The 37th small machine club
2009.05.13 第37回ちっちゃいもん倶楽部 in 千葉 〜ショートケモライド〜
「しばらくROMってたけど、性に合わないので連絡しました。ぜひ走りましょう」 UKさんと言う方から、そんなメールを貰ったのがいつだったか。 そこから連絡を取り、UKさんがオフ乗りであること、女性であること、休みの日にはお父さんとふたりでオフロードを楽しんでることなどを聞く。やがて件(くだん)の「千葉にオフで遊べるところがある」と言う情報に反応した俺は、狂喜しながら二つ返事で走りに行くことを快諾した。 そして昨日の13日(水)、いつもどおり午前中の仕事をしていたのだが。 整骨院の玄関に、なにやら男がひとり立っている。アンシンメトリーの髪型の下に、満面の笑みをたたえたその男は、千葉の変態兄弟の弟、SM兄弟のMの方、irohaだった。この間の宴会でirohaの腰を診たときに「分離症って言われたんです」つってたので「X線写真を見せろ」と俺が言った。 律儀なirohaは、それを覚えててレントゲン写真を持ってきたのだ。 んでirohaの持ってきた写真を吟味して、案の定、分離症そのものの痛みではないことなんかを確認しつつ治療を終える。すると「かみさん、今日はオフ走りに行くんですよね?」「行くよ、二時半に16号沿いのケーズデンキ千葉本店だ」「なんだ、俺んちから近いですね。俺も行きます」 とんとん拍子に話は進み、irohaを送り出す。
シップまるだしのiroha。
やがて仕事が終わるとUKさんに「もうひとり追加」のメールをして、こないだの秩父ケモの時に空気圧を落としてたタイアに、近所のスタンドで空気を足してから出発する。「向こうについてから、また空気を抜けばいいや」と思いながら、16号をすり抜けて、約束より30分早い午後二時ころ。
ケーズデンキに到着した。 そこでUKさんとirohaにメールを入れると、缶コーヒーを飲みながらみなの到着を待つ。 やがて、2サイクルの元気な音を響かせながら、
UKさんつーかUKちゃん親子が到着。KSR80二台は、UKちゃんが純正のタイアで、UKとーちゃんはバリバリのロードタイア。この段階で俺の中に「エアを落とす」と言う選択肢はなくなった。こっちはフルサイズでオフタイアなんだから。 UKちゃんと挨拶するより先に、UKとーちゃんとご挨拶。気さくな人柄でガンガン話しかけてきてくれるので、おしゃべりな俺としては大歓迎。さっそく、KSRの話や今日のコースの話をしてると、
やがてirohaもやってきた。ロードのメットにジーンズにワークブーツ。なのに上だけオフジャージと言う、なにやら中途半端な格好に思わす笑ってしまう。 そこで数分ダベってから、とーちゃんの先導で最初のコースへ。
UKちゃん親子はふたりともKSRに乗り始めて数ヶ月だという。UKちゃんは大型も持ってるのだが、今はあえてKSRで練習中だとのこと。とーちゃんはどうだか聞きそびれた。そんでそのとーちゃんなんだが、ものすげぇ元気なハイテンションオヤジで、めちゃめちゃ元気にぶっ飛ばすのがオモシロい。 16号からいくつか折れて裏道に入ってゆくのだが、そこで道を間違えたとーちゃん、Uターンして走りだしてすぐ、砂の浮いた交差点で思いっきり転倒。「大丈夫ですか」と声をかけるまもなく、すっくと立ち上がり 何事もなかったかのようにキック始動。 そしてまた、ばいんばいん走り出す。 ランツァ乗り始めのころの俺とか、moto君にイッパツ喰らったあとの銀星を思い出させる、思い切りのいい、一歩間違えば無謀とも取れそうな開けっぷりが、実に気持ちいい。ダートに入っても開けっぷりは変わらず、ロードタイアのKSRでバンバンすっ飛んでゆく。 そしてすっ転ぶ。 見てるこっちも楽しくなってきちゃう、その元気な走りにヘルメットの中で笑いながら、irohaやUKちゃんと三台でとーちゃんの後に続く。
基本的に短いコースのピストンを繰り返すのは、山の中じゃないから仕方ない。
今日のirohaは、一味違うぜ!(メットが)
このへんは、まだ楽勝な感じだった。
やがて、とーちゃんがずっとクリアできなくて、俺らに「クリアするところを見せて欲しい」と言っていた坂に到着する。到着つーか「先に行っていい」つーんで走ってたら、いつの間にか越えてた。フルサイズのオフ車なら苦労しないで登れるが、確かに、ロードタイアのKSRじゃちと難しいかんじ。
写真だとわかりづらいかなぁ。短いけど結構キツめの坂だ。
それでも目の前で俺やirohaが登ったのを見て、イメージが固まったのだろう。
最初のアタックで転倒して、リアボックスをふっとばしながらも。
とーちゃん、二回か三回のトライで無事にクリア。
UKちゃんはちょっとキツいとのことなので、俺が代わりに彼女のKSRを駆ってクリア。
ここからとーちゃんがリアボックスを直してる間に、irohaとUKちゃんと三人で軽く探索するも、藪の途中で完全に道がなくなってたので、あちこちを適当に走って遊ぶ。土の状態がよく、すげぇ走りやすくて楽しい。いつものケモにはない、なんだか牧歌的な雰囲気がすごく気持ちいい。 無事にとーちゃんのリアボックスも復活したので、そこから少し移動。
フルサイズの俺とirohaには楽な場所でも。
KSRにはちと厳しい場所が出てくる。
なのでこんどはirohaが、UKちゃんのKSRで難所(KSRには)越えをしたり。
こんどはUKちゃんととーちゃんが走り回ってるうちに見つけた、それなりに厳しいだろうというコースへ案内してもらったのだが……正直、ここまでは俺とiroha、ちょっと今回のコースをナメてた。フラットダートに毛の生えたような、簡単な林道コースだろうと思っていたのだ。
ところが、次に連れてってもらったコースは、明らかに他のオフローダーも走り回ってるだろう、なかなか手応えのあるコースだった。さすがに山ではないので、アップダウンは少ないのだが、コースそのものは充分にケモノ道だ。思わぬ収穫に喜びながら、俺はニコニコでケモノ道を走った。
とりあえず本線を一周して戻ってくると、irohaが帰ってこない。 そのうち本線がムリなので別ルートでやってきたとーちゃんとかUKちゃんと合流。ふたりと「アイツ、ハマってんじゃね」なんて笑いながら待ってると、ようやくirohaが帰ってくる。予想通りハマっていたらしい。そこで一服しながら、ここで二手に分かれることになった。
UK親子はさすがにこのコースは走れないので、近くで練習。その間に、俺とirohaはふたりでここの探索に向かうコトに決まり、irohaが練習組についていこうとするのにツッコみを入れてから、さて、それじゃぁイッパツ、irohaがハマったところまで行ってみようか。 と、その前に支線を見つけて、藪を漕ぎ漕ぎ中に分け入って行く。 すると、途中で道が尽きていたのだが、ここでふたりともちょっとハマる。調子に乗って藪の中を突っ込んでいったので、Uターンできなくて力技を使うことになってしまったのだ。おかげで脱出した段階で、ふたりとも汗だくのハァハァ状態。ナメてドリンク持ってこなかったのが痛い。 それから本線を走って、途中でirohaがハマったところに挑戦。 ぬたぬたの短いヒルクライムで、ナメて突っ込んだら思いっきりすっ転んだ。思わずランツァ投げちゃったよ。ごめんね、なっこ。でも、やわらかい土の上で投げたんで、すりキズが増えてハンドルが地べたに刺さったくらいだから、カンベンな(充分ひどいです)。
平日の昼間っからケモ走り、薮こぎ、スタック、投げ、ヒルクライムと、かなりお腹いっぱいになるまで遊んでから、UKちゃん&とーちゃんの遊んでるところまでもどる。
俺らが投げたり死んだりしてる間に、ふたりはココで遊んでたらしい。
ここからはまた、ショートピストンの始まりだ。 言ってもさすがに街中だけあって、畑や田んぼの近くが多い。つまり民家のそばを通ることが多いので、ちょっと神経を使う。道を間違えて、畑で仕事(か趣味かはわからないけど)してるヒトのそばを二度も通った時なんかは、思わず頭を下げて謝りながら通った。 とーちゃんは疲れを知らずガンガン進み、入り口っぽいところを見つけると、そこで止まって俺らを見る。「お前ら行って見てこい」の合図だ。フルサイズの俺らがそこを入っていって、先に続いてるのか、それとも途中で道がなくなっているのかを調べるのだ 。 が、ここらは不法投棄が多くて、投棄場所に行くまでの道ってのが結構ある。 これがケモの入り口っぽくて、今回はずいぶんと騙された。 そんな風に思いのほか厳しいショートピストンと藪漕ぎで、俺とirohaはあごを出し始めていたが、元気なとーちゃんに続いて、UKちゃん もシンドいはずのKSRで当たり前のようにケモ道を進んでゆく。その姿に思わず笑みがこぼれてしまった。これはアレだ。 『ひよこははじめて見たものを親と思う』ってやつだな(違います)。
ショートピストンのつなぎに、舗装路を走って移動するのだが、もちろんそこも、とーちゃんは元気にすっ飛ばす。そんでその後ろに俺たちが続くのだが、そんな時ちょっとしたUターンで、UKちゃんがタチゴケしてしまった。しかし、当然とーちゃんははるか先にすっ飛んでいってしまっている。
なので、UKちゃん先導で横道に入って単車を停め。
娘は親父に電話。 irohaとはぐれたときも思ったが、この、携帯が繋がるっての、ケモでは意外と便利だった。
KSRは車高が低いので、倒木を越えるのが大変だ。 ましてロードタイアなので、なかなか思うように行けない。なので倒木があれば当然、それを迂回して走るのだが、俺とirohaはフルサイズ。UK親子が倒木を迂回するのを見てから「iroha、君は当然、倒木越えだよ」「マジっすか〜」なんて笑いながら、irohaが結構高い倒木に向かう。 そしてお約束どおり、倒木の前でフロントアップしきれなくて、倒木の下のスキマにフロントタイアを突っ込んでハマる。俺はそれを見て、爆笑しながら迂回路へ。迂回する俺を見たirohaが、笑いながら「ずるいぞー!」と叫ぶ。そのまま先へ行ったところで、とーちゃんが止まった。 「ちょっと行けるか見てくる」
藪を漕ぎ漕ぎ歩いてゆくとーちゃんの後ろ姿が、声の届かない距離まで離れたので 「とーちゃん、のど渇いたよ。ジュース飲もうよ」 と笑いながら俺が言うと、irohaが振り向いて「よかったー! 俺ものど渇いてたんですよ。でもそんなん言ったらかみさんに『ヘタレ』って言われるかと思ってたんです」と笑い、すかさず俺も「でも、とーちゃん来たら、俺は裏切るけどな」なんてふたりでバカな掛け合い。 そんなのを聞きながら、UKちゃんも笑ってる。 やがてとーちゃんが帰ってきたので、俺は速攻でirohaを裏切って「ガンガン行きましょう。俺はどこまででもついていきますよ!」と叫ぶ。するとirohaが大笑いしながら、また「ずるいぞー!」と叫んだ。ま、とーちゃんは目ぇキラキラで、俺らの話なんて聞いてなかったけど。 やっぱり、ケモライドは楽しい。
ショートピストンであちこち走り回り、ようやく、とーちゃんにも疲れが見え始めた。
最後は県道に出て、自販機の前でジュースを飲みながらダベリング。 「 ジャンプやスライドの練習がしたい」というとーちゃんの話に、俺とirohaで、ランツァのデヴューしたフラットダートを紹介し、次回はあそこで遊ぼうという話になったり、思いのほかタフだった今回のコースの感想を話したり、いつまでも話の尽きることがない。 それでも今晩はよしなしが呑みに来るので、そろそろ切り上げなくちゃならない。
「帰りは16号まで一緒に走り、そこで流れ解散」と決まったところで。 本日のCrazy Marmaladeちっちゃいもん倶楽部は、和気藹々とその幕を閉じた。とーちゃんのガッツとUKちゃんの冷静さの対比に笑い、irohaとの掛け合いや走りを楽しんだ、実に楽しいショートケモだった。 時間的には三時間くらいなのに、かなりしっかり走れたのもうれしかったね。
UKちゃん、とーちゃん、オモシロいコースを教えてくれて、また楽しい時間をくれて、ありがとう。 次の機会にもまた、一緒に走ろう! タイミングが合えば、宴会もやろうね。 んでiroha、楽しかったな。SLのシェイクダウンに、またあそこ付き合ってくれよな。
さて、次のちっちゃいもん倶楽部は、SLのシェイクダウン。 そしてその次は月末の、D山宴会&ケモライド。 夏も近づいてきたし、ガンガン走るぞー!
|