solo run

in 幕張&利根川

2010.05.25 トレーニング・クルーズ

 

昨日は雨で、明日も雨。だけど、今日は天気がいい。

そしてこの間、フューリィ復活も果たした。来週からは仕事だが、今週はまだ自宅待機。要するに天気のいい休日に、家でじっとしてろって方に無理があるのは明白なわけで。動けないうちは、いぎたなく寝こけてばかりだったのに、走れるとなったら六時起床。

自分でも怖いくらい、脳みそのツクリがわかりやすい。

足首を包帯で固定して、プロテクターを装備したら、発進準備完了だ。

 

ナオミの構えたカメラの前で、ほっぺをすぼませる。

どうしても太ったことを認めたくない、往生際の悪い40歳。

準備万端整って、八時前くらいだったか。とりあえず、まずは仕事場へ向かう。クルマの後ろに着いてのんびり走りながら、仕事場へついたのが八時過ぎ。そこでちょろっと書類仕事や来週からの準備をして、八時半くらいに出発する。

と、タバコを忘れたから買っておかなくちゃ。

整骨院の近所のコンビニでタバコを買いつつ、さて、どこへ行こうかと地図を見る。

天気がいいなぁと空を眺めてるうちに、海が見たくなったので、まずは海へ向かうことにしよう。いつもなら利根水郷ラインに乗って鹿島灘あたりへ行くんだが、せっかく整骨院スタートなので、船橋の方へ行ってみようか。思いたったが吉日つわけで、さっさと走り出した。

東京湾なら、近いしね。

とは言えこんな時間、県道8号はバカっ混みにきまってる。どうせ時間はたっぷりあるので、空いてる白井の方へノーズを向けた。白井を抜けて木下(きおろし)街道に入り、適当に裏を抜けながら、まっすぐ8号を走るのの三倍近い距離を走って、8号の船橋付近へ出る。

 

花輪のインターのそばを抜けて。

幕張メッセ方面へ。

しばらく走ると、目の前に海が開ける。

「おぉ、海だー!」

なんて叫んでみたものの、天気がいいとは言え曇りがちのガス気味で、あまり抜けるような海の青に出会えない。それでも、すかり夏じみた陽気の中を、半ヘル&クルーザで走るのは、他の種類の単車にはない気持ちよさがあるので、かみさん、すっかりご機嫌だ。

適当に流していると、幕張海浜公園の看板が見えた。

見えたら入ってみるのが、ソロツーリングの楽しいところ。

さて、この駐車場から海の見えるあたりまで、結構な距離があるようだ。

こんな感じの園内を、びっこ引き引き歩いていると、突然、携帯がなる。

ドコからだと思ったら、整骨院の留守電からだった。録音内容を携帯に転送するようセットしてあるのだ。内容を聞いてみると、どうやら戻って仕事をしなくちゃならない。「せっかく来たのに」的な思いもないではなかったが、正直、ちょっと歩くのがかったるかったので、渡りに船。

「海はまぁ、さっき見れたからいいや」

独り言ちて駐車場まで戻り、フューリィをまたいで走り出す。

 

来る時は穏やかモードだったが、急ぎの用事がある上に、慣れた16号だ。

「やれんのか?」

「やれますよ」

自問自答したら、さぁ、久しぶりのクルーザすり抜け大会、全力投球だ。

サイレンサ変更で多少はいいかと思ったフューリィだが、全力すり抜けとなれば、話はまるっきし別になる。ストッパまでアクセル全開にしてもかったるい加速に、SSあたりと比べると冗談みたいに広い車幅。もちろんブレーキング性能なんて、聞いてくれるなって話だ。

最初の数分は、あまりの遅さに調子が出なかった。

だが、しばらくやってると、身体がクルーザのすり抜けを思い出してくる。それに、オフ車で走ったことも役立ってることに気づいた。重量車であること、巨大であることを前提としたクルーザ走りと、非力であることを前提とした、エスエルでのすり抜け。

その二つを融合することで、フューリィスタイルのすり抜けが出来たのだ。

景気よくアクセルを開けてフル加速。SSより早めにアクセルをあけ始め、SSならブレーキを舐めるところを、かわりに早めのアクセルオフ→エンブレで調整。加減速を派手にするより、平均速度を上げる意識で。ラインの無理がきかない分を、俯瞰と構想力で補う。

車幅の感覚がわかってくると、さらにつめて走ることが出来る。

タイアがクソなのにアクセルをワイドオープンしても、重量車で非力だから滑らない。限界がめちゃめちゃ低くて、挙動が穏やかでわかりやすいから、オーバーアクションでガンガン振り回せる。寝かされたフォークが前輪を外側へ逃がすのも、慣れればむしろ笑ってしまう。

16号を途中で松戸方面に折れるまで、フューリィでは初めての全開すり抜けを楽しんだ。

 

職場に戻って必要な電話をし、書類を整えて仕事を終える。

ものの二十分で終わる話なのだが、整骨院でなくては必要な書類やデータがわからなかったので、まぁ、仕方ない。とにかく仕事を終えると、時間はまだ11時半。そんじゃ、もうひとっ走りしてくるか。てなわけで、いつもの利根水郷ラインを目指して走り出す。

利根水郷ラインの入り口付近、逆方向への道。いつもここで写真を撮る。

座り込んで一服しながら、空と川と単車を眺める。

まるで夏のような太陽がじりじり照り付けてくる。俺は夏が大好きだから、それがえらく気持ちいい。ゆらゆらと漂う煙の行方を目で追いながらのんびりしていると、水郷ラインへ向かうクルマがずいぶんと多いことに気づく。こりゃあ、かなり混んでるなぁと、軽くやる気が失せた。

だったらヒャクパー空いてる、反対方向のこの道をゆこうか。

水郷ラインと反対側(西側)へ向かう道は、『日に何台』ってレヴェルで空いている。

なぜなら、先のつながりが微妙なのと、それより何より……

 

ダートだから。

出端(でばな)から水溜りにふさがれてるダートを、さっきまで全力すり抜けしていたテンションのまま、意気揚々と走り出すかみさん。言っても『クルーザでダート』は、俺が長いこと提唱してるように、やることをきちんとやれば、かなりのペースでも怖くない。

右手にゴルフを楽しむ人々を眺めながら、好天の元、久々のクルーザ・ダートラン。

水溜りはなるべく避けて走るんだが、ラインと速度の関係で、どうしても乗り越える場合がある。

とにかく充分に先を読んで、オーバーアクションを控えれば、低重心の車体と足つきのよさから来る安心感で、かなりのアベレージを保つことが可能だ。それさえ出来れば、他のクルマもいなけりゃオマワリも飛び出しもないので、とても気分よく走ることが出来る。

ダートライド、クルーザ乗りは一度お試しあれ。

 

ダートを抜けて土手下に降りると、こんな感じの農道が、縦横に走っている。

バカみたいにすっ飛ばせば、横から来るクルマとガッシャン(見えてるのに、先に交差点を渡ってやろうなんてスケベ根性を起こして、事故になることがある)なんてこともあるだろうが、フツーに走ってれば見通しもよくて対向車も居ない、気持ちいい道だ。

知らない道を探索しながら、だいたいの方向で走って、やがて6号線に戻る。

脚のことなどすっかり忘れ、ガンガンすっ飛ばしていると。

ここいらでようやく脚の方から、「わり、そろそろ無理っぽい」と言うオーダーが入った。ケイレンし始めたヘタレな脚を「や、もちっとだけ走ろうよ」と励ましながら、遠くはあきらめて近くを徘徊。手賀沼や道の駅しょうなん周辺の曲がり道をテキトーに走って、いよいよつーところで、ようやく帰宅。

気づけば休憩を別にして、下道四時間ずっと走りっぱなしだった。

 

長く走ってみて、一日がかりのツーリングにも、どうやら行けそうなことがわかった。

残念ながら明日からまた雨みたいだけど、晴れたらちょろっと走りに出てみよう。マスターの話じゃないけど、単車に乗るための身体を作るなら、単車に乗るのがイチバンだろうからね。とりあえず次は、ソバか温泉にでも行ってみようか。それとも、ワインディングを走ってみようか。

あ、そうそう。

帰ってから確認してみたら、やっぱり俺の単車らしくなってたよ。

ほらね。

 

つーかアチコチ走りに出る前に、洗車してやるか。高圧洗浄機でブシュってやるだけだけど。

 

んじゃ、もちっと元気になったら、一緒に走ろうぜ!

 

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