solo run
筑波練習 その二
2007.12.12 喰う快感
ステダンを外して軽くなったハンドリングの確認。 サスペンションセッティングの比較。 二つの目的を持って筑波へ行く。 仕事が終わって午後一時になると同時に、整骨院のウラへ回り、工具を取り出してハヤブサに向かう。フォークキャップを外し、サスのセッティングをノーマルに戻してやる。17mmのレンチとマイナスドライバで、ものの数分でセッティング完了。 向こうでもいじる予定なので、キャップはしないまま、筑波に向かって走り出した。 6号線をぶっ飛ばし、2:00前に筑波のふもとのコンビニに到着。 一服しながら携帯を見ると、マルから着信があった。 今から呼ばれてもいけないし、俺が筑波ってのはわかってるだろうから、走る気なら来るだろう。 一応メールを返したあと、パープルへ向かって走り出す。
パープルに入ったら、そのまま一本目。 攻めだすと、明らかに今までと違う。特に切り返しの軽さは、感動ものだ。こないだの練習を思い出しながら、最初の一本なので道を見つつ、80%程度で流す。しかし、流していても、フロントが軽いのが如実に感じられて、楽しくて仕方ない。ステダン、外してよかったなぁ。 ヘルメットの中で、軽くにやける。 上でUターンして、今度は下りだ。といっても筑波はずっと下るわけじゃなく、アップダウンしながら下るので、疲れたり飽きることが少ない。ただ、道の一部がまだ濡れてて、そこに入ったときだけ滑らないように丁寧に走る必要がある。二箇所ほど気をつけるポイントを確認したら。 いちど、休憩所に入る。 今度はサスのセッティングを、例のビッグマシン誌で公開されてた新垣流ってのに変えてみる。飛び込み気味に入る俺には、向いてるんじゃないかなぁと、なんとなく期待してるセッティングである。 んで、走り出してみると。 「あ、コレ好きだ、俺」 フロントが踏ん張ってくれるので、突っ込んで曲がっていけるのが気持ち良い。多少速度を間違って、コーナリング中にアクセルを戻してしまっても、ピッチングが少ないのでおたおたしない。理屈はともかく、安定したせいで旋回性が上がった気がする。 そして、それより何より。 コーナリング中に前後輪が、気持ちよく喰う。 「うぉー! 喰ってる、喰ってるっ!」 喰ってる感じが強いから、安心感が出る。安心するから力が抜ける。ハンドルから手を離せるくらいのイキオイで力が抜けるから、ハヤブサが勝手に曲がっていく。速く曲がるから、早く開けられる。ひとつが良いほうに転がると、全てが良いほうに転がってゆく。 気持ち良く、面白く、そして、今までより間違いなく速い。 単純にバンク角が深くなってコーナリングスピードが上がったからって、それをもって速いとは思わないけれど、でも、今までより深く寝かせるのが怖くないし、イン側に身体を持っていくのも、スムーズにできる。ノって来ると、つま先を擦りっぱなしになる。
4本(二往復)、距離にして60キロほど走ったところで、いったん休憩。 のどが渇いたので、すぐまた走り出し、そのまま登りを気持ちよく攻め、筑波山頂へ。 山頂の休憩所で、満足のため息とともに、コーヒーブレイク。 10分ほど休憩して、さらに三本。一往復半ほど走って、そのまま帰路に着く。 帰り道、嬉しくてにやけっぱなしだった。
これでやっと、スタートラインに立てた気がする。ここから、気になった部分や、ダメな部分をツメていけば、そこそこ使えるようになってくるんじゃないだろうか。少なくとも、今までみたいに先の見えない、どっちに向かえば良いかさえわからないような暗闇からは、脱出できたんじゃないかな。 知識と経験。頭と身体。苦労と結果。 いろんなものが、今日、俺の身体の中で『喰った』気がする。 すべての歯車がかみ合った感じだ。
こんな瞬間があるから、単車ってのはやめられない。
帰ってから携帯を見たら、マルからメールが入ってた。 俺の「筑波だ」と言う簡潔なメールへ、同じように簡潔な返事。 「霧降だ。路肩は雪」 そんなところは走りたくないよ、マルちゃん。
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