solo run

ゴールド・エクスペリエンス

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2011.05.02 三日目(中編)

―空に抱かれながら―

 

喫煙者の悲哀を充分に味わったら、また曲がり道を走ろう。

相変わらずの快走路を、ゴキゲンにすっ飛ばしてゆくと。

 

県道29号への分岐が見えてきた。

先ほど道の駅で一服しつつ、「このまま素直に高速乗っちゃうのもなぁ」と思いながら地図を見ていた時、北の方に『青山高原』と言う場所を見つけた。等高線に丸く囲まれた、いかにも小さな山っぽい場所なので、行ってみようと決める。

その青山高原に向かうのが、この県道29号線なのだ。

それにここも、ツーリングマップルに、『快走路表示』されている。

だったら行くしかないだろう。

 

29号は比較的広くて走りやすい。(太線重要)

まーっすぐのトコロは、景色を眺めてのんびりと。

曲がったところは、タイアショルダーを削りながらガシガシと。

綺麗な場所では写真を撮り、ツーリングライダーらしいほのぼのムード。

と。

だんだん道が狭くなってきたなぁと思ってたら。

はい来た大好物(サイト的な意味で)。

まあ、見通しも悪くないし、熊野あたりの酷道と比べれば楽勝なんだけど、こんな感じの道が縦横にクロスするから、ちょっとテキトーに地図を見てると、すぐに道がわからなくなる。

お、いくらか広くなったな、なんて安心してると。

 

また不安を煽るツラガマエの舗装林道。

ランドマークや看板が出るたび道を確認するうち、コレはコレで楽しくなってくる。フューリィで出かけた昨夏のツーリングでも何度かやった、オリエンテーリング風味のソロツーリングだ。何度も言うが、俺はこの手の走り方が嫌いじゃないのだ。

「あれ? こっちじゃないのか。んじゃ、さっきのトコまで戻って左だな」

ひとりブツクサ言いながら、地図を見ぃ見ぃ進んでゆく。

もう少し広いところがあったら、ストーブ出して、川の水でコーヒーでも淹れたかったね。

たぶん、おなか壊すけどね。

 

そのうち、どうやら広い道に出た。

道端でいったん休憩し、現在地を確認してみる。

するとどうやら、地図を見たとき「ちょっと迷いそうだな」と思った場所で、いつも通り道を間違えた。もっとも、そう『とんでもないトコまで行けるほどの速度は出せない道』だったので、リカバリも楽勝だ。地図でだいたいの方角と主要な道の番号を覚える。

ミクシィで「暑いから高原に行く」とつぶやいて、タバコを一本つけたら、また走り出そう。

 

県道42号は山の中を抜けてゆく。

こんな道なら、暑さもぜんぜん感じない。

気持ちのいい風と太陽の光に、ただただ身をゆだねて走れば。

俺の大好きな、恍惚さえ覚える至高の時間。

 

やがて山を降りたのだろう。

道が平らになり、視界が開けてくる。

県道をつなげて、ようやく国道165号線を捕まえた。

コンビニで一服しながら、青山高原への道を確認。

「ま、観光地っぽいし、看板も出てるだろうから、それほど迷うこともなかろう」

さすがに国道だけあって、さっきよりはクルマの数が増えたが、それでも数台のレヴェルだ。

 

トンネルを抜けた先に看板が出てたので、指示通りに走って青山高原へ。

高原とは言っても、そこまで劇的に涼しくはなかった。

海が近いからかな?

 

コレは高原の頂上付近だったと思う。

気持ちのいいツイスティロードではあるが、ここまで来る間もずっとツイストしてたので、感動ってほどのこともなかった。いや、高原付近は充分キレーだし走りやすい道なんだけどね。つーか近所にあったら絶対、通い詰めてるだろうってくらい、いい道なんだけどね。

何でも慣れちゃうんだよね、人間て。

ワインディング三昧の弊害といえば弊害かな。

曲がりながらパチリ。

ココだけでも動画を撮ればよかった気もする。

つーかココで撮ろうとしてれば、あんな悲劇は起こらなかったのに(安い前フリです)。

コレは完全に最上部……だと思う。

 

奥の方にちょっと見えるのが、国内最大級の風力発電施設。

これからは、もっと見直されるんだろうか。

 

やがて高原区間を過ぎたあたりから、道が狭くなってくる。

とは言え、舗装が新しくて走りやすい。地震の影響だったのかな?

少なくとも、さっきまで走ってた林道に比べたら、タイアの喰いもサスの動きも別モノだ。いいだけワインディングを走り倒して、ちょっと飽きたら林道チックなところを走ったり、景色を楽しんだりして、またワインディングを走って。

ホント、幸せすぎてなんかごめん。

 

来た道へ戻る本来のルートは、なぜか通行止めだった。

なので山を越えた北側の、国道163号に出る。

そこからは、ただ東へ走れば10キロほどで『津』のインターだ。

途中、工事信号に捕まったので、お約束。

「3、2、1、ゼロッ、ゴー!」

叫んだあとソロ〜リと出発したりして遊びながら、津インターから伊勢湾岸自動車道へ。

高速道路を乗り継いで、名古屋のともっちさん宅へ向かった。

そして、高速を走ってる途中、動画用のカメラを落っことした。安物だけど使い勝手がよくて、わりと気に入ってたので、ちょっと残念。とは言え、気持ちの方はもうすでに、名古屋で呑んだくれる方に向いちゃってるので、ショックはほとんどなかった。

今日はろろちゃんと、「ともっち邸に集合して、前夜祭をやろう」つー話になってる。

ワインディングを走り倒し、オリエンテーリングをやり、散々ソロツーリングを満喫したら。

その後は、ろろちゃん、ともっちさん、メタボ会の面々と宴会。

もう一回、言っておこう。

ホント、幸せすぎてなんかごめん。

 

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