The 87th big machine club
2009.11.28-29 第87回 でっかいもん倶楽部 in 茨城大子 ―炎のチカラ(後編)―
時間はまだまだ早いが、俺はもちろん出来上がってる。
コンタクトを外して、さらに戦闘力を高めるぜ(むしろ低まってます)。 なんつってると。 突然、管理人と思(おぼ)しきおじさんが、ネコ(一輪車)を押してやってきた。
いや、この 写真はのオッサンぽいのは、管理人のおじさんじゃなくて銀星だけど。 管理人さん、「これ、使っていいよ」 と、気前よく焚き木をわけてくれた。 それを見た瞬間、俺の脳裏に電光が走る。
「これなら、組み上げてキャンプファイアが出来るじゃん!」 こうなったら最後、もはや周りの「もったいない」だの、「危ない」だのの声は、焚き木を抱えて動き出す俺の耳には入れど心には届かない。問答無用で焚き木を組み上げ、キャンプファイアを用意し始める。バカ具合では俺とタメを張る銀星も、当然、 最大の協力者だ。 「銀、テントが燃えるかもしれないから、お前のテントをもう少し向こうにやれ」 「わかりました!」 返事のアタマに、「サーイエッサー!」くらい付けかねないイキオイの銀星。
速攻で テントを、火の届かない位置まで避難させる。 「よし、それでOKだ。薪を組むぞ」
つわけで、さっさと組み上げて。
焚き木に火を入れたら、
あとは火が大きくなるのを待つ。
やがて。
イヤァァァァァァァ! キャァァァァァンプ、ファイアァァァァ!
まさに気分は、天まで届け! てなもんで、今までの寒さがウソのように周辺が暖かくなる。
みんなも、炎を眺めて楽しそうだね(不安そうです)。
そしてエンジンのかかっちゃった、かみさん@この時点ではギリ三十代。
今度は、棒に刺したソーセージを焼き始める。 その数秒後。 上着を脱いだ。 どうやら熱いらしい。
腰の引けてるサマが、 マヌケを通り越してむしろ神々しいと思わない?
喰えた。どうやら満足らしい。
生暖かく見守る面々。
同じく、生暖かく見守る(推定)、鉄橋の上を通る列車の客。
俺がみんなの失笑を買っている そのスキに、銀はタラバを食う。 裏切りの街角、もとい、キャンプ場。
俺の髪型が、かなり大変なことになってきているが、本人は楽しくて仕方ない。
楽しくてはしゃいじゃってるかみさん、 さらにタバコ着火にもチャレンジ。 とにかく火のそばで遊んでたい、小学生並みのメンタリティ。 ま、楽しんだもん勝ちだよね。
と、突然、銀子がおかしなことをし始める
焼きバナナ。うん、間違っても俺には持って来るなよ? 殴るぞ。
コレにチョコレートをからめて食うんだそうだ。なにその生き地獄。
ビール片手に、ダチの輪と単車のそばを行ったり来たり。
俺的には、まさに理想の生活ってやつだ。
酔っ払ってると忘れがちだけど、防寒対策は重要。特にカイロは、もんすご役立ちアイテムだ。
一方、四十路を二日後に控えたかみさん。 はしゃいでるかと思えば、
イキナリ寝転んで空を眺める。自分で見ても、羨ましいほどのフリーダム。 いや、でもホント星が綺麗だったんだよ。 俺だけじゃなくて、みんなも見てたから。
「オリオン座だー!」とか言ってるのかな。言ってるんだろうね。
呑んで喰って騒いでる上に、みんなの飯を作ったりイロイロ世話を焼いてくれたPOPOさん。
ここにきて、ついに轟沈。 みんなで「あー、これは確実に凍死するなぁ」だの「作った料理残りごと、明日の朝、冷たくなってるだろう」だの散々なこと言いながら笑ってる中、さすがに本気で心配になったNが、「POPOさん、このまま寝たら死んじゃうよ」と、なんとかテントの中に押し込んで、ようやくひと段落。 ほどなく、よしなしもテントの中に引っ込んだ。
すると、狙い済ましたかのように、俺の電話がなる。知らない番号だなぁと思いながら取ると。 「あ、かみさん? 俺、俺、俺っすよ!」 こんな時間に オレオレ詐欺。 「えー? だれ?」 「オーですよ! かみさん俺の番号、登録してくれてないの? ひでぇなぁ!」 moto君のダチで俺のケモダチでもある、オーちゃんからだった。 電話の向こうで笑ってる声が、確実に出来上がってることを伝えてくる。俺もたいがい酔っ払っているが、この時のオーちゃんも、かなりろれつが怪しくなっていた。話してるみんな から離れ、フューリィをまたいで電話タイム。 「おぉ! オーちゃんか。つーかさ、電話いっつも『使用できません』ってなってるぞ?」 「ウソですよ! 番号変わってないっすもん……あ、変わったかも」 moto君の家で呑んだくれているオーちゃんは、俺らがキャンプしてると聞いて悔しいの半分、思わず電話してきたのだ。そこでしばらく話したあと、今度はもちろん、moto君と交代する。向こうも かなり酔っ払い、こっちもバリバリ酔っ払いだから、くだらないコトで大笑いが絶えない。 もっとも、シーズン外れたキャンプ場だから、大声なんか上げ放題だけど。 「みんな呑んでるんスか?」 「いや、よしなしは寝てるよ」 「よしなしさん寝てる? なにやってるんですか、かみさん! 寝かしちゃダメですよ」 「たたき起こして電話に出せってか。いや、むしろテントに火をつけっか?」 「ぎゃははは! いいですね。是非そうしてください。もう、思いっきり焼いちゃってくださいよ」 「エロオショーあらため、焼きオショーだな」 「だいたいですね、かみさんはよしなしさんを甘やかしすぎなんですよ」 「ぎゃはははっ! おめ、どんだけよしに厳しいんだよ」 「納豆巻き喰ったくらいじゃ、オシオキは終わらないんです」(※2009.09.15 ドル来葉 参照)
散々笑ったあと、またオーちゃんに代わり、ヤツが「俺も今から行きますよ」言ってるのを、「バカおめ、今からつったら、来るころにはみんな寝てるぞ?」「えぇ? かみさんも?」「むしろ真っ先にな」などとバカなやり取りをして、ようやく電話を切る。 電話を切ったらフューリィの元を離れて、みんなの輪の中へ戻る。 しばらく呑みながら話をしていたが、早いうちから全速力で飛ばし始めた上に、火にあぶられながらはしゃいだのが効いたのだろう。どうにも目を開けてられなくなり、ろろちゃんや銀星にお休みを言うと、一足先にテントへもぐりこんだ。
こうして、バカ楽しいキャンプの夜は、にぎやかに更けていったのだった。
朝、電車の音で目を覚ますと、まだ空気が冷たい。 当然のごとく二度寝を決め込み、みんなの声が活気を帯びてきたころ、ようやく起きだす。
寒いからまた焚き火をしてるが、昨日俺がムチャしたせいで、薪の量が絶対的に足りない。 なので気を利かせた ろろちゃんが、朝の散歩がてら薪を拾ってくると、Nに「燃やし切らなきゃならないから」とたしなめられ、哀れろろちゃん、せっかく拾った薪を捨てに行くことになった。かわいそうだったので、Nには説教をしておいた。
一度凍ってから、解凍されたETC車載器。問題なく使えた。
一服つけたり、コーヒー飲んだりしながら、またものんびりだべる。
寒いから上着を着ようと思ったら、Nが俺の上着を盗んでたので、また説教。
「誰の上着パクっとんじゃボケ」 「あうー」 とかじゃなくて、たまたま写真の瞬間あくびしてたんだろう。
大量の食器の八割がPOPOさんので、残りがGO!!!君の。 俺のは汚すぎて使ってもらえなかった。新しいの買おうっと。
そのうち太陽が根性を見せ始める。
当然、とっととTシャツになる、かみさん。 周りがダウンとか着てるから、余計にアタマが弱く見えるね。
単車の夜露も乾き始め、干したテントも乾いてきた。
NとGO!!!君が焚き火の灰を掃除するために、ほうきとチリトリを借りてくる。
キャンプ場の掃除も終わり、料金も割り勘したら、それじゃぁ帰りますか。
荷造りしたあとに、入れ忘れた食器を発見して、荷物をほどいて入れなおすGO!!!君。 ま、俺だとわりと、日常茶飯事なんだけどね。
POPOさんも、あの大量の荷物がこれに入るのか? ってなボックスで荷造り。
んで最後に、「集合写真を撮ろう」つーことになり。 写真に写ると魂が抜けちゃうGO!!!君が、シャッター係りを勤めてくれた。
みんな、またやろうね。
あとはそれぞれ、準備の整った順に帰路へつく。
うん、正直、半ヘルは舐めてた。高速道路で顔が切れるかと思ったよ。
俺とNはみんなに別れを言うと、単独で走り出す。 「GO!!!君、来ないよ〜?」 「ああ、アレだ。ろろちゃんと甘いものツアーに行ったんじゃねーか?」 などと話しながら、のんびりと初冬の茨城を流す。コレはこれでなかなか楽しいから、シートとシシーバーを手に入れたら、もちっとマメにNと出かけようかな。もっとも、あのスジガネ入りのヒキコモリを引きずり出すのは、これまたなかなか困難な仕事なんだが。 のんびり走っていると、途中でGO!!!君とろろちゃんが追いついてくる。 「かみさん、ボクはあそこのスタンドで給油するから、ここでサヨナラね」 「おー! ろろちゃん、気をつけてねー!」 スタンドに入るろろちゃんに手を振って別れたあとは、GO!!!君と二台でクルマの後ろをのんびり走りながら、ひたすら118号線を南下する。『那珂インター』のカンバンに沿って進み、無事に常磐道へ乗ったら、後は柏に向けて走るだけ。 「GO!!!君、俺ら80〜100キロくらいで走るから、かったるかったら先に行ってよ」 「ボクも寒いんで、ゆっくり行きます」 つわけで一緒に走り出し、友部サービスエリアまで行こうと思ってたら、Nが途中で音を上げる。
なので、手前のパーキングエリアへ。
俺が前にいるから寒くはないが、ケツがどうにも痛いらしい。 マフラーより先にタンデムシートどうにかしなくちゃね。
さらに10キロほど行ったところで、友部サービスエリアに入って飯を食う。
軍鶏そば食って、自分への土産に「納豆大福」を買い込んだら、あとは柏まで一気だ。 100キロくらいでひたすら走り、柏インターを下りる。クルマと一緒にのんびり走り、16号を途中で曲がるGO!!!君に手を振ったところで、本日のCrazy Marmaladeでっかいもん倶楽部は、寒さに負けず無事に終了。火を囲んでダチと呑む、底抜けな楽しさを実感できた二日間だった。 そして、このツーリングで俺は自信をつけた。 のんびりツーリングも、タンデムツーリングも、フューリィとなら、どうやらやれそうだ。
みんな、ありがとう。 また、キャンプ張って飲んで騒ごうぜ! 近いうちに、ね。
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