The 36th small machine club

2009.04.11-12 第36回ちっちゃいもん倶楽部 in 秩父獣道

〜三獣士(後編)〜

前編はこちら

 

二本目に行く前に、昼飯を食おう。

昨日リバースしちゃった俺は、張り切ってコンビニで買い込む。

うん、やりすぎだ。つーか朝飯も結構たくさん食ったじゃん、俺。リバース関係ないじゃん。

メシ喰ってたら、mioちゃんが「板長から電話がありました」言いながら携帯を差し出しすので、受け取ってコールを聞く。んで、板長が出た瞬間「おーす! かみさんだぞー! 今どこだー?」といつもの調子で話しかけると、mioちゃんからだと思ってた板長、明らかに動揺を隠せない。

電話に出たの、mioちゃんより100倍くらいめんどくさい人だから、無理もないのだが。

板長たちも秩父へツーリングに来るらしいのだが「ケモろうぜ」つっても乗ってこなかった。んで、mioちゃんに電話代わったら、mioちゃんも「ケモ行こうよ」つってた。それ見てよしなしが「おんなじこと言ってんじゃん!」と笑う。ケモの合間の楽しいひと時だ。

や、ケモ自体もめちゃめちゃ楽しいけど。

 

メシを食ったらさて、二本目に行こう。

相変わらず入りだけは穏やかな感じで進んでゆくと。

 

「 さぁ、こっからヤルよん」的な広場。mioちゃん曰く、二本目はガレっぽいらしい。

んで、そのまま進んでいったら、途中で止まったmioちゃんが支線を指差し、「ココからも、向こうの町に抜けられる……と思うんですよね。途中までしか行ったことないけど」つーので、「んじゃ、先のガレ場に行ってから、戻ってきてこの道を抜けてみようよ」と提案する。

話が決まったので進んでゆくと、明らかに様子のおかしなスキンヘッドの男が、でかいクルマを止めて道をふさいでいた。俺たちが近寄ってもどかす気配がないので、おかしいなぁと思っていたら「この先は行き止まりだよー」と教えてくれた。なので引き返し、さっきの支線へ。

最初こそ道っぽかった支線は、段々様子を変えてくる。

うん、もう道じゃないよね、コレ。

 

道が見えるヒトは黄色信号。変態一歩手前だから気をつけれ。

 

これはまぁ、道つってもいいか。

 

途中で止まったときに、mioちゃんとよしなしが先頭を譲り合っていた。

なので、「んじゃ俺が」と先頭を取り進んでゆく。

廃道らしい荒道を抜けてゆくと、頂上付近に分岐があった。

 

ここでmioちゃんとふたりで悪だくみ。

本線っぽいルートをランツァでふさぎ、後からやってきたよしなしに「こっちこっち!」と上に行くルートを取らせる。よしなしはいったん停まり、俺とmioちゃんの顔を見てたくらみに気づいたようだが、それでもテンションが上がっているのだろう、ガンガン上り始めた。

登っていったまましばらく帰ってこないよしなしを待つうちに、ハメたはずの俺とmioちゃんの方が、なんだか損した気分になってきた。「よしなしだけ、楽しい道を走ってるんじゃないだろうか」という疑心暗鬼に囚われたふたりは、結局、よしなしを追って登ってゆく。

ケモの恐ろしいところだ(違います)。

このときはさすがに、「俺ら、本気でバカだなぁ」と心から思ったね。

 

よしなしのところまで進み、そこで先頭をmioちゃんに交代。

ぐいぐい進んでゆくと、ヤバいくらいの斜度の坂になってきた。 しかし、mioちゃんに停まる気配はない。ならば俺も行くしかないわけで、むしろココ、途中で停まったらにっちもさっちもどうにもブルドッグだろうなぁと気を引き締め、おそらく今日イチバンの集中力を発揮して、一気に登り切った。

たぶん、難易度的にも距離的にも、今までで最大のヒルクライムだったと思う。

頂上へ出て、やり遂げた感にしばし陶酔しながら、心地よい風に吹かれていると。

うん、この先はかなりガケですな。

ためしに行けるかどうか歩いて下ってみたんだけど、確実に無理。ヒャクパー行けない。つーかコレを下れるスキルがあるなら、ハナからひとりでどこでもケモ探索できるつー話だ。ってことはUターンして下らなきゃならないんだけど。

そうそう、そうだよね。

後ろはさっき、今日イチバンの集中力で駆け上がってきた、バカみたいな坂だったよね。

うん、写真とか撮ってる場合じゃないかもね、みんな。

 

つわけで行きの元気はドコへやら、ソローリソローリ、慎重に下ってゆく。

 

下りきってみんなが降りてくるのを待ち、さっきよしなしをハメようとした分岐に戻る。

 

分岐からの本線はどうやら修験道らしく、一応人間が通れるようだ。

「人間が通れるなら、バイクもいけるだろう」

という論理的考察の元、今度は俺が先頭になってガンガン進んでゆく。

比較的イージーだが、ガレてるので油断してるとハンドルを持っていかれる。

 

越えられない倒木を切り、更に先へ。

この写真だと俺がメインで切ってるっぽいけど、ほとんどmioちゃんが切った。

 

静かな山間に響く、エンジンの音。

 

 

人間が通れるなら、バイクも通れるのだ。がんばれmioちゃん!

 

俺はすでにクリアーして、二人をガケの上から写したり。

 

mioちゃんが越えたらよしなしだ。

いけー! カマせー!

と思ったら、よしなしも普通にクリア。なんだかんだ、三人ともスキルが上がってきたよね。

 

お次は丸太橋越えダブル。

手前の橋が二本目。一本目は右の山の向こう。

ちなみに俺はナニをキャッチしちゃったんだか、上の写真左手まで一気に進んで川を渡り、

写真右から橋に登ろうとしてマクれかけてコケた。

 

mioちゃんは、素直に一本目の橋を越えて、二本目の橋の前でいったん深呼吸。

 

無事、クリア。「精神的にキツイね」と言うmioちゃんに、俺とよしなしもうなずく。

以降、こんな感じの落ち着けば行けるけど、気を抜いてヤっちゃうとダメージがでかいという微妙なセクションが続く。緊張と緩和を繰り返すので、疲れるけど楽しい。この日走った道の中では、俺はイチバン好きかもしれない。

ま、先頭イッてたから余計に楽しかったって言うのもあるかな。

 

ようやく廃道を抜けて二本目も無事に終了。

 

まだ時間があるので、一本目のそばにある『もうひとつのコース』を攻めようと言う話に決まる。

mioちゃんの案内で舗装路を走り、まだ見覚えのある一本目のそばからルートイン。

mioちゃんが慎重に行ってコケ。

 

俺がイキオイよく下りて、コケ。

 

ふたりの様子を見て学習したよしなしは、イッパツクリア。

その後も、淡々とクリアしてゆくよしなし。

う〜ん、正直、好調なよしなしなんてツマランなぁと思いながら先に進んでゆくと、早い段階で先に行けなくなる。なのでUターンして別の支線を行こうと決まり、俺はUターンがメンドウだったので

こんな風に降りてきた。それを見たよしなしが、同じようにUターンしないで坂を下りてきたのだが。

突然!

「ぬおぉ!」

と悲鳴が上がり、びっくりしてそっちを見ると

こうやって降りてきたよしなしが、木の切り株に思いっきりぶち当たり。

俺の目の前で大転倒し、まるでシャチホコのごとく反り返りながら、枯葉の上を「ズサー!」っと滑っていき下の道に落ちて停まった。普段、転んでもみんなの笑いと写真撮影の餌食になるだけのオフロー ドで、正直、マジで引いてしまうほどハデにすっ転んだので、「大丈夫か?」と声をかける。

するとよしなしは、仰向けに寝転がったまま、親指を立てて見せた。

それから起き上がったよしなしに怪我がないか聞いてみると、「深刻なものはなさそうだ」と言うことでひと安心。つわけで写真や動画には撮り損なってしまったが、俺の脳内にくっきりと刻まれているよしなしの雄姿を、ここで 正確かつ精密に再現してみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じ。

ブルドーサのごとく落ち葉の中を進み、ヘルメットの中が枯葉で一杯になっていくサマが、まるでスローモーションのように見えた。あの時は心配しちゃってそんな心境になれなかったが、コレ、動画に残ってたらよしなしの出世作になったこと、間違いないだろうね。

 

みなの期待に応えてハデにすっ転んだよしなしは、若干、心折れ気味なのだが。

鬼のmioちゃんに、そんなものは通用しない。

ちょこっと休んだら、ガシガシとケモ道を進んでゆく。

もっとも、この先はそれほどエグいところもなく。

 

進んでは戻りの繰り返し。

 

ここらでタイムアップとなる。

いや、時間的にはまだ3:00と早いのだが、俺もよしなしも帰る準備だのがあるし、みんな体のどこかがケイレンし始めていたから、まぁ、この辺でお開きが妥当だろう。そんな風にmioちゃんに伝えると、mioちゃん分かったとうなずいて。

坂をバックしながら下りてきた。

その姿に俺とよしなしは爆笑。さっきよしなしに持って行かれたのが悔しかったんかね?

 

もと来た道を戻り、舗装路を走ってキャンプ地の川原に戻り。

本日のCrazy Marmalade ちっちゃいもん倶楽部は、三人無事に生還して終了。宴会といい、ケモといい、久しぶりに充分なヴォリュームで大満足な二日間だった。やっぱり、自然の中でのた打ち回るケモライドは、最高に楽しいね。

 

つわけで帰り道。

またもアレなセッティングを施したランツアにまたがり、俺は柏を目指したのだった。

途中で、赤灯と戦いながら。

 

あん? ケーサツ?

なに言ってんだ、あんた。俺がケーサツとモメるわけないだろう。赤灯ってのはアレだよ。

2サイクルオイル警告灯だよ。

ケモってる段階から警告灯が点灯してたんだが、ランツァは完全に点灯してからでも100kmくらい行けることがわかってた俺は、男らしく勝負に出たのだ。正確に言うと、この状態ですり抜けするのに夢中で、高速に乗ってからオイルのことを思い出したのだ。

いや、例のドラゴンなんとかのせいで高速に乗るまでの下道にハーレィが多かったんだが、その中でもすり抜けする連中が、も、中途半端でイライラしちゃって、オイルどころじゃなかったのだよ。とりあえずハーレィだろうがナンだろうが、行けないなら道を譲って欲しいなぁ、俺は。

すり抜けしないならしない、するならビシッとね。

ワイルド気取るのは良いけど、空ぶかしでよけさせて抜くのはカッコ悪いと思う。ま、俺が言うのはそれこそ、目くそ鼻くそだとは思うけど、ハンドル幅1メータだってきちんと車幅感覚を持ってれば、そんなダッサいすり抜けしなくても普通に行けることだけは、明記させていただこう。

 

つわけで高速に乗ってからもイラつきは収まらず、ホイール積んだまんまガンガンすりぬけて、関越を抜けたあたり、道が空いてきたところでさすがにキビしい状況になってくる。だったら高速降りてオイル買えばいいようなものだが、それは俺の人生の大事な指標「めんどくさい」に抵触する。

なのでジリジリしながら燃費走行。

ようやく柏まで到着し、ドラスタでヤマハのオイルを買った。

なんと1リッター缶が丸々入った

いやコレ、ランツァ乗りにしかわからないと思うが、すげぇことなのだ。ランツァのオイルと言えば、1リッター缶が必ず、ほんの数十cc残るコトで有名なのだよ。ランツァ乗りなら、俺が今回、どれだけ攻めたか理解してくれるはずだ(バカだと言う事は理解してくれるはずです)。

 

mioちゃん、宴会の準備&道の先導ありがとう! また次回の秩父も、よろしくね! 

よしなし……お前にはやっぱりケモの、いや、ネタの神様がついてると思うぞ、俺は。

ふたりとも、うまくて、楽しくて、大笑いの時間をありがとう!

またいこうぜ!

 

暖かくなって装備も少なくて済むし、これからもガンガン、ケモライドやりたいね。

 

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