solo run

in 宇都宮

2011.04.24 前略、宇都宮より

 

ユリシーズの修理が、ゴールデンウイークになんとか間に合った。

が、宇都宮のバロンから鎌ヶ谷へ移送してもらうと、それだけでかなり時間がかかる。移送の曜日が決まってるかららしいのだが、「たぶん、五月になっちゃうと思います」なんて言われた日にゃ、そら自分で取りに行きますよって話になるのも、仕方ないだろう?

つわけで天気のいい日曜日だってのに、電車に乗って宇都宮まで。

柏駅でスイカをチャージして、東武野田線でクレヨンしんちゃんの地元、春日部へ向かう。それほど混んでなかったので、ゆったりと小説を読みながら電車に揺られていると、「あれ? なんかコレはこれで悪くないんじゃね?」と言う気分になってくる。

抜けるような青空のせいだろう。

 

ちょっとした電車旅行の気分を味わいながら、小説を読んだり、車窓の風景を眺めたり。

運動部の学生や、友達同士だろう中年おばさんの集団、仕事らしいサラリーマンぽいおじさんや、派手な格好をした若い女の子。マンウォッチング(もちろん、主に女の子)を楽しみながら、ゴトゴト揺れる電車に身を任せる。

「駅弁ツマミにビールでも呑みながら、電車で旅行も楽しそうだなぁ」

ニコニコ笑ってると、春日部に到着した。

春日部から乗り換えて、久喜まで。

久喜の駅で電車を待ってると、ふと、俺の目に妙な文字が飛び込んできた。

「上野? それはよろしくないんじゃないか?」

あわてて飛び上がった、かみさん41歳。階段を駆け上がり、反対側のホームへ。

右の方に見えるベンチに、ほんの数十秒前まで座ってたわけだ。

危なく戻っちゃうところだった。

ところが。

なんとか無事、電車に乗り込んだところで、あたりの様子がおかしいことに気づく。目の前に張ってある注意書きに、『ここはグリーン車のデッキです。立っているだけでも 、グリーン料金がかかります』などと無情なセリフが書いてあるじゃないか。

すると、俺の後から黒髪の真面目そうな女の子が乗ってきた。

とりあえず現状を把握するため、その子に質問をぶつけてみる。

「すいません、ここってグリーン車なんですか?」

「私も初めてだから、わからないです。ごめんなさい」

「デッキで立っててもグリーン料金がかかるって書いてあるから、移動した方がいいかも」

つわけで初対面の女の子とふたり、電車内の冒険が始まった。

 

グリーン車内をずんずん進んでゆくと、乗務員用らしい小部屋を発見。

中に座ってるきれいなおねぇさんを呼び出し、「ここ、グリーン車ですか?」「はい、そうです」「どっち行けば普通車に出ます?」「どちらでも大丈夫ですよ」そうと判れば話は早い。今までの1,5倍くらいの速さで、グリーン車のセレブどもを掻き分けながら進み。

無事、普通列車のデッキに到達した。

「ああ、どうやら『見慣れた風景』ですね」

と振り返ると、「あはは、そうですね。安心しました」と笑う女の子に手を上げて、「んじゃ!」と挨拶したら、普通車両の中を座れそうなところまで進んだ。すると893チックなおじさんが座ってて、その周りが空いてたので、会釈しながらどっかり腰掛ける。

ジロっと見られたので、ニカっと笑い返すと、おじさんもニヤッと笑った。

安心して、『皇国の守護者』第一巻の続きにとりかかる。

 

小苗の防衛戦が佳境に入ったあたりで、宇都宮に到着。

駅の中には水車が設置されていた。使用目的はカイモク不明。

 

西口を出ると、目の前に家族モノっぽいモニュメント。

ここからバスに乗って、レッドバロンへ向かう。

 

バスの中は、オレンジ色の手すりがたくさん設置されてて、なにやらやけにハデだった。

ちなみにこのバスは、マメにアイドリングストップしてた。

最寄のバス停で降り、ちょっと戻るとレッドバロンの看板が見える。

徒歩三分くらいかな?

到着すると、ユリシーズはすでにオモテに出されていた。

お金を払って、切れたケーブルと領収書を受け取ったら、さあ、帰ろう。

行きは二時間以上かかったが、帰りは北関東道と常磐道で、一時間くらいもンだ。電車で持ってくるのがメンドウだったのでメットは半ヘル、暑かったのでTシャツにパーカーという、緊張感のカケラもないお気楽な格好で、旧四号を南下。

途中、県道を走って新四号へ出て、しばらく走れば高速の入り口だ。

 

北関東道を、100くらいでのんびり流すと、ぽかぽか陽気が気持ちいい。

が、途中でトンネルに入ると、やはり太陽の当たらない場所は肌寒い。

自然、速度ものんびりになり、最終的には80巡航しながら、笠間のSAで給油。

ガソリン入れるついでに、荷物からダウンジャケットを出して着込む。

背負ってたアサルトリュックも、荷物と一緒にパッキングして、かなり身軽になった俺は、およそ120〜140スピード(1/2時速)前後で、景色を眺めながら淡々と走る。基本的には天気も景色もよくて気持ちいいのだが、それもどうやら常磐道の分岐まで

ジャンクションから南下コースに入ると、常磐道名物の強風が、嫌ってほど吹いてくる。

 

風にハンドルを取られるので、100巡航に落としてちんたら流す。

もっとも半ヘルにサングラスなので、このくらいの方が身体の負担も少ないようだ。来週末は、三重からの帰り400キロくらいを、タンデムで走る予定なので、その練習もかねて100巡航をひたすらキープしてみた。この速度だと振動も少なく、問題なさそう。

そのぶん時間は掛かるけど。

常磐道は殺風景で有名な高速だから、巡航してると疲れるより先に飽きてくる。

パーキングでトイレと一服を済まし、あとは柏までノンストップ。

柏インターからはお馴染み、16号すり抜け大会だ。

大会つーか独りだけど。

 

先週の続きを独りで済ませた、宇都宮への半日小旅行は、こうして無事に終了。

旅情っぽさを感じる電車旅をしつつ、飽きてきたとこで単車に乗って帰れると言う、ある意味とてもゼイタクな楽しさを味わった、いい休日だったよ。あんまし毛嫌いしないで、これからは電車旅行もしてゆこうかなぁと、半ば本気で考えたり。

まあ、帰りはやっぱり単車の方が、鬱陶しくなくていいけどね。

 

さて、ユリシーズも無事に帰還して、いよいよ、ゴールデンウイークまで一週間。

キャンプ道具の修理やメンテナンスをしつつ、週末に向けて準備を始めよう。

走って、呑んで、さわぐぞー!

 

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