい男たちなんだが、どちらも優しい笑顔にどっしりとした穏やかさを持っている。この二人はぜひとも並んで欲しいなぁと常々思っていたので、これ幸いとeisukeさんに電話を入れる。すると、eisukeさんはすでに就寝されていた(ちっとも『これ幸い』じゃありません)。

起こしてしまった事をわびつつ、わびた端からすっかり忘れて「eisukeさん、ショーファーさんと話してみてくださいよ。ふたりはゼッタイ合うと思うんですよね」などと、そんなに酔ってないショーファーさんと寝起きのeisukeさんのどちらにもメイワクな提案をして受話器を押し付ける。

ショーファーさんも、多分eisukeさんも苦笑しながら、それでもなにやら話してるのを見て、かみさん的には大満足。今思い返すと、ちょっと冷や汗が出るが。ショーファーさん、eisukeさん、ホント酔っ払いのワガママに付き合っていただきまして、ありがとうございました。

でも、めんどくさかったら相手にしなくていいですからね?

 

更に呑んだくれていると、さっき酔っ払って電話したとき出なかったフラナガンから、折り返しの電話がかかってくる。ついにフルパワーの新型V-MAXを手に入れた、現在、日本一浮かれている男フラ公としゃべりながら騒いでるうちに、夜もいい時間になっていた。

GO!!!君とショーファーさんが、ふたり同時に立ち上がったところで、突然の、しかし、いつもの通りの週末宴会は幕を閉じる。俺は翌日の衝撃などまるっきり予感もないまま、GO!!!君やショーファーさんと呑んだくれた時間を反芻しつつ、シアワセな気持ちでベッドにもぐりこんだのだった。

GO!!!君、ショーファーさん、eisukeさん、フラ公、みんな、楽しい時間をありがとう!

タイミング合ったら、また、いつでも!

 

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