2009.02.14 スロウ

 

「土曜日、遊びに行っていい?」

ろろちゃんからメールがあったのが先週の半ば。当然、即OKしてサイトやmixiでその旨を通知したわけだが、当日の朝、前にケモライドで一緒に走ったコジロウからメールが来た。今日の宴会に参加したいとのコトで、もちろんOKに決まってる。早速、アドレスと番号を送って、準備完了。

仕事がハネて午後2時半くらいだったか、自宅へ帰ると、ダチのうわばんが遊びに来た。

「今日、ろろさん来るんですよね。チーズケーキ買って来ましたよ」

そのほかにも相変わらずのトンチの効いた土産を持ってきたうわばんと、コーヒー飲みながらバカ話をする。ろろちゃんは4時ころ、コジロウは6時ころ来るという話だったので、それまでの間は酒を我慢しようなんて、珍しく殊勝なかみさん。

前日あまり寝てなくて、しかも土曜で忙しかったのが効いたのか、そのうち眠ってしまった。

 

ろろちゃんからメールが入り、一時間ほど遅れるとのこと。

んじゃ、も少し寝ておこうかとうとうとしてると、4時20分ころ電話がなった。

「あれ? コジロウだ。ずいぶん早いな。もしもし? いまどこ?」

「もう、すぐ近くにいるんですよ」

ウチへの来かたを説明して階下でコジロウを待っていると、なにやらでかいクルマを駆って、懐かしい顔がやってきた。クルマの中で満面の笑みを浮かべたコジロウは、出てくるなり「お久しぶりです!」俺も「ひさしぶりー!」と笑い返すと、コジロウがビニール袋を差し出した。

「差し入れです」

「おー! サンキュー! ま、とりあえず入ろう」

サワヤカな好青年っぷりを見せるコジロウを、相変わらずとっちらかったかみ家に案内したら。

まずは、一杯やろう!

うわばんとNも加えて四人で話したり、俺とコジロウがしゃべってる間にうわとNがマンガ読んでたり、逆に俺とうわばんがパソコンの話をしてる間に、コジロウがバイク雑誌を読んでたり。早くも、俺んちらしい思い思い好き勝手にやるスタンスが確立だ。

俺は満足して、二本目のビールを干すと、焼酎のカメを取り出して湯飲みに注いだ。

 

やがて、DRの車検にてこずって遅れた、ろろちゃんがやってくる。

こちらは俺と同じ、サワヤカさのカケラもない悪党顔。

ろろちゃんとコジロウが初対面の挨拶をし、うわばんがろろちゃんに「お久しぶりです」言ったら、ろろちゃん「???」と首をかしげる。「思いっきり忘れられてんじゃん」と大笑いしながら、さぁ、ろろちゃんもビールを開けて、二回目の乾杯だ。

うわばんが持ってきてくれたチーズケーキは、上にとろけるチーズの乗っかった、あんまり甘くない逸品だった。甘いものの苦手な俺でも食えたくらいだ。もっとも、全部は喰わなくて、半分ろろちゃんに上げちゃったけど。オモシロい味と食感だったよ。

ろろちゃんと話し込んでる間にコジロウが本読んでたり、俺とコジロウがケモだのバイクの動画を見てる間にろろちゃんとNが話し込んでたり、その合間にうわばんがマンガを熟読してたりと、ろろちゃんが来てももちろん、ウチのスタンスは変わらない。

変に気を使ったり、無理に話題を探す必要なんて全然ないのだ。

とにかくリラックスして、この空間を楽しんでくれれば全部OK!

 

そうこうするうちに、メールしておいたGO!!!君もやってくる。

GO!!!君はお土産に杏仁豆腐を持ってきてくれた。

これはさすがにかなり甘いようで、俺は申し訳ないけど遠慮させてもらった。もちろん、余った分はろろちゃんの胃袋に納まった。んでまた、バカ話したり、各自勝手に好き勝手なことをする。バレンタインのバの字もない、まさにマーマレードスタイル宴会だ。

そのうち、翌日仕事のうわばんが、マンガの完全読破をあきらめて帰っていった。

 

しばらく静かに好き勝手やってたかと思えば、誰かの話に誰かが食いつき、そこから一気にバカ話になったり。誰一人、気負いもてらいもなく、自由気ままに楽しい時間を過ごす。やがて出前に取った中華料理とユッケジャンクッパがやってきた。クッパはろろちゃんのオーダーだ。

ところがろろちゃん、猫舌なので全然食えない。

それじゃぁと、俺だのコジロウだのGO!!!君だので、ちょこっとづつもらって喰った。んで、ろろちゃんが喰えるくらいまで冷めたころには、すっかり水分を吸い込んだユッケジャンクッパは、かなり食欲をそそられづらい食い物へと変貌してたりして。それ見てまた、大笑い。

つまみを突きながらバカ話をしてるうちに、明日のツーリングの話になる。

GO!!!君は別口のツーリングで房総に行くという話をしてて、当初は俺らも房総を走ろうと思ってた。そこでmoto君に電話して、これからウチに来ないかと誘ったりしてみるも、残念ながら無理だった。まぁ、「子守してます」って言ってる人間に、今から来いって話自体がアレなんだが。

んで、房総のどのへんを走ろうかなんて言ってるうちに、どうやら明日は寒くなさそうだと聞いて、それなら秩父に行こうかという話が持ち上がる。秩父ならmioちゃんも誘えるし、ろろちゃんも帰り道が楽だからだ。俺としても、久しぶりに299だの秩父の峠を走りたいしね。

 

「もしもし、mioちゃん? 明日さ、秩父の方に行こうと思うんだよ」

「何時ころですか?」

「う〜ん、ご機嫌に酔っ払ってるからなぁ……わかんないや」

「それじゃぁ、出る前に連絡ください。道の駅あしがくぼに集合ってコトで」

「りょうかーい!」

サクサク話が決まり、俺は電話を切ってろろちゃんにその旨を伝える。『とりあえず、明日起きられたら走ろう』という、ぬるい感じで話が決まった後は、また呑んだくれたり、各自好き勝手にやる。

ろろちゃん、脚マッサージ器で夢見心地。

 

コジロウは頭文字D大会に突入。

GO!!!君はワンピースの続きを読んだりと、みんな変な気を使ったり遠慮したりしないで楽しんでくれてるようだから、俺ももちろんご機嫌だ。んで、明日にそなえてツーリングテンションを高めようと、『水曜どうでしょう』の、原付東日本縦断の旅のヴィデオを再生した。

すると、ワンピースに夢中のGO!!!君以外が食いついて、どうでしょう大会になる。

ヴィデオを見ながら笑ったり話をしたり、単車が好きな連中が原付の旅のヴィデオを見ながら、酒を呑んで話すんだから、つまらないわけがない。ロングツーリングの話や、この夏に実行したいと思ってる『日本の真ん中で大宴会』の話で盛り上がった。

 

日付が変わるころ、GO!!!君が「それじゃ」と帰ってゆく。

この気軽な感じが俺の中ではとても重要だ。ひょいっと気軽に誰かが来て、ちょっと声をかけたら何人か集まって、楽しく飲んで話し、そして気軽に帰ってゆく。めんどくささのカケラもない、そういう気軽な宴会であれば、次の宴会もすぐに、しかも楽しくやれるだろうからね。

やがて、疲れと睡眠不足と酔いが程よくミックスされた俺は、眼を開けてられなくなってきた。ヴィデオの東日本編を見終わり、西日本編に移行したろろちゃんとコジロウに「お休み」を告げて、1時ころだったろうか、俺はベッドにもぐりこんだ。

 

 

翌日、やっぱり寝過ごして、10時ころ目を覚ます。

ろろちゃんとコジロウはすでに起きていた。

窓から外を見ると、ゴキゲンな鉛色の空。

軽くやる気をそがれつつもコーヒーを飲んで、mixiやサイトを見てドタ参のヒトがいないか確認してから、もそもそと着替えて準備を始める。準備しながらコジロウに「気ぃ使わないでいいからな? なんなら今晩まで居てもいいぞ? その後また宴会だけど」とかアタマの悪いセリフを吐く。

コジロウは苦笑しつつも

「それじゃ、原付の旅ベトナム編を見てから帰ります」

と、笑った。

それを聞いて俺も笑いながら、準備のできたろろちゃんと一緒に玄関を出た。

 

ガンガン盛り上がるというよりは、ホント穏やかに好き勝手に呑んだくれた感じで、「もしかしたらコジロウの期待してた宴会とはちょっと違ったかな?」と危惧した一瞬もあったのだが、それはコジロウに対して失礼だったことにすぐ気づいた。なぜなら、すごくいい笑顔を見せてくれたからだ。

コジロウも気持ちのいいバカだったよ。

アツい宴会、ヌルい宴会、そのときのメンバーだけじゃなく、タイミングとか色んな要素で、そのたびに宴会ってのは、違う顔を見せる。でも、俺んちに集まってくれるようなバカな連中と過ごす時間は、どんなタイプの宴会だって最高に楽しい。

今回のスロウな感じの宴会も、やっぱりめちゃめちゃ楽しかった。

 

遠くから、近くから。

初めてだったり、何回もだったり。

大人数だったり、少人数だったり。

そのすべての宴会と、楽しい時間をくれた連中に、心からの感謝をささげつつ。

 

さて、楽しい時間を思い返しながら、また、一杯やろうか。

 

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