The 15th small machine club

2007.10.03 第15回ちっちゃいもん倶楽部 筑波散策

 

仕事してると、電話がなった。職場のじゃなくて、俺の携帯だ。

「お、Zだ。もしもーし、どした?」

「銀星がSDR買ったでしょう? あいつ誘って、筑波走りませんか?」

「てことは、SDRね。俺のSDRバイク屋に預けっぱなしなんだけど、作業、もう、終わってるかなぁ。ま、いいや。とりあえず了解」

午後から林道散策に行こうと、オフロード装備で来ていたのだが、銀星と走るならSDRで風返しでもいいだろう。俺は仕事中なので、Zに銀星のアドレスと番号を教えて、連絡を取ってもらう。銀が来れば着替えて峠、連絡がつかなかったら、オフロードで散策だ。

さて、仕事が終わって携帯を見ると、Zからメールが来てる。

「銀星と連絡つかなかったので、KSRで出ます」

それじゃあと、俺も折り返しメールを入れて、ランツァの各部をマシ締めすると、とりあえずライコランドに向かって走り出した。幸いにして、今までは無事に済んでいるが、オフと言えばパンクがつきもの。この際だから、パンク修理剤と携帯空気入れを買っちまえと思ったのだ。

 

首尾よく買い込んで、そのまま船取線で筑波へ向かう。県道19号を折れていつもの道を進み、筑波山手前のJOMOで給油しようと入ると、反対側にZが居た。そこで合流し、いつもどおり筑波入り口に向かおうとする。と、Zが停まってコッチだと呼ぶので、そのまま後ろをついていった。

JOMOの横から『つくばねCC』へ向かう道を登ってゆくと、急な坂が続く住宅街。

「こんな急な坂の途中に、住んでるヒトが居るんだなぁ。これなら長崎も目じゃねーな」

などと、くだらないことをつぶやきながらZの後ろを走っていると、見覚えのある道に出る。そのままいつもの道を登ってゆき、休むまもなく風返しから下ってゆく。んで、風返しの地元ルールでUターンするポイントまで来たら、Zが左にウインカーを出した。

ん? と思って見てみれば、確かに上へ向かう道がある。入り口をふさいで『通行止め』と書いてあるので、Zが『どうします?』と聞いてくる。当然、行きますとも。うなずいてふたり、ダートイン。ちなみに、通行止めと、通行禁止は違うので、その辺お間違いなく。

つって一生懸命自己弁護してんだから、手前の風返しの話はすンな。

 

登りだすと、草の生えた道に、砂利の浮いたわだち。

ランツァなら鼻歌交じりでいけるが、KSRにはちとしんどいか。タイアの真ん中がつながってる(ブロックになってない)から、前後ともかなりすべるのだろう。後ろから見てるとZが四苦八苦してるのがわかる。それでも何とか登れちゃうんだから面白いね。

まぁ、面白いのは『楽なバイクで高みの見物を決め込んでる俺だけ』って話もあるが。

途中に分岐があったので、その場所を覚えながら、とりあえずメインルートを登ってゆく。

やがてこちらも道が尽きたので、Uターンして、最初の方にあった分岐まで戻ろうと、今度は俺が先頭になって下る。グリップが悪い分、下りの方がよりキツいのだろう。KSRはかなりシンドそうに走っていた。もちろん、ランツァの方はなにも問題なし。ケモ道に比べりゃ、ただのフラットダートだ。

分岐まで戻り、今度はそっちを下ってゆく。

軽いわだちと砂利、落ち葉もあるが、それほどきつい道ではない(ランツァ的に)。しばらく下ってゆくと、やがて、広めの道へ出た。これは、さっき登ってきた道じゃねーか? 思いながらZを振り返ると、まさにその話をZがする。俺も少しは、見分けられるようになったな。

うれしくて気分よく下ってゆくと、風返しのUターンポイントまでついた。

 

そこからちょっと下った場所で、地図を見ながらこの先を決める。

ネットで調べて、この先にダートがあることはわかっていたので、そこへ向かう。風返しを下り、しばらく進んでゆくと、国民宿舎入り口の看板が見えてきた。舗装路をそのまま上がり、国民宿舎の駐車場から、いざダートロードへ。

ガシガシ登っていくと、やがて片方が通行止めされてる分岐に出る。ちょうどいいので、ここで地図を開いて現在位置を確認する。通行止めされてる方は、自動車道路と書いてある。コレはどこに行くんだろうと思っていると、Zが地図を見て、この先でつながっているのを看破した。

なので安心して登ってゆく。

やがて、また分岐が現れた。

看板が出てて、右側がメインルートらしい。Zがどうする? と聞いてきたので

「とりあえず、分岐の方に行ってみよう。どうせ、Uターンだろうから」

と言い、左の分岐に入って行った。入って行ったつーか、ちょっと走ったらすぐに開けた場所に出て、そこで道が尽きている。しかし、昨日の晩、ナチュラルツーリングを精読し、ベテランでもUターンしまくりなのが林道だと心得ていたので、Uターンは苦にならない。

 

道が尽きて、Uターンした場所。

 

もどって、メインルートを進む。どんどん進んでゆくと、やがてダートが終わった。

出てきた道を振り返ったところ。

『どんどん進んで、やがて終わった』とか気楽に書いてるけど、途中には水たまりもあったし、わだちも、軽いガレもあった。KSRのZは、『何回か、ちょっとヤバかった』と言ってた。やっぱ12インチはシンドいんだね。KSRはタイアパターンも中途半端だし。つーか、大ホイール万歳ッ!

 

出てきた先にあった、閉鎖されたトイレの前。

ここで一服つけながら、この先のルートを考えつつ(主にZが)、ダベる。ダベるつーか、いつものごとくZがランツァの不具合を発見して、それを直したりする。直らなかったけど。ま、それほど大したことじゃないので、明日にでも修理する。

標識を見ながら、地図で位置を確認するZ。なんとなく絵的にいい感じだったので撮ってみた。

 

走り出してしばらくすると、筑波の頂上駐車場への分岐があった。ナチュラルツーリングの教え的に、とりあえず分岐は行ってみるのが決まりなので、頂上目指して走る。いちおう舗装されてるが、湧き水で濡れ、落ち葉で覆われ、視界は大きく張り出した雑草に阻まれる。

アホほど飛ばしたりはせず、それなりのペースで登ってゆくと、ほどなく駐車場に出た。

 

もうちっと晴れてれば、見晴らしがよかったんだろうなぁ。

 

カメラを構えた俺に、Zが『遠近法を使って、KSRとランツァを同じ大きさっぽく撮れないですかね?』言うので、チャレンジしてみた。ごらんの通り、上手くいかない。つーかKSRのスタイリング、デフォルメされて小排気量車然としてるから、やっぱムリだろ。

ナニ? 俺の腕? ホントか?

 

駐車場を後にした俺たちは、次の分岐まで一気に降りた。

分岐で単車を停めると地図を開き、次の目的地の相談だ。西へ出るか、北へ登るか。

まだ時間があるので、北へ登って一本杉峠の方に行こうと決まり、県道41号まで一気に下る。ロードバイクなら走りづらい道なんだが、オフに乗ると舗装路は全ていいペースで飛ばせるつーか、いいペースに感じる。いいペースじゃなくても、ダートのが楽しいけど。

んで、41号から7号へ出て、一本杉峠を目指す方向で走り出した。

が、予定のない、適当なお散歩のいいトコロ。

県道150号とぶつかる信号で停まったとき、このまま右折して150号経由で行こうと決まり、そのまま150号を南東へ向かって走り出す。道がだんだんツイスティになり、幅が狭くなり、ちょっと荒れ始めたころ、目的の入り口についた。そのまま、道を登り始める。

稜線上を走っていると、急に視界が開けた。

ハングライダーの飛行場所だ。

 

せっかくなので、ここで少し景色を眺める.

 

景色を撮るZを撮ってみた。やっぱ俺はヒトが入ってる絵の方が好きだ。

 

上の写真で、Zが立ってたところからの景色。

結構急なんだけど、伝わらないだろうなぁ。つーか、俺はここで、ひとつ目標を見つけた。いつか、ケモ道とか、こう言うキツい坂のドキっとするような迫力を、きちんと表現した写真を撮ってみたい。や、大丈夫。写真にハマってロードバイク全部売ったりはしねぇって。

そこまで気合入れた目標じゃねーから。できたらいいな、くらいの話。

 

休憩を終えて走り出すのだが、このあともまた、お散歩らしい急な予定変更。

一本杉峠はやめて、新しく出来た林道に入りこんでみる。砂利とわだちが激しいが、基本的に四輪も通れる道なので(激しく苦労はするだろうけど)単車なら難所はない。つってもそれはランツァに乗ってる俺の意見で、KSRにとっては難所だらけなんだけど。

途中でトラックに道を譲ってもらいながら、俺たちは『ケモ的にはわだちの内に入らないくらいだが、一般的には深い部類のわだち』の砂利道を淡々と下る。時々、水たまりとドロが顔を見せる。たまにミラーを見ると、Zが苦戦してるのが良くわかった。本人も、

「コレで走ると、全部の道が大冒険です」

なんて笑ってたから、やっぱかなり苦労したんだろう。文句なんてヒトコトも言わないし、俺が『代わろうか?』言っても、『むしろ、KSRで上手く走る方法を、一緒に考えてください』なんて、Zらしいこと言って笑ってたけど、かなりシンドかったハズだ。

もっとも、それでもケタケタ笑ってるんだから、この男もたいがい救いがたい。

 

ダートを走りきり、そのまま一気に降りてきて、交差点で最後の地図確認。写真の奥に向かって走っていくのが、下ってきた道だ。モザイクかけてるけど、Z、すげぇ楽しそうに笑ってる。撮ってる俺も、もちろん笑ってる。

この男はどんな単車に乗っても、どんな状況でも楽しむことができる。

楽しませてもらおうとか、そういう受け身な思考が一切ない。

だから俺は、こいつと遊んでっと、楽しくてしょうがないのだ。そして、モノをはっきり言う男だから、俺と一緒に走るってコトは、俺と走ることを楽しんでることは間違いないわけで、それがまた、たまらなく心地いい。楽しくなかったら、ゼッタイに顔出さないやつだからね。

 

このあと、無事に41号線へ出て、本日のcrazy marmalade ちっちゃいもん倶楽部は、怪我も転倒もなく、無事、終了した。つーか、オフロードはじめてからコッチ、転ばなかったの初めてだよ、俺。いままで、どんだけ追い込んで走ってたんだって話だ。ま、追い込むから、楽しいんだけど。

でも、こんな風に山の木々の中をまったりと、目を三角にしないで楽しみながら走るのも、追い込んで走りこむケモライドとはまた違った、穏やかな喜びがある。ケモライドをこなしたおかげで身についたモノを確認できたのも、すごく楽しい経験だった。

身についたってのは、もちろん技術じゃなくて、認識の話。

 

今週末は、よしなしさんとまた筑波の林道を走る。今日走ったところとかぶる場所もあるかもしれないし、まったく新しい場所もあるだろう。なんにせよ、散策程度でも、前日のテンションが高くなっちゃうんだから、オフで林道ってのは本当に楽しいね。

 

さて、次はどんな道を走れるかな。

 

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