solo run

筑波山

2008.03.05 底はねぇんだよ

 

結局、待っていたパーツは届かなかったので、ちょろっと走りに出ることにした。

仕事の合間に、ビートルバッグ外して待ってたのに。

 

2:00ころ整骨院をでて、2:45分ころ筑波に到着。一服入れるのは、コケないための儀式。

バッグがないと、見た目も軽くなるし、実際も体感できるくらい軽い。

風返しからパープルに入って、道の様子を見がてら一本流す。凍ってたら怖いからね。すると北面の路肩にちょこっと雪は残っているが、アスファルトの上はどうやら全面ドライのようだ。空も晴れて気持ちいいし、こりゃ、久しぶりに楽しく走れそうだぞ。

 

一本走ったところで、休憩所でタバコを一本。

ブレーキレバーを少し遠くして、さて、二本目を走ろうか。減速帯からアクセルをしっかり開け、二つ目の減速帯を抜けたところで、80%くらいでアタック開始だ。こないだR君に教わったことを課題として意識しながら、俺なりに消化してみよう。

課題は二つ。

出来るだけアクセルを開け、しっかりブレーキングすることと、ハンドルを使うこと。

アクセルは慎重かつ大胆に、なんてんじゃなくて、出来るだけ早く、ワイドに開けるよう心がける。今までより二速を多用して、そのぶん開ける練習だ。ハンドルは、今まで『極力チカラをかけずハヤブサの邪魔をせず』を心がけてきたが、今日は積極的に入力してやる。

R君の話は、本来もっと高次元のコトを言ってるんだが、ま、やれることからやってこう。

 

とは言え、最初はまず、今までの走り方で走る。

しばらく攻めてみると、身体の方はどうにか動くようだ。なので峠の後半から、まずはアクセルを開ける練習。もちろん、フルオープンなんて出来ないのだが、それでも今までより早く、よりワイドに開けることを心がける。エンジンの回転数がいつもより高くなり、身体が緊張してくる。

それでも、早く開けろ。

この間までの走り方で、リアのトラクションを意識的にかける癖がついてたからか、思ったよりリアが滑らない。しっかり荷重していれば、俺程度の速度なら、リアが破綻することはないとわかり、さっきよりまた、少し早く開けてみる。

脱出速度が少し上がる分、短い直線では相対的に突っ込む速度が上がるので、いやでもブレーキングをしっかりしなくちゃならない。なるほど、これだけ開ければブレーキをルーズにするわけには行かないから、結果的にブレーキングの練習にもなるのか。

それでも、長い直線だとビビりが入り、いつもみたいに早くアクセルを閉じてしまう。

すると一速低く走ってる分、エンブレもしっかり効くので、結果的に突っ込む速度がいつもより遅くなってしまう。ブレーキの性能をしっかり把握してないから、こう言う事になるのだろう。頑張ってたつもりでも、今までいかに緩急がなかったかを思い知らされる。

トータルでは、今までと同じか、遅いくらいだろうか。

すると、今までより回して走ってる分、緊張感が強く、疲労も激しくなる。いつもなら、『だったら安心に走れた方が速いはずだ』と理屈をつけて一速上げてしまうところだが、今日はそう言うわけには行かないのだ。怖いなら、怖くないように考えつつ、でも今までより低いギアで開けろ。

 

風返しの手前でUターンし、出来るだけガッツリとアクセルを開ける。

いつものパープルが三割、四割増しで怖い。ギャップでハンドルがブルっとくる。それで思い出した。そうだ、今度はハンドルを使ってやろう。イン側に体重を預けて回っていたところを、積極的にハンドルで入力しながら回ってやる。バンクを切り足し、アテ舵で切り返えす。やっぱり、ギクシャクする。

今度は今までの走り方とミックスして、その分、ハンドルからの入力を小さく。

おっと、アクセルの開けが甘いぞ。しっかり開けて、しっかり減速。突っ込みながら曲がってみようか。軽くアテてバンクさせ、同時に身体を入れながらフロントを中心に曲がる。出口、ちょっとだけ早目にアクセルを開けろ。怖かったらちょっと切り足して、車体を起こしてやればいいんじゃね?

斜めに脱出する分は、身体をもっとインに入れてごまかせ。

 

隼に乗ってからこっち、基本どおりの練習をしてたのに、今日はガキのころみたいな単車をこねくり回す走り方をしている。それは当然、良くないはずなんだが気にせず、今まで基本的なリアステア重視の走り方に固執していたのを、もっと自由に、好き勝手にやってみた。

アテ舵を当ててリーンインだかアウトだかわからないような走り方をしたり、SDRみたいに頭から突っ込んで車体を回そうとしてみたり、今までのようにりアステアを意識して曲がってみたり。シーンに合わせて、なんて言ったらカッコよすぎる。ただ、いろんな乗り方で乗っただけだ。

今までより高回転で、早めに開ける事をだけを意識して走った。

特に速く乗れてるわけじゃないと思うし、基本の乗り方に比べたら安全性も低いかもしれない。だけど、練習、練習、つって走ってるよりも、明らかに楽しい。いや、練習は練習で、上手くいったときの楽しさとか、確実に速度が上がってることを実感できる楽しさはもちろんある。

でも、めちゃくちゃに走るのも、すげぇ楽しい。

しかも、基本練習の成果かと思うのだが、めちゃくちゃに乗ったからといって、それほど遅くもない。場所によっては、基本通りに乗るより速く走れるところもある。つーか、全てのコーナーで基本どおり乗ってるより、早くアクセルを開けるために試行錯誤しながら乗る方が楽しいようだ。

 

休憩所に戻ると、何度かすれ違ったGSX-R1000が休憩してる。

メットを取ってアイサツし、Rの乗り手と少し話した。

 

まだ慣らし運転中だということで、一緒には走れなかったが、いつもより緊張して走ってた分、疲れてたので、ちょうどいい休憩になった。こんなことでもないと、タバコ一本吸ったら、また、走り出してただろうから。

 

どうやら体力が少し復活したので、Rのライダーにアイサツして、また走り出す。

走り出してすぐ、貧乏ランプがついてしまった。この一本で最後だ。気合入れて走ろう。減速帯までウォーミングアップして、最初の右コーナーから攻め始めた。アクセルを開けたときに、フロントのトラクションが抜けるのが、強く実感できる。俺、ホント開けられてなかったんだなぁ。

ちょい荒れ気味のところは、リーンアウト気味にアテ舵をあてて寝かし、外足で支えながら上体を起こして曲がる。南面の綺麗な場所は、身体をインに落として突っ込み、アクセルオンで隼のジャマをしないようにしながら曲がる。

走れる人間には、何を今更と言う話だろうが、ココへ来てようやく、状況にあわせて隼を操ったり、逆に邪魔をしないようにしたり、その緩急が、本当に少しだけれど、やれてきたように思う。その実感が得られたことで、俺はまたゴキゲンになる。

ちょっと怖く、でもえらい楽しく、パープルから風返しまで走り抜けて、そのまま帰路に着いた。

時間的にはいつもより短かったくらいなのに、脚も腕もかなりキてる。

途中でガソリンを入れたら、軽く流しながら帰ろう。

 

今日得たことが、明日にはムダに感じるかもしれない。

でも、基本どおりに乗ったこの数ヶ月がムダではなかったように、今日の走りもまた、俺の走りのベースをアップするチカラのひとつになったようにも感じる。どれだけ乗っても底が見えないし、興味も尽きない。単車ってのは、本当に飽きることがないものだと、心から感じる。

 

さぁ、帰って一杯やろうか。

 

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