2009.08.03 小さなことから

さて、もう八月に入ったわけだが、当然、これっぱかしも動けん。

毎日毎日、回復に向かっていることは実感できるのだが、逆に『あとどれくらい動けないか』もだいたい見当がついてしまうので、ちょっとイライラしてしまう。んじゃ、ゆっくりネットで買い物でもなんて思っても、乗れないと思うと購買意欲が湧かない。我ながら現金な精神構造だ。

暇にあかせて『シャカリキ!』なんぞ読み返したりしてるもんだから

「ケガなんか治って当たり前。ケガの間にどれだけ強くなったかが重要」

てなわけで、ひとまわり細くなった右脚をにらみつけながら、ビデオやベッドの上でイメージトレーニングしまくる日々を送っている。あと、溜まった動画をやっつけつつ、新しい漫画もガンガン買い込んで『柏の無料マンガ喫茶』のグレードも着々とアップしてる。

ついでに体重も着々と増えている。ほっとけ。

 

今回はSLが無事だったので、次の単車を考える楽しみもなく、ひたすら暇をもてあましてる。ゴロゴロと転がって漫画や小説、ビデオを見ながら『ただ、ひたすら回復を待つ』って言うパッシブな生活は、どうも俺に向いてないようで、精神が腐りそうだ。

「いい機会だから、ゆっくり身体を休める」

と言う考え方もあるだろうが、俺は「ゆっくり休むのは死んでから」って決めてるので、この無為な時間がなんとも言えずもどかしい。「無為にしないために、何か建設的なことを」と考えても、右脚から身体に広がる「痛み」と言う負の生産物が、なにかにつけ集中力を削る。

とは言え、痛い痛い言ったって痛みがなくなるわけじゃない。

自分を哀れんで情けないことを言ってないで、何かやれることをやらなくちゃ。

 

つわけで明日からは平常どおり、なるべく毎日更新する。

 

2009.08.04 今後のことを少し

掲示板で話してるうち、なんか無駄な買い物をしないとみんなに申し訳なく思えてきた。

だが、結局何も買わずに堪えることができた。かあさん、俺、成長してるみたいだ。たとえそれが、「笑いをとるために買い物をするのはおかしい」と言う一般的な判断じゃなく、「この流れでナニを買ったって、今さらウケねーもんなぁ」と言う、ひどくゆがんだ理由だったとしても。

んで、母親への自嘲に満ちたつぶやきはともかく。

ちょっとずつリハビリを始めてるんだが、それと平行して上半身の筋トレもはじめた。「なまった身体を月中か月末の仕事開始までにシメよう」と言う理由のほかにもうひとつ。今年の秋には、ほぼ二年ぶりにクルーザに乗ることになるからだ。

 

メガスポやSSこそ乗り始めてまだ二年たたないが、クルーザはまったく別。

俺の土俵だ。

フューリィがいくら軽いとは言え、一般的には重量車だ。装備重量で300kgを越えてくるわけで、漫然と乗るならまだしも、車体の性能以上に曲げてやろうと思えば、それなりにねじ伏せなくてはならない。NEKOさんみたいに軽やかに操れるならともかく、少なくとも俺は。

実際に力が要るというよりは、パワーを上げることでより軽く操作できるようにと言う考え方だ。

それの是非はともかく、俺はこのスタイルでクルーザを走らせていたのだから、今までのやり方に準じる。少なくとも走り始めは、過去の自分が積み重ねてきたものを裏切るわけには行かない。変化するとしたら、過去を踏まえた上でSSから得たものを添加していく方向だろう。

 

メガスポやSSに二年近く乗ったことで、さすがにクルーザで対抗できるとは思わなくなった。

もちろん単車は乗り手次第だから、全てのSSに負けるとは思わないけど、少なくとも俺の乗ったクルーザは俺の乗ったケーロクには勝てない。である以上、俺はケーロクを手放さない。ケーロクで絶対速度を目指しつつ、それでもクルーザ使いへの道も投げない。

コレが俺の結論だ。

とても欲張った考えだが、それでも何とかなる気がしてる。

ハヤブサやケーロクでSS組の連中と走った経験は、貴重な宝石のようなものだ。そして、ランツァでのケモノ道やワインディング攻めを経て、『種類の違うバイクでの経験の生かし方』みたいなものも、ぼんやりながら見えて来た。宝石の生かし方が、わかってきた気がするのだ。

宝石ってのはたぶんSSの操り方じゃなくて、単車からのフィードバックを感じ取る能力、俺の中のセンサーが前よりずっと発達したことだろう。敏感になった分だけ挙動に戸惑ったりもするんだろうけど、今の俺は間違いなく、クルーザに乗っても前より速い。

それが何よりの宝物だ。

 

つわけで、事故で締めくくった上半期のオトシマエ。

下半期はよりアグレッシブに単車に乗っていこうと思ってる。

 

2009.08.05 お知らせ(追記あり)

今週の土曜日、夕方くらいにeisukeさんが遊びに来てくれる。

そのちょっと前、昼過ぎくらいからGO!!!君にクルマを出してもらって整骨院へ行き、比較的急を要する書類だけでもやっつけてこようと思ってるので、当然、夕方からの宴会には隊長も顔を出すだろう。そんな感じなので 、ヒマな人は顔を出してくれると、かみが喜ぶ。

もっとも、残念ながら『翌日の日曜日に走りに行く』なんてのはムリだけど。

 

追記:

さっきメールがあって、金曜日の日中、UKちゃんが遊び来るそうだ。

なのでこっちも来れそうなヤツは遊びに来たらいいじゃない。

 

2009.08.06 選択肢

単車に乗れなくて寂しいから、単車のビデオ見たり本を読んだりするわけだが。

ふと気になって、Furyのタイアサイズを確認してみた。クルーザのタイアなんてそんなに種類が豊富ってワケじゃない。変わったサイズだと純正しか選択肢がないなんてのもザラだ。ロケットやマルキューで経験済みなので、その辺はある程度覚悟している。

ま、ハーレィ用なんかで探せば見つかるだろう。

 

つわけで諸元表を見ると、フロントが90/90-21でリアが200/50-18とのこと。

「あんだ、見慣れないサイズだなぁ。こんなサイズ売ってるのか?」

思いながら今度はサイズで検索してみると、なんとこのリアタイアのサイズ、新型V−MAXと同じじゃねーかつーわけで、とりあえずひと安心。V−MAXならなんだかんだ、ハイグリップからツーリングタイアまでひと通りはラインナップされるだろう。よかったよかった。

 

さて、それじゃと今度はフロントを検索してみたら、オフロードタイアのサイズとドンピシャ。

いや、もちろんクルーザ用のロードタイアもあるんだが、オフロード用のチューブレスブロックタイアがあると知ったら、なんだかやけにワクワクしてきた。リアのサイズにオフロードタイアがなさそうだけど、フロントにブロックタイア履いたら面白そうだなぁなんて、くだらないコト考えたり。

マッドマックスっぽいイメージでカッコいいと思うんだが、きっと支持されないだろうなぁ。

ま、タダでさえ外に膨らみやすいクルーザで、フロントにオフロードタイア履いて、アクセル一発でドアンダーとか、さすがにゾっとしないからやんねーけど。さらに調子に乗って、フロントをチューブ仕様にして更に過激なオフロードコンペタイアとか、絶対やらないけど。

 

いや、前フリじゃねーてばよ、ホントに。

 

2009.08.09 宴会連発

金曜日はUkちゃんやiroha夫婦、土曜日はeisukeさんが来て宴会した。

楽しかった分だけ、余計に単車に乗りたくなった。

早く治らねーかなぁ……

 

2009.08.12 湿式

調子こいて「毎日更新」とかぶち上げたって、単車に乗れないんじゃ書くこともなく。

いつもの事故と違って単車がイカれちゃったワケじゃないから、楽しい『次の単車選び』もねーし、何週間も愚痴ってられるほど繊細な神経も持ってねーし、右足は冗談みたいに細くなってるし。『骨がついて痛みが引くのを待つだけ』のパッシブな毎日に辟易してる状態だ。

乗れるようになったときの自分が怖いね。

 

仕事柄、幸いにして『先が見えない恐怖』ってのがないだけ、きっとずいぶんマシなんだろう。その代わりに『先が見通せるゆえの失望』ってのが色濃いわけで。来週くらいから徐々に体重をかける練習をして、再来週の末あたりに八割程度。次の週に何とか仕事復帰。

コレはもう、専門家としてギリギリの動かせない線だ。

それを充分に承知しているだけに、焦りはないけどもどかしい。

 

あれ? 俺、今、愚痴ってるんじゃねーか?

やめやめ。もちっと前向きなことを書こう。

 

今回使って感心したのが、湿式の絆創膏。

傷口を乾かさないからガーゼのように貼り付かないし、治癒の速度は二割くらい早い。知識としては知ってたし理論も理解していたが、実際に使ってみて、その治癒速度に改めて感心した。何種類か使ったが、湿式であれば基本的に、どれも効果は同じようだ。

大き目のヤツを一枚か二枚、ツーリングの時に携帯してくといいかもね。

 

さて、強引に更新してもこんなもんつーワケで、今日のところは。

 

2009.08.13 インプレ

HAYABUSA1300のインプレを書いた

こないだと違って、わりと普通のインプレ。しかも短め。

ま、えらそうに語れるほど長いこと乗ってなかったからね。

 

ケーロクのは、また近いうちにでも書く予定。

こっちはまた、アホなインプレにしようかね。

 

2009.08.14 SLインプレ

こんだ、SL230のインプレを書いた。

単車に乗れないから他に書くこともないしね。いや、まぁ、小説云々は置いといて。

一人称で書いたら面白いかと思ったけど、書きあがってみたら内容的には普通に芸のないインプレになっちゃったので、ケーロクのときはもう少し何か考えてみようと思う。エンターテインメントとしてのインプレッションと言う、マーマレードスタイルの確立には、もう少し時間がかかりそうだ。

 

2009.08.15 お知らせ

GO!!!君が遊びに来るつってたので、「おや、もしかして隊長、納車したのかな?」と思いながら、You Tubeで単車の動画を見つつ待っていると、携帯が鳴る。GO!!!君はウチに来る時、いつも「なんか買っていく物ありますか?」って聞いてくれるので、隊長だろうと携帯を見ると。

「あれ? フラ公だ。どーしたんだろ?」

中部の兄弟、フラ公ことフラナガンからの電話だった。

「おう、どーしたよ?」

「あ、かみさん。今日は家に居ます?」

「ま、そりゃ居るけんども……ってあんだおめ、来んのけ?」

冗談半分でそういうと、あっさり

はい、行きます。今、甲府あたりです

「ぎゃはははははっ! わかったっ! 待ってるから早く来い」

 

つわけでこれから、GO!!!君&フラ公と宴会だ。

せっかく中部のバカが来るつーんで、関東近県のヒマ人は顔を出してくれると吉。

曲がった道の話をしようぜー!

 

2009.08.16 呑んじゃうもん倶楽部

フラ公とろろちゃん、GO!!!君と飲んだくれた。

当たり前なんだけど、やっぱり楽しい宴会だった。

俺は幸せだなぁ。

 

 

2009.08.19 疑惑

よしなしんとこのレポ読んだ?

東北温泉ツーリングのレポなんだけど、写真がね、どうも怪しいと思うんだよ。セルフで撮ってる写真がね、あまりにも普通に撮れてるんだ。湯気でぼやけもしてなけりゃ、セルフらしいミスが一切無い。連続で数枚撮ったならわかるが、セルフタイマーでそれも無いだろう。

だとすれば、答えはひとつ。

あいつ、温泉ツーリングに女を連れて行ったね。Nは「よしが? や、ないでしょ」とか危機感の無いセリフを吐いてたけど、ホント甘すぎ。男の性欲は人格とはまったく関係ないところで暴れるものなんだから。つーか話的にその方が絶対面白いし。

な?

バレてんだから吐いちまえよ、エロオショー。

 

や、ようやく両足で立つ練習しはじめたばっかりなんで、相変わらず他に書くことねーんだわ。

何とか来週には、てめえの脚で歩きたいね。

 

2009.08.23 プロテクト

今回は、脚がねじれて骨が折れたわけだが。

それを阻止するためにニーブレスという装備がある。今まで使ってたニーガードは打撲的な衝撃から守ってくれるだけだが、ニーブレスはもっと積極的に、『ねじれや逆に折れ曲がってしまう』ことを防ぐ目的で作られる。サイドに補強やヒンジがつくので、当然、デカくてゴツい。

そしてこのニーブレスてのが、とにかく高い。

まぁ入院代や手術費を考えれば安いのかもしれないが、片足5万からハイエンドモデルでは15万なんてのまである。最初はそれでも「ケガには代えられないしなぁ」と思っていたのだが、調べるうちにそうとばかりも言い切れないことがわかった。

膝をガッチリ固めてしまうため、ねじられた時に大腿骨が折れることもあるのだそうだ。

 

まぁ、考えてみれば『骨がネジ折れるような力』なんだから、一部を固めればどこかにひずみが出るのは当然なわけで、『フレームの一部を補強したら、他にクラックが入った』なんてのと、要は同じ話なんだろう。なので、『そこまでガチガチではなく、かつ、ある程度ガード力の高い』ものを探すと。

ソアーのガードにいいのがあった。

調べた限りでは、今までのガードとは比べ物にならないくらいしっかりと固定されつつ、ニーブレスほどガチガチではないという、まさに今回の俺のニーズにぴったりの製品なので、早速発注。それが昨日だったかな? ようやく到着した。

ソアのフォースニーガード。

見た感じだと柔らかそうな膝の部分にも、しっかりとプロテクタが入っている。早速装着してみると、確かに今までとは固定力が比較にならない。ようやく足を引きずりながら歩き始めた今の俺が装着すると、医療用の装具並みに信頼感があって、歩くのが楽なほどだ。

これで両足15000円弱(定価)は、かなりお買い得じゃないだろうか。

 

今週はリハビリ週間の第二週。

いよいよ表を歩いたり、やれそうならNのXR100にも乗ってみようと思う。

とりあえず9月の仕事には何とか間に合いそうで、やれやれといったところだ。

 

2009.08.25 夏の終わり

膝にプロテクタをつけて、ジーンズとTシャツ。

そして、久しぶりに靴下を履いたら、さぁ、ゆっくりと立ち上がろう。

手製のウォレットを右の尻ポケットに突っ込んで、ウォレットロープをベルトループへ。釣り針型のキーホルダをポケットにひっかけると、右足を引きずりながらドアを開けて表に出る。太陽の下をのろのろと歩き、たたずむ愛機のそばへ。スタンドにもたれて、愛機は待っていた。

ホルダから外したキーの先でリッドを回し、深く差し込む。

キーを回すと同時に、ニーニーとサーボモータの確認音。それからETCがピッとOKの信号を鳴らす。どうやらバッテリは大丈夫そうだと胸をなでおろし、クラッチを握ってセルモータを回す。キョキョキョっと普段より長めに回った後、ズボァ! ヨシムラ管から太い排気音が響いた。

 

シートとハンドルに両手を置き、体重を支えておいて左足をゆっくりとステップに掛ける。

今度は両手をハンドルに移して、まだ言うことを聞いてくれない右足を、そろそろと引き上げて車体をまたぎ、反対のステップに乗せる。そのまま少しまたがった感触を味わい、ゆっくりと右足を地面に下ろす。いつ裏切るかわからない自分の右足に神経を集中し、何度か地面を踏む。

「よし」

小さくつぶやいて左足も地面に下ろすと、サイドスタンドに身体をもたせ掛けた愛機をジワリと引き起こし、車体をまっすぐにしてハンドルを握る。もう一度右足の機嫌を確認してから、慎重に左足を引き上げて、サイドスタンドを後ろに蹴りこむ。

前後のタイアと、俺の両足。

いつもの四箇所で車体と体重を支え、クラッチとブレーキに二本の指を掛けたまま、スクリーン越しに前を見る。エンジンが奏でる至高の音楽に、ほんの少しだけ酔いしれよう。安定してアイドリングするタコメータと、ゼロを表示したままのスピードメータを交互に眺め。

やがて、ため息とともにエンジンを切る。

 

今日はここまでだ。

そんなに変わるはずは無いけれど、今日よりほんの少しはいいはずの明日を思って。

また右足を引きずりながら、俺はトボトボと家に戻る。

 

さわやかに晴れ上がった空が、夏の終わりを告げていた。

 

2009.08.29 モンモンレイン

何の電波をキャッチしちゃったのか【神々】の小説を編集しはじめちゃって、気づいたら昼すぎまで、かれこれ十一時間もやってた。ちなみに新作じゃなくて、あくまで推敲と編集ね。一銭にもならないのにファイル名A〜Hまでの編集を終わらせ、ムダに力尽きているところに電話が鳴る。

電話はマルゾーからで、足の調子はどうだなんつーご機嫌伺いはともかく、「今走ってるんだけどよ、これから関越行って上信越から軽井沢の方に……」とか、マルロク(マルのケーロク)の「曲げ方が、ちょっとわかってきた」とか、さんざん俺を逆なでしてから電話を切りやがった。

「あのヤロウ、次に走るときはぶっちぎってやる」

ストレスをためながら悶々としていると、こんだrakから電話。こっちはもちろん、俺をからかうとかではないんだが、やはりrakの声を聞けばバイクで走りたくなるのは仕方ない。別にrakのせいではないんだけど、電話を切ってからまたも『バイクに乗りたい病』でもだえ狂う。

つわけで明日にでも、NのXRを借りて走ってみようと思ってるんだが。

 

雨っぽいのが、ちょっと悔しい。

 

2009.08.30 危険がいっぱい

事故後はじめて、バイクに乗った。

XR100Mはキックスタートなので、右側に立って左足でキックをする。

 

何とかエンジンスタート。やる気マンマンだけど、腹が出てるのが悲しいね。

 

んで16号をレッドバロンまで走った。

途中、クルマにガンガン抜かれまくって、「あぶねーじゃねーか!」なんてツッコミをいれながら走ったのだが、それはさておき、久しぶりのバイクはとにかく楽しい。足を踏ん張って体重移動してみたけど、体重が支えられるから歩くよりはずっと楽だ。

レッドバロンに到着。

早速、SLを降ろしてきてもらって、イカれた場所の確認をする。

傷はあちこちについてるし、ライトケースもガリガリ逝っちゃってるけど、基本的には問題なさそう。

なので細かい修理を依頼してXRにまたがると、さて、どこに行こうかなっとご機嫌で走り出した。すると、走り出して数分でポツポツとシールドに雨が当たる。ほどなくサラサラ降って来たので、断腸の思いで帰路についた。ほんの数十分だけど、すげぇ楽しかった。

やっぱり単車は楽しいねぇ。

 

でだ。

タイトルの『危険がいっぱい』なんだが、危険ってのはバイクに乗る話じゃないのだ。

そんなことより何倍も危険な話が、俺の知らない間に進行していたのである。いや、ほんと背筋が寒くなるような、今夏最大のホラーだから、みんな気を引き締めて読んで欲しい。危険って言うのは本当にヒトゴトじゃなくて、いつでもすぐそばに迫ってるんだね。

 

昨日の夜、「明日はバイクに乗るぞ!」とゴキゲンでいると、メールが一通送られてきた。

差出人はmoto君。

なんだろうとメールを開いてみると、「命びろいしましたねかみさん。いつでも矢はかみさんに向いてるから油断は禁物ですよ? 意味が解らない場合はヨッシーに聞けば全て分かります」おいおい、怖いなぁ。いったい何だよ〜と思いつつ、早速、よしなしにメールしてみると

「今度、遊びに行った時にでも」

と答えてくれない。

なので、どういうことかと、もう一度moto君にメールしてみると。「ふふふ、今回は根性ナシどもがイモ引いたので計画はお蔵入りになりましたよ。せっかく、快気祝いにひと花咲かせようと思ったのに。まるでわかってない、ドルフィーもヨッシーも」と返事が返ってくる。

「ドルフィー? よしなしはともかく、moto君とドルフィーは面識なかったんじゃねーか?」

といぶかしみつつも、おおよその見当がついた。

要するにドルが山口から出てくる予定があり、どうせならその時サプライズをしようってんで、やめときゃいいのに、『房総の悪魔』にその計画を持ち込んだんだろう。とは言えドルは仕事柄、土壇場で予定が変わることも多い。それで結局、企画がお蔵入りになったのだろう。

と見当つけてたら、moto君から『今回のサプライズ企画のメンバーに送った企画メール』が送られてくる。どんな企画だったんだ? と興味を持って読みすすむうち、そのあまりの外道っぷりに背筋が寒くなってきた。なるほど。これはドルの予定とかじゃないかもしれない。

おそらく『企画が外道すぎて、ほかのメンツが引いた』んだろう。

 

と言うわけで以下に、その全文を記す。(編集:かみ)

-----------------------------------------------------------

ドルフィーさんより依頼がございましたのでご協力を要請いたします。

ドルフィーさんから「9月15日午後にかみさん邸に奇襲をかけて驚かすプランを練って欲しい」そう依頼が来たのは今月中旬。前回は「房総の嵐作戦」において完全なまでに成功を収めましたが、今回はうまくいく保証もないし、やるなら前回と同一プランでは味が無い。

そこで今回のプロジェクトは初心に戻って考えました。

かみさんの大切なモノってなんだろう・・・バイク・・・そう、バイクでしょ単純に。

ならソレさっそく「盗んじゃいましょう!」

具体的プランとして、13日(日)の夜半に、柏にあるターゲットのR1000をトラックで盗みます。

15日(火)の15:00付近でクライアントであるドルフィーさんと合流。Nさんには予め協力してもらい、13日(日)の夕方にR1000のハンドルロックを解除しといてもらいます。つまり盗難に気が付いたかみさんが鍵をどうしたか見ると思うので、ロックだけ解除して鍵は家に戻しておくのです。

15日(火)の午後、こっそりNさんから鍵を受け取ったら、ドルフィーさんにバイクを引き渡し、乗り付けてもらいます。かみ邸に到着したドルフィーさん、まずは電話をしてもらいます。

『かみさ〜ん、ニューマシン買っちゃいましたよ〜♪』

『っつ〜かオメ〜、早く来いっての!』

『はい、実はもう、かみさん家に着いてます』

『がっはっは、また奇襲かよ〜。むしろ歓迎だけどよwwちょっと待ってろ』

いや〜バカです。かみ太郎は自分のバイクを盗まれた事も忘れ、ニヤニヤと独り言を言いながら表に出てくるでしょう。そこで待っていたドルフィーさんの横に佇むSSのシルエット。『んだよ〜w銀に続いてお前もかよ〜ww・・・?ちょ・・・おい。。。』こんな感じでフィナーレを迎えるんです。

打ち上げはそのあと、ご機嫌を損ねていなければ、かみ太郎の家で行いましょう。かみさんを喜ばす為にやるのではなく、怒らせる所までくれば本望です。それではヨッシーさんも悪人O氏もirohaもドルフィーさんも、かみさんの身近な敵のNさんも当日まで宜しくお願い致します。

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この、鬼のような企画書のあとに、続いてメールが来る。

「凄いでしょこの計画。ヨッシーもかなりヒいちゃったみたいで、『これはやってはいけないこと』と連絡がきました。途中まで乗り気だったクセに根性ナシめがwwwと言うことで今回は協力者が居ませんので断念、お蔵入りとさせていただきました。チクショ〜かみさん喜ぶと思ったのになぁ!完璧な台本だったのに!でも油断は禁物よ(^w^)」

超、油断ならねぇ。

つーか、このメールを見たときも驚くとかビビるとかの前に、「う〜む、この企画の暴露自体が前フリになってて、本当はもっと辛らつな企画が後ろに隠れているんじゃないだろうか?」と半ばホンキで疑ってたからね、俺。moto君ならそのくらいやりかねないし。

ちなみに今回はまだNには知らされてなくて、本人に聞いたら「あー、この企画は却下でしょ。13日に盗んで15日にサプライズじゃ、絶対、成功しないよ。だって13日に盗まれたら、14日に新しいバイク買ってきちゃうでしょ?」だそうだ。よくわかっていらっしゃる。

つーわけで、とりあえず今回はmoto君の魔手から逃れることが出来た。

なお今回の騒動によって、イモ引いたよしなしとか、連絡できなくなったドルあたりがmoto君の新しい標的になったことは間違いないだろうから、俺もしばらくは枕を高くして眠れるだろう。いずれ地獄に落とされるだろう可哀想なふたりには、謹んで哀悼の意を表したい。

 

ま、要するに「毒薬の扱いには気をつけないと、自分が毒でやられるんだよ」ってことだ。

 

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