2010.05.10 嵐のような

 

日曜の夕方、突然、電話が鳴った。

「あ、ナリさん。どしたんすか?」

「おー、かみ。今からポンちゃんと、かみンち遊びに行っていい?」

「もちろんですよ。むしろ速攻で来て下さい」

つわけで三十分後くらいか、

ポンちゃんに拉致られてきた、しまへいちゃんを先頭に

 

ポンちゃんと

 

ナリさんが登場。

「急にごめんねー!」

「や、全然OKですよ。ウチの方の準備たって、ナオミがブラジャーつけるくらいですから」

「ブラジャーつける? でも、さっきまでゴーくんいたんじゃないの?」

するとナオミが、「そう言えばそうだ、気づかなかった」と苦笑し、俺がすかさず

「アレは我が家の備品ですからね」

入ってくるなりそんなバカ話しつつ、とりあえずカンパイだ、カンパイ。

みんなナオミに負担かけまいと、マイ酒とマイつまみを持参してくれる。ナリさんはいつもナオミに気を使ってくれて「ナオミちゃん、台所たたないでよ。ゆっくりしてて」と言ってくれる。なのでナオミも、なっこにもらったチーズや乾き物、常備采を並べたくらいで腰を落ち着け、ゆっくりと呑み始める。

 

「かみ、今日は頼みがあるんだよ。どうもポンちゃんが俺を誤解してるから、その誤解を解いてくれ」

「えー? なにを誤解してるんです?」

「俺がさー、速さだけを求めるようになって、楽しく走ってくれなくなったって言うんだよ」

ナリさんが肩をすくめると、ポンちゃんがニヤっと笑う。それでおおよその察しがついた。つまり今日は、これをネタにナリさんをいじめようって話だな、ポンちゃん? そういうことなら了解だ。自慢じゃないが単車の腕ならともかく、ワルノリっぷりなら決して引けはとらないぜっ!

「え? だってナリさん最近、速さだけを求めてるじゃないですか。某所にも出没しまくってるし」

「ちょ、やめてくれよー! かみまでそういうコト言うなよー!」

するとポンちゃん、ニヤニヤと意地悪な笑いを浮かべながら、

「そーだよねー! かみくんもそう思うでしょ?」

「よく言うよ、今日だって250なら大丈夫だろうと思ったら、すげぇ速かったじゃん。って言うかね、あそこにはコーヒーを飲みに行ってるだけで、別にホンキ組を目指してるわけじゃないんだって」

ナリさんのあわてっぷりとイイワケする表情が面白くて、みんな笑ってしまう。ナオミもケラケラ笑って

「ナリさんかわいー!」

ここまで来る間に、TZRのポンちゃんとR600のしまへいちゃんがどれだけ速かったか、鬼のようなすり抜けでナリさんのR1000を引き離しそうになったか、ナリさんは一生懸命に説明する。もちろん俺も、それは充分わかっているのだが、もうワルノリしちゃってるので耳を貸さない方向で。

しばらくはみんなで、ナリさんイジメに興じた。

おしゃべりの俺とポンちゃんがナリさんをいじめ、その合間にしまへいちゃんがボソリとつぶやく。途中で話題が変わり、シモネタから単車の話から、ゲラッゲラ笑いながら呑んだくれつつ、ちょっとした隙を見ては、「やっぱり、ナリさんは速度重視だからなぁ」と、ちゃちゃを入れるのも忘れない。

ナリさんが困った顔をすると、ポンちゃんが楽しそうに俺を見て、

「くくく、Sだなぁ」

いやいや、共犯者だから、君も。

てな感じで宴は絶好調に続いてゆく。

ポンちゃんは話が上手くて頭がいいから、いつもみたいに単車オンリーの話でナオミだけ置き去りになることが少ない。ナリさんもナオミに気を使って話題を振ってくれる。ナリさんの困り顔や、ポンちゃんの切れのあるトーク、しまへいちゃんの絶妙なボケに、ナオミさん、けらけら涙まで流して大笑い。

や、みんなそんなに甘やかさなくていいと思うんだけど。

 

呑んだくれて酔っ払い、じゅんにメールしたりmixiに書き込んだりしながら、宴会は大盛り上がり。

基本サーキットラーダーのしまへいちゃんにサーキットの話を聞いたり、共通の友人の話で盛り上がったり、ナリさんの持論やポンちゃんのジョーク。からかい合い、笑いあい、時には真面目に話し。時間は前後するけど、今回はしまへいちゃんとたくさん話せたのが嬉しかったな。

話題の方はココに書けない事ばっかりだったけど。

ナリさんとポンちゃんに関しては、俺もナオミも大好きなオトコだから、いまさら言うまでもない。そのポンちゃん、この日は朝早くからツーリングに出てたためか、疲労の頂点だったようだ。しゃべって笑ってしているうちに、まぶたがトロンと落っこちて来たと思ったら、しばらくマンガを読んだあと。

あっけなく轟沈。

そしてその分、ナリさんがスピードアップ。今度は四人でバイクの話やバカ話に興じる。

やがてナオミが寝落ちし、トリオとなってバカ話の続き。言ってもスキモノ同士だからね。翌日が仕事のふたりは、途中で酒やめたけど、話題の方は尽きることも無く、延々と朝まで話し込んでしまうのも当たり前。で、気づけば窓からは朝日が差し、鳥がちゅんちゅん鳴いている。

「仕事行かなくちゃ」

と、ふたりが腰を上げた(時間差はあったけど)ところで、本日のCrazy Marmalade呑んじゃうもん倶楽部は、残念ながら閉幕。戦死者一名(ポンちゃん)を残して、ナリさんとしまへいちゃんはそれぞれ、「またねー」と笑いながら帰っていった。同時に呑みすぎて力尽きた俺も、寝床に倒れむ。

突然、嵐のようにやってきた、実に楽しい夜だった。

 

目を覚ますと同時に強烈な二日酔いに襲われつつ、むくんだ顔を持ち上げると、ナオミとポンちゃんはすでに起きて話していた。起きぬけのコーヒーをオーダーして、寝床からドタマを引き剥がす。適度に呑んでたっぷり寝たポンちゃんと、二日酔いもなんのその、朝からバカ話しつつ大笑い。

と言っても俺はドタマにナマリが詰め込まれていたので、活発に話してたのはナオミの方かな。

ウチのはす向かいの893事務所をチェックしたりして笑ってた。

やがて昼ちかく、ポンちゃんが仕事だと腰を上げ、「また呑もうぜー!」と送り出したところで、俺の電池が切れる。あとは宴会翌日お決まりの、「もうやめた。ぜってー酒やめた。もうイッショー呑まねぇ」つー虚しい宣言をしながら、頭痛や吐き気と戦う。こればっかりはもう、いまさらどうしようもない。

二日酔いは、俺の古いダチみたいなもんだ(胸を張るところじゃありません)。

 

ナリさん、ポンちゃん、しまへいちゃん、みんな翌日仕事なのに、遅く(むしろ朝)までありがとう!

脚はもう少しかかるけど、ケーロク乗れるようになったらガンガン走ろう!

んで、また呑んだくれようね!

 

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