2010.05.30 新しくて、いつもの宴会
「かみさん、土曜日に行っていいですか?」 「おうよ、当然だ。いつでもこい。よしなしあたりにも声かければ?」 mioちゃんからのメールにそんな返事をして、「よしなしと、ろろちゃんが釣れました」てな返事が返って来たのはいつだったか。家庭持ち、子持ちの多いクルーザ組は、皆で集まって騒ぐ機会がなかなかないので、ホント久しぶりの宴会だ。これで焚き火を囲めたら最高なんだけどね。 んで、土曜の昼過ぎ。 「行くぜ」だの、「出るぜ」だののメールが着弾してるヒマに、一番手のろろちゃんが到着。
マックのポテトを四人前ほど差し入れしてくれた。 言っても、『ポテトをビール抜きで食う』てのはポテトへの冒涜なわけで。早速、ビールでカンパイし、ナオミと三人で軽く呑みはじめる。すると、ろろちゃん、ニヤニヤしながら。 「今日はさぁ、是非、よしなし先生に文句を言ってやろうと思ってるんだよ」 「なに? なんかあったの?」 「いやぁ、ほら。例のマンションに行く途中の近道を、どうやって原付で越えたのかって……」 「ろろちゃん、ろろちゃん! それ、ろろちゃんの夢の中の話だろう?」 さすがに、『勝手に夢の中に登場させられた挙句に怒られる』んじゃ、よしなしが可哀想だ。
いきなり、夢で見た相手の、夢の中の行動に文句をつけると言う、アサッテな言いがかりに笑いながら、ふたりの到着を待つ。ちなみにその夢にはナオミも出てきて、ろろちゃんに冷たくしたらしい。くわしくは、ろろちゃんの日記@mixiで。 なんつってると、次のメールが着弾。 「ろろちゃん。よしなし、今から出るってさ」 「それじゃ、チェリーパイを買ってくるように伝えて」 いやいや、メリケンじゃねーんだから。そこらでチェリーパイは売ってないと思うよ、ろろちゃん。特によしなしの家の周りには、ゼッタイ売ってないと思う。てな突っ込みを入れてみると、ろろちゃん、ニヤリと笑って、「じゃぁ、魚の形のパイでもいいや」 いや、だから何の電波をキャッチして、そんなパイ好きになっちゃってんのよ?
やがて、セローにお土産や自分用の酒を満載して、mioちゃんがやってくる。
「今日は、富士宮ヤキソバとモツ焼き持ってきました」 相変わらず、mioちゃんのお土産は魅力的だ。
つわけで、よしなしはまだ来てないけど、カンパーイ! 昼の二時くれぇから、歳も似通った単車乗りが集まって呑んだくれてるんだから、絵的には『いかがなものか』ってなトコだろうが本人たちは最高に楽しい。俺もようやく単車に復帰できたんで、こんだドコへツーリングに行こうかなんて話で盛り上がる。 「かみさん、秩父に来てくださいよ。例のダム周りでまた走りましょう」 「あんで秩父から出たがらねーんだよ、おめーは。とりあえずケーロク復活したら行くよ」 「それじゃぁダメです。フューリィで来なきゃ、突っつけないじゃないですか」 嫌なこった。
バカ話してるうち、こんだ、よしなしがやってくる。 「チェリーパイ、買ってきてくれた?」 「探したけど、売ってないよー」 すかさずナオミが、「ウソだ。ゼッタイ探してない」と突っ込み、よしなし、苦笑しながら入ってくる。
ハラグロのクセに、相変わらずヒトの良さそうな笑顔。 あ、そうそう。気になってたんで言っておこうと思うのだが、よしなしのことを、『エロオショー』とか『ロデオテキサス』とか呼んでいいのは、言いだしっぺの俺とろろちゃん、それから、当時その現場にいたヒトだけね。それ以外は使用料が発生するので、速やかに柏の事務所へ連絡すること。 つーか基本的に、よしなしをいじめるのは俺とmotoくんの権利だからシクヨロ。
よしなしもそろったところで、mioちゃんが立ち上がり、ヤキソバを作り始める。
ここで、なんの話の流れだったか、ナオミが「友達がいない」つー話を始めた。 んで三人が、「えー? 俺らは?」つったのに答えて、「友達じゃないもん。知り合いだもん」言ったもんだから、さあ大変。ナオミとしては、みんなは『俺の友達』であって、自分は単車乗りってわけじゃないから、厳密に友達というのとは、ちょっと違うんじゃないか的な話をしたのだが。 酔っ払いに言葉尻を取られて、それで済むわけがない。 「なんだよー! 俺は友達じゃないのかー!」 「一方通行な思いだったんだね」 「残念、ガッカリだなぁ」 ニヤニヤ笑いながらの連続攻撃に、イイワケしようとしても口さえ挟ませてもらえないナオミさん。最終的には苦笑しながら、「しまったー! コレしばらく言われるんだろうなぁ」とため息をついていた。まぁ、自業自得ってヤツだよ。口は災いの元。
ぎゃあぎゃあ騒いで大笑いしてるうちに、富士宮ヤキソバ塩ホルモン@mio風味の完成。
味付けは塩ホルモンだけの、シンプルなヤキソバだ。 そしてもちろん、相変わらずのバカ美味だ。 喰いながら、「やっぱ富士宮ヤキソバうめーなー」つってると、mioちゃん、「かみさん、正確にはコレ、富士宮ヤキソバじゃないんですよ。本物はもっと長く火を通すんで麺が柔らかいんです」「えー? この歯ごたえがねーんじゃ、意味ないじゃんよ」なんて、驚愕の事実が判明したり。 「俺のヤキソバは、富士宮の人が食べたら、邪道だって言われますよ、きっと」 「ふん、『この歯ごたえ』のない富士宮ヤキソバなんて、そっちの方が偽モンだ」 ゲラッゲラ笑いながら、mioヤキソバを突っついて酒を呑んでいれば。
ヤキソバは、あっという間に皆の胃袋の中に消えた。 このほかにも、mioちゃんの持ってきたソーセージやウチの常備菜を食ってるうちに、ろろちゃんポテトも膨らんできて、すっかりおなか一杯になる。胃袋の残りのスペースは、酒を入れるためにあけておきたいところだ。ところが俺とナオミ以外は、甘いものが好きだったりする。 つわけで、甘いものを喰うつー話になるのだが。
甘いものの話で思い出したのだろう、mioちゃんが不意にキョトンとした顔で。 「そういえば、なんか違和感があると思った。GO!!!君がいないんだ!」 「そう言えば、ココに来て隊長が居ないって、なんか変だなぁ」 すかさず、よしなしも違和感を訴える。 GO!!!は翌日にツーリングがあるはずだが、天気予報では降るみたいなこと言ってるし、なにより甘いものだ。せっかくだから声をかけようと、携帯を取り出してメールしてみる。すると、来ないとの返事があったので、「甘いもの喰ってるよー」と返したら。 「そんな甘言には騙されない。今から行っても僕の分はないんだ」 妙なスネっぷりに大笑いしつつも、珍しくフラれてしまった。
その、GO!!!が喰い損なった『甘いもの』つーのが、
○木さんの持ってきてくれた、マヨネーズタイプのドレッシング(クリームチーズみたいな風味)を、クロワッサンに塗り、砂糖をかけてトーストすると言う、俺に言わせれば、『なにその生き地獄』みたいな食い物なのだが、これが甘味好き連中には大ヒット。
ろろちゃんとよしなしは、焼かずにマヨ&シュガーで喰い、
mioちゃんはトーストして喰う。 ろろちゃん曰く、「マヨネーズに砂糖をかけてトーストなんて、気持ち悪いと思ってたんだけどね。試しにやってみたら、これがすんごくおいしいんだよねー」と、めちゃ嬉しそう。それを聞いたmioちゃんは、「またまたぁ。ホントに?」なんて言いながら、トーストして食った瞬間。 目ン玉を見開いてビックリしたあと、おもむろに叫びだす。 「やっばい、なにこれ。すんげー美味い! みんなもやってみなよ。トーストした方が、ゼッタイ美味いよ。コレは俺のだから、ヒトクチたりとも味見させてあげないけど。って言うか、ろろちゃんが子供に教えちゃダメって言った訳がよくわかった。これは子供にあげちゃダメだ」 なにやら大興奮。誰も取らねーつってんのに、「あげない、あげない」と連発してた。 この騒ぎで、どうやらみんなの甘味魂に火が着いたみたいなのだが、それはまた後ほど。
喰って、呑んで、笑って、しゃべって。 何物にも代えがたい、至福の時間が過ぎてゆく……って、えぇ? まだこんな時間? ま、昼間っから呑んだくれてるわけで、時間がたっぷりあるのは当たり前なんだが、みんな楽しい時間が早く過ぎるのを知ってるもんだから、まだ夕方だって言う事実が嬉しくて仕方ない。腹いっぱいだと言いながらも、ちょいちょいツマんで呑んだくれつつ、バカ話に興じる。
ろろちゃんは、俺んちに置いてあるマイピースメイカーを磨いてみたり。 つーか、なんでわざわざ自分のモデルガンを俺んちに置いておくんだろう。ちょっとづつ荷物を運んできて、最終的に俺んちへ住むつもりなのかね? まぁ、それはそれで、とんでもなく楽しそうだから、むしろコッチは大歓迎だけど。
ずいぶんと呑んだくれたので、ちょっと呑み疲れて、まったりモードになってきた。
mioちゃんは、酔っ払って暑くなったのだろう、上着を脱ぐ。なんつってる俺も、この段階ですでにタンクトップだったけどな。ろろちゃんは眠いのかと思ったら、「おなかいっぱいで、横になりたいんだよー」と笑ってた。気持ちはとってもよくわかる。 んで、茨城のテキサスヒットマンはと言えば、真っ赤な顔で酔っ払ってたと思ったら
オチた。まったりつーか、むしろもう死に体だね。
んで、だ。 実はmioちゃん、翌日にツーリングを予定していたのだが、残念なことに雨予報なので、中止にしたんだそうだ。その一緒に行く相手だったのが、masaryu(マサリュー)さんというヒトなんだが、実はこのヒト、俺は会ったことないのに、ずいぶん昔から知っているのである。 もともと、ロケットIII(スリー)つー変態バイクに乗ってて、mioちゃんやpoitaさんと知り合った。 そのふたりから散々聞かされていたのが、「masaryuさんって、とんでもない男がいる」つー話だった。曰く、「タダでさえ高いロケットに、購入代金以上のカスタム」「ロケット手放してハーレィ買ったのに、すぐ売っぱらって別の単車を買った」「金の使い方が、だだもれ」などなど。 普通にコレだけ聞いたら、ただの金持ちオヤジだと思うだろう。 だが、このヒトはその先に、それ以上どころかはるかに越えるエピソードが満載なのだ。実に残念ながら、ココに書くことは出来ないが、mioちゃんだのpoitaさんだのが、「にーちゃん」と呼んでなついてしまうと言う事実から推して欲しい。まぁ、要するにそういうヒトだ。 そんな話を聞いてたので、前からぜひとも会ってみたかった。 それが今回、ツーリングに行けなくなったつーんで、mioちゃんが呼んでくれたのである。
「もしもし、masaryuさん? 早く来てください。買ってくるもの? え〜と」 言いながら、ろろちゃんの顔を見たmioちゃん。もちろん、ろろちゃんの答えは。 「チェ、チェリーパイ」 mioちゃん、苦笑しながら。 「それじゃぁ、甘いものを買ってきてください」 つわけでmasaryuさん、甘いものを山ほどぶら下げて登場。
で、唯一の顔見知りであるmioちゃんが紹介するわけだが。 「はじめて会ったとき、怖いヒトがいるから目を合わせないようにしたんですよ」 間髪いれず、ツッコミの嵐。 「お互い様だろ!」(よしなし) 「おめーはチンピラだもんな」(俺) 「あー! ティラミスと焼きプリン!」(ろろちゃん、masaryuさんのみやげを覗き込んで)
やがて、ひととおり自己紹介も終わって、masaryuさんを中心に呑み始めたのだが。 も、この人の話ってのがヤバくて面白くて、聞きながらみんなで大笑い。もともと単車乗りなんてなぁガキが大人になりきれてない連中だが、このヒトはそれが群を抜いてる。見た目はスジモンみたいだし、それにまつわるエピソードも一つや二つじゃないのだが、そんなことより本質だ。 すごく腰の低い丁寧な話しようから、とんでもなくアブねー話がポンポン飛び出す。
途中でいったん眠ったよしなしも、三十分ほどで起きてきたくらい。
最初こそ初めてだってコトで、多少なり緊張感もあったのだが。
あっという間に仲良くなり、まったりしながら延々とバカ話。 いやー、それにしても書けないのが悔しいなぁ。 ホント、笑いっぱなしだったよ。
前評判どおり、いや、それをはるかに凌駕するmasaryuさんの話に刺激され、ナオミや俺、ろろちゃんやよしなし、誰もが次々と話を引き出されて、大騒ぎしながら皆のテンションが上がってゆく。もっとも、mio公だけはそんな中、気づいたら寝てたけど。 そんなmioちゃんの寝姿を見ながら、masaryuさんがmioちゃんの話をした。 プライベートに係(かかわ)るんで詳しいことは書けないが、masaryuさんがシンドいときに、mioちゃんに救われたって話だ。俺も思い当たる節はあったので、本人が寝てるのを確認してから、ちょこっとだけ褒める。もっとも、ちゃんと「いや、でもコイツはクズですからね」と〆るのも忘れない。 結局、夜中の二時前くらいまで延々と話しこみ、masaryuさんはタクシーで帰って行った。 masaryuさん、柏くんだりまでわざわざ、ありがとうございました。ホント楽しかったです。またタイミングが合ったときにでも、呑んだり走りに行ったりしましょう。それと身体の方、本当にご自愛ください。俺が言うのもなんですが、無茶しちゃダメですよ? つわけで、masaryu台風が去ったあと、笑いつかれ、呑み疲れた残骸どもが、次々と撃沈。 俺もフラフラしながら、ベッドにもぐりこんだ。
あけて翌日の朝。 比較的早めに起きてきた皆と、コーヒー飲んだりしながら談笑する。その合間に、肩が痛いというmioちゃんを治療し、ちょうど終わったくらいの時刻に、子守をしなきゃならないつーんで、よしなしが帰っていった。よしなしを見送って、残った四人でまたしゃべる。 雨が降ってないのを確認したmioちゃんが、ろろちゃんを帰宅がてらのツーリングに誘ったり。 「ろろちゃん、そば食いに行こうよ」 「そばー? ボクはソバってあんまり好きじゃないんだよなぁ。おなかいっぱいだし」 「それじゃぁ、秩父まで走りにこうよ」 「えー、家を通り越すのは嫌だなぁ。メガわらじカツ食べに行くんならいいよ」 「い、今、おなかいっぱいって言ってなかった?」 相変わらずのバカなやり取りをしながら、昼前くらいだったか、mioちゃんが腰を上げた。俺とろろちゃんもコンビニに行く用事があったので、見送りがてら下に降りてゆく。セローに手際よく荷物を積んだmioちゃんが、帰る準備を終わらせたら。
mioちゃん、毎度うまいものありがとう! またいつでも遊びにおいで。つーか少しは秩父から出ろ。
mioちゃんを見送って、コンビニまでふたりでお散歩。 帰ってきたらメシ食ったり、ニコ動を見たり、映画を見たりしながらのんびりとすごす。んで、三時ころだったかな? 帰り支度をしたろろちゃんに、masaryuさんの買って来てくれたスイーツを渡して(俺もナオミも甘いものはほとんど喰わない)、それじゃと立ち上がったところで。
本日のCrazy Marmalade呑んじゃうもん倶楽部は、二十四時間の走りを終える。 いつもの連中と話し、新しく出会えたヒトと笑いあい。まったり呑んだり、ハイテンションで騒いだり。宴会はいつも楽しいけれど、今回もまた最高に楽しいステキな時間だった。身体の事や仕事の事や、ちった悩まなきゃいけないはずなんだけど、そんなの全然、問題ないね。 こんな時間さえあれば、俺は何やってでもどうやってでも、楽しく生きていけるよ。
つわけで。 気が向いたヒトは、柏で呑んだくれようぜ。 単車乗りなら、ゼッタイに楽しいことだけは保障するよ。
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