solo run

in 九十九里

2008.10.19 秋風に吹かれて

 

前日、雨だとか曇りだとか言ってたわりには、朝起きてみたらとても良い天気。

ハヤブサのスクリーンも、昨日交換したばかり。

当然、じっと家になんて居られるわけもなく、とっとと出かける準備。肌寒い可能性もあるから、発熱インナーにウインドプロテクトインナーを重ね、ジーンズの下にひざプロテクターを入れて革ジャンを着込む。風、寒さ、転倒、すべての状況に対応するパーフェクトプロテクションだ。

うん、やりすぎた。思いっきりクソ暑い。

そんでも『太陽が顔を出してれば機嫌のいい』単純な俺は、16号から北柏経由で6号に出て北上し、大利根橋手前で折れて、いつもの利根水郷ラインへ入る。天気の良い日は、のんびりだろうが飛ばすんだろうが、とにかく、クルマの少ないところを走りたいからね。

利根水郷ライン入り口。うしろの隋道をくぐって東へ行く。

 

栄橋を渡って、おなじ利根川沿いでもよりすいてる、茨城側の道を走る。

クルマも極端に少なくなり、とっても走りやすい。

 

こんな感じで、土手の下を走るのだが、そのうち「やっぱり川が見たいなぁ」と思い、

 

土手の上へ。こんな道だからそれほどすっ飛ばすこともせず、のんびりと走ってると。

 

土手沿いに、牛が放牧されている。

この牛が道を横切ることがあるので、ここいらはあんまり飛ばさないほうが良い。とか言いながら、土手上の道が切れたところで土手下に降りたとたん、がらがらで見通しの良い高速コーナーや直線をぶっ飛ばしたりしたんだけど。つーか200オーバーはさすがにやりすぎ。

実際はともかく、体感的にはR1000と遜色ないくらい気持ちよく操りながら、土手沿いを走ってゆく。クルマが少なく視界も開けているので、よっしゃとアクセルを開けてすっ飛ばし、高速コーナーをぐいぐいと曲がる。チラッとメータを見てあわてて減速。その繰り返しで、どんどん距離を稼ぐ。

川沿いに気持ちよく走り、霞ヶ浦の南側あたりのパーキングで休憩。

ここまでで、まだ9:20くらい。出たのが8:45だから、結構、良いペースだ。そのわりに、身体への負担は、ほとんどない。精神的な疲れも、全然ない。休憩に入ったのは、単に『タバコが吸いたかったから』ってだけ。ハヤブサってのはやっぱり最高のツーリングマシンだねぇ。

 

休憩したら、また、ひたすら土手沿いに走る。

銚子まであと20km弱くらいのところで利根川大橋を渡り、南へ下って74、266と県道をつなぎながら九十九里を目指す。と、走ってる途中で俺の目を引くカンバンがあった。なにって青カンバンで、書いてある文字はもちろん『広域農道』だ。その場では停まれなかったので、少し先へ。

空はすっかり、秋の風情。

一服したら、戻って広域農道に入り、がらがらの道を気持ちよくすっ飛ばす。道はそのまま多古あたりへ抜けるのだが、ちょっと小腹がすいたので、県道28号線との交差点にあるコンビニに入っておむすびを二つ。クルマの中に居た小さな子供が手を振ってたので、俺も振り返す。

『ヘルメットを取ったらスキンヘッドに近い坊主』なので、怖がるかなぁと思いながら脱いだら、普通にニコニコ笑ってさらに手を振ってくれたので、うれしくなって笑い返す。おむすびを食ってコーヒーを飲み、タバコを一服つけたところで、帰ってゆくクルマの中から、千切れんばかりに手を振る子供。

たぶん、仮面ライダー好きだろうね、あの子。

 

子供のおかげですっかり和んでしまい、すっ飛ばす気がなくなったので、広域農道とはおさらばして県道を南下し、九十九里浜を目指す。目指すたって3〜4kmくらいのもんなんだけど。出る前に、ダメ元でmoto君に「今日、仕事?」とメールを入れてから、のんびりと走り出す。

九十九里ビーチラインをちょこっと走って、適当なところで海の方へ曲がると。

空はどんよりとしてるし、色は汚いけど、見慣れた千葉の海だ。

ここでタバコを吸いながら携帯を見ると、moto君からメールが帰ってきてる。どうやらすでに、チビをつれてST1000で軽く走ってきたらしい。「子守じゃぁ出かけるのは無理かな」と思いつつ電話すると、ハヤブサが見たいというので、それじゃぁ、とりあえず会いに行くよ。

 

ビーチラインを南下し、蓮沼を過ぎたあたりで県道124号でショートカット、国道126号へ。

国道沿いのセルフで給油したら、国道をつないでmoto家を目指す。すげぇ見覚えのある近所まで来てから、思いのほか手間取ってしまった。見たことあるから余計に惑わされたのだ。迷いまくって、どうにかこうにかmoto君の家に到着したのが、お昼少し前くらいだったかな。

moto君とチビすけが出迎えてくれたところで、なんと、雨が降り出してきやがった。

参ったなぁと言いながら、チビすけNくんが雨を食らわないようにmoto君のトラックの中に放り込み、大人ふたりはとりあえず木の茂ってる辺りへ行って、雨宿りしつつダベる。つーかmoto君、思いっきり風邪を引いてて、鼻をずるずるやっている。

「いやー、ここんとこ体調が悪くて、走っても午前中だけとかなんですよ」

だったら走らなきゃ良いようなもんだが、この男にそんな意見が通らないのは百も承知二百も合点なので、俺はただゲタゲタと笑った。俺も似たようなもんだし。んで、moto君が『意外にハヤブサに食いついていた』ので、これ幸いとハヤブサを薦(すす)めまくってみた。

が、最終的にはSTX1300に負けた。ま、その方がmoto君らしいと言えばらしいか。

 

バイクの話や、共通の知人の話をしてるうちに雨が小降りになり、やがて上がった。

今がチャンスとばかりにmoto君に別れを告げて帰路に着く。県道をつないで北上しながら、降ったり止んだりする雨に文句を言いつつ、佐倉あたりまで一気に走った。路面がウエットだから、そんなに楽しいってほどじゃないし、さすがにクルマも結構多い。歩行者も多い。

そして、そういう時ほど、『ロングツーリング用マシンとしての性能を問われる』のだが、やはりハヤブサは最強のオールラウンダーだった。街中の渋滞も苦にならないし、雨の中ちまちま走るのもそんなにしんどくない。少なくともR1000よりは全然楽勝。ま、そこを比べちゃ可哀想だけど。

佐倉の歴史民族博物館の近く、国道296沿いのローソンで一服。

と。

ちょ、ブーツのカカトが取れかけてる!

とは言え基本的に『かみは歩かない』ので、あんまり支障はない。「帰ったら直さなくちゃ」とつぶやきながら、ハヤブサをまたいで走り出す。国道16号へは向かわずに、そのまま印旛沼を抜けて北上し、やはり利根川を目指す。サンデードライバーであふれる道は走りたくないのだ。

利根川沿いも千葉側は混んでたので、わざわざ茨城側に抜けて川沿いを走る。

やがて、クルマが混み始め、どうやら国道が近づいてきたようだ。6号線に乗れば、あとはすっ飛ばして帰るだけ。大利根橋を渡っていつもの6号をすり抜けていると、GSX-R1000(たぶんK6)が絡んでくる。ちょっと気合を入れ、何度か信号で追いつかれつつも、最後はミラーから消す。

「ちぇ、その単車、本当はすげぇ速いんだぞ?」

Rの見えなくなったミラーに向かってつぶやくと、俺は柏に向けてアクセルを開けた。

 

なんだかんだ、下道で300km以上走ってみたけど、まるっきり問題ない。

これならロングツーリングに行って、その先でワインディングを走り、さらに野宿場所を探して夜に走ったりしても、全然問題ないだろう。ファストバッグやヘンリービギンズもあるから、荷物の積載も問題ないし、こうなってくると、早いところロングツーリングしたくて仕方なくなる。

あぁ……

毎日、単車に乗って暮らしたいなぁ(40男のセリフじゃありません)。

 

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