The 20th small machine club

2007.11.25 第20回ちっちゃいもん倶楽部 with Z&moto 〜たけやぶやけた〜

 

ちとギリギリの出発になってしまったが、なんとか間に合う時間に出られた。

だが余裕は全然ないので、俺は16号をmoto君ちへ向けて急ぐ。この焦りと油断が、致命的だった。赤灯に気づいてブレーキをかけた時はすでに遅く、久々に白バイのお世話になってしまった。25kmオーバーの12000円なり。もう少しでゴールドだったのになぁ。

思うにこれは、よしなしが今日、参加できない悔し紛れにmoto君を呪ったところ、moto君の守護霊には敵わずに、その流れ弾が俺に当たったんじゃないだろうか。そう、言わばこの青切符は、全てよしなしのせいなのである。許せん。(普通に自業自得です)

んでもまぁ、免停ってわけでもなく、点数も2点なので3ヶ月で消えるし、軽いジャブ的なネタを12000円で買ったと思えば、安いもんだろう。高けぇよ。ハヤブサのフロントブレーキパッド、新品買えちゃうよ。ガソリン5回満タンに出来ちゃうよ。

 

んで、ばっちり20分ほど遅刻して、Zと待ち合わせ場所のコンビニに行くも、Zは居ない。

携帯をチェックしてみると『返事がないので、近所を散策しています』とのことで、それからしばらく待ったのだが、ちっとも来やしない。メールも電話もなしのつぶてで、moto君に電話入れるも同じ。なんでふたりそろって連絡が付かないんだろう。

と、30分ほど待ってから、ふいに思い当たった。

(Z、moto君の家をすでに探し出してるんじゃないだろうか?)

とりあえず、moto家に向かう旨をメールして、いそいでmoto君トコに行ってみると。

やっぱ、いた。つーかまぁ、Zなら当然だわな。読めない俺が悪い。

 

俺がてめぇが遅刻したのを棚に上げて『ふたりとも何で電話でないんだよー』言うと、どうやらそろって携帯を身につけてなかったようだ。携帯電話の『携帯』と言う言葉の意味を、ふたりとも、もう一度考え直す必要があるね。や、遅れたのは俺なんだけど。

んで、んじゃ走るかという話になったとき、moto君がニヤニヤしながらZに向かって

「Zさん、どれにします?

???な表情のZに、moto君、並んだオフロードバイクを指差して

全部、俺のなんで、どれでも好きなの乗って良いですよ」

え〜と、ドコから突っ込もうか。まず、君が俺にくれたメールでは『KSRでもいけますよ』って話だったよね? それから、君が指差してるバイクの持ち主は、確実に君じゃないよね? K君とiroha君だよね? 最後に君、今モノすげぇ嬉しそうに、してやったりって顔してるね?

んでもまぁ、最終的には『KSRに傷つけなくて済みますよ』のセリフで、Z陥落。

苦笑しながら『今日はZ祭りなんですかね?』と言う表情が印象的だった。

Zは結局、iroha君のDRを選択して、マシンに荷物を積んでいる。ま、ガソリン満タンにして返せば、文句をいうほど小さいヤツじゃないし、三人ともフルサイズなら、確かに選択肢が広がって楽しいかも。つーかmoto君、ニヤニヤしながらとにかくZと目をあわせないのが笑える。

完璧に確信犯だ、これ。

 

新規ルート開拓の前に、まずはZのエクササイズとして、いつものフラットダートへ。

Zは慎重に、坂登りの練習してる。

俺はmoto君のマネをして、バックライド(単車で坂を途中までのぼり、バックして戻る:もんすげ難しい)の練習をしてたら、早速コケた。あとはゆっくり登って降りるとか、軽くフロントをあげるとか、地味だけど山を走るときに大事な練習をする。

 

Z、完璧ハメられたのに、結局、楽しそうに練習してるんだから、やっぱり好きなんだろうね。

 

それから近くのパーキングでmoto君がトイレ&タバコ補給。

30過ぎとか、30半ばとか、40手前が集まって、日曜の晴天の下で『腹が下ってどうたら』とか『漏らしそうになってどうたら』とか、あんまりサワヤカではないバカ話に花を咲かせたら、さて、いよいよご近所ケモ道探索ツーリングの開始だ。

 

ダートに入ってしばらくは、走りやすいフラットな道が続く。

やがて、軽く様子がおかしくなってくると、いよいよ来たかと、気持ちを引き締める。もっとも、D山だの一本杉だのと違って、難所があるわけではないので、山の緑や天気の言い空を見上げつつ、気持ち良く走れる。Zもそれほど苦労してる風はなさそうだ。

走っては戻りを何度か繰り返したら、さて、moto君がこのあいだ雨の日にハマった場所へ。

このポイントが、この日イチバン面白い場所だった。

もっともZは、

「ココが一番イヤだった。ホントに面白いって思ってます?」

と半信半疑。

いや、やっぱちょっと難所な方が面白いって、マジで。そのうちZもそうなるよ、きっと。

 

んで、このあと軽く枝道を散策して、昼飯を食べようと言うことになったのだが……ちっとも散策にならなかった。むしろ、最大級にヘビーなライディングとなったのだ。最初はもちろん、軽く散策しよう程度だったんだけど、入っていったうちの支線のひとつが、やけに続く。

先が続くとなれば、捜索隊のテンションが上がってくるのも仕方のない話だ。

『行けるトコまで行ってみよう』は、俺とmoto君の合言葉。何度も単車を停め、歩いて先を見通しながら、のんびりゆっくりケモノ道を進む。やがて、かなり竹が密生し、ちょっと厳しい状況になってきた。とはいえ、相手は竹なので、押して進めば進めないことはない。

先を斥候してきたmoto君が、軽く肩をすくめながら。

「この先、結構、藪(やぶ)が深いですね」

言いながらも、TT-Rに乗ってずんずん進んでゆく。基本的に彼の心にはバックギアが付いていないので、これもまあ、予想された話だ。Zも別に帰ろうと言い出さないので、三人で深くなってきた藪を漕(こ)ぎながら、えっちらおっちら進んでゆく。

うん、この段階ですでに、道の幅は単車の幅より狭い

避けて、かわして、時には押し曲げて、ひたすら藪の中を進む。三人とも汗だくになり、ゴーグルやシールド、めがねが曇り始める。さらに進んでゆくと、なにやら道が途切れたっぽい。すかさずmoto君が『絶対、戻りたくねー!』と叫ぶ。激しく同意。

んじゃ、道の続きを探して、藪を漕ぐしかない。

 

ハッキリ道じゃないと言いたいくらいな『道』を、moto君を先頭に三人で進む。単車を停めては道を探し、方角と地図から場所を推理して進む。や、推理してたのはmoto君とZで、俺はちっとも役に立ってなかったけど。地図持ってたのと方位磁石持ってたくらいが今日の手柄か。

これが道に見えるなら、あなたも立派なケモライダー。

何度も単車を停めて、先を探し、また進む。ZはDRなので、そのたびにキックスタートしなければならず、当然、イチバン息があがってくる。今日は自力突破ルールはないのだが、セクション的な場所も、それほど難易度が高いわけじゃなく、なんとか行けてしまうくらい。

きついのは藪漕ぎと、先の見えない不安。なので、きついながらもみな、手助けナシで進んだ。

 

漕いで、歩いて、漕いで、歩いて。

汗をかき、息も上がる。それでも、セクションアタックみたいなシンドさではないので、なんだか妙な感じだ。休むと汗が冷えて寒くなってくるが、漕ぎ出せばまた体温が上がる。その繰り返しで、結構疲れる。夏のケモとは違った、冬なりのきつさと言ったところか。着替え、夏より要るかも。

その上、傾いてきた太陽が、プレッシャーに追い討ちをかける。

暗くなったら、ヤバい。もちろんそれほど深い山ではないし、高度もそれなりなので、遭難するのはさすがにないだろうと思うところだが、山ってのは何があるかわからない。最悪、今来た道を戻らなくてはならない可能性もあるわけだ。この辺の判断がすごく重要なんだと思う。

 

やがて、斥候moto君から、先が見えたとの報告が入る。

ほっとしながら、最後の藪を漕いで、ようやく山を抜けた。

天気が良いとは言え、初冬の山すそでタンクトップになってるZの姿が、全てを物語るだろう。

ココでまた休憩しながら、ケモのコト、単車のこと、いろんな話をする。基本的にZもmoto君もいろんな経験が豊富なので、話を聞いてるだけで飽きない。やぶ漕ぎも二番手だったのでむしろ楽しいくらいだったし、今日、イチバン楽しんじゃったのは、きっと俺だろうね。

 

しばらく話していると、陽が傾くのと比例して下がってきた気温に、体温が奪われる。

「腹へったー! あったかいものが喰いたい!」

moto君の叫びに、三人は腰を上げた。

いったん、moto家に戻って少し話したり、着替えたりしてから、moto君オススメのラーメン屋へ行く。moto君は特盛りをつゆまで飲んだ。俺は同じく特盛りのアブラ多めにしたら、まだ体調が完全じゃなかったみたいで、メンを喰いきれずZにあげた。Zは普通盛り完食し、俺のメンも食ってた。

ラーメンを食ったところで表に出て、店の前でまた少しダベる。

雪の中を走りたいとか、スパイクタイヤで走ってみたいとかで、俺とmoto君の意見が一致したので、冬が本格的になったら、ランツァの用のチェーンを買って、挑戦するかもしれない。かもしれないつーか、そう言う話になりそうな雲行きだ。チェーン買うんだろうね、俺。

やがて、風が冷たくなってきたのを潮に、第20回 crazy marmalade ちっちゃいもん倶楽部は、流れ解散の運びとなった。Zのケモ初挑戦や、俺のやぶ漕ぎ初体験、moto君も長いルートは見つけられなかったものの、近所のケモ探索が出来て、上機嫌。

今回もやっぱり、面白れぇツーリングだった。

それほど距離を走るわけでもないからガス代もかからないし、汗をかくほど動いて気持ち良いし、マシンコントロールの勉強にはなるし、なにより、気の合うヤツラと走ってしゃべって、いろんな体験を共有して。オフロードってのはつくづく面白い。こう思うのは、これで何度目だろうね。

でも、本当に楽しいよ。

 

こうなりゃ雨だろうが雪だろうが、ガンガン走ろうぜっ!

 

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