2012.02.03 恐怖の飼いかた 今日は昼休みに、ちょっとした用事でポンちゃんの店に行く予定があった。 もっとも書類仕事はまだ残ってるから、とっとと行って帰ってこなくちゃならない。当然、すっ飛ばすことになるなと思いながら、朝、出かける準備をしていたら。寝室にぶん投げてあった革ジャンが目に入った。事故で何度もすっ転がったせいでボロボロの、長い付き合いの相棒だ。 「お、久しぶりに着ていくか」 冬は革ジャンだと寒いので、最近はインナーダウンとECWCS(戦闘服)を併用している。なのでここんとこまったく着てなかったのだが、なんとなく呼ばれた気がして、めずらしく袖を通した。とは言え、中にインナーダウンを着込むから、パンパンに着膨れてしまって、正直、かっこよくはない。 「ま、いまさらカッコもクソもねぇわな」 と苦笑しながら仕事に行き、昼休みにポンちゃんのトコまですっ飛ばした。
日中は思ったほど寒くなくて、革ジャンとインナーダウンでも充分だ。 なにより風のバタつきがまったく無くて、わきの下を抜けてゆく空気に、「おぉ、空気抵抗が少ないぜ」と気分よく走れる。みちっと強くからだを包む革の張りや、肩や背中に感じるプロテクタの頼もしさ。本当に久しぶりで、実に気持ちがいい。 同時に、なんとはない不安感があり、それもまた懐かしい。 この不安感って言うのは、「俺は今日、死ぬかもしれない」と思いながら、それでも夜中に単車をまたいで走り出すとき、何度も感じたものだ。今はそんな風に出ることはないけれど、その恐怖と背中合わせの麻薬みたいな感覚は、これからも決して否定するつもりはない。 良識あるすべての人が否定したとしても、俺はしないし、それを知っている者達もしないだろう。 俺はそんな世界の入り口も入り口、その片鱗さえ見えたかどうか怪しい程度の乗り手だけれど、それでも感じる恐怖を押さえつけながら走り出すときの、なんともいえない高揚感は忘れない。俺といっしょに何度もアスファルトを転がった革ジャンは、その象徴なのだ。 軽い不安感を、逆に気持ちよく感じながら、レブステーキへ行って、すぐに帰ってきた。 寄り道して一時間ていどの走りだったけれど、なんだかやけに楽しかった。
恐怖に縮こまって、かえって動けなくなってしまわないように。 ぎゃくに慣れて鈍感になり、足元をすくわれないように。 バランスよく恐怖を飼いならしながら、明日も楽しく走ろう。
明日も仕事だけどな。
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2012.02.08 あぶら 半日仕事をおえて、「さて帰ろうか」というところで思い出した。 「そういや、エンジンがちょとガチャついてたな」 ケータイで整備記録をチェックしてみると、オイル交換はまだ先で良さそうだ。だが、ご存知のように俺の単車はいいだけオイル漏れしてるので、油断するとオイルが足りなくなる。チェックしてみると案の定、エンジンオイルが少なくなってたので、足してやることにする。 ついでにプライマリチェーンの張りも見てやろうと、久しぶりにプライマリの窓をあける。 ちょっと緩んでたので、NEKOさんに教わったのを思い出しつつ調整。 そんとき、窓のトコに『白く乳化したオイル』がへばりついてたので、プライマリオイルも見てみる。 やはりこっちにもベッタリだ。 寒い時はクランクケース内に結露するから、そのせいだろう。とくに最近は、通勤でしか使ってないから、よけいに結露しやすいんだろうね。中をのぞいて見ると、プライマリオイルも少ないようだったので、これもあまってたオイルを足してやる。いつもと同じホンダのG4だ。 オイルを使い切ってしまったので、帰りがてらライコへ。 同じくG4を買って、ライコの駐車場で注ぎ足してやった。 これでエンジンオイルは、ケンドルの5w30と、G4の0w40が半分づつになった。来月のオイル交換はまだ寒いだろうから、いちど全部G4にしてみようかな。最近の高性能シャバシャバオイルだから、漏れがひどくなるかなぁと敬遠してたんだが、どうせ、いいだけ漏れてるしね。 んで、夏のロング前にケンドルの20w50に入れ替えてやろう。
オイルたっぷりになって走り出すと、ギアの入りもいいし、ガチャ音も落ち着いた。 やっぱアブラは大切だねぇ。 今日の夕飯は、アブラたっぷりで作ろうかな。
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2012.01.11 おねしょ警報 家でひとりの時、飯を作るのがメンドーなのは誰しも。 だが、そこに『遊びの要素』が加われば、ひとり飯でも楽しく食える。こないだのキャンプはドライブベルト切れで不参加。プレヒータのテストが出来なかったから、昼飯を作るついでに検証してやろう。思いついたとたん、確定申告を放り出して道具を引っ張り出す。 現在のメイン調理セット。 バーナのアルコールストーブ、トランギアTR‐B25は、てまえの黒い袋の中だ。 こいつらを展開する。 右手前でアルコールをスプレーしてるのが、TR‐25用プレヒータ。 少量のアルコールを含ませて、TR‐B25にセットしたら、ライターで着火。 こうしてアルコールストーブの底をあたためて、気化しやすくするのだ。 テキトーなところでメインバーナに着火。しばらくゆらゆらと燃え、 すぐ本燃焼になった。やはりプレヒートすると本燃焼までが早い。 煮物は前に試したから、今回はソーセージを焼いてみる。 乗せるとすぐにジュウジュウ言い始め、やがて炎が大きくなってきた。上の写真、フライパンのてまえから青い炎が飛び出してるのが見える。炎が側壁をナメてる状態は、本当はエネルギーのムダなんだが、アルコールストーブは火力調節がほぼ出来ないので仕方ない。 常に全開、オトコマエだ。 写真だと見づらいが、もはや四方すべての側面から炎が飛び出している。 ソーセージもバッチリ焼けたので、コゲちゃ困るからフライパンを外す。
と、当然、空気の流れがよくなるわけで。 トランギアさん絶好調!
『火災報知機を鳴らそうぜ!』みたいなイベントはいらんので、とっとと火を消す。 フタをかぶせるだけのカンタン消火。 このフタの茶色い部分をズラすと、多少の火力調節が出来るのだが、そうすると消火に困る(もうひとつのフタには、ゴムのOリングが付いてるから、消火に使いたくない)ので、俺は火力調節をしない。どうせ付きっ切りで料理するんだから、熱くなったら火から離せばいいだけだしね。
プレヒータの実力はわかったので、満足して昼飯を食った。 んで、この日記を書き終わったら、また少しだけ確定申告をやるのだ。 少しだけね(片手に小説を持ってベッドへ向かいながら)。
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2012.02.15 禁断の一本と消失の謎 ミクシィでタカシの日記を読んでたら、スロットルボディを掃除したくなった。 なっちゃったら仕方ない。俺には『思い立ったらガマンしないシステム』が内蔵されてるので、半日仕事が終わるなり作業をはじめる。奥まで掃除しようとファンネルをはずし、エアクリーナボックスのベースをはずしたら、スロットルが目に入った。(写真はすでにワイアを外してある) 「ここまではずしたら、スロットルワイアもやんべか」 俺の12Xは、12S用のフォークを入れてるから、足が短いぶんワイアがダブつく。それを解消しようと、ずいぶん前にS用のワイアを買っといたのだが、走りに支障はないもんだから、「アンダーブラケットが来てから、まとめてやろう」と放ってた。それを思い出したのだ。 ついでだからワイアも交換しよう。
スロットルボディの掃除を瞬殺で終わらせ、ワイア交換に着手する。 気軽にはじめたが、もちろん、掃除よりもこっちの方が百万倍めんどくさい。 古いワイアをはずして、新しいのを組み込んでゆくのだが、戻し側のワイアがどうにもハメられない。しばらくかがみ込んで格闘したあげく、ついに切れちゃったかみさん42歳。かつてロケットスリーで採用した、禁断の方法に手をだす決心をした。 そう、『一本引き』だ。 戻し側のワイアをとっぱらうつー、よい子はマネしちゃいけない邪法である。 この方法は、もし引き側ワイアが引っかかったらスロットルが戻せなくなるから、レーサーでもない限りやるべきではない。じゃなんでやるかっつーと、取りまわしの自由度が高くなる他にもうひとつ。これが一番大切なんだが、取り付けや調整が『めんどくさくない』というメリットがある。 つわけで一本引きを決意しちゃえば、あとは楽勝。高遠くんより“カンタン”だ。
組み上げてから走ってみると、アクセルの動きが軽くなった。 戻し側をとっぱらってるから、アクセルを戻す方向への遊びが大きくなるんだけど、まあ、これは慣れの範疇だろう。ゴキゲンですっ飛ばしながらギャップを飛んだら、ケツの下から「コツン」とヤな音がした。シート下の工具が動いたみたいな音だ。 でも大丈夫。 これ知ってるもん俺。 とっとと戻って確認すると。 ほらね、いつものやつだ。 締めなおして走り出したら、すでに日が暮れかけてる。 半休の日は俺が晩メシを作るんだが、時間がないから買ってきて済ます。 ところが、帰ってきてしばらくしたら、いつのまにか『から揚げ』が消えた。 テーブルの上には、ビールの空き缶が転がってる。 何がおこったのか、カイモク見当がつかない。
謎に包まれたまま、すべては闇の中へ。
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2012.02.18 洗車と宴会 凍った道をおそるおそる走って、ケツを滑らし悲鳴を上げながら仕事へ。 「通勤だけで疲れたよ」 などとボヤきながら仕事を終えると、12Xの汚れが目についた。むしろ目にあまる。 なので、いつものコイン洗車場へ行き、高圧洗浄器でアブラ汚れを吹き飛ばした。 すると、さすがに業務用高圧。 ついでにマフラーのヒートバンテージまで吹き飛ばしやがった。 ここまでは頼んでないのに。 さすがにビンボーくさいので(ビンボーだけど)、とっととひっぺがしてみると。 『タイム風呂敷』かぶせたみたいになってた。 ヒマ見てみがいてやろう。
今日はこれから、ろろちゃんが遊びに来る。 なので、日本のこれからの政治、経済について語り明かそうと思う。 あとバイクとおっぱいについても。
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2012.02.22 ヒートガード自作 こないだヒートバンテージをはずしてサビサビだったエキパイを磨く。 ピカピカにする気なんぞハナからないので、こんなもんでよかろう。要はサビてなきゃいいのだ。 だが、話はコレで終わりじゃない。 もともと、ヒートバンテージを巻いた理由は、『エキパイの熱で、バイクカバーがボロボロになるから』だったわけで、はずしたバンテージの代わりに、カバーが融けないよう熱対策をしなくちゃならん。そんじゃ、テキトーにエキパイのガードを買ってこようか……
まてよ。それでいいのか? たしかに数千円もだせば、エキパイのガードは買える。 だが、それじゃあ面白くないんじゃないか?
別にネタのために生きてるわけじゃないんだが、そう思っちゃったものは仕方がない。なので、久しぶりに自作カスタムをしようと、パーツ牧場(治療院ウラのコンテナ)を開けて、中に入ってるガラクタをながめながら、しばらく考える42歳。 と、目に付いたのが、ユリシーズ用のカーボンフェンダー。 とたんに構造からマウントまで、すべて一瞬でひらめく。 ハヤブサだかケーロクだかのノーマルナンバーステーを、金属バンドで留めて。 フェンダーに穴を開けてボルト止めしてみた。 が、ちとラインが気に入らない。 フェンダーのラインとエキパイのラインをツライチにした方が、見栄えはいいだろう。 つわけでマウントの位置を変え、もう一度つけ直してみる。 こんだ、良さそうだ。 ちなみにマウントは↓こんなカンジ。 ま、どうせ見えない部分だし、こんなもんだろう。 俯瞰してみると。 こうなる。 出来れば白か黒に塗りたいところだが、メンドーだからたぶんやんない。 すっ飛ばして帰ってきてからチェックしてみると、いくらか熱は持ってるが手でさわれる範囲だ。フェンダー後端とエキパイのリアランスがギリなので、そこはもしかしたら融けるかも知れん。そのときは削るなりして対処してやろう。とにかくこれで、カバーが融けることはなくなった。 久しぶりにテキトー自作したけど、やっぱ面白かった。 V‐MAXやロケットスリーでやってたころを思い出したよ。
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2012.02.25 消耗品 今日はキャンプの予定だったのだが、雨で中止になった。 なので仕事がハネてから、ライコランドへブレーキパッドを買い出しにゆく。昨日、何気なくチェックしてみたら、リアブレーキパッドが思いっきり寿命だったのだ。早減りの原因と思われたピンを交換したんで、「そこそこ持つだろう」と油断してた。 どのくらい油断してたかつーと。 このくらい。 むっちゃギリギリ(青矢印)。ピストンの出っぷりもハンパない(赤矢印)。 「うっわ、フロントは大丈夫かな?」と思ってチェックすると。 超ヨユー。 値段、効き、ライフのバランスは、やはりベスラが最強のようだ。 もっと早めに気づいてれば通販で買ったのだが、さすがに今の状態でネバるのは死活問題。 買ったらそのまま、ライコの駐車場でパッド交換。 ここなら屋根があるからね。ま、雨は止んでたんだけど。 ものの数分で交換終了。 それから、もひとつ買ったものを取り出す。 バンクセンサーと、センサーベースガード。 12Xはステップ位置が低いから、通勤でもちょっと調子に乗るとブーツをする。 妙なケズレ方をしてるのは、削れたセンサーを上下ひっくり返して使うから。 なんでそんなことするかって言うと、貧乏だから。 ほっとけ。 センサーベースに同じカタチで両面にベルクロのついてるベースガードを取り付け、さらにバンクセンサーを取り付ける。これでベースごと削っちゃう危険性が減った。ツーリングとかで調子こいてると、ベースどころか『ブーツに穴があいてる』ときがあるからね。 貧乏人は手間を惜しんじゃいかんのだ。
今日はこれから、おなじくキャンプに行けなかった、茨城の狩人よしなしが顔を出す。 つわけで、もちろん宴会。 よしなしがクルマできたらレブで肉を食う。単車で来たら知らん。
そんな感じで。
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