solo run

in 利根川

2009.11.23 フューリィ納車、初走り、サイドバッグ

 

ま、Furyは米名なんだけど、先にこっちで認識しちゃってるんで。

水曜日に納車なんて言ってたのだが、ツーリングから帰ってきちゃえば、やっぱ乗りたいのが人情。バイク屋のタクに連絡してみると、「納車できますよ」つーんで昼前ごろケーロクを跨いで整骨院へ。さすがに三台置ける場所がないんで、ケーロクは整骨院に置いておくのだ。

目の前に大家さん宅があるから、セキュリティはバッチリだしね。

つわけで前後スタンドアップされ、カバーを掛けられたケーロク。

整骨院からタクシーでバイク屋まで行くと、さすがに休日。タクはお客さんの対応に追われて忙しそうなので、喫煙場所で誰だかの作った動画らしいツーリング映像を見ながら一服。すると若い男の子が来てタバコを吸いだしたので、缶コーヒー買うときに「なんか飲む?」と聞いてみる。

「あ、いや、大丈夫です」

とビックリした顔をしていたが、そのあと向こうから「ナニ乗ってらっしゃるんですか?」と聞いてきたので、気を悪くしたわけじゃないようだ。ならば、かみさんの得意技、ムダ話の連続をしつつ笑いあう。後から来たタクが「普通に話してるから、知り合いなのかと思いましたよ」と笑ってた。

 

さて、それじゃぁ納車だ。

サクサク手続きを済ませて金を払い、表に出てフューリィを受け取り……

ちょ、ケーキュー、いや、エルゼロじゃん! なあなあ、タク。またがっていい?

「いいっすよ」

の「すよ」くらいのところで、すでにエルゼロにまたがるかみさん。

「これが新型かぁ……ん〜これはどうだろう……」

またがってみるとエルゼロは、俺のケーロクより明らかに足つきが悪い。新しくてサスが硬いせいもあるんだろうけど、感覚的にはケーナナより腰高な感じだ。ノーマルタイアでこれだから、55履いたらもっと足つきが悪くなるだろう。GSXのイイトコがスポイルされちゃうなぁ。

足つきガマンするなら同爆R1乗ってみたいし、足つき優先ならCBRのがいいかな。

 

とりあえず、ケーロクの良さを再認識したところで、今日はとにかくフューリィだ。

簡単に説明を受けて、またがってみると、やはりド低い。これならシャコタンにしなくて済む。

ただ、改めて見ると廉価な感じは否めない。もっとも俺の場合は、『装備重量』で300キロと言う大排気量クルーザとしてはかなり軽量な部分に惹かれた面もあるので、質感のために金属部品を多用するよりは、少しでも軽く作られてる方が嬉しいのだが。

質感の高い美しいマシンも、ステップガリガリ削る俺には乗られたくないだろうし。

 

タクに挨拶をしてバイク屋を出たら、まずは街中をゆっくりと走ってみる。

クラッチは思ったより軽い。

つーかパワーを考えたらこんなもんか。渋滞の中を『すり抜けないで』走ってみても、そんなに疲れなかったから、まあ及第点だろう。交差点でも特に切れ込むような感じはなかった。フォークが寝てるから、もっと切れ込み感が強いかと思ったが、さすがによく調教されている。

いちど整骨院に帰り、レバー類の高さを調整してから改めて走り出す。

せまっ苦しい街中は、さすがにケーロクやエスエルと比べちゃいけないか。長いホイールベースは、一瞬、フロントホイールの位置を見失う。ただし重心がむちゃくちゃ低いのとクルーザにしては車重が軽いこと、ハンドリングに思ったほど癖がないこととあいまって、そんなに走りづらいわけじゃない。

街中を抜けて国道に乗り、ココでようやくアクセルをきちんと開ける。

「ひ、非力……」

さすがに53馬力。

車格と低速トルクから期待していた加速感を、あっさりと下回る。DS11のシュンシュン回るエンジンほどではないにしろ、1800あたりのドコドコ感とは比べるべくもない。タコメータがついてない段階で、厳密な慣らしをあきらめていたので、ソコソコぶん回してみる。

しっかり加速はする。

速度も体感速度よりはメータの針が上回る感じで、感覚で思ったよりも出てる。よく言えば安定したフラットな特性なんだろうが、やはりドコドコドコッ! っという加速はない。パルス感と呼んでいいのか、V型らしい感じは若干あるものの、特筆するほどのものではない。

ただし、ものすげぇ楽。

キチガイ走りしないなら、スナッチだけで走れる。さすがに10キロのトルクは大きい。

 

クルマの居ないところを走りたかったので、利根川に出た。

スタイルがアーバンクルーザのイメージなので、牧歌的な雰囲気は似合わないかと思ったが、意外と悪くないようだ。そしてもちろん、エンジンの方は言うまでもなく、120%牧歌的。風景を見ながら流して走るには、もってこいのエンジンだ。

タンタンとリズムよくギアをかき上げ、低い回転でトコトコ走ると気持ちがいい。

 

走っていると、なんだか気になってくることがあった。

最初は53馬力じゃこんなもんだろうと思ったのだが、乗り続けるうちに変な違和感を感じたのだ。頭打ち感でもないんだが、まわしてると途中から不自然に脱力してくような感じ。今のところ想像でしかないのだが、排気規制のためにパワー抑えたせいじゃないだろうか。

排ガスは最大出力の半分の回転数で計測するから、電子制御して低い回転で最大出力が出るようにすれば、低回転で計測することになる。するとそれだけ排気ガス規制に対応しやすくなるわけで、フューリィの場合この方法を取ってるのかもしれない。

ホンダらしくない大雑把な方法だけど、テキトーな感じのマフラーとか、プラスティックを多用してる廉価なツクリから考えて、可能性はあると思う。もっともコレは、「インジェクションコントローラ入れればパワーが出るに違いない」と思いたい、俺の希望が多分に含まれているのだが。

 

ま、パワーの話はいずれまた出てくるだろうから、ここではいったんやめよう。

とにかく若干の不満を覚えつつも、総じてほぼ想像通りのマシンだったので、「今はのんびり走ることを楽しもう」と、気持ちのいい蒼天の下をフューリィと一緒に走り回る。途中で気分が乗ったので、川沿いをそれてあちこちに寄り道したり。

とにかく足つきがよくて軽いので、停まったりわき道にそれるのが苦じゃないのだ。

シートに座ると、ほぼこんな感じ。

 

ひょいっと思いついた場所に停めて、写真を撮ったり景色を眺めたり。

細部のツクリが安っぽいだの、アンダーパワーだの、イロイロと言われてるフューリィだ。そして実際に持ってみても、たしかに廉価に仕上げたなって部分は多いし、パワーも足りない。しかし、そんな話は全部認めちゃった上で、「うん、そうだね」って笑って返せる魅力が、コイツにはある。

「質感が」「パワーが」「○○のマネ」なんて騒いでるヤツを尻目に、ひょいとまたがって走り出せる。奇抜なスタイルにも関わらず、手軽にまたいで走り出せるユーザーフレンドリーな感じに、いい意味で裏切られる。そして、不完全だからこその色んな可能性に、思わずほくそ笑む。

あとは、『俺が』コイツの奇抜さや優しさに対抗できるかどうか。

無論、自信はある。

 

五年前なら乗らなかっただろう。

実は、走り出した瞬間、「しまった、失敗したか」と思った。

しかし、ほんの半日乗り込んだだけで、俺はコイツをかなり気に入ってしまっている。ケーロクが「カスタムより、走る練習しなくちゃ」と思わせてくれるとしたら、コイツは「ここが不満なんだが、さて、どう解消してやろうか」とイロイロさせる気になる単車だ。

そういう意味では、『ホンダらしからぬ』と言えるかもね。

 

つわけで、まずは一番の問題点。

皆無な車載性に対処してやる。いや、本来はこのスッキリ感がいいんだし、荷物載せるならシートバッグかダッフルバッグをくくりつけてやれば済む話なんだが、月末に控えたタンデムキャンプツーリングではシートに荷物が積めない。なので、暫定でサイドバッグをつけてやることにする。

タンデムシートを取っ払い。

 

シートを取っ払う。

見た目をスッキリさせるためにボルトを隠してあるので、作業性は悪い。

 

パーツ牧場に転がってたサイドバッグ用のベルトを、加工して取り付け。

 

同じく牧場に転がってた、デグナー(たぶん)のサイドバッグを取り付ける。

ちなみに、写真奥の汚いホームセンターボックスが、いつも言ってる『パーツ牧場』だ。このバッグに入りきらない荷物はパッセンジャーに背負わせて、週末のキャンプに参加してくる。タンクバッグも乗りそうにないし、入りきらないときはコレを外して、ケーロク用のサイドバッグでもつける。

キャンプ終わったら外しちゃう予定だけど、面倒だからつけっぱなしになるかも。

 

納車のいきさつと、初乗りひとり走りと、サイドバッグの取り付けまでを一気に書いたので、この文章をどのカテゴリに放り込むか悩んだ。そしたらちょうどファイル数のキリがよかったので、今回は変則的ながらソロツーリングのカテゴリに入れることにした。

納車で舞い上がってる俺の、舞い上がってとっちらかった文章を読んでいただき、感謝する。

 

さて、それじゃぁ寒さに負けず、走ってこようか。

 

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