2009.02.20〜21 テキサスの攻防

 

名古屋からM109R乗りのともっちさんがやってくる。

この報がよしなしによってもたらされたとき、すでに『俺の家で宴会』というのも決まっていた。家主の俺に何の断りもなく、よしなしがイキナリ決めやがったのだ。「だってかみさん、行かないって言っても許さないでしょ?」まぁ、確かにその通りなんだが。

んで、週末の宴会が決まったわけだから、前日はおとなしく体調を整えようと思ってたのだ。

金曜日、治療に来た俺のダチ、ガンボーイと「明日の宴会楽しみだなぁ」なんて話し込んでいると、ズ太い排気音とともに青白いポジションランプのGSX-R1000(K7)が、整骨院の裏に入ってゆく。「あれ? もしかしてAGLAか?」ガンボーイと顔を見合わせてると、やはりAGLAだった。

「腰が痛くなっちゃって」

治療の終わったガンボーイが帰り、AGLAを治療しながらしばらく話し込む。

「冬眠は終わりか?」

「久しぶりに乗ってウイリーしようとしたら、マクれそうになりましたよ」

「俺のケーロクなんて、ウイリーしたらフレーム折れるけどな」

バカ話をしながら治療を終え、仕事終わりまで待っててくれたAGLAと一緒に、俺の通勤路で帰る。せまっ苦しい畑の中の道で、路面はハーフウエット。しかも夜で霧まで出てる。先導するのは、ロードタイアを履いたランツァ。AGLAをいじめまくったのは言うまでもない。

AGLAと晩飯を食っていると、ダチのうわばんから連絡が入る。

「ねぇさんと呑んでるんで、今から行きます」

俺んちで宴会やるのに、論理的な理由は要らないのだ。

ほどなく、うわばんと@ねぇさんがやってきた。

 

「かみ、GO!!!君は?」

ねぇさんのご所望で、GO!!!君に電話をかける。

「あ、GO!!!君? 今から来なよ」

「いや、今日はちょっと……」

普段の俺ならここで「そか、んじゃまたね」と電話を切るのだが、今日はそういうわけにも行かない。GO!!!君の行動いかんで、俺の生命に危機が生じるのだ。なんとしても俺を救ってもらわなくてはならない。俺は珍しく電話口で粘る。

すると、短気なねぇさんは「電話かせっ!」と俺から携帯を奪い取り

「GO!!!くぅ〜ん? 早くきてね」

ものすげぇハナにかかった甘い声で誘っていたかと思うと、抵抗するGO!!!君に業を煮やし、「いいから早く来い」と結局、ウルトラ直球なオーダーでGO!!!君を呼びつけた。こうなったねぇさんに勝てる人間はほとんど存在しない。マルだって栃木から呼びつけるくらいなんだから。

しかも呼んどいて寝てるという傍若無人っぷりで。

結局、家にも帰らずにまっすぐやってきたGO!!!君は、メシ食った後、ねぇさんに拉致られてミミカキされてた。俺としても何とか助けてやりたかったのだが、なんと言っても自分の命が一番大事なので、涙を飲んでGO!!!君を見殺しにさせたいただいた。合掌。

明日サッカーだというAGLAが帰り、しばらくしてやっと虎口を逃れたGO!!!君とうわばんも帰宅。

結局、普通に大酔っ払いするくらい宴会してしまった。

 

先日の宴会の残滓(二日酔いとも言う)にさいなまれながら、午前中仕事を終え、帰宅する。

すでにダメナシ、もとい、よしなしがやってきてた。

ともっちさんが近くまで来たら迎えにゆく要員なので、さすがにまだ呑んではいなかったが。そこで、最近具合の悪いというヤツの肩や腰をちょっと診てから、すでに昼真っから退廃的に呑んだくれている@ねぇさんと一緒に、缶ビールのプルトップを開ける。

手前からネットするNの後頭部、You Tubeガン見してるねぇさん、マンガ読んでるよしなし。

俺んちっぽい、テキトー空間が形成されているところに、昨日に引き続きうわばんが登場し。

さらに柏のオタクの双璧のひとり、ガンボーイがビールを担いでやってくる。

間をおかず、天才ろろちゃんも顔を出した。

さて、役者はそろったぜ(主役のともっちさんが来てません)。

みんなで乾杯してガンガン飲み始め、お迎えで呑めないよしなしの顔が哀しくゆがんでゆくのを、爆笑しながら見る。よしなしイジメにも飽きたところで、ともっちさんに連絡を取ると、もう、近所まで来てるようだ。やがてともっちさんからサインが来て、よしなしがお迎えに出てゆく。

ほどなくやってきた、ともっちさんと嫁さんのなおっちゃん。

挨拶もそこそこに、ビールを開けてまた乾杯だ。つーか俺はもう出来上がってるっぽいね。

 

ガンボーイとともっちさん。やたら意気投合してたのは、ヲタパワーのなせる業か。

と、この写真をよしなしが撮った瞬間、ともっちさんが「撮るならこれを撮ってもらわなくちゃ!」と叫びつつ、イキナリ上着を捲り上げる。酔っ払って裸踊りでも始めるのかと思いきや、その下に着込まれていた赤いTシャツの胸に燦然と輝く、

バカの証明。

これでだいたい、このヒトのダメ人間ぷりがわかったので、あとは遠慮ナシでガンガン行く。

 

ガンボーイからのオーダーで、この日の晩飯はN特製の牛すじカレーだった。

ともっちさんを歓迎する宴会なのにメシの注文をガンボーイがしてるつーのが、すでにアレなんだがそれはさておき、『ろろちゃんは乙女』なので辛いものが苦手だ。熱いのも辛いのもダメつーか、すでにヒトとしてダメなんだが、そんなろろちゃんのために、Nが目玉焼きを乗っけてあげた。

ろろちゃん、うれしそう。

それを見たガンボーイが色めき経つ。

「ちょっと、ちょっと、ちょっとぉ! コレは贔屓じゃない? 許せないなぁ」

いいから黙ってカレー食え。目玉焼きぐらいで騒ぐな。もうすぐ40になるんだから。

 

なんてバカやってると、柏オタクの双璧のもう一方、○木さんがやってくる。

午前中、治療に来てた○木さんに何気なく、「ともっちさん、外付けHDDを1テラ持って来るそうですよ」と教えたら、これが○木さんに火をつけた。「判りました、それじゃ持ってるファイルの20%くらい持っていきますよ」と、これまた気軽な返事がかえってきた。気軽じゃないのはただ一点。

このヒトのHDD総量が5テラ以上あるってコトだけだ。

左からゴキゲンな俺、してやったりの○木さん、ともっちさんとなおっちゃん。

 

もちろん宴会はバリバリに続く。

昼間、仕事がハネた後、整骨院の裏でGO!!!君と話していたら、ショーファーさんがいつものように急襲してきたので、いや、『いつものように急襲』てのが、日本語として間違ってるのはわかってるからスルーしてくれ。で、ショーファーさんがお土産でくれたのが、ワインオープナーだった。

「あとで行けたら行きますね」

と去っていったショーファーさんのことを思い出し、早速ワインオープナーを使ってみる。

はさんでレバーを上下させるだけで簡単にコルクが抜ける、超ステキギミック。

 

『ワインオープナーを使ってみたいからワインをあける』という本末転倒を楽しんでいると

@ねぇさんに呼び出されたなっこと、ショーファーさんがほぼ同時に到着。

ここへ来て、さらに宴会が加速される。

 

カメラを向けると、こちらを脅すショーファーさんとろろちゃん。

でもね、そんな作った顔よりも。

 

 

 

あんたたちは素の方が普通に怖いってコトに気づいてくれると、かみさん、うれしいな。

 

もちろん、酔っ払った上に自分と同じようなバカがいることがうれしくて仕方ないともっちさんも、当然のごとくバカ写真に参加。このあっという間の一体感が、かみ家のいいところ。ご近所的には悪いところ。でもワルノリはとまらない。ロマンティックも止まらない。

 

宴会の合間に、○木さんがともっちさんのドライブに、ガンガンファイルを足してゆく。

ともっちさんとなおっちゃんも、まるっきり違和感なく、このダメ風景に溶け込んでるね。

 

ガンボはいつもよりさらにハイテンションだし、よしなしも超、うれしそう。

 

やがて酔っ払ったねぇさんの指令で、同じく酔っ払ったなっこが、AGLAやGO!!!君に電話し始めた。

「たいちょぉ、私ぃ、隊長に会いたいなぁ」

ねぇさんとまでは行かないが、充分にダメな甘え声でGO!!!隊長とAGLAを誘惑するなっこ。だが、残念ながらわずかに色気が足りなかったようで、隊長にもAGLAにも、サクっと電話を切られてしまったようだ。残念がるなっこと、大笑いしたねぇさん。

「あー、だめだなぁ。私まだまだ色気が足りないなぁ」

「大丈夫だよ、なっこちゃん。あの声が出せるなら、もう少しだって」

もう少しで完全なダメ人間になると思うな、俺は。

 

そのうち、PCゾーンのあたりから、お呼びがかかる。

顔を出してみると、なにやら○木さんの持ってきたHDDの一つが、上手く認識しないらしい。ここで普通ならあきらめるのがスジだろう? 「残念だけど、次回にでも」って話になるだろう? だが、ここにいるのは残念なヒトっぷりでは定評のある○木さんとうわばんだ。

話は様子のおかしな方向へ流れてゆく。

「わかった、開けて直で行こう」

○木さんの提案にうわばんがうなずいているが、彼らの言っている言葉の意味が、俺のアタマに入ってこない。何言ってるんだこの人たち? ワカッタ アケテ チョクデ……なにがわかった? 何を開けるの? 何がチョク? みんなは彼らの言葉の意味がわかるかな?

はい、シンキングタイム、スタート!

 

 

 

答えは、『筐体を開けて、HDDを直で差し込んで認識させる』、でした。でした、じゃない。

いつの間にかここにあるのは、俺マシンじゃなくてみんなのマシンになってたらしい。ま、いろいろやってもらえるから、ありがたいっちゃありがたいんだけどね。でも、宴会の途中でPCバラし始めることになるとは思わなかった。彼らの変態っぷりを把握しきれてなかったね。認識を改めよう。

 

そうこうしてるうち、昨日から宴会の世話をし続けたNが、ついにダウン。

そのままテンカウント入って、夢の中へ。

 

最初の脱落者こそ出したものの、宴会のテンションは落ちないどころか、逆に加速する。

なんだか判るかな? はい、シンキングタイもういいですかそうですか。

なんかね、なっこ曰くガンキャノンらしいよ。一般人とヲタクの両方から、苛烈なツッコミが入りそうだがそんなことよりも、兄さんは君の行く末が本気で案じられてきたよ。この子、ちゃんと幸せになれるかなぁ……まぁ、今はとりあえず幸せそうだから良いか。

なんつってると、なっこの後ろに霊の姿が見える。

ちょ、後ろになんかいるぞ! 気をつけろ!

 

ま、なんだかんだで結局やってきたGO!!!君なんだけどね。

彼は現在、ワンピース全巻読破の荒行の最中なので、わりとまめに顔を出してくれる。

なっこの色気に落ちたわけではないらしい。

 

でも、GO!!!君が来たので、ねぇさんに褒められてる。喜びすぎ。

彼女ももう、なんだか遠い世界に行ってしまったんだなぁ……

 

そして毎度のイベント。

今日はショーファーさんが捕獲された。

きれい好きなショーファーさんは掘り甲斐がなくて、ねぇさんに怒られてた。

 

ダメな子ふたりは、マンガ大会。

つーかこうしてみると俺んちって、ホント……

 

バリバリ伝説の合間に、ツナギで胡坐でビール引っ掛けてる我が妹。

兄さんにはもう、何も言うことはないよ。したたかに、楽しく生きてくれたまえ。

 

ショーファーさんの前業、ラーメンの話になったところで、俺の食欲に火がついた。

「超、ラーメン食いたい」

思い立ったが吉日とばかりに席を立ち、一瞬カップラーメンの入ってる棚を見てから「違う、そういうことじゃない」と首を振った俺は、サンダルを引っかけて表に出る。ものすごくナチュラルに、ろろちゃんとうわばんもやってきて、三人で夜の街へラーメンを食いに出た。

近所のラーメン屋『将』に入って、ラーメンとチャーシュー丼を頼む。

ろろちゃんはつけ麺と明太丼、うわばんは俺と同じオーダをし、ラーメンが来るのを待ってると、後ろの引き戸が開いてお客さんが入ってきた。何気なく目をやった俺たちは、そこでまた爆笑。入ってきた客ってのが、○木さんに率いられた、ともっちさんとなおっちゃんだったのだ。

俺らは一列に並んで、ラーメンを食った。

 

先にオーダーした俺とろろちゃん、うわばんの三人は、○木さん&ともっち夫妻に「お先」と告げて店を出る。んで、歩いて家まで戻るうちに、俺の胸中にこみ上げてくるものがあった。もちろん郷愁でも哀愁でもなく、こみ上げてくるものの名は「吐き気」だ。

二人が先に戻るのを尻目に、思いっきりリバース。

スッキリしたココロモチで家に戻り、帰ってきた後発ラーメン隊と合流を果たして、さらに宴会は続いてゆく。昼の三時から呑んでる俺なんかは、本来ならもう倒れる寸前のはずなのだが、どうやら一回リバースしたのが劇的に効いたようで、ガンガン焼酎が飲める。

こりゃいいやと呑みながら大騒ぎ。

夜中の1時か2時ころだったか、ホテルを取ってるともっちさん夫婦が、帰ることになった。すると○木さんが、結局、外付けHDDが上手く認識しなかったともっちさんに「置いてってください、家で詰め込んできます」とニヤリ笑う。そう、つまりともっちさんは、もう一度ここに来なくてはならないのだ。

気の毒な話である(本人、わりと喜んでます)。

 

そして、事件は起こった。

ふと静かになった周囲に、顔を上げて辺りを見回してみると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょ、よしなし! ねぇさんとコトを済ませてるっ!

 

穏やかな寝顔のねぇさんの横には、『ひと仕事終えた』感のただよう、男らしいよしなし。

いつの間に、こんなことになってしまったのだろう。

よしなしというオトコは、穏やかな笑顔の奥に獣を飼っていたのだろうか?

ま、実際は「ねぇさんの寝顔を撮ってからかってやろう」と思って、寝入った顔にシャッターを切ったら、ちょうど『疲れた感じのよしなし』が映り込んで、偶然、証拠写真チックな映像が撮れてしまっただけなのだが。カメラのモニターで見ながら、思わず大爆笑。知らずにねぇさんは夢の中。

すると、ろろちゃんがボソっと

「すげぇなぁ、よしなしさん。男らしいなぁ。テキサスの暴れ馬みたいだ」

一瞬の間。

そして、狂ったような爆笑が俺の家を席巻した。

「テキサスって! なんで暴れ馬なんだよろろちゃん!」

「ロデオ・テキサスだね」

「だねじゃねー! ロデオ・テキサス! やべぇ、死ぬ! 腹筋がちぎれる!」

よしなしの名前が、ものすげぇオトコらしくなってゆくサマに、本人も含め爆笑を止められない。

やはり、ろろちゃんは天才だった。

 

さて、夜中もだいぶん回り、さすがみんな呑み疲れが見えてくる。

GO!!!君、ショーファーさん、○木さんが帰路に着き、うわばんとねぇさん、Nはもう夢の途中だ。唯一、ムダに元気ななっこが「あたし、このまま朝までマンガ読んでます」言うのを、「おめ、ここで電気つけてマンガ読んでたら、よしなしとかろろちゃんが寝れないべ」と説得。

寝室に放り込み、なっこはNの横でマンガを読み始めた。

俺はよしなしとろろちゃんにお休みを言って電気を消すと、宴会の名残に軽くニヤつきながら、布団をかぶって丸くなる。ここでようやく、ともっちさんを迎えた大宴会、呑んじゃうもん倶楽部の幕が、なんとか無事に降りたのであった。いや、笑いすぎて死ぬかと思ったよ。

 

ともっちさん&なおっちゃん、遠いところをありがとう。またいつでも、一緒に宴会やろう!

○木さん、うわばん、ガンボーイ。ヲタ話&バカ話楽しかったね。たまにはまた、こんなのやろう。

ショーファーさん、なっこ、GO!!!君、AGLA。突然の襲来、ありがとう。楽しい時間が過ごせたよ。

よしなし、@ねぇ、N、毎度お疲れ様! 楽しんでくれたみたいで、俺もうれしかった。

そして、ろろちゃん。神がかった笑いで爆笑を巻き起こしてくれて、心から感謝します。

 

結局、総勢13人。

明るいうちから呑みだした日曜も含めて、三日間におよぶ宴会、最高に楽しかった。

みんなありがとう! そしてお疲れ様でした。

次回もまた、バカな話をしながら、呑んだくれて騒ごうぜ!

 

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