2009.02.13 なっこと隊長

 

ハヤブサの顔面を擦った時に外したBT021が、パーツ牧場(整骨院の裏)で遊んでいた。

最初はイチローにあげると言ってたのだが、ヤツは彼女が出来てからこっち俺やmoto君と遊んでくれなくなり、最近はほとんど連絡もない。だが、このまま腐らすには もったいないくらいは溝が残ってるので、誰かに上げようと思った。とは言えBT021はツーリングタイアだ。

いくら「タイアがねー」と言ってたって、じゅんやAGLAが欲しがるとも思えない。

そこでイチバン軽い単車で、上記二人に比べればガリガリ攻めないヤツに思い当たる。そう、なっこだ。そういえばアイツもタイアがねーつってたなと思い出したので、なっこに連絡を取ると「ください」と即答。そんな事情でこの日の夜、なっこが遊びにやってきたのだった。

 

ただいまーと帰ってくるなり

「Nさん誕生日おめでとうございます」

言いながらなっこが差し出したのは

ちょ、サウザンドサニー号!

 

そのほか駄菓子屋チックな「酢イカ」だの「串カツ」だのを持ってきたダメ女、ニヤニヤしながら。

「実はあたしが作りたかったんですよね」

とつぶやきつつ、さっそくNとふたりで模型を作り始める。

見てたら俺も作りたくなった。

なので、横からNの作ってるのをかっさらって参加。 結局、三人であーだこーだ言いながら、サウザンドサニー号の模型を作った。「三人ともいい歳して、何やってるんだろう」つー疑問もないではなかったが、楽しかった。もっともNだけは「私がひとりで作りたかったのに」とかボヤいてたけど。

あくまで『おかしのオマケ』と言い張りたいらしい。法的な何かがあるのかね。

 

模型を作り終わったら、とりあえず乾杯。

んでちょっとバカ話したあと、本当は行きつけのバーに繰り出そうと思っていたのだが。

最強の引きこもりNさん、寝転がって『ジョジョの奇妙な冒険』を読み出し「私は出かけませんよ」と無言のアッピール。こうなった彼女を表に連れ出すのは、ほとんど不可能だ。それを素早く察したなっこも、『バリバリ伝説』を読みはじめる。

かみさん、ひとりポツンと置いてけ堀で、仕方なくバイク雑誌を読んでいた。と、不意になっこが

「GO!!!さん来ないんですか?」

「治療には来てたけど、明日仕事だから来ないって言ってたよ」

「なんだぁ、せっかくGO!!!さん用のビール買ってきたのに」

ヤツは酒呑めないのになぁと不審に思いながら、なっこの取り出したビンを見ると。

ちょ、『よいこの泡びぃる』!

爆笑と同時に、速攻でGO!!!君に電話したのは言うまでもない。

 

「あ、もしもしGO!!!君? 今、なにやってるの?」

「TV見てました」

「なっこがね、GO!!!君にオミヤゲ買ってきたよ。つーか俺ひとりほっぽらかされて寂しいからおいで」

「……わかりました。行きます」

苦笑しながら電話を切ったGO!!!君を待ちつつ、しばらく呑んだくれる。

やがてGO!!!君がやってくる。

早速、『よいこの泡びぃる』を差し出してにっこり微笑む、なっこ@ダメ人間。GO!!!君は一瞬、怪訝な顔をしたあと、モノを確認して苦笑する。すかさずNがグラスを出して、そこに『よいこの泡びぃる』を注いだ。 おまえら、なにその連係プレー。

 

『よいこの泡びぃる』を飲んだGO!!!君。

「……あ……甘い……砂糖の味がする」

思わぬ感想に笑いながら、みんなで回し飲みする。

確かに、なんとも言えない身体に悪そうな甘さだった。ぬるかったから余計に甘く感じたのかも。

 

『よいこの泡びぃる』でひとしきり笑ったあと、Nがなっこを連れて寝室へゆく。

「なっこちゃん、これやってみて、これ」

Nの誕生日プレゼントに買った脚マッサージ器に、なっこを座らせてスイッチオン。

「あ、気持ちいい」

言ったきり、マッサージ器に没頭する。その間に俺とGO!!!君、Nの三人はバカ話。

しばらく話してるうちに、ふとなっこの方を見ると。

 

 

 

なにやら仏像チックにオチてらっしゃる。

爆笑する俺らの笑い声に、仏像も気づいて照れ笑いしてた。

 

その後も楽しく呑んだくれ、気づくと日付が変わっている。

「おや、日付が変わってるじゃん」

つぶやいた俺の声に、GO!!!君が素早く時計を見ると、悲しそうな表情でこっちを振り向き、

「どうやら終電がなくなっちゃいました」

「え? 原付で来たんじゃないの?」

「いや、寒かったんで」

「そうか、それじゃ仕方ないな。泊まって行きなよ」

これっぱかしも解決になってない解決策を提示すると、珍しいことにGO!!!君もなっこの持ってきた「ゆずリキュール」を飲み始めた。基本的に俺は、飲めないヒトに酒を勧めることは、絶対にしない。楽しく呑めない酒は、酒じゃなくて毒だと思うからだ。

だが、普段は飲まないGO!!!君が、自分から呑んでくれたとなれば、これはうれしい。

 

俺はご機嫌に笑いながら大声で、「お、珍しい! 隊長が呑んでるぞ!」と叫んだ。すると、『そろそろマンガ読もうかな』的なイキオイで図書室(本棚のある部屋)に寝転がってたなっこが、その言葉に反応して「むくり」と起きだしてくる。もちろん、顔はニヤニヤだ。

そのままこっちまでトコトコ歩いてくると、GO!!!君に向かって満面の笑みを浮かべながら、自分のグラスにもリキュールを注ぐ。もちろん、俺はすでに焼酎にゆずリキュールを装填済みだ。最後にNがデカいグラスを持ってきて、「私も」と言い出し、みなで大笑い。

突然始まったリキュール大会は、隊長の顔が赤く染まってくるころ、ピークを迎える。

「おぉ、GO!!!君の酔っ払った顔、始めて見たかも」

「隊長、真っ赤ですよ」

「そう言う君も赤いよ、なっこさん」

絶好調の宴会は、深夜にまで及んだ。

 

翌朝、目覚ましを止めて置きだすと、なっこがマンガを読んでいた。

「おはよう」

「おはようございます。GO!!!さん、『二日酔いで気持ち悪い』って言いながら仕事に行きましたよ」

「ぎゃははははっ!」

朝から爆笑したあと、クルマのなっこを引き連れて、タイアの置いてある整骨院へ向かう。

「クルマと一緒だからすり抜け出来ない」ことに走りだしてから気づき、途中で裏道へ向かう。ごちゃごちゃした裏道を、時々なっこを置いて気持ちよくすっ飛ばしながら、頭痛に苦しんでいるだろうGO!!!君の顔を思い浮かべて、思わず、ヘルメットの中でクスリと笑った。

相変わらず、楽しい宴会だった。GO!!!君、なっこ、サンキュな?

また、楽しく呑んだくれよう!

 

 

早ければ、明日あたりにでも(^^)b

 

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