solo run

東方見聞録
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2007.08.14 かみ、マルとバトる

 

今夏2回目のツーリングは東北へ。

金曜にダチのおーがが家族連れで遊びに来、日曜日は代々木公園で実弟のライブに顔を出す。その次の日にサーキットでマルと走る約束だったので、ツーリングはサーキット走行を終えたその日に、那須を起点で出発することに決めていた。

週末にはおーが一家が襲来。先輩の○木さんも襲撃に来る。当然、宴会。

日曜は弟の野外ライブ会場で、呑んだくれたり、ライブに熱狂したり、あまりのクソ暑さに水浴びしたり、ついでにビール掛け合いしたりしながら、めちゃめちゃ楽しい時間を過ごす。

 

さらに次の日の朝には、名古屋からフラナガンが遊びに来た。さすがにV-MAX押しがけモードではなく、修理を終わらせてその足で向こうを出発し、朝一番でこっちに到着したのだ。フラ公は深夜走行で疲れながらもテンション高め。

だが、他の連中は前日の酒や大騒ぎの疲れで、寝てるか、おきててもテンション低目。なので、アサイチから俺はフラと一緒にビールで乾杯。そのうち起きて来たおーがとフラが挨拶を交わし、さっそくバカ話を始める。

俺は前日の酒と今朝の酒で、寝たり起きたりの病人みたいな状態だったが、フラ公も疲れていたようで、おーがと喋ったりしてるうちに、気づいたら沈没してた。そのあと起きて、結局また宴会だったんだが。

 

で、日曜の朝だ。

『俺とマルの走りを見に来る』と言うおーがは、家族と車で来ているので後発に決まり、同じく見学志望のフラ公は、俺と一緒に単車で行く。荷物満載の愛機をまたいだ俺たちは、朝の6:00に家を出た。

柏から常磐道に乗り、外環、東北道と繋いで那須へ向う。

フラはもともと、俺ほどアホなすり抜けをしない上に、知らない関東の道なので、多少、遅れ気味になることもあったが、だいたい160〜180前後で走りつつ北上する。つーか、やっぱV-MAXってなぁ航続距離が短いね。

回さなきゃ300km、回しても200kmくらいは走るM109Rと比べると、可哀想な気がする。俺も昔乗ってたから、Vマの航続距離の短さは知ってたので、早めにガスを入れられるようにSAを選んだりしたんだが、それでも二回入れた 。

V-MAXでロンツー行くなら、ビッグタンクが欲しいところだ。

 

那須インターで降り、サーキットまでは数十分。

サーキットに着くと、もう、マルが来ていた。

が、レッドバロンの店長以下スタッフがまだ来ていない。

当然、俺のSDRも来てないので、アサイチから走る計画はおじゃん。マルゾーが座学を受けてる間、フラ公や顔見知りと喋ったり、他の人の走りを見たり、サーキット内を見学していた。

 

カッケー三輪車。

 

ちょっと乗ってみたいなぁと思ってたら、コレ、21日の那須サーキットイベントの時、試乗できるそうだ。ぜひとも、21日はイベントに顔を出そう。

 

そうこうしてるうちに、マルの座学が終わる。

こんだ、ゼッケンをつけて練習走行だ。つってもマルは昔レースをやってたので、特別なことは何もない。講習というよりは、サーキットを下見するくらいの感覚だろう。ドでかいブラックバードでひょいひょいとサーキットを走っている。

 

やがて高速の降り口を間違えて遅くなったと言う、レッドバロンの面々が到着した。店長に『ペナルティとして20kgのオモリつけるように』と申し渡し、苦笑するスタッフやフラ公と一緒にバイクを下ろすのを手伝って、SDRを受け取る。

さぁ、サーキット走行だ。

本当は1クールごとに間を開けて走ろうと思っていたんだが、SDRの到着が遅れたので、二本ぶっ続けで走る。間に10分の休憩を挟んで20・20の計40分攻め続けると言うのは、かなりキツい。

容赦なく照り付ける太陽とあいまって、気温も体温もガンガン上昇。

左がフラ公、右が遊びに来た銀星。

 

マルゾーも熱にやられて、かなりへこんでた。

 

俺はもう、半病人状態だ。

 

そんでも、なにやら気に入らないとステップの位置を変えるマル。

昼過ぎになって、Zがやってきた。おーが一家も到着する。

スピードメーターに吸盤でカメラを取り付け、車載カメラの準備も出来た。

 

さあ、ラスト一本、キッチリ走ってこよう。

 

俺の後ろから、マルゾーが迫ってくる。

このときばかりはタイムよりも、マルゾーと久々のバトルだと張り切ったのだが。

 

次の周であっさり抜かれた。

 

この狭いサーキットではかなり苦しいだろうに、相変わらずバカな走りをする男だ。

 

俺の課題は安定感。タイムも、フォームも、まだまだ安定しない。

 

暑さに水遊びをしてるうちに、洗車を始めたZ。

たぶん、このサーキットをカーピカランド代わりにしたのは、この男が初だろう。

走り終わって俺とマルゾー、暑さで半死状態。

 

おーがの嫁、飼い主ちゃんと、愛息UKT。

つーか飼い主ちゃん、妊婦の癖に血ぃ騒がせすぎ。鈴鹿に程近いところに住んでて、鈴鹿サーキットに顔が利くような女の子だ。無理ないっちゃー無理ないんだが。ま、もう少しだけ我慢して、身体大事にしれ。

 

左から銀星、前回俺と一緒に座学を受けたGSX-R乗りの人、フラ公、おーが。

 

こっちも左から、銀星のM1800R、フラのV-MAX、俺のM109R。

 

秘密兵器、シャア専用モーションピクス。トップブリッジに吸盤で取り付けてある。

 

おーが一家。なにやら全員ムダにテンション上げてた。スキモノ一家だ。

 

サーキット走行後も、暑い中だらだらとみんなでダベる。

クソ暑くて往生しつつも、適度な疲労と顔をなでる風が心地よい。

なにより、こうしてダチと集まって喋ってる時間ってのは、俺にとって一番大事な、最高の宝物だ。Zが『みんなで北上して磐梯あたりに泊まる』とか相変わらずの無茶を言い、みんなが笑う。暑いのに、渋滞するのはわかってるのに、誰もなかなか席を立とうとしない。

ステキな、本当に素敵な時間だと思う。

 

が、なんだっていずれ終わりは来るものだ。

重い腰をようやく上げ、おーが、Z、銀星は東北道を南下。フラナガンは同じく東北道を、こちらは次の宿泊地である磐梯へ向け、北上。俺は一足早くみんなと別れ、下道で北を目指す。

ピッピとホーンを鳴らしあい、俺たちはそれぞれの方向に走り出した。

 


 

さぁ、キリキリ攻めるのはココまで。

「後はのんびりまったり、東北の道を堪能しよう」と走り出してすぐ、荷物満載のツアラーが、俺にピースサインを出した。ところがこっちはビデオカメラに気をとられていて、手を上げ返すことが出来なかった。不覚。残悔。そして自己嫌悪。言い過ぎた、そこまではガッカリしてない。

でも、残念だったのは事実。

この瞬間、俺に天啓がひらめく。

「よし、今回の旅では、すれ違う全ての単車にハンズアップしよう」

すばらしい企画が決定し、俺の心は一気に晴れ渡った(大げさです)。

 

サーキットの前を走る県道72号を東へ走り、国道294号に乗る。

294会津街道を北上し、矢吹あたりの県道58号から東へ。

あまりに暑いので北上を断念し、あぶくま高原を目指して高原道路に乗った。

高原道路からの眺め。

空いてるし気分よく走れたが、いかんせん暑い。

高原道路を終点の福島空港ICまで走り、そこから県道42号でさらに東行。

しかし気温はちっとも下がらない。「なんだよあぶくま高原。ちっとも涼しくないじゃん。えらそうに、名前ばっかだな」とかヘルメットの中で文句言ってたんだが、あとで確認したら、この夜は異常に暑かったようで、関東は熱帯夜だったそうだ。贅沢言ってすまん。

 

県道42号(コレも一応あぶくま高原道路)を走ってドンツキの国道をちょっと上がってすぐ、県道36号(小野富岡線)からあぶくま洞へ。途中の地元のスーパーで晩飯を買い込む。

 

あぶくま洞と星の村天文台に到着する頃には、すっかり日が落ちてしまった。

あぶくま洞の駐車場前。

駐車場がロープが掛かってて閉鎖されてたので、その前に単車を停め、銀マットを敷いて野宿の準備をする。見上げれば満天の星だ。さすがに星の村ってだけのことはある。昨日がピークだったけど、今日も流星群が見られるかな。

なんて似合いもしないのに軽くセンチになってると、駐車場の向こうから軽トラ。

「おにいちゃん、何してるの?」

「野宿」

俺の簡潔な答えに、軽トラのおじさんは困った顔をする。

「ここは、まずいんだよね。下の駐車場ならどこに停めても良いんだけど」

(下が暑いから、わざわざ暗い中を上まで登ってきたんだが)

と思いはしたものの、彼に非があるわけでなし。腕組みして俺の動向をうかがっているおじさんに根負けした俺は、荷物をまとめると、おとなしく言うことを聞いて下の駐車場まで降りる。

するとおじさん、駐車場まで先導したあと、何を思ったか軽トラの窓から腕を出し、嬉しそうな満面の笑みでサムアップサイン。その時は苦笑するだけだったが、10秒後には、その親指をへし折っておけばよかったと思った。

何でって、やっぱりクソ暑いのだ。

 

買ってきた晩飯も、ビールさえも飲む気になれない

10分ほど転がっていたんだが、タバコ吸いながら地図を見ているうちに、やっぱりもう少し足を伸ばそうと言う気になった。そう言う意味では、飲めなくてよかった。決めたとたんに跳ね起き、荷物をくくると走り出す。

 

県道19号を北上し、国道349号をさらに北上、道の駅「ふくしま東和」へ。

ざっと4〜50km走ったので、ようやく眠気が襲ってきた。

 

こんどこそ銀マットを敷き、酒も呑まずに眠り込んでしまう。

 

炎天下のサーキットを約一時間ほど突っ走り、そのあとなんだかんだ100kmほど走った最初の夜は、じっとりと蒸し暑いまま(それでも関東に比べれば、表で寝られるだけ涼しかったのだろうが)暮れていった。

 

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