2010.08.08 花火大会前夜(レブステーキ・バーガー編)

 

花火大会は土曜だつってんのに、金曜の夜から来るつってるヤツがいる。

もちろん、俺のバカでカワイイ妹だ。

なのでGO!!!にも連絡して、「花火大会の前夜祭をやろう」つー話になった。

 

夜10時ころだったか、まずはなっこがやってきた。

上着を脱ぎながら入ってくるなり、「も、もう限界」とわめきつつトイレへ飛び込む。

「おまえは、なんでそう毎度毎度、『静かに入って来れない』んだ?」

「さーせん」

笑ってると、ほとんど同時にもう一人がやってきた。

ゴー・ザ・スカイフィッシュ。とりあえず、ダッシュで冷蔵庫へ行き、ウーロン茶を取り出す。

そのスキに、なっこはマイ部屋着に着替えているのだが……

 

 

 

 

 

なにプレイ?

 

「高校のときに文化祭で作ったTシャツなんですよ」

「俺が言いたいのはTシャツのガラじゃなくて、おまえのチョイスだ」

俺の攻撃に妹は、左右のウイービングで防戦しつつ、両コブシを振りはじめた。

そう。

ジャックデンプシー、藤猛、幕の内一歩のテクニックとして名高い……

デンプシーロールだ。

『なっこヴァージョン』は、座ったまま繰り出されるのが特徴。

 

ま、いつも通りフツーに宴会が始まる。

なっこは最近、ウチへ来るとGO!!!をいじめるのが日課になってる。

この日も、まずはジュースみたいな酒を呑ませて、GO!!!の身体の自由を奪うと。

言葉攻めでイジメ倒したあと、俺と共同戦線を張って、

俺が押さえつけてるスキに、保冷剤を背中にツッコむという悪逆非道っぷり。

「ぎゃぁ〜! 冷たい〜!」

「きゃはははっ! GO!!!さん面白いー!」

容赦なく笑い倒したら、間髪いれずに後ろへ回って。

ケツに保冷剤をツッコまれ、さらに押さえつけられる、GO!!!。

やがて、なっこが飽きて離れたあとには。

屍(しかばね)がひとつ、転がっていた。

 

GO!!!の哀しい末路を見た俺は、被害がコチラに及ばないよう、万全の体制で迎え撃つ。

さあ、こい!

 

バカやって笑い、呑んだくれ、騒ぐ。

いつもの、そして何度やっても楽しい、宴(うたげ)のひと幕だ。

やがて、いいだけ酔っ払ってきたなっこは、タオルを首に巻いて、すっかりオッサンモード。

友達の電話に出ても、カワイイ路線とオッサン路線が混線しちゃって、大騒ぎだ。

「あ、もしもし〜♪ どーしたの……ってうっせーよ、てめー!」

俺の妹は、どこへ向かっているんだろう……

 

呑めない酒を呑んだ上に、イジメられて頓死したGO!!!。ゴキゲンに呑んだくれ、ゴキゲンにGO!!!をイジメまくり、ゴキゲンにバカ話して絶好調のなっこ。ふたりとも、いいだけ騒いで疲れ果て、スタートのわりに意外と早めの一時ころ、寝床に倒れこむ。

しっかり綿毛布をかぶって寝るGO!!!と、たたんだ綿毛布を開きさえしないなっこ。

ナオミとふたり、「寝方にも性格が出てるねー」と笑った。

 

あけて翌日の土曜日。

寝てる二人をおいて、俺は仕事に出る。

なっこのCBR600RR『サクラ』。

そろそろ売られちゃうとのコトで、今まで本当にご苦労様&妹をありがとう。

 

ナオミのXRはシートがバッサリ切られてる。よく見ると、ゲルザブの方も三角に切られてる。

きっと、ナイフを買った小僧が、切れ味を試したかったんだろう。もしくは、ウチの『あまりの五月蝿さ』に恨みを持つモノの犯行か。もし、俺のケーロクのキーシリンダーやったヤツと同一人物だったら、ぜひとも捕まえて話を聞きたいところだ。

『面白い動機』だったら、カンベンしちゃうかもしれない。

 

さて、仕事がハネて帰ってきたら、昼飯はレブにハンバーガーを喰いに行こう。

クソ暑い中、一度帰ってクルマを取ってきてくれたGO!!!の運転で、松戸のポンちゃんの店に向かう。つーか昨晩、あんだけイジメられてんのにクルマ出してくれるとか、GO!!!のホトケっぷりにはアタマが下がるね。きっと、『ホトケのかみさん』と呼ばれる俺の影響だね。

俺は事故ってホトケになる可能性のが高いけどね。

ほっとけ。

お、上手いコト言えた(言えてません)。

 

走り出してしばらくすると、なっこがゴソゴソと何かし始める。

やがて、サンシェードを身体にかけ始めた。

「ナニしてんだ、おめーは」

「暑いんですよー。これで太陽を防ぐんです」

「恥ずかしいからやめて」

「外からなんて見えませんよー!」

「オモテを行く人が、めっちゃ見てる」

「あ、GO!!!さん、何するんですか! 取り上げないでください!」

「これは後ろに……と」

「ナオミさん、取ってください」

「はい」

「な、なんで渡しちゃうんですかー!」

この日は、アチコチで花火大会があった影響か、道がひどく混んでいたんだが、バカやりながら走ってるから、渋滞なんて気にならない。や、まぁ運転してるGO!!!は大変だったかも知れんが。そんでもブスーっと乗ってたり寝てるのに比べたら、運転手も楽だよね、きっと。

 

「小さいころ、なんて呼ばれてた? マーちゃんとかタッくん的に呼ばれてなかった?」

「俺は呼び捨てか、名前の上二文字だった」

「ボクはそのままですねー」

「GO!!!は呼びようがねぇよな。ゴックンとかじゃ、何か飲み込んじゃってるモンな」

「きゃはははははっ! ゴッ、ゴッ、ゴックン! きゃははは! ヒーヒー! 苦しい!」

「おまえ、笑いすぎだぞ!」

「だって……ゴックン……ヒィ……ヒィ……ダメだ、過呼吸になる……」

「ぎゃははは、なっこ死にそうじゃねーか」

バカやってるうちに、クルマはレブに到着する。

 

ギラギラ照りつける太陽の下、クルマを降りてレブへ。

レブではポンちゃんが、時間ギリなのに笑顔で迎えてくれた。

ランチのバーガーと飲み物を注文すると、ポンちゃん、ニヤっとわらって。

「はいGO!!!君は、水ね」

GO!!!は元々呑まないから別に間違ってないんだけど、そのタイミングと素っ気ない置き方に、みんな思わず大爆笑。そのあとも、「ワーホリから帰ってきたら、ここで働かせてください」と半分ジョークで言ったなっこに、間髪いれず、「ウチ、そのころにはトップレスバーになってるけど大丈夫?」

大笑いしてると、ナオミが小さく、「さすがの返し。ポンさん、ホント上手いなぁ」と笑った。

もちろんジョークが上手いつーより、不快感を抱かせない断り方に感心したのだ。

 

ポンちゃんが厨房に引っ込み、コッチはコッチでバカ話してると。

やがて皿に乗ったレブのバーガーがやってくる。

まず、デカい。

比較対象がないからわかりづらいけど、とってもデカい。なんたって、乗っかってるハンバーグだけで、すでに200gを軽く超えてるのだ。その上、トッピングを選べるつーんで『全乗せ』してもらったもんだから、厚切りベーコンだのチーズだの、いいだけ乗っかってる。

値段だけ見ると高いかと思うが、モノが来た瞬間に納得せざるを得ない。

 

ちと汚いが、俺が噛み付いたところ。

銀のところと逆で、レブバーガーは肉の圧勝。パンが弱いと言ったら、ポンちゃんも当然わかってて、

「このサイズで焼いてもらうと、高くなっちゃうんだよ。だからって小さくしたくないし」

味はもちろん、サイズにもこだわった結果なのだ。

あのポンちゃんが、『自分がデカくて美味いハンバーガーを食いたいから作った』と言い切るだけあって、本当にデカくて美味い。大喰らいの俺でさえ、翌日の昼まで腹が空かなかったくらいデカくて、ステーキ屋のハンバーガーらしく肉がめちゃめちゃ美味い。

これはむしろ、売り切れで喰えなくなっちゃうと困るから、あんまり宣伝したくないよ。

 

デカさのアピールに、ナオミに頬張らせてみる。

もちろん、このあとはナイフとフォークで切って喰ってた。

 

なっこも頑張って喰ってる。

ナオミはさすがに食いきれず、残り1/4は俺がありがたく頂戴した。

それから、時間で店を閉めたポンちゃんと、みんなでバカ話。色んな話を聞いたり、自分も話したりしながらハンバーガーを食い、俺とナオミ、なっこの三人は生ビールを呑んでゴキゲン。GO!!!は水だけど、レブの水はレモン水だから、そう哀しいカンジでもないだろう。

四人とも、デカくて美味いハンバーガーにすっかりヤラれて、おなかいっぱいでレブを後にした。

ポンちゃん、ごちそうさま。

また、行くからね!

後半へ続く

 

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