The 21st small machine club

2007.12.02 第21回ちっちゃいもん倶楽部 on WR250X 〜試乗会〜

 

今日は少しばかり変則的なちっちゃいもん倶楽部だ。

俺がバイク屋で借りてきた試乗車のWR250Xつーモタードバイクを、午前中のみの制約つきながら、みんなで乗り倒そうという企画である。そしてWRの試乗もさることながら、俺的に今回 イチバンの目玉はなんと言っても、ついこの間M109RからB-KINGに乗り換えた、ちょりちゃんの参加だ。

mixiの方で多少は知ってるのだが、それほど話したわけでもないし、どんな男かよくわからない。だが、M109Rに乗ってて、それを買い換えてB-KINGだ。ロクなヤツじゃねぇつーか、むしろ変態=俺の好きな部類の男だってことは、想像できる。楽しみだ。

 

昨日から泊り込んでるよしなし、K君とともに、午前9:30過ぎころ、16号を走り出した。

直接ライコランドに向かうふたりと途中で別れ、俺はハヤブサのノーズをレッドバロンの駐車場に突っ込む。店の奥でミーティングか何かやってるようで、誰も出てこないが、WR250Xはすでにスタンバイされていた。

おもむろに覗き込んで、各部のつくりを確かめていると。

 

んだこれ、ハイオク指定じゃん。生意気。

見た感じ、とても70万以上するバイクには見えないのだが、まぁ、ヤマハが満を持して出した新型だ。乗ってみないことにはなんとも言えないだろう。そう思って眺めていると、やがてミーティングが終わり、店長やスタッフが顔を出す。

挨拶をして、さて、WRを貸してもらおうかという段になって、店長がすまなそうに言った。

「かみさん、ちょっと待ってもらえます?」

「いいけど、どしたの?」

すると、俺の家にも遊びに来たことのあるスタッフのH君が、満面の笑みで俺を見ると。

「かみさんが乗るんじゃ、どうなるかわからないので、先に乗らせてください」

ひでぇ話もあったもんである。

 

もっとも、確かにこれから乗り倒す予定だから、彼の『なにがどうなるかわからない』と言う認識が正しいことも事実。H君に順番を譲って、俺はレッドバロンでしばらく待ちながら、ライコで待ってるはずのよしに電話して状況を報告した。

ちょうどそのとき、よしが電話口の向こうで『あ、B-KINGが今、来ました』とか言い出すので、早いとこライコに行きたくて仕方なくなる。が、H君もわりと変態チックな男なので、なかなか帰ってこない。店長が心配してウロウロしてるのがおかしい。

ようやく帰ってきたH君と交代して、俺はWRをライコへ向けた。

 

国道16号をフル加速してみるが……う〜ん、非力。

サスも新品のせいだろう、ちょっと硬い気がする。

ほどなくライコにつくと、よしとK君の前に、レザーを着たでかい男が立っていた。おや、イメージと違うなと思いつつ、WRを停めて挨拶。俺と同じ(ここんトコ着てないけど)カドヤのMAX-Wを着て、ジーンズにレザーチャップスをまとった、でかいプロレスラーみたいな、この男がちょりちゃんか。

スタイルや面構えはイカついのだが、笑うとその顔が急に人懐っこくなる。あ、俺、コイツ好きかも。

 

話題のB-KINGを目の前に、色々と話を聞く。ジョークもポンポン飛んでくるし、この段階で俺は、ちょりちゃんをかなり気に入ってしまった。が、いつまでもしゃべってるわけには行かない。WRは午前中だけしか借りてないのだ。みんなで単車にまたがると、いつもの白井のツイストへ向かう。

ここでひとりづつWRを試乗しつつ、周りは待ってる間にダベる。変形の富津ぐるぐるみたいで、なんだか楽しい。昨夜の宴会のせいで下った腹を慰めるために、近くのコンビニへ行って帰ってくると、NがXR100でやってきた。そこからはXRとWRのツイン試乗会だ。

地元のあんちゃんがNSRで来てるのを見て、K君に『ぶち抜いて来い』と指令を出す。律儀にNSRを追いかけるK君の後ろ姿に、みなで大笑い。かと思えば、ちょりちゃんは別の道を通って走ってくると、『こっちも面白い』言う。俺もためしにそこへ行ってみる。そして帰ってヒトコト。

「ちょりちゃん、普通にヒトん家の前じゃん!」

「がははははっ! そーだった?」

面白れぇ男だ。

 

ダベりつつ、なんどかWRで攻め込んでみると、だんだん使い方がわかってきたみたいで、サスを動かせるようになって来た。すると、さすがハンドリングのヤマハ。高い荷重をかけて曲がるような場面でも、結構スムーズに曲がりだす。

ランツァのようにぐいぐい曲がる感じではないけど、ちょっととっちらかるほど思いっきり突っ込んでも、適度な安心感がある。最初は高速コーナーで頼りなく感じたフロントが、トラクションをかけられるようになると急に安定する。面白い足だ。足つーかフレームなのかなぁ。

NSRのあんちゃんが、ぐるぐるとストイックに回り続けるので、K君と交代で突っつくが、さすがに抜くまでには至らない。俺自身の感想としては、体感的にはランツァのほうが速いかな。10psの差なんて出ないかと思ったけど、舗装路ではそうも行かないようだ。

野田店にこいつのオフ版、WR250Rがあるらしいから、そっちも一度乗ってみたいね。

もちろん、ダートで。

 

みんな交代で、通りかかるツーリングライダーやSS乗りに、WRでついていく。

『転んで押しながら帰ってくるんじゃねーの?』とか、バカ話をしながら笑う。

楽しい。

そのうち、ちょりちゃんがXR100に乗って走り出した。poitaさん並みにXRに同情したくなるほどのミスマッチングな姿が、また最高に面白い。ちょりちゃん、でかくて手足が長げぇから、WRにしても足べったりで羨ましいね。つーか、そのちょりちゃんでさえカカトが浮くB-KINGってのはすげぇな。

スペック的にはハヤブサと同じ車高なんだけど、シートカウルの形状のせいで、足つきはさらに悪いそうだ。俺なら間違いなく、買った瞬間にドシャコ決定だね。なんて話をしてたら、ちょりちゃんも。

「低くしたいんだよなぁ」

お、すばらしい。わかってるじゃん! 貴重な同好の士だ。

 

よしのBMW-GSにも初めて乗ってみた。

や、気持ち悪りいぞBM。

ブレーキかけてもあんま沈まないのに、そこから曲げようとする意志を持っただけで、スカっと曲がる。見た目からは想像つかないほど、ものすげぇ軽快に寝る。アイポイントが高いのに、バンクが速いから、慣れないと怖くて一気に寝かせられない。すぐ慣れるけど。

うぇ〜とかうひゃぁ〜とか叫びながら、すんげぇ楽しく走れた。それほど高負荷で走れたわけじゃないけど、BMWマジックってのの片鱗は見えたような気がする。言い過ぎか。

 

楽しい時間はあっという間。

昼を過ぎたので、第21回 crazy marmalade ちっちゃいもん倶楽部は残念ながら終了だ。

速度差があるので、別コースで帰ると言うNを残し、俺たちはレッドバロンへ向かった。途中の16号で、そのまま帰ると言うよしと別れ、俺とちょりちゃんはレッドバロンへ。え? K君? うん、なんかまたはぐれた。まぁ、彼のはぐれはもうデフォルトだ。俺の家はわかってるんだし、帰ればいるだろう。

そう思って気にせずレッドバロンへWRを返し、たまたま遊びに来てたH君の彼女をからかって、俺とちょりちゃん、H君でしばらくダベる。ちょりちゃんにハヤブサのバックモニターを見せて笑いを取り、H君がちょりちゃんへ、熱心にB-KINGのインプレを聞いてるのを、笑いながら眺める。

 

レッドバロンを出て、裏道から家に帰ったらK君も帰ってきた。

さぁ昼飯だ。

二日酔いでそんなに食欲がなかったので、寿司を取る。お約束の『回ってない寿司は久しぶり』をかましたあと、ちょりちゃんが、どうやら早くもボブさんに捕獲されてると言う情報に笑い、カドヤのすばらしさを語り合う。ちょりちゃんは、思ったとおり引き出しの多い男だった。

単車だけじゃなく、クレー射撃とか彼の副業(本業?)の話とか、面白い話をたくさん聞く。俺は調子に乗ってビールを引っ掛けながら、K君は相変わらず寡黙な中にもボソっと面白いことを言いながら、天気のいい日曜の昼下がり、単車乗りが三人、単車にも乗らずにバカ話。

これはこれで、また、楽しい。

 

やがて帰りに二時間かかるちょりちゃんが、腰を上げる。

ちとさびしいが、この男とはきっとまた遊ぶ、と言うことを確信してた俺は、次回の出会いを楽しみにしながら、家の前でちょりちゃんと別れた。でっかい男のでっかい背中を見送るときびすを返し、K君の待つ家の中に、鼻歌を歌いながら戻る。

K君が未読だと言う「バリバリ伝説」を読んでる顔を見ながら、俺は。

「次はいつ、ちょりちゃんと走れるかなぁ」

と、楽しい気分でビールを開けた。

 

次に走るときは、でっかいもんだね。

 

index

inserted by FC2 system