solo run
in 能登
2009.05.02 能登〜和歌山、日本タテギリツーリング 初日
山口のデコが「能登にキャンプツーリングに行くから、そこで会いませんか」と言い出した。 本州の端っこまで8時間かけてすっ飛ばさなくても会えるいい機会だから、能登で会おうと決めた。すると大阪のムラタさんも「龍神、走りませんか?」と声をかけてくれる。もちろん、二つ返事で了承だ。俺はウキウキ、2日(土)の朝一番に、愛機ケーロクに荷物を満載して出発する。
「兄貴ぃ、俺さぁ、ロングツーリング用のマシンじゃねーンだけど」「いや、意外とロング行きやすいぞ」 的なボヤキが聞こえてきそうな、ケーロクさん。
超、眠そうなNさん。
カメラマウントにクイックリリースを装着した。クイックリリース自体は今回のツーリングで壊れてしまったのだが、こいつの重量のあるなしで振動がずいぶん違うことがわかった。次回からの動画には、もう少し工夫できそうなヒントをもらえた。彼には別の形で働いてもらうことになるだろう。
ETC割引のせいで渋滞が予想されるなか、能登に向かって走り出す、かみさんonケーロク。 関越→北陸と高速を乗り継ぐ一般的なルートは、日本アルプスを避けて遠回りになるのが、なんか気持ち悪いつーか負けた気がする。なので今回は、中央道を松本まで走って、そこから一般道で日本アルプスを越えるルートにした。約束はお昼だから、きっと余裕だろう。 常磐のぼりをサワヤカに駆け抜け、それほど混んでない首都高で軽くすり抜け。 「お、意外と空いてるぞ」 なんて余裕こいてたら、4号渋谷線に乗るなり渋滞がはじまった。そこからもう、途切れることない鬼渋滞。要するに首都高が空いてたのは、みんなすでに通り過ぎた後だったんだね。結局、談合坂で給油するまで、クルマはほとんど動いてなかった。 「朝の二時からずーっとこの調子で、ヒトがいないから今日はこのまま日勤なんだよ」 と、スタンドのおじさんに愚痴られつつ給油を済まし、混雑する談合坂をそのまま出発。去年のロングツーリングの時、ちょりちゃんと会った釈迦堂PAまで走る。ココに寄ったあとは必ず『愛の言霊』を口ずさんでしまう、単純なかみさん。
釈迦堂を出たあたりから、渋滞も徐々に緩和されてきた。 「松本までは遠いってほどでもないけど、ひとりでだらっと高速を走るのはダルいなぁ」 と思いながら160スピード(1スピード=約0.5km/h:)くらいですり抜けていると、前にブラックバードがいた。と、思った次の瞬間には、ブラックバードの速度が上がる。「おや、楽しくなってきたぞ」とこちらも当然、スピードアップ。ブラバの後について走り出した。 ネットで偶然、イメージの似た映像を見つけたのでアップしておく。
まぁ、あくまでイメージだ。
気持ちよく走った後、長野道の分岐でブラバと手を振ってわかれ、一気に松本へ。
ブラバのおかげで、あっという間に気持ちよく走りきることができた。 もし、万が一ココを見ることがあったら、また一緒に走りたいので、ぜひとも名乗り出て欲しい。
松本からは下道を走りだした。 と、走り出したばかりだが、途中でダムを見つけて、ちょっと寄り道する。
稲核ダムでタバコを吸いながら、ちょっと景色を眺める。
天気がよくてよかった。
ダムを見たら、こんどこそ寄り道しないで走ろう。 松本から上高地をつなぐ野麦街道を、のんびりと景色を愛でながら走る。 下はその時の動画。ちまちまコメントも入れてあるので、暇ならのんびり見てくれると吉。
このへんの動画は、クイックリリースの重量のおかげで、画面のブレが少ない。
景色を見ながら気持ちのいいワインディングを走っていると、わりとずぐ上高地に到着した。
結構クルマが込んでたので、ココから一瞬、高速に乗っちゃおうかと思った。 んで、そのことをメールでデコに伝えたのだが、伝えた直後、なんか負けた気がしたので、「やっぱ、下道で行くわ」とメールしなおして、国道471号で能登を目指す。
上高地から見た日本アルプス。左の信号から471号が始まる。 観光車やツーリングライダーの集団をかわしつつ、道の駅『宙ドーム・神岡』で一服。
スパーダのライダーは、後ろのベンチでガン寝してた。 ここから国道41号線に乗って北上し、富山市街へ。
富山のコンビニで休憩。
タイアもそろそろ残り少ない。フラ公やムラタさんと走るときのために、温存しておかなくちゃな。 んで、市内はさすがに混んでいたし、よく考えたら待ち合わせは高速のパーキングだったので、富山から北陸道に乗った。北陸道をすっ飛ばし、ジャンクションから能越自動車道に乗って、福岡パーキングエリアまで。PA手前に料金所があったので、一瞬、乗り過ごしたのかと思った。
福岡PAに入ると。
デコとよしなしは、すでに到着していた。
よしなしがボーズにしてから、このふたりが似てきた気がするのは俺だけだろうか。 「かみさん、板乗り君も来るみたいです」 デコのセリフににやっと笑った俺は、それじゃぁとしばらくだべりながら、板乗りを待つことにする。ま、「昼ごろ」つーものすげぇアバウトな集合時間だったから、「場合によってはしばらく待つようになるかな」と思ってたら、板乗りからデコにメールが入って、昼にはムリとのコト。 なので、三人で一路、能登半島北端を目指して走り出す。
んで、しばらくクルマと一緒に走ってたのだが。
飽きた。
ここまでの経過を、動画で見てみよう。
それでも三十キロくらい我慢して走る。
きれいな海も、慰めにはならない。
ほうほうの体(てい)で、七尾のちょっと東にある海沿いの道の駅『いおり』に到着。
んで、俺はココでギブアップ。つーか俺にしてはがんばった。 なのでデコとよしなしにココで別れを告げ、キャンプ場で現地集合することにしてもらう。
つわけでサクサク出発。
つってもタイアが残り少ないので、あんまりぶん回さずに走った。
能登の東岸のワインディングを気持ちよく走って、道の駅だかドライブインだかで休憩。
海を眺めながらタバコを吸ったら、国道249号をさらに北上。
恋路海岸には悲恋物語があるそうだが、正直、どうでもいい。ツーリングマップルを見るとこの辺の道は『のどかな砂浜をつなぐロマンチックなルート。タンデムでゆっくり走ろう』だそうだが、SSでそれをしろと? 仕方ないので、ひとりでロマンチックに走っていると。
ロマンチックに目的地を行き過ぎる。 Uターンしてそれらしい施設を探していると。
りふれっしゅ村・八ヶ崎とやらを発見。
なので300メーターほど戻って「おめ、これをスーパーと呼ぶのか」的な男気にあふれるスーパーで、必要なものを買い出しして戻る。あとはデコとよしなし、板乗りが来るのを待つだけだ。 つわけで。
さっそく引っかける。 「ぶはぁ、うめぇ!」とかひとりで騒いでたら、郵便屋さんが通ったので会釈した。すると笑顔で近づいてきた若い郵便屋さん、おずおずと「これ、排気量どのくらいあるんですか」「1000ccだよ」「1000ですかぁ、いいなぁ。ボクも大きいバイクほしいんですよねぇ。任意保険って高いですか?」 などと話しかけてくる。俺ももう、すっかりひとり宴会モードだったので、楽しく相手をした。 「どうだろう。俺は歳がいってるから、そんなに高くないけど」「お幾つなんですか?」「今年40」 若く見えるという若者の言葉にすっかり気をよくして、そのあともしばらく単車の話で盛り上がる。
携帯に連絡が入って上司に怒られてた。サボってたの、ばれたのかな? 郵便屋の若者と笑顔で挨拶を交わした後は、またのんびりとひとり宴会。通りがかりのオッサンと「今日は天気がよくてよかったなぁ」「ええ、最高です」なんて話しながら、ビールを引っかけつつ待っていると、やがてデコとよしなしがやってきた。
俺には一生縁がないだろうと思っていた、立派なオートキャンプ場に入って。
俺は早速テントを張り。
デコとよしなしは買い出し。
やがてデコとよしなしが戻ってくると。
首尾よく、途中で板乗りを捕獲してきた。
さて、それじゃ準備をして、宴会しようぜ。
デコのムーンライト。月明かりでも組めるという優れもの。吊り下げ式は、俺も欲しいなぁ。
よしなしのマジックマウンテン。南カリフォルニアのテーマパークとは、たぶん関係ない。
板乗りのキャプテンスタッグ。今日初めておろすつーんで、設営を少し手伝った。
さて、準備はできたようだな、ヤロウども。それじゃぁ、宴だ!
カンパーイ! 走って程よく疲れたところに、酒とバカな単車乗りども。
そして地べたにツマミ、ろうそくの明かり、ランタンの明かり。 やっぱり、外で呑む酒ってのは最高にウマイね。
ご機嫌のデコ、でも寒いからシュラフに包まってる。
俺は花粉なのか鼻水が止まらない(寒いからです)。
よしなしと板乗りも、シュラフにくるまって酒を呑む。 寒いなら寝りゃいいようなもんだが、もったいなくて寝れないのだ。
ところでこの宴会には、本来参加してるはずの男の姿が見えない。中部の兄弟フラナガンだ。実はフラ公、夕方には能登入りしてるはずだったのに、待てど暮らせどちっともやってこない。と、やがて携帯に電話が入った。 「あんだおめ、今どこにいるんだ?」「金沢で機種変更してます」 ナニ言ってんだかカイモクわからんセリフに聞き返すと、どうやらやってくる最中に携帯を落とし、それを拾いに行ったら目の前でトラックに踏まれ、
ご臨終なさったらしい。んで金沢の電話屋で機種変してるから遅れてるというのだ。「ぎゃははは、バカじゃねーの! 気をつけて来いよなー!」大笑いして数時間後の合流を待っていると、ヤロウ、またもやってこない。と、またも電話。 「おめ、金沢から能登までどんだけかかってんだよ。今ドコだ?」 「穴水です」 「んじゃ、もーすぐじゃねーか。早く来ないと、酒、なくなるぞ」 「ごめんなさい。行けません。ガス欠しました」 「いやいやいや、フラ公。ネタは一日ひとつでいいから。んで、どーすんだよ。ここらのスタンドなんて、朝まで開かねーぞ? おめ、シュラフ持ってきてるのか? 持ってる? んじゃ、それで今夜はそこいらにビバーグしろ。だーいじょぶだ、ちっとも寒くねーから。むしろアツくて汗かくぞ、きっと」 とシュラフにくるまったまま言う俺に、フラは「わかりました」と返事をして電話を切った。後で聞いたら、結局、寒くて寝られず、オマワリも助けてくれず、仕方ないので朝一番でいけそうなスタンドのそばにある、ラブホテルにひとりで泊まったそうだ。
ラブホの駐車場に停まる、新型V-MAXの哀しげな姿が涙を誘う。 居ないくせに話題を総ざらいしたフラ公に軽くシットしつつ、みんなで携帯、ガス欠、ラブホの連続三ネタに大笑いしながらさらに呑んだくれていると、やがてアサイチで出てきた睡眠不足と疲れが出たのだろう、よしなしがオチた。
「よしなしさん、このまま朝まで寝かしたら死にますよね」 「それもいーんじゃね、起こすのめんどくせーし」 「いや、死んだ方がめんどくせーですよ。よしの嫁さんに説明するのが」 呑んだくれ、大笑いしながら、初日の夜は更けていった。
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