solo run

春ツーリング

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2012.04.28-29 〇日目 柏〜?

〜前夜祭と出発、そして〜

 

土曜日の午後。

むちゃくちゃ気持ちいい天気を、恨めしくにらみつけながら、シコシコ書類仕事を終わらせる。

春の気ままなソロツーリング、ホントは今日スタートしたかったのだが、今月は思いのほか忙しかったので、書類にかかる時間の目算を誤ったのだ。ま、俺の場合、仕事のツケはほぼすべて『自業自得』であり『自己責任』なので、だまってやるしかないんだが。

なんとか終わらせたらライコへゆき、シガーソケットを購入。

帰ってユリシーズに取り付け、ようやく、連休に突入だ。

明日から走り倒すためにも、今日は英気を養おうっつわけで、書類が終わってドっと出た疲れと睡魔に襲われつつ、風呂に入って転がったら半覚半睡。やがて夕方になったので、ナオミとふたり柏駅へ。電車に乗って揺られること数分、松戸駅で降りててくてくと歩けば。

『肉しか信じない』で有名なポンちゃんの店、レブ・ステーキだ。

明日からのロンツーを祝って、前夜祭のスタートである。

 

呑みたかったのでライスは頼まず、さがりステーキ300gと赤ワインを頼み……

300?

明らかにメートル法の300gではないステーキに笑ってると、ポンちゃんがニヤニヤしながら登場。いつものバカ話や、『お互い、単車への関わり方が変わってきた』なんて話。ビールを空け、ワインを呑み、重量級のステーキをぱくつきながら、笑い声は絶えない。

ジョジョフィギュアに見守られながら、呑んで喰っておおいに笑う。

やがて店が混んできたところを見計らって、会計を済まして店を出る。

ポンちゃん、いつも美味い食事と楽しい時間をありがとう!

 

柏に帰ってきたら、そのまま帰るのは残念なので、いつものプラットへ。

いつの間にかマツモトさんは別の店に移動してて、スガワラ君が店長になってた。

さすがに土曜の夜だけあって、プラットもだいぶん混んでたので、一杯づつ呑んで家に戻る。帰り道、コンビニで酒とツマミを買い込んで、家に買ったらそのままひとり宴会。いいだけ酔っ払いながら、明日からのロングツーリングに思いを馳せつつ、布団にもぐりこんだ。

 

 

明けて翌29日。

思いっきり二日酔いに苛(さいな)まれつつ、昼近くまでのんびりしたら、さて出発しよう。

また少し、前回より荷物を減らせた。

こうやって最終的には、この半分くらいまで減らせたらいいなぁ。

天気は春というより初夏。だまって立ってるだけで汗が流れるほどだ。

 

午前11時59分。柏。

「とりあえず秩父方面から、299号線を全線走破してみよう」

最初の目的が決まった俺は、ユリシーズを16号に乗せた。

 

柏インターを越えるまでは、いつものように混んでいたが。

野田以降はけっこう空いている。

荷物満載なのでアホほどぶん回したりはせず、四輪をぬいながら気持ちよくすり抜ける。じっとしてると暑かった気温も、走り出せばちょうど心地よい。ヘッドフォンから流れてくる音楽に合わせてハナウタを歌いながら、右に左にスラローム。

気持ちよく走ってると、おっと、貧乏ランプがついた。

どっかでガソリンを入れよう。

 

と、ガンメタのカタナが絡んでくる。

「おいおい、見てわかんべな。こっちは荷物満載のツアラーバイク……」

フォーン!

「いいよ、やるよ、さあ、すっ飛ばそうじゃねーか」

ヘッドフォンから流れる曲は、タイミングよくもハイウエイ・トゥ・ヘル

つわけでアクセル全開、クイックスラローム。

 

カタナがミラーの点になったところで、アクセルを緩めて巡航に入る。

東北道との分岐を越え、岩槻あたりだったか。

「ああ、そうだ。ガソリンを入れなくちゃ。カタナのせいで20キロも走っちゃったぜ」

ガンメタのカタナに、『まったくいわれのない非難』を浴びせながら、目に付いたセルフへ。

「さーて、ガソリン入れたら県道15経由で299に入って……え? あれ?」

ケツのポケットに手をやった瞬間、かみさん、思いっきり血の気が引く

「うっそだろ!? マジでか?」

賢明なる諸氏には、もう、お判りであろう。

「うっわ、最悪っ! 財布忘れてきてんじゃん!」

いくら騒いでも、アフター・ザ・カーニバル。

 

銭がないんじゃ、ガソリンの入れようもなく。

Uターンして道端に単車を停めた俺は、大きくため息をついて携帯を取り出す。

「もしもしナオミさん、もしかしてそのへんに、私の財布はありませぬか?」

「えぇっ? ……ごそごそ……あっ……あるねぇ……」

「とりあえず帰れるところまで帰る。途中でガス決したら連絡するわ」

失意のまま電話を切った俺は、肩を落として帰路についたのだった。

 

燃費走行を心がけ、なんとか自力で戻ったかみさん。

「ただいま……まったく、やってくれるよビューエルさんは」

「きゃはははっ! ビューエルさん関係ないじゃん! なに責任転嫁してんの」

「ふん、お前にはわからんのだ」

荷物を放り投げながら、ふと部屋を見渡してみれば。

置いていかれたことを責めるように、ポツンと転がるマイ財布。

すっかり出る気のなくなった俺は、PCの前に陣取って、この文章を書き始めたのだった。

 

レポート書き上げて、ただいま、午後3時ちょうど。

さーて、どーしよーかなぁ……

 

 

つづく

 

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