「かみさん、今晩かみさんち行っていいすか？　治療してもらいたいんです」

茨城の誇るダメ人間よしなしから、そんなメールがきた。

普段 ネットでは、いや、リアルでもボロカスに言ってるが、俺はよしなしが好きなので、もちろん了解のメールを返し、すぐさまmixiにその旨をアップ。ちなみに文面は、『ブログにて、ついに『不倫相手の写真を晒した』と話題のヨシナシ先生が、今宵、満を持して柏に登場！』 だ。

ここで、よしなしの不倫疑惑について語ろう。

もともと、よしなしのソロツーリングのレポにセルフタイマーで撮った写真があったのを、『セルフにしては上手く撮れすぎてる。誰かと一緒に行ったんじゃねぇか ？』とからかい、その流れから『女と不倫旅行に違いない』などと話がエスカレートしていったつー経緯なのだ。

本人も「話が面白くなって、みんなが笑えるなら」と、からかわれるのを気にしてない。

八の字まゆ毛の穏やかな見かけだが、いや、実際に穏やかなヤツなのだが、こう言うところはある意味、豪胆で気持ちがいい。だが、普段から茨城の山の中でイノシシやクマを素手で殴り殺して いるオトコなので、本気で怒らすと危険だ。マーマレ豆知識。

『話が面白くなるなら』ってトコにも注意ね。

面白くもない、オチもない展開でただからかわれたら、そりゃヤツだって面白くないさ。

仕事がハネて７時半くれぇだったか、家に帰るとオモテによしなしのGSが停まっていた。

五年で走行１２万キロつー、キチガイ沙汰のBMW。

その五年のうち、三年くれぇは一緒に走ってるわけで、こいつが頑張ってる間に俺のメインマシンは、Ｍ１０９Ｒ、旧型ハヤブサ、Ｋ７Ｒ１０００、新型ハヤブサ、Ｋ６Ｒ１０００、 計五回も変わってると思うと、なんだかやけに感慨深い。感慨深いつーか、アタマ悪いなぁ、俺。

ボロだが元気そうなＧＳに、 なんだかちょっとうれしくなって、ニヤニヤしながら自宅へ戻ると。

あれ？　なにやら、すでに『この家のご主人』がいるね。家を間違えたかな？

「おめ、ナニすっかりくつろいでんだよ！」

ブーツを脱ぎながら大笑い。んで、そのまますぐに、腰と肩の治療を始める。

三十分ほど治療して、ナオミにシップを貼らせてる隙に、

俺は治療でかいた汗だくのまま、風呂へゴー！

そして風呂から出てくると、玄関にはゴー！

「ぎゃははは、やっぱ来やがった。ナオミに言ってたんだよ、GO!!!は今日来るかな？　って」

「会議があるから、行けるかわからないって言ってたじゃん」

「会議なんて、ボクがやめさせましたよ」

「わはははっ！　隊長、なんでそんなに権限があるの！」

「おまえの会社、なにかがおかしい」

バカ話して大笑い。そこで、ふと思いついたかみさん。

「GO!!!、ちょっと手で顔を隠してみ」

「こうですか？」

パシャリ。

「よし、撮れた」

「なんです？」

「？」

「決まってるだろう。『よしなしの愛人の写真』だ」

「えぇ〜！」

「わははははっ！」

つわけで。

スクープ！　よしなし先生の愛人、激写！（含ヤラセ）

よしなしはビール、俺は焼酎に切り替えて、ガンガン呑んだくれながらみんなでバカ話。

そのうちビールに飽きたよしなしが、別のものを呑むというので、「おう、そこに酒瓶棚があるから、好きなもん勝手に呑め」 と自分で取って来させる。すると、ごそごそと酒瓶棚をあさる音がしたかと思うやいなや、さすがクマ殺し。男らしい酒をチョイスしやがった。

今、日本一ハブ酒の似合うオトコ。

「ぎゃはははっ！　よしなし最高！　なんだそのオトコマエっぷり！」

「いや、結構ウマいっすよ、ハブ酒」

「よしなしさん、男らしいですねぇ」

写真の話から、こないだのレポートのアイコンの話になる。

「そういえば、あのアイコン、ナオミさんの顔が丸出しでしたね」

「あたしも思った。アイコンの意味ないじゃん」

「そうそう、顔が出ちゃってますよね」

「バカだなぁ、おまえら。あのアイコンをちゃんと良く見てみろ。よく見たり、拡大すると、実は全然ハッキリ映ってないんだよ。おまえらはナオミの顔を知ってるから、顔が丸出しに感じるけど、知らない人が見るとイッコもわからないんだ」

「へぇ、そうなんですか？」

「まぁ、要するにナオミの顔は、ツクリが単純だってことだな」

「ぎゃはははははっ！」

「わはははっ！　ひでぇ。隊長笑いすぎ」

「きっと点と線だけで描いても、ちゃんとナオミの顔に見えるぜ？」

「ぎゃははははっ！　ゲホゲホ、苦しい。笑い死ぬ」

「隊長、ナオミさんが睨んでるよ」

「ねぇ、GO!!!を殴っていい？」

隊長、ホンキでひきつけ起こしかねないくらい、のた打ち回って笑ってる。この家で俺を敵に回しても、マーマレにあることないこと書かれる程度の被害だが、ナオミを敵に回すと次回からご飯が出てこない、と言う実害があることを忘れているのだろう。

次にGO!!!が来た時、どんな目に合わされるのか、今から楽しみだ。

治療のあとに呑んだくれたせいで、よしなし、だいぶん酒が回り、いい色合いになってきてる。

「いや〜、やっぱり回りますねぇ。腕も上がらないくらいだるいですよ」

「まぁ、治療したあとだからな。そんだけ反応がありゃ、明日かアサッテには楽だよ」

「ボクはだるくなったことないんですけど」

「GO!!!は反応が鈍いんだ」

「あ、GO!!!が膨れてる」

「カワイイ路線を狙ってんだろ。今んトコ、言ってくれるのはなっこくれぇだけど」

「にゃはははっ！　そう言えばなっこは『隊長カワイイ』ってよく言うね」

「あいつに言われると、ハラが立つんですけどね」

「わははははっ！　隊長ひでぇ！」

そこから、ブラックなっこの話（これはレポに書かないので、かみ家に来たヒトだけが聞けるレア話）になったり、moto＆irohaの『房総エスエム兄弟』の話になったり、入院中のムラタの話、デコやドル、ゆっちょむたち山口組の話、色んな話で盛り上がる。

んで、ムラタの声が聞きたくなって電話しようとしたら、ナオミに

「病院だから出られないよ」

と止められ、電話できるかメールしてみた。やっぱ病院だからダメだった。

つまんないから、早く退院しろ。

そのあともバカ話したりマンガ読んだり、それぞれ好き勝手なことをしてまったり。

やがて日付が変わるころ。

全員、明日は仕事だし、そろそろおひらきだ。GO!!!は帰り支度を始め、よしなしはベッドに転がる。んでGO!!!が帰ってゆき、よしなしは寝こけ、俺は酔っ払ってハラが減ったと騒ぎながら、得意の油たっぷりオムレツを作って喰った。油入れすぎた。まだムネヤケしてる。

とまぁ、そんな感じで今回の呑んじゃうもん倶楽部も、無事に終了。

ド平日にもかかわらず、イキナリ始まった『よしなし祭』だったが、相変わらず楽しい宴会だった。

よしなし、隊長、楽しかったな。また宴会しようぜ！

つーかさ、こうして大笑いの宴会をするたびに、改めて思うよ。俺にとってはダチと過ごす時間が、一番大切なんだって。夏のツーリング、北か南か決めかねていたけど、やっぱりバカな連中のたくさんいる南の方に行こうかな。ま、それこそまだ一ヶ月くらいあるから、確定じゃないけどね。

つわけで、次回の宴会には、君も参加しれ�狽пi｀・ω・´）