solo run

筑波林道散策

2007.12.23 宴会前のお散歩

 

朝起きると、見事に雨が降っている。

ココに至ってようやく、往生際の悪い俺もサーキットをあきらめた。

なので、こないだ買ったライディングジャケットを着込み、アークティックパンツの毛布で出来た中身だけカッパのズボンの中にはいて、リュックに荷物を詰める。え〜と、2stオイルは入れたばかりだから、一応小さいスペアだけ持って、地図は要らないかな。スペアガソリンも、今日は要らないだろう。

上半身はパッドが入ってるから、ニーシンガードで下半身を防御して。おっと工具も念のために持っていこうか。パンク修理キットも入れておこう。寒さ対策に、ジャケットの中にフリースも着て、よし、準備万端整った。と、朝9:00に柏を出発。

今日はランツァだから、国道じゃなくて県道19号を使おうか。

 

上の短い文章の中の太字の三箇所。コレが今回の冒険を彩るスパイスとなった。完璧だと思って出発したのに、よりによって太字の三箇所すべてが原因で予定がだいぶん狂ってしまった。ま、平たく言うと、ガス欠したのだ。

ぶすぶすとエンジンが止まってしまったので、『あれ、なんで距離計リセットしちゃってんだ、俺?』とか文句言いながらリザーブコックを切り替えようとして、つめたい汗が背中を流れる。『ジーザス! なんでリザーブに切り替わってるんだよ!』俺の叫びは、ガラガラの県道19号にこだました。

しかもなんで、今日に限ってスペアガソリン持ってきてないんだー! と吠えても、状況が変わるわけでなし。地図がないから、最寄りのガソリンスタンドがわからない上に、国道沿いならスタンドなんて腐るほどあるが、県道のこのあたりは、確かどっちに向かってもスタンドがないはず。

天を仰いだ俺は、とりあえず歩道にランツァを入れて、写真を撮りつつ一服する。

携帯のメールに、ろろちゃんから『襲撃する』と言う予告が入っていた。

今日の宴会も、楽しくなりそうだ。うれしいねぇ。

 

前から歩いてきたおばあちゃんに、ダメモトでスタンドの場所を聞くと

「戻ってあの信号を右に行くと、学校の裏手にスタンドがあるよ」

「おぉ、ありがとうございます」

「今日は日曜日だから、やってないかもしれないけど」

(それは聞きたくなかったな)と思いつつ、おばあちゃんに礼を言って、ランツァを押して歩き出す。なんだかんだ100キロくらいしかないランツァは、押し歩きもそれほどきつくはない。しかし、いくら軽かろうがナンだろうが、手ぶらで歩いても結構ある距離を押すのだから、やがて汗をかき始める。

それでもおばあちゃんの笑顔に後押しされて、俺は相棒を押して歩いた。

ふだん林道でさんざんすっ転ばせてンだから、たまには俺がしんどい思いするのも良いだろう。つーか、ガス欠して最初に思ったのが『ち、こんな小ネタかよ』だってんだから、そろそろ一度、脳内でひとり反省会を開かないと、ヒトとして引き返せない領域まで踏み込んでる気がする。

 

さんざん押し歩いて、坂まで登り、やっとスタンドが見えた瞬間、俺は絶望に肩を落とす。

「茨城のスタンドは、なんでドコもカシコも日曜休みなんだ?」

この間、moto三兄弟+よし&えうろぱ君で走ったときも、そういえば給油に難儀したんだっけ。がっくし肩を落とし、それでも次のスタンドを探そうと歩き出した俺に、スタンドの隣の家のおじさんが、ニヤニヤしながら話しかけてきた。

「ガソリンか?」

「えぇ。このへんで、開いてるスタンドってありますかね?」

「まってな。わけてやるよ」

天孫降臨。

穏やかに微笑みながら1リッターほどガソリンを分けてくれた茨城の神に何度も礼を言うと、すっかり冷え切ったエンジンのチョークを引いてセルボタンを押す。ばららん! っと元気よく息を吹き返したランツァに安堵した俺は、もう一度おじさんに礼を言って走り出した。

ありがとう、おじさん。飲んでたら間違いなくチューしてるよ俺(礼になってません)

 

押し歩いたり、近所のスタンドを探してるうちに、なにやらすっかり道がわからなくなった

なので、コンパスで大体の方向を探りながら適当に走る。20kmほど走ると、見覚えのある道へ出たので、そのまま筑波を目指す。さすがに今から一本杉までいくのは時間的に余裕がないので、筑波山周辺の散策に切り替えるのだ。

こないだZと行ったわき道を走り、予定調和で道を間違え、山の上の温泉ホテル前で停まる。

ガスが雲海みたいで、ちょっと綺麗だった。

 

でも、息が真っ白くなるくらいは寒い。

タバコ一本吸ったら、来た道を引き返し、途中でリルートして筑波山頂へ。

いつもの風返しの休憩所で、一服入れたら。さて、林道を走ろう。

つわけで、風返しを下っていくのだが、雨だし、久しぶりのまったりモードだし、ってんで超のんびり速度になる。すると、今まで見たこともない風景が眼前に展開するわけで、おや、こんなところにも道があったのか。んじゃ、 寄ってみんべと道草を喰う。

入ってすぐ、右にカーブして(写真は、振り返って撮影)。

すぐ出口だった。入る前に気づけって話だが、やっぱ舗装されてない道は入りたいよね。

 

さらに、そそる入り口を発見。

舗装されてるけど、このあたりの場合は逆に舗装されてる方が、先があるって意味で期待できる。

 

さくさく、進んでゆく。

 

舗装なんて、結局10Mくらいで、あとはこんな感じ。

そのままずんすん進んでいくと。

行き止まり臭い。

だが、単車を降りて先を探索すると、なんとか行けそうだ。

なので、行ってみる。

かろうじて、道。

 

なにやら、先に道っぽい隙間があるから、進む。

 

と、廃屋とともに、道が尽きてた。

 

んじゃ、ここでUターンだ。

 

ただUターンはさびしいから、一応先まで探検してからにする。

結局、この先20Mくらいで道が完全になくなっていたので、狭い道でひいこらUターンかまして、元来たケモノミチを引き返す。下るときは楽勝なんだけど、雨の登りはなかなかにしんどい。ケツが流れるたびにきゃっきゃと歓声をあげながら、上まで帰る(しんどくなさそうです)

 

山の上近くで、雲海っぽいガスと同じ高さにくる。

自然って、すげぇなぁ。

 

と、軽くセンチメンタルジャーニーしながら、雨の中、ゴキゲンにダートラン。

 

『お、そそるわき道だぜ』と停まり、入る前に写真を撮ってたら。

 

ヘイ、隊長っ! 左側のサイドカバーが、いつの間にか行方不明です。

戻って見つけるとか俺の人格的にありえないので、見なかった方向で枝道へ入り込む。

写真よりはずっとえぐれてて、わりと面白い。結構走りやすいので、コレなら万が一道が尽きてても戻ってこられるだろうと高をくくって、ガシガシ入り込んでゆく。

と。

最後が階段だった。遊歩道だったんだね。道理で走りやすいはずだよ。ゴメンナサイ。

んで、写真で見ると単車で下れそうだけど、実際は一段一段が30cmくれぇあるので、登りならともかく下るのはとっても怖い。なのであと1.5Mで舗装路なのに、Uターンして引き返す。まぁ、面白い道だったからもう一度走ってみたかったって言うのもあるが(ゴメンナサイの意味がないです)

 

走るうち、この辺のわき道の法則みたいなのに気づく。

先に行けそうな道の見当がつくようになってきた。要はクルマ用に勾配が少なく、そのぶん距離のある舗装路に対して、ショートカットする感じでわき道があるのだ。散歩道と言うよりは、必要に迫られて何人かが歩くうちに自然に出来た感じ。『ココは行ける』と思うとだいたい行ける。

もっとも、中には倒木で行けないところなんかもあったりするんだけど。

下りながらフロント上げるのは、まだできないデスヨ、俺。

アチコチの枝道を走ってるうちに、いつの間にか雨が上がってた。

おっと、このまま夕方まで走っちゃうわけには行かないぞ。

 

山を降りて、コンビニでmioちゃんに電話をする。

「何時ごろ出てくる?」

「もう、関越に乗ってます」

こりゃいかん。mioちゃんが柏に来る前に、俺もとっとと帰らなくちゃ。

 

今晩の宴会を楽しみに、俺は柏へ向かって走り出した。

宴会へ続く

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