The 76th big machine club

2009.04.18 第76回 でっかいもん倶楽部 in 磐梯

―スノーエンジェル―

 

土曜の仕事は半日だけど、混むからちょっと憂鬱だ。

だが、そのあとツーリングに行くというなら、話はまったく別物になる。つわけで 、比較的サワヤカに目覚めた俺は、朝っぱらから景気よくケーロクに飛び乗り、軽やかに飛び降りて、家に駆け戻った。あぶねーあぶねーETCカード忘れるところだったよ。他に忘れモンはないな?

よし、じゃあ出発だ! 仕事に、だけど。

 

仕事中、こないだ酔っ払って買ったものが続々とやってくるのだが、とりあえず今日使うのはビデオカメラだけだ。電池が同梱されてなくても使えるように、ちゃんと電池まで持ってきてあるもんね。これで今日は 、GO!!!君の走りをバッチリ写してやるぜ!

やれないぜ! SDカード持ってくるの忘れたぜ!orz

誰だ、「他に忘れモンはない」つったのは(あなたの脳です)。

ま、どうせ通り道だし、一度、家にSDカード取りに帰ってから行こうと決めて、仕事がハネると同時にGO!!!君と出発した。ところが、近所のガソリンスタンドへ行くまでに、自家製カメラマウントがすでに問題ありだと 言うことに気づく。

超、ブレるのだ。

コレはさすがに使えないやつーわけで、撮影はあきらめてそのまま高速へ向かった。

 

柏インターから高速に乗り、160くらいで適当に流し始める。

「今日は風が強いから、このくらいで行きたいところだけど、隊長、許してくれないだろうなぁ」

ばひゅん!

やっぱ許してくれなかった。

とは言え優しい隊長は、どうやら上限200くらいで走ってくれるようだ。これなら俺も、それほど苦労しないでついていけるぞ……うん、隊長は確かに200くれぇで走ってくれるんだが、それは残念ながら、例えトンネルだろうがクルマが群れてようが 、なにが何でも200ってコトらしい。

常磐道の強風の中、延々と200ですり抜けながら走り続ける。

170kmを一気に走って、湯の岳PAで給油。GO!!!君が「一服します?」言うので、反射的にうなずいたものの、ガソリンスタンドのそばでタバコ吸うってのもナンなので、「やっぱいいや」「それじゃあとは二本松まで一気に行きましょう」 「う、うんわかった」無休憩=隊長スタイル。

 

給油のみで走り出してからも相変わらず200ペースは続くのだが、走りながら隊長が、ちょくちょく左車線に寄るので「先に行けってことかな?」と思って、磐越道に入ってからおずおずと前に出る。隊長も疲れただろうし、先頭交代して走ろうか。

ここまで、なるべくタイアのやわらかいところを使わないよう、車体を立てて走ってたのだが、先頭に出てペースを作ってくれる人がいなくなったので、段々と速度が上がってしまう。タイアがイイのとサスが前より踏ん張ってくれるので、高速コーナーがすげぇ楽しい。

230〜240でうねんうねん楽しく曲がってると、隊長が少し離れた。

やっぱフェーザーだと厳しいんだろうなぁと思いつつ、ちょっとアクセル抜いたり、またすっ飛ばしたり。隊長もそこまでムキになってすっ飛ばさずにいるようなので、俺も楽しくすっ飛ばすことに専念。なんだかんだ、結局一時間半くらいで二本松に到着した。

なにやらボロボロ。

前に、ぁゃ。ちゃんに「パワーワンってすげぇ減るでしょ?」と聞かれて、「そうでもねーけど」言ってたんだが、どうやら長時間負荷をかけ続けると簡単に減るようだ。ぁゃ。ちゃんゴメン。俺ウソついた。隊長が「そういう風に設定されてないんでしょうね。レースタイアと一緒ですよ」と教えてくれた。

 

高速を出たところで、地図を見てこの先を確認。

タバコも吸いたかったので、適当にコンビニに入ろうと決める。

コンビニに入って休憩してると、moto君から着信があった。

早速かけ直したのだが出ない。しばらくして、また着信があったので、急いで出たのだが切れてしまった。とたんに俺の心臓が高鳴り始める。「ちょ、まさかまた騙す気じゃねぇだろうな? もしかして今度はGO!!!君と手を組んだのか、あの男?」と疑心暗鬼が鎌首をもたげる。

が、よく考えたら「ここで参加してくれる分には、むしろ大歓迎」なわけで、しかも電話しちゃったら、これっぱかしもサプライズにならないんだから、さすがにそれはないか 、と思い直す。う〜ん、どうも俺、疑い深くなってるなぁ。しばらくリハビリが要るかも。

 

一服し、コンビニで買ったウエットティッシュでシールドの虫をふき取ったら、さて、出発しよう。

俺が前に出たり、GO!!!君が前に出たりしながら、気持ちよくワインディングを走ってゆく。途中で道に迷ったりしつつも、なんとか磐梯吾妻スカイラインに到着した。入り口でここまでの高速代と同じくらいの金を払って、雪があるところでとりあえず写真撮影。

「天気がいいから、だいぶん溶けちゃってるっぽいねぇ」なんて話しながら、登りはじめる。

 

途中に、カンペキ溶けかかった雪の壁。回廊つーか残雪だね、これは。

ワインディング自体は、道も荒れててUターンチックな低速コーナーの多い、普段なら好きだけど300km走ってきた後だと正直しんどいっつー感じの道。サスペンションをほぼ標準に戻してから、初めて走りづらいなと感じた。低速コーナーはさすがに、やわらかい方が走りやすいね。

ま、知らなきゃ「こんなもんだろ」ってレヴェルのハナシなんだけど。

 

途中で雪が溶け出して道が濡れてたりするので、余計に走りづらい。これが筑波くらいの距離にあるなら、このくらいの荒れっぷり、楽勝なんだけど。それでもえっちらおっちら登ってゆくと、かなり上の方に 来て肌寒さを感じ始めるくらいになってから、ようやく回廊チックな場所にめぐり合った。

残念ながら、排気ガスでかなり汚れてる。

 

まっすぐな道の向こうに綺麗な山が見えて、ちょっと癒される。

 

頂上付近になると、結構、雪が残ってるね。

 

当たり前なんだが、雪に囲まれてるから、えらく寒い。

少なくともTシャツに革ジャンで走るのは、できればやめたほうがいいよ。

 

やがて回廊も終わり、休憩所が見えてきたので、そこに入って休憩する。

山の中腹の黄色いのは硫黄かな? つーか明らかに四月の景色ではないよね、これ。

 

隊長がインナーを取り出して着込み始めたので、俺もインナーダウンを着る。

いや、マジで寒いんだよ。

 

ここでトイレに行きながら携帯を見ると、moto君からメールが入ってる。 ドキっとしながら見てみると、なんか普通の内容だったので安心した。んで急いで返事を書き、送信しようとしたら、ココ、圏外でやんの。なのでさっさとトイレを済ませて、単車のところに戻ると。

た、隊長!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんか、ムダにカッコいいんですが。

雪山の頂点で景色を眺めながら、隊長はいったい何を思っているんだろう。

晩のおかずかなぁ。

 

思わず、「隊長、なんかカッコいいぞ!」と声をかけると、GO!!!君、ニヤっと笑って降りてきた。

と、突然、強い風が吹く。

なにこの隊長プロモーションビデオ。

ちょっとテロップとか入れたら、ファンクラブできちゃうんじゃね?

やってみようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほら、人気爆発。

とりあえず、写真撮影とプレゼントは、柏の事務所を通してください。

 

隊長の人気が爆発したところで、これからの予定を立てる。

とは言え、すでに時間は五時を過ぎているので、来た道を戻って別のワインディングを走るか、このままスカイラインを抜けて帰るか。本来ならワインディングに行きたいところだが、痛恨のミスでもうガソリンがない。貧乏ランプ点滅させながらワインディングとか、 正直、願い下げたい。

つわけで、このままスカイライン残りを走って、下で給油して帰ろうと言う運びになった。

300km走って、ワインディング走って、帰るだけ。まさに隊長クオリティのツーリングだ。もちろん俺はこういうの大好きだから、疲れはありつつもご機嫌。すると隊長、「明日、千葉にツーリング行きますけど、かみさんも行きますよね?」と 、笑顔でとんでもない事を言い出した。

「いかねーよ! なんで今日、半日で600km以上走って、明日またツーリングなんだよ」

「ボクは行きますけど」

マネージャーとしては、彼に自分が変態だってコトを早く自覚して欲しいところだ。

アイドルとして、かなり致命的。

 

残りのワインディングを燃費走行で下まで降り、給油してから高速に乗る。

「GO!!!君、俺は帰り、しんどいから100くらいで帰るからね」

「はい、はい」

なにそのニヤニヤ。

んで高速に乗って走り出したのだが、ホントに少しくらいは100で走ろうと思ってたのに、隊長、まるっきし容赦ない。仕方なく後ろについて走るうち、 だんだん速度が上がってきて、そうすると俺の方も「できれば明るいうちに磐越くらいまでは走りたいな」と思っちゃっても仕方ない流れ。

結局、行きと同じくらいのペースで走り、あっという間に磐越を駆け抜ける。

そのまま常磐道に入って、俺がちょっとペースを上げると、隊長が道を譲ってくださった。それじゃぁと追い越して、200ナンボで走っていたら、後ろにぴったりつけた隊長が、軽くロールを切る。 隊長のフェーザーはライトが「ハイビーム?」ってくらいまぶしいから、超、あおられてるフレ−バー。

「なんでこんなにいじめっ子なんだろう、このスノーエンジェル」

と思いながら、俺もペースを上げる と。

ばびゅん!

たぶん250くらい だろう、バシっとイカれた。それでもフェーザーよりはケーロクの方が速度を出すのは楽だし、隊長もそこまでホンキモードじゃないから、シフトダウンしないで6速固定のままでも、なんとかついて行ける。

つーか途中まで「タイアの柔らかいところを減らさずに走ろう」と、ムダに車体を寝かせないで走ってたらヘンなクセがついちゃって、そのまま速度を上げて高速コーナーに突っ込んでいった とき、やたら曲がらなくて、一瞬、怖い思いをした。貧乏臭いことはやめた方がいいね。

そんな風に遊んでたら、あっという間に高萩の近く。

給油がてら、最後の休憩。

「今度こそ、本気で100だからね」

GO!!!君、無言で流し目&ニヤリ。

ガソリンを入れて走り出し、120くらいで流す俺の横を、隊長がスパっと抜けていった。仕方なく俺も後ろにつけ、150〜170くらいで延々と走る。あくまで速度はこのへんのまったりペースのまま、速度をなるべく落とさずにすり抜けを始めるGO!!!君。ちっとも疲れが見えないなぁ。

速度が遅いとは言え、もう日もとっぷりと暮れて、暗闇おっさん殺しの時間だ。

平たく言うと目が見づらいので、隊長のテールを目印に、俺も車線をいっぱいに使ってクルマの列を縫う。ダンスを踊るように、ジャレながらすり抜け。並んで走ったり、前後で走ったり、ラインをクロスしてみたり。疲れてるはずなのに、なんだかやけに楽しい。

遊んでるうちに、千代田石岡だの、土浦北だの、谷田部だの見慣れた文字が見えてきて。

流山で降りる隊長と柏インターで別れたところで。

本日のCrazy Marmalade でっかいもん倶楽部は、流れ解散となった。

 

半日で600kmって言う数字だけ見たら、結構シンドいツーリングだったはずだけど、隊長と遊びながら走ってたせいで、それほどキツいと感じなかった。いや、普段は「なにがツアラーだよ、キチガイ走りのクセに」とか笑ってるけど、GO!!!君ってのはホントに、すげぇツアラーだと思う。

細い身体に鋼鉄の体力と精神。ヒトが「キツイよ」と言っても、実際に自分で走ってみなければ納得しない。そして、実際に走って「いや、そうでもないですよ」と涼しい顔で笑う。常識だの一般論に縛られない、本当の旅人ってヤツだなぁと感心する。

なにより、帰ってきて、ものの数分もしないうちに

「またアイツと走りたいなぁ」

と思わせるのだ。こんな漢(オトコ)、そうは居ない。

600kmずっと笑って走れたのは、完全にGO!!!君のおかげだと思う。俺も結構、走る方だと思うけど、GO!!!君に比べればなんてこたないね。これからもガンガン走り倒して、その鉄人っぷりを少しは見習おうと思うよ、ホントに。

 

でも、GO!!!君、ゴメン。

明日はたぶん起きられないよ、俺。

 

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