The 77th big machine club

2009.04.29 第77回 でっかいもん倶楽部 in 茨城ビーフライン

―捨て犬かみさん―

 

朝、7:30に起きると、マルもすでに起きていた。

なので用意をして家を出ると、まずは整骨院を目指す。裏の牧場でマルのケーロクにETCを取り付ける予定だったのだが、結局まだカードが来てないので、とりあえずチェーン張りだけやっておくのだ。さくっと8:00過ぎころ到着して、とっとと作業を開始する。

二台のケーロク。マルとは長い付き合いだが、同じ単車に乗ったのは初めてだ。

 

チェーン張り中のマル。タイアのフチの汚れは、赤城のドロ。

つーか赤城ですっ飛んだときに、マルゾー、レーシングスタンド用のフックを片方壊してたのだが、俺がこないだスライダーつきのフックを買ったので、それまでついてたナリさんのフックが余ってた。同じ単車だから当然ポン付けなわけで、こいつが同じ単車買ったのはこのためか?

だって……

俺のスライダーまで持って行きやがったし。

ヤツがコケて壊したのは左側で、俺がコケたのは右。そんでついてたスライダーがまったく同じモノだって言うんだから、マルも運がいいんだか悪いんだか。ま、本人は「やりー!」つって喜んでたから、それはそれでいいのかもしれないね。

時間的に、 ココまでは予定通り、むしろ余裕さえあった。

だが、そこで安心しちゃったダメ人間ふたりは、ふたりそろって便所の神様に見込まれて、ナガグソしてから時計を見たら、もう、ギリギリつーかほぼ遅刻決定の時間。あわてて単車をまたぐと、裏道で遊んだりする暇も無く、県道8号→国道6号→柏インターと最短距離を走る。

 

もともとすり抜けが苦手な上に、まだケーロクに慣れきってないマルはちょっと遅れがちになるが、おおむねいいペースで高速に乗り、守谷まで一気にすっ飛ばして、10分遅れくらいで到着すると、すでにGO!!!君のR1が到着していた。その横に単車を滑り込ませる。

すると、すげぇタイミングで、寝坊したなっこもやってきた。

今日のメンツ勢ぞろい。遅くなってゴメンね、隊長。

 

昨日宴会やってるから、特にアイサツってこともなく、軽くだべる。

するとなっこが突然、ウエスを出してタイアを拭き始めた。「あにやってんだ?」といぶかしむ俺たちに、「チェーンオイル吹きすぎたら、タイアのフチに飛びまくってるんスよ。あたし今日、絶対コケます」と苦笑しながら説明する。なるほど、そうやって今日のネタを仕込んでおくのか。

やるなぁ。

 

なっこの話にひと笑いしたら、さぁ出かけようか。

「んじゃ、今日はゆっくり行こう」と宣言した俺に、速攻で飛んでくる隊長の疑惑の目。「なんだよ、隊長。なんでニラむんだよぅ」「かみさんのゆっくり行くってセリフは、もう聞き飽きました」「なにがー! 今日は絶対ゆっくり行くっての」それでも疑惑の目を向ける隊長。

「フン!」と横を向いた俺は「見てろよー」とつぶやいた。

俺、隊長、なっこ、マルだったかな。そんな感じで走り出したのだが、ETC割引の恩恵か、守谷付近からすでにクルマが混んでいた。さすがに、そのノロノロと一緒に走るんじゃ身体を壊してしまうので、すり抜けつつ段々ペースを上げて後ろの様子を見、150 スピードくらいに上限を決める。

なお、今更書かなくても周知だとは思うが、1スピードは0.5km/h換算なのでシクヨロ。

時々流れがよくなると、クルマの後ろについて走り、混んでくるとすり抜けるのを繰り返しながら、俺は超人的な意志力を発揮してペースを保つ。「ほらみろ、俺だってやればできる子なんだよ」と 、つぶやきながらミラーに写る隊長にベロをだす。

メットの中だから見えないんだけど。

 

やがて段々流れがよくなってきて、走りやすくなってきた。

「 天気がよくてよかったなぁ」なんてつぶやきながら、ふとミラーを見ると、俺の後ろがいつの間にか隊長からなっこに交代していた。片目だけライトを光らせて、俺の後ろに忍び寄るCBRの姿を見て、「ああ、なるほど。 ペース上げれって言う、隊長の指令なんだな」と納得した。

そこで、150スピード上限ペースからちょっとだけ、じわっと速度を上げる。

するとなっこも、じわっとついてくる。じわっと上げると、じわっとついてくるので、今度は、じわじわっと速度を上げながら、少し車線を使って走ってみた。するとなっこもスムーズについてくる。「コレは、俺が悪いんじゃないよな? なっこがもっと速く 走れって言ってるんだよな?」とつぶやき。

最終的には170〜200スピードくらいで友部ジャンクションに入る。

ジャンクションから友部インターまではすぐだし、クルマもほとんど居なくなったので、「ココはよかろう」とアクセルを開けた。つっても250スピードくらいまでだったかな? いつの間にか後ろはマルに交代してたが 、ヤツはそんなにすっ飛ばしてこなかった。

ほどなく友部の出口が見えてきたので、降りて出口のところで単車を止める。

もちろんすぐに隊長となっこもやってきた。

なっこがETCレーンから出てくるのは初めて見る光景だったので、「おー、なっこがETCゲートから出てくるの初めて見たよ」なんつってると、メットを取ったなっこ、「突破しちゃいました」「あん? ETCつけてるんだろ?」「バーが開かなかった」と言いながら、CBRのシートカウルを開ける。

「ああ、これだ。振動でカードが抜けちゃったんだ」苦笑するなっこに、「やだなぁ、日常的に突破してるヒトは」「いや、さすがにETCつけといて突破とかしないでしょ」「いやいや、 あえてそれをやるのが、なっこさんだ」とからかいながら大笑い。

ほどなく料金所のおっちゃんがやってきて、ダメな妹は謝りながら清算してた。

 

友部からGO!!!君の先導でビーフラインを目指す。

渋滞する車をすり抜け、ビーフラインへ入ると、隊長がすっ飛ばし始めた。こっから先のワインディングの動画、結構がんばってたくさん撮ったんだが、やっぱりあのカメラだとブレちゃってダメだった。それでもなんとか見れそうなところを見繕って、一応編集してみる予定だけど、期待はしないで。

GO!!!君のタイアがそろそろ終わりであまり喰わないらしく、いつものキレるようなバンキングは見れなかったが、それでも充分に速い速度でワインディングを走ってゆく。すると、ビーフに入ってすぐのところで単車が一台、結構ハデに事故ってた。この話は最後にまた出てくるが、とりあえずこのときは

「ありゃ、ヤっちゃってるよ。かわいそうに。俺らも気をつけなくちゃなぁ」

くらいの感じで横を抜けて行った。

 

隊長、マル、なっこ、俺で走りながら動画を撮ってたのだが、やがてなっこが俺を先に行かせる。

後で聞いたら、動画を撮るために近づいてたのを、後ろであおってると勘違いしたらしい。俺がそんなヒドイことするわけないのに、失礼なヤツだ。んで、そのままマルの後ろでしばらく走り、隊長を撮るためにマルを抜いて前に出た。すると隊長、ペースを上げる。

例の「転んだかと思うほどの速いバンキング」ができない分、GO!!!君としては70%くらいの速度なのかな? それでも充分アレなペースでワインディングを気持ちよく攻めてゆく。もっとも、GO!!!君と俺はリズムが違うので、あまり引きずられないように気をつけなくちゃならない。

久しぶりのビーフを隊長の先導で走りながら、楽しさに口元がゆるむ。

 

かつてなっこがハンマーホイール伝説を作ったポイントも無事に通り過ぎ。

道の駅みたいな休憩所に入って、休憩がてら一服したりコーヒー飲んだり駄弁ったりする。

リアタイアの左に飛びまくったチェーンオイルにビビッて、本人曰く左コーナーが異常に遅くなってた、なっこ@ハンマープリンセス。休憩所でタイアを拭きながら「 あたしぜってー転ぶー!」と叫んでた。その姿にみんなで大笑いしながら、バカ話&単車談義。

もらう予定のマルのタイアを、なっこがどうやって受け取るか、とか。

個人的には、せっかくランツァあげるんだから、例の装置をつけて自走で運んで欲しいね。

 例の装置。

 

休憩したら、ココからはいったんビーフラインを離れて、高速ワインディングを目指す。

俺的にはトップエンド250スピードくらいの高速ワインディングをすっ飛ばし、そのままビーフラインに戻る。ちなみに隊長は「気合入れたら300行きますね」とか、かなり様子のおかしいセリフを吐いてたが、彼がキチガイなのは本人以外みんな知ってるので、誰も驚かなかった。苦笑だけ。

龍神吊橋を超えて国道461号に入り、じゅんとかフラあたりが好きそうな、もちろん俺も嫌いじゃない、とても国道とは思えないせまっ苦しい山道を、道をふさぐトラックに閉口しながらぬける。北茨城のときはたいてい立ち寄る、国道349号との交差点にあるコンビニ入って休憩。

ココのおにぎりは、とても大きいので好き。

 

俺を筆頭にグルメとかビタイチ縁のない連中なので、ここでお昼をにする。

 

俺にとっては、ツーリングの最中にダチと車座になって食う昼飯が、どんなご馳走よりも美味い。

休憩は充分に取ってるのだが、基本的にペースが速いので、時間はそれほど経ってない。柏から120〜130キロは走ってるんだけどね。北茨城ツーリングのときはいつも思うんだが、ここって高速で来るとものすげぇカッタルいのに、ワインディングつなぐとやたら近く感じる 。

 

メシ喰って食休みしたら、ここからはさっきまでの山道がウソのような快走路になる国道461号を、今度は俺が先頭で走り出す。マルは「今回はのんびりなっこと走る 」つもりのようなので、隊長とふたりで461号を気持ちよくすっ飛ばすぜっ!

すっ飛ばすぜっ!

すっ飛ば……た、隊長?

さっき、あれほどすっ飛ばしてたのに、俺が前になったとたん、のんびり走りだすGO!!!君。隊長に見捨てられて、雨の中に捨てられた子犬のような気持ちになった かみさん、ひとり寂しく461号を駆けぬけてゆく(だったら一緒にゆっくり走りましょう)。すると、途中でまた単車が事故ってた。

調子に乗ってすっ転ばないように気をつけよう、と改めて気を引き締める。

461号の途中で、ちょっと停まって休憩。寂しかったのだ(自業自得です)。

 

やがて、マルがやってきて。

 

隊長となっこもやってきた。隊長をアップで撮ろうと思ったら、タイミング外して撮れなかった。

 

隊長となっこを先に行かせて、カメラのセットをしてからマルと一緒に走り出す。

マルを後ろにふたりを追い、途中で追いつく。すると、なっこが道を譲ろうとしたので、後ろについてそれを拒否。なっこはたぶんメットの中で苦笑してから、そのまま広域農道へ入った。しばらく走ると、隊長がペースを上げてなっこが離れ始めたので、途中で抜かせてもらって、そのまま隊長を追う。

途中の道端で誰かに手を振ってるおっさんがいて、俺らに振ってるのかと思ってびっくりした。

この辺は比較的マシな動画が残ってるから、あとでアップできるかも。

 

広域農道を駆け抜け、休日はいつも単車がたくさん停まってる販売機の手前で、隊長が先頭を譲ってくれた。よーし、それじゃぁ今度こそ隊長に、少しはマシになった俺の走りを見てもらおう! 隊長っ! 見ててくださいね! 隊長っ! たい……あれまたボクひとりなんですか。

どうやら俺を前に出したつーよりも、ソロソロ疲れたからゆっくり走るよ、ってコトらしい。

隊長のひどい仕打ちに、またもヘルメットの中で涙を流したかみさん、ソロツーリングをはじめる。朝、「二日酔いだからいけません」とか言ってたAGLAを無理やり連れて来ればよかったなぁなどと、AGLAの都合はまるっきり無視してつぶやきながら、広域農道をひた走る。

俺らの中で、ビーフライン経由北茨城コースの折り返し地点と目されている場所に到着。

 

景色を眺めながら、ここで長めの休憩をしつつ、バカ話をする。

ま、レポとしてはエンターテインを重視して、さんざ隊長を悪人に仕立て上げたが、実際はそういうわけでもなく、気持ちのいい天気の中、それぞれの好きなペースで楽しく走れた。マルが抑え目に走ってたのがちょうどよかったらしく、普段なら「死ぬ」とか言ってるなっこも終始笑顔だった。

「マルさん、一緒に走ってくれるんですよ。やさしー」

バカだなぁ、妹よ。そんなのヒャクパー今だけだよ。

「隊長もこの間は、一緒にゆっくり走ってくれたんですよ。さすがツアラーですよね」

なに言ってんだ、妹よ。そんなの次の恐ろしいツーリングの前フリに決まってるじゃないか。

「かみさんだけですよ、鬼なのは。後ろにぴったりつけるし」

おやおや、ひどい言い草だな、妹よ。その方がオモシロいんだから仕方ないじゃないか。

 

言っても単車が好きで、天気のいい日にツーリングに来てて、さんざん走ってきた単車乗りが四人いるのだ。 今走ってきた道の話や、来月あたりにあるだろう鬼ツーリングの話、それぞれのバイクの話。話題の尽きるわけがない。

かわりばんこにまたがって、GO!!!君となっこに自分の足の短さを痛感させられる俺とマル。

ケーロクまたいだら、なっこは俺と変わらないし(背も体重も俺のがあるのに)、隊長なんて余裕で膝が曲がってるからね。既成のズボンで太さをあわせると長さが足りなくなるとかほざいてる段階で、ふたりとも俺とマルのエネミー認定だ。

 

山の上でダベりながら、「帰るのだりー」なんてわめきつつ、結構長いことダベった。

山の反対に下りれば、高萩のインターまですぐなのだが、さっきも言ったようにここから高速で帰るのは思いのほか鬱陶しい。それなら、だりーなんつってても基本的に曲がった道の好きな人間ばかりだし、折り返してワインディングを楽しんでる方が、気分的には早く帰れる。

つわけでココから折り返し、ビーフラインを戻ろうと決まる。 ここからの山の下りや、ビーフラインの動画は結構あるから、編集して少しは見れるようにしてから、アップする予定だ。もっとも、能登ツーリングの準備もあるから、すぐにってのはムリだけど。

帰り道は俺が前になったり隊長が前になったりしながら 、すっ飛ばしたりのんびり行ったり。

そう言えばパワーワンだが、さすがにハイグリップタイアだけあって、もう半分くらいなくなってる。今、たぶん2000kmくらいだから、4000kmくらいは持つのかな? でも美味しいところは3000kmくらいまでだろうね。ま、そのぶん絶大な安心感もあるし、もう一回くらいこれを履こうかな。

俺は距離乗るから、最終的にはパイロットパワー無印に戻るかもしれないけど。

 

帰りの走りは動画の方で見てもらうとして、ビーフラインを走りきり、笠間に出てきたところで。

アサイチでコケてた単車のヒトが、どうやら単車引取りの手配もついたようで、タクシーに乗って帰るところだった。そのタクシーの後ろに停まるやいなや、窓が開いて彼がこちらを向く。するとGO!!!君が近寄っていって話し出した。知り合いだったのかと思いながらその横顔を見ると。

なんだか知ってるような気がする顔だ。

やがて信号が変わり、タクシーはそのまま走り去り、俺たちはスタンドで給油してからコンビニへ。

マルはここから北関東道で栃木に向かうから、ココで最後のダベリングタイムだ。

このふたりで「のんびり組を作ろう」なんて言ってたけど、絶対、マルが裏切ると思うな俺は。

 

「GO!!!君、さっきのヒト、知り合いだったんだ?」

「ちょ、ナニ言ってるんですか。かみさんも知ってますよ」と言われたと同時くらいに、俺にもその人物が思い当たった。GO!!!君が言う前に「わかった! ミサイル君だっ!」と叫ぶ俺。髪型が違ったからか、横顔だけだったからか、すぐにはわからなかったよ。

隊長はお疲れのようで、甘いものを喰ってる。

 

そして得意の、みんなで地べたに座り込んでダベリング。

 

魂が抜けちゃってる、マルゾー。

 

しゃべって、笑って、楽しい時間を過ごしたら。

本日のCrazy Marmalade でっかいもん倶楽部は、事故も違反もなく、無事に終了。

気持ちのいい天気の中、すっ飛ばして曲がってバカ話して笑った、楽しいツーリングだった。

ホーンを鳴らしてマルゾーと別れ、渋滞の中を友部インターに向かって走る。渋滞すり抜けで隊長&なっことはぐれ、高速に乗ってしばらくはゆっくり走りながら待ってたんだけど、常磐道に入るとクルマが混んで来てカッタルくなった俺は、結局すっ飛ばしはじめる。

このまま流れ解散でもいいし、ふたりが柏まで帰ってくるなら、また宴会すればいい。そんな気楽なのが俺のスタイルなんだ。レポ書きながらツーリングを思い出してニヤつくのも好きだし、みんなと騒ぎながらツーリングの話をするのも楽しい。俺はどっちだっていいんだ。

ま、この日は結局、隊長となっこの他にAGLAまで遊びに来て、楽しい宴会になったんだけどね。

 

さて、次はどこに、どんなツーリングしに行こうか?

 

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