The 26th small machine club

2008.03.09 第26回ちっちゃいもん倶楽部 ケモライド・イン・君津

〜雨中遊泳〜

 

前日に、トモ君の家で宴会をやり、次の日はケモ道。

そして、天気予報は、ド雨。

コレだけ条件がそろえば、何もない方がおかしいつーステキ企画に誘われて、午後6:00、俺は柏を出た。出て数分、当然のように雨が降ってくる。俺のカッパはサイドジップではないので、オフロードブーツを履くと、身につけるのが限りなくめんどくさい。

しばらくは往生際わるく走っていたのだが、雨脚が強くなってきたので、目に付いたコンビニへ。

ここでカッパを身につけ、ついでに明日必要だろうゴミ袋を買い込んで、トモ家へ向かう。

7:30ころ、トモ家の近所のファミレスにつくが、当たり前のごとく、どいつもこいつも居やしないので、そのままファミレスに入り、コーヒーを飲みながら待つこと30分くらい。R君に『来週、首都高行こう』とメールしてると、moto君、K君あらためイチロー、そしてなんとirohaまでがやってきた。

moto君の弟irohaは今回、次の日に仕事があるので不参加のはずだ。

どうしたんだと聞いたら、俺にイタリア旅行のお土産を持ってきてくれるのと、トモ君に会いたいということで、急遽、顔を出してくれたと言うことらしい。雨の中、あのバリオスで、しかもコンビニで買った980円のカッパを着てズブ濡れになりながら。 律儀な男である。

そのうちよしなしも、トランポにXLRバハを積んでやってきた。

バカ勢ぞろいだ。

 

やがてファミレスに、仕事のハネたトモ君がやってくる。

んで、みなでトモ家に移動したのだが、よしなし以外はこのクソ雨の中を自走で来てるので、一刻も早くカッパを脱いでまったりとしたいっつってるのに、トモ君の許しが出ない。つーかこのキチガイ、やるにこと欠いて『今からタイアをホイールに組む』とか言い出したぞ。

誰か突っ込めよ。

んでまたこの男が、とにかく俺並みにバカつーかテキトーつーか、酷いもんなのだ。上の写真、穴の開いたチューブにパッチを貼っているところなのだが、ゴム糊つけるなり、ろくに乾かしもしないで貼り付けやがる。 『ちょっと早いんじゃない?』とよしなしが突っ込むと。

「俺、待つの苦手なんだよね」

うん、そう言う問題じゃねーから。

 

暇なので(だったら手伝いましょう)、俺も穴の開いたチューブにパッチを貼る練習をした。

どーよこの一体感。どっかのテキトーなパッチとはワケが違うぜ。よく見ればツヤも違う気がしないか? ココまで美しく貼れれば、もはや芸術品と言っていいだろう。いや、さっきの『俺並み 』って言葉は失言だった。バカ比べなら俺の惨敗だ。

で、そのバカがなにやらセクシーな香りをまき散らかしてるので、軽く盗撮してみた。

本日のエロショット。

んで、ここでirohaは帰宅。

次回は一緒に走ろうな?

 

タイアをハメる作業も終わり、いや、正確に言うと終わらせたのはK君あらためイチローなのだがそれはさて置き、ようやく、トモ家に入れてもらうことが出来た。ご家族にアイサツして、俺とトモ君とmoto君の三人で近所のスーパーとコンビニに買い出しへ行ったら。

さぁ、レッツ宴会。タイマン張ったらダチじゃ的に。

左からトモ君、moto君、俺、イチロー。写真撮影はよしなし。

 

これも、よしなし撮影。自分の写真があるのは嬉しい。後頭部だけど。

んで、トライアルの練習ビデオというマニアックなBGM(BGV?)をバックに、絶好調の宴会は続く。トモ君が俺と同じハードロック好きだったので、その話で (ふたりだけ)盛り上がり、最終的にはトモ君、ギブソンのレスポールまで持ち出して弾き始めた。他の連中は置いてけぼり。

さらに、moto君の指令でイチローが俺にからむ芝居をしたりしたらしいが、俺はもう、ご機嫌に出来上がってたので、キレイさっぱり覚えてない。どのくらいゴキゲンだったかといえば。

 

 

曙(アケボノ)になるくらい。

 

朝、イチローの『かみさん、雨やんでますよ!』の声に ガバっと起きると、またもmoto君の指令で言わされたイチローのホラだったので、今日は一日、ヤツをいじめることに決定した。そうと決まれば、朝めしを食いに行こう(文の前後が繋がってません)

 

いいから早いトコ、リアホイール履かせろ。

 

スタンドでエアを入れて、それじゃ飯を食いにいこうぜつってたら、トモ君。

「エア漏れてる。修理してくる」

と、イチローを連れて戻ってしまった。だからあんなアホな修理じゃダメだろつったのに。仕方ないので、俺とmoto君とよしなしの三人で、先に吉野家へ。牛丼特盛り&カレーを食って、オモテで一服してから様子を見に行こうと走り出すと、ちょうど二人がやってくる。

そのまま合流し、ふたりが飯を喰い終わったら。

それじゃぁ走りにいこうか。

 

トモ君の先導で南下してると、なにやら妙な音がする。

みゅいん、みゅいんみゅいん、みゅんみゅんみゅんみゅん。

信号待ちで停まったときに、その音の発信源である単車に乗ってるトモ君に『これなんの音?』とたずねると、間髪入れず『タイアがスイングアームに当たってるんですよ』の返事。笑顔でンなこと言われてもとりあえず半笑いで流すしかないだろ、つー話ではある。

やがて、駐車場に到着。

ここでよしなしがトランポからXLRを降ろし、代わりに俺やmoto君の荷物を積んだら。

ケモの始まりだ。

 

先ずは小手調べと言うか、トモ君が練習に使ってる(と思われる)広場へ。

トモ君、俺、moto君と降りたら、次に控えるのはイチロー。

 

イチロー、トモ君に指導されつつ、危なげなく降りる。 その次はよしなし。同じく、簡単に降りる。その様子は、もちっと↓に二つあるうちの、二番目の動画に入ってるよ。

 

降りた先の広場。遊びでがありそうな場所だよね。

 

さて、しばらく行った所で、小川に鉄板の橋がかかってるトコへ出る。

いや、勘違いするな。

『鉄で作られた頑強な橋が架かってる』という話ではなく、鉄板がひょいっと置いてあるだけの、橋と呼ぶにはかなり勇気のいる物体のある場所に出たのだ。そこでトモ君、俺、moto君と越えたあと、前座のイチローが軽くカマしたら、さぁみなさんお待ちかね。

本日の主役、祭りの神輿(みこし)、よしなしのアタックだ。

 

『前座〜真打ち』動画。

 

こっちの心の準備も出来てないうちから、イキナリだからね。

や、まぁ、そりゃイチバン驚いたのは本人だろうけど。

川オチをスタートに、よしなしの天下は続く。みんなで川から引っ張りあげ、それじゃ次へ行こうか、などと簡単に話は進まない。俺的に、ケモやるにはもっとも必要だと断言したい『セルモータ』が、よしなしのXLRにはハナからついてないのだ。キックオンリー沢村忠。 バッテリレス。

それがもう、アホかってくらいかからないのだ。

 

蹴っても蹴ってもかからないエンジン。

折れるよしなしの心。

飽きる俺。

 

みんなでとりあえず先に行き、単車を停める。

そこにいくまでにも、丸太三本を平行に並べて、その上にベニア置いただけみたいな、キチガイ沙汰の橋があったりするのだが、それはさて置き。よしなしのところへ戻って、蹴り続けるヤツを温かく見守る。よしなしはホットスターター使ったり、プラグの火をチェックしたり、大変そうだ。

俺は雨の中でぼけっと見てた。

すると、トモ君もやってきて、交代して蹴り始める(見習いましょう)

 

なんとかエンジンがかかり、よしなしも三本丸太のキチガイ橋を越えて、次の場所へ向かう。

雨でどろどろの坂を登ってゆくと、急坂の手前でトモ君が単車を停める。『エグいS字の上り坂です』とセクション宣言をして、するすると登ってゆくセローwithトライアルタイア。さぁ、次は俺だ。満を持してランツァを発進させるも、途中で完全にスタック。

何度か戻ってアタックするのだが、どうにもこうにも登れない。

俺の代わりにトモ君がランツァに乗ってチャレンジしたりもしてみたが、ダメ。結局、押してもらって引っ張ってもらって、ヘロヘロしながら登った。登ったつーか上げてもらった。続いてmoto君がクリアし、イチローとよしなしが苦戦し始めたところで、トモ君@セロトラが先へ行こうとしてスタック

それまでは『何とかいけるだろう』思ってたのが、トライアルタイアが空転するのを見た瞬間、俺の心は折れた。や、セロトラなんてトライアル車以外じゃケモ最強に近いマシンがスタックする場所なんて、ぜってームリ。少なくとも、俺とランツァのコンビなら確実に遭難だ。

坂の途中でテント張って一泊するのはイヤなので、戻るコトになった。

 

戻って少し行ったところに、すげぇ気持ちのいい林道があった。

トモ君が『一本道だから好きに走れ』と先に出してくれる。ハイスピードでぶっ飛ばせるので、もちろん、俺とmoto君はすっ飛ばして走る。雨で滑るから、リアどころかフロントまで滑るのだが、それがもう、楽しくてしょうがない。あっという間に林道を駆け抜け、出たところで一服。

あとで聞いたら、ここでイチローは地味に転倒してたらしい。

少し休んだら、次に行こうよトモ君。

またしばらく舗装路を走って、山の中へ入り込んでゆく、バカ五人。『そんなに難しいところはない』と言うトモ君の言葉にうなずいて進んでゆくと、確かにいつもの山のように見た瞬間心折られるような光景はないが、そこそこ難しいところもあってヤケに楽しい。

moto君も気に入ってたので、今度は晴れた日にも来てみたいね。

率先してヘルプに入る、機動性の高い男、トモ君。

 

これから、ちょっとした難所に挑むよしなし。

トモ君、俺、moto君、よしなし、イチローの順番で進み、ちょっと難しいところを抜けるたびに、抜けた先で単車を停めるのだが、スタンドがめり込むので停める場所を見つけるのが大変だ。丁度いい感じの木にランツァを立てかけていると、後ろで俺を呼ぶ声がする。

「かみさ〜ん! ちょっときてください」

何事かと駆けてゆくと。

 

よしなしが落ちてる。

その横で、トモmoto変態魔人ふたりが

「かみさん、写真! 写真!」

そう。

よしなしは、足が挟まれてるのに、俺が撮影に来るまで助けてもらえなかったのだ。

わかるかなぁ? よしなし越しの崖下。わかりづらいけど、激烈に深い谷だぞコレ。

 

ココを抜けたら、コースはいったん終わり。

また、舗装路を抜けて別のコースへ行くのだ。合間合間に舗装路が入るので、トモ君は『途中で気が抜けたり、シラけたりしません?』と気を使ってくれる。だが、合間に舗装路が入ることで息抜きができ、体力的にすごく楽なので俺としては問題なし。

や、moto君みたいな変態なら、ずっとケモりっぱなしが良いのかも知れないけどね。

 

次のコースの入り口付近。

小林先生は奥の土管をXR230で軽々と越えてたらしい。

もちろん俺には練習にも参考にもならない場所だ。

 

さぁ、ココからまた走るぜっ! っと気合を入れたら。

まだまだ行くぞケモノ道。

 

つわけで、ココからは今まで書いてきたのも含めて、動画で見てもらおう。

 

 

舗装路で移動しては林道を走るという形だったので、体力的な消耗はあまりなかったが、いかんせん、なんでもないようなところが、雨で滑ってとんでもなく難しくなる場合が多い。動画の最後にある、遠心力を使って超えるような場所 も二三箇所あり、なかなかスリリングだった。

遠心力セクションと(俺が心の中で勝手に)呼んでいた場所ってのは、イキオイよく突っ込んで、遠心力で土壁にタイヤを押し付けて曲がらないとガケの下に落ちてしまうセクション。イキオイで越えるってのが、俺向きでステキ。怖いけど。

このあたりで、イチローはだいぶ心が折れてる。

 

でも、押す。

 

時間がなかったりしたら仕方ないけど、基本的には自力突破が楽しいね、ケモ道は。

ちなみに俺は坂を登ってる途中で、道に気をとられて、太い横枝に思いっきりドタマをぶつけた。ドタマつーか顔面。曇ってしまうゴーグルを外していたので、オフロードメットの開口部を上手にすり抜けた横枝が、俺の左顔面にエグい右フックを叩きつけやがったのだ。

一瞬、ノックアウトされかけた。

 

んで、この先で『遠心力+岩肌+つるつるドロ』のコンビネーションが牙をむく、この日最大の難関へ突入。 岩むき出しの上を、イキオイよく抜けるのだ。トモ君、俺、moto君はクリアし、さぁ、イチローと、本日のMVPよしなしの出番だ。

だが、何度か繰り返すも、クリアすることが出来ない。そして期待に応えるべく、ふたりとも派手なぶっ飛び方をする。むしろ、こいつらコケ方の芸術点を競い合ってるんじゃねーだろうな的飛びっぷり&リカバリに向かうガッツ。果敢に攻める、よしなしとイチロー は美しかった。

やがてイチローが、今まででイチバン派手にすっ転ぶ。

その瞬間、ガゴンッ! とケモ道らしからぬサウンドが雨の中、響きわたる。みなで集まってイチローのDトラッカーを起こしてみると、大変だ! ブレーキレバーがぐらぐらになってるじゃん。試しにトモ君が握ってみると、そのままあっさり外れてしまった。スーサイドセットアップの完成。

スーサイドセットアップの例。フロントブレーキと言うのは日本では必需品だと思うのだが。

 

イチローの単車にロープをかけて、みなで引っ張りあげたあとは、最後のアタッカーよしなし。

だが、ガッツむき出しで攻めるも、XRはそっぽを向いてすっ飛んでいってしまう。どうしても越えられず、トモ君が代わりに乗ってアタック。しかし、助走もできないわ、みんなが走ってどろどろになってるわで、二回ほどチャレンジ でギブアップ。ロープをかけてみんなで引っ張りあげる。

ココから出口まではもう少しなのだが、イチローはフロントブレーキが効かないので、万が一のために師匠であるmoto君が後ろについて走り、 俺とよしなしは、トモ君について先に下りる。雨でつるつるになり、ブレーキナシじゃ結構ヤバい下りを、三台で降りてゆく。

やがて。

矢印のところから降りてきて、無事、出口に到着。

 

よしなしの顔に安堵が浮かぶ。無論、俺の顔にも浮かんでいただろう。

 

迷彩の上からドロの迷彩を重ねるとは、なかなかセンスが良い(センス関係ありません)。

よしなしはにっこにこしながら『楽しかったー』を連呼してる。その言葉にトモ君は『そーすか、良かったー』と微笑んでいたが、俺はもっとボロボロになってゲロ吐いてケイレンするよしなしが見たかったので、コースは楽しかったけど、その点だけは不満だ。

 

別に威張ってるわけじゃなくて、さっきぶつけた左のほほを写真に撮らせてる俺。後ろには、なにやら背後霊らしきものが写っているようだが、俺の背後霊にしては品がないので、このあたりの地縛霊かもしれない。むしろ自爆霊か。

 

やがて、moto君とノーブレーキボーイが降りてきた。

よしなしのトランポが置いてある駐車場まで、クソ雨の中を走るのだが、とにかく寒い。も、アホほど寒い。駐車場につくまでに手の感覚とか、足の感覚がなくなってしまうくらい寒い。調子良かったら凍傷で指切り落としかねないくらい寒い。

ガタガタ震えながら、何とか駐車場に到着したところで。

本日のcrazy marmalade ちっちゃいもん倶楽部は、ココで解散。

コンディションの悪い雨の中と言うネガさえ、ゲラゲラ笑い飛ばして突っ走るコイツらの笑顔に、昨日アレだけ飲んだのにも関わらず、今すぐ祝杯をあげたい気分だ。ホント、はたから見ればタダのキチガイだけど、気持ちの良い連中だよ、実際。

俺はこれから自走で柏まで、moto君はイチローのサポートをしながら、そのイチローはフロントノーブレーキで、よしなしは遠く茨城まで、それぞれ結構大変だ。しかもイチバン近いはずのトモ君まで、なんと、『このあとヨコハマ行くンで』とかキチガイチックなことを言ってる。

どいつもこいつもバカだけど、俺はコイツらが大好きだ。

 

ガソリンスタンドで見たお姉ちゃんが可愛かったコトを心の支えに、全身しびれて感覚がなく、身体が勝手にガタガタ震えだすのを抑えることもできないまま、何とか柏に帰りつき。風呂につかった瞬間、昨日からの楽しかった時間を思い出して、思わず鼻歌がでてくる。

宴会も、雨のケモも、楽しかった。

みんな、また走ろう。

 

そしてまだ出会ってないあんた。

あんたも一緒に走ろうぜ。

 

 

 

それにしても……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右フック、効いたなぁ。

 

 

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