solo run

in筑波

2008.09.06 リーンウィズ

 

ひさしぶりに土曜の午後、筑波山に走りに行こうと思ってたのだが、なにやら天気が怪しい。今にも降りだしそうな空模様に、やるぜ感が薄れてゆく。走ろうかどうしようかちょっと迷うも、いつものシステム『迷ってるなら動こう』にしたがって、準備をしR1000を跨ぐ。

退屈で鬱陶しいが時間的に早い国道を抜け、パープル側のいつものコンビニへ。一服してコーヒーを飲んだら、カマボコ道路を上がってパープルラインに入る。休憩所には停まらず、そのまま一本目。減速帯を超えたら、さて、まずは50〜60%で流そう。

最初のコーナーで、軽く違和感。二つ目三つ目で、その正体に気づく。

「……せまい」

初めてパープルを走った時、「こんなに広くて走りやすい道が近くにあったのか」と感動さえした覚えがある。だが、山陰山陽の美しく広く走りやすいワインディングの記憶が、まだ鮮明に残っている今は、マルが「筑波はせめぇから嫌だ」言ってた意味が理解できる。

「あれ、こんなにせまっ苦しかったっけ?」

家を出てひとり暮らしを始め、一年かそこらして久しぶりに帰ったとき感じた家の狭さ。

あの懐かしい感じを思い出しながら、俺はリズムよくパープルを走る。狭いが、道自体はもちろん、勝手知ったるなんとやら。ひとつ高めのギアで流しながら、ぐぐぐっと曲がりこんだ長いカーヴに飛び込み、アクセルを開けてR1000を曲げてゆく。

もちろん、楽しい。

だが、なんとなく拭いきれない違和感が、いつまでもまとわりつく。

山頂付近まで抜けて折り返し、今度はもう少しペースをあげて走る。アクセルを開けられない訳じゃない。知った道だし、往路で今日の道の状況も把握してる。速度的にも、ソコソコのペースを維持しつつ、かつ、余裕を持って走れる。

「う〜ん、別に遅くはないよなぁ。トップエンドもいつもと同じくらいだし」

軽い疑問を抱えたまま走る。

やがて、気づいた。

「ああ、リーンウィズだからか」

ワインディング三昧のロングツーリング。最初のころは張り切って走ってた。だが、延々と切り返す日々が続くと、段々、体重移動を積極的に行なうのがかったるくなってくる。R1000は出来がいいから、マシンが勝手に曲がってくれるので、そんなに派手な動きをしないでも済む。

「R1000は、どんなに疲れてても、ワインディングさえ走ってれば楽しい」

と、俺が何度も言うゆえんだ。

ロンツーの時は一日10時間以上とか走ってたので、自然にリーンウィズになってた。そのクセが残ってたのだ。「よし、タイアも新品だし、この際、なるべくリーンウィズで走ってみよう」と、軽く修行モードになる。思ったよりせまっ苦しかった不満も、 そんな風に考えた要因かもしれない。

ご機嫌に楽しめないなら、いっそ練習にしようと言う意識のながれだ。

休憩所で一服しつつも、思いついたことを確認したくて、すぐさま走り出す。

走り出してすぐ、これはこれで楽しいことに気づく。

遠心力に対向するのにはバンクさせるわけなのだが、峠道だからサーキットのようにめちゃめちゃ寝かせるわけにも行かない。少なくとも俺は、そこまで寝かして走りたくない。なので起こして曲がる分のツジツマをどこかで合わせる必要がある。

それを、イン側に身体を落とす代わりに、膝を少し伸ばして腰から全部をインに入れるとか、rakやZがやってたみたいに、頭から上体だけをインに入れるとか、イロイロと試してみる。また、ハンドルへの力の入れ方を、ゼロ( ハンドルを離せるくらい)から、意識してこじるのまで試してみる。

これがなかなか楽しい。

ゲタゲタ笑う楽しさと言うよりは、レザークラフトや小説を書いてるときの楽しさだ。

 

リーンウィズ実験を楽しみながら数本走り、駐車場に入って一服しつつ携帯を開く。するとGO!!!君からメールが入っていた。今朝ツーリングに出たGO!!!君 、走る合間を見つけては、仕事中の俺に『ツーリング楽しいぜメール』を送ってきていたので

「ヤロ、また俺をいじめるメールか? ふん、俺だって筑波走ってるもんねー!」

メールを読むと、どうやらもうツーリングから帰ってきて、ライコでタイア交換してるらしい。

電話して、電波の悪い筑波の上で途切れ途切れの会話をし、結局、もう一往復走ったら帰ることにした。もちろん、GO!!!君と遊ぶためだ。電話を切ってメットをかぶり、最後の往復はそれぞれ、リーンウィズとケツを落とす走りで。狭いと感じた筑波も、もう慣れたようだ。

ロンツーで走ったときよりは、道を知ってる分アベレージを上げて走れた。

さて、筑波もそこそこ堪能したし、それじゃぁ帰ろうか。

『帰って仕事』とか『帰って寝るだけ』と違って、『帰って宴会』となればテンションが違う。サクサク山を降り、当然のごとく魔法の道路(有料)を使って、30分ほどで家に帰る。んで、楽な格好に着替えてライコへ。GO!!!君と合流して、しゃべりながら一緒に作業終了を待つ。

また別のM109Rを見つけた。ライコで見るのはこれで二台目。俺のを入れたら三台目。

 

タイア交換が終わったら、帰るのは、もちろん俺の家だ。

「これからGO!!!君と走るときは、タイア交換直後にしよう」

「カンベンしてくださいよー」

信号待ちでバカ話しながら、俺たちは柏へ向かった。

 

へへっ、走った後はビールが美味いぞ!

 

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