2010.09.04-06 三連宴会

 

二日目 9月5日(日)

一日目はこちら

 

ダラダラと起きだし、ダラダラと過ごす日曜日。

ヒキコモリックス・ナオミさんはPC。

 

ねえさんはマンガ。

俺は仕事疲れと呑み疲れとで、寝たり起きたり。

そんな風に過ごしていれば、あっという間に午後三時過ぎだ。

「おぉ、もうこんな時間か」

なんつってるとピンポンが鳴って、マーマレードスプーン公式アイドル、ろろちゃんがやってきた。

「かみさん、シャワー借りていい?」

「おう、もちろん!」

つわけで、ろろちゃんがシャワーを浴びていると、俺の電話が鳴る。

 

携帯の着信画面を見て、俺のテンションがさらに上がった。

「もしもし、かみ? 家ドコだっけ?」

やっほぅ! ナリさんだっ!

ほどなく、ナリさんも登場し、シャワーを出てきたろろちゃんとご対面。

俺的には、とってもうれしい絵だ。

バイクで来たナリさんはウーロン茶、あとはビールでカンパイしたら、宴会の始まり。

「なんだよ、かみ。ビュエル買ったの」

「GOと動画を見てたら、欲しくなっちゃったんすよ」

「まあでも、フューリィじゃ加速がモノ足んなかったろう?」

「そっすねぇ。確かに立ち上がりとか追い越しは、かったるかったですね」

「今度のは速いの?」

「100(馬力)くらいっすね。乾燥で200切ってるし、そこそこイケるんじゃないかと」

などと早速、買い替えの話からユリシーズの話になったり、ナリさんがXRで林道を走ってるときに遭遇した速いビッグオフ乗りの話を聞いたり。ろろちゃんは、俺がのんびり走るようになったのを喜んでいたので、買い替えには難色を示していた。や、文句とかじゃなく、心配してくれてるのだ。

そっからモタードやビッグオフ系の話になり、ナリさんに雑誌を見せて誘惑。

ま、XRとR1000乗ってれば、要らないっちゃ要らないんだけど。

 

ろろちゃん、いつも心配してくれてありがとう。

つーか痩せたよね。ずるいぞ。

 

初心者用バイク雑誌、『タンデムスタイル』は、ナオミも俺もお気に入りの雑誌だ。

バカ企画とか笑える記事が多いのと、内容に変なバイアスがかかってないのがいい。

 

ねえさん、なんちゅー目でナリさんを見る?

気持ちはとってもよくわかるけど。なんたって、これだけ『色んな人間がやってくる俺んち』で唯一、本人を知ってる人間が、満場一致で『カッコいい』と絶賛する男、いや、漢だからね。レアキャラだから、なかなか会えないけど、会えたらゼッタイ思うよ。マジでカッコいいから。

見た目はスジモノだけど。

 

マーマレードスプーン主宰にして家主の『かみ』40歳。つまり俺だ。

相変わらず、目がくらむほどオトコマエだ。さすがに40歳になったので、ジャニーズに入るのは諦めたんだけど、諦めなくてもよかった気もするなぁ。ちなみに、手に持ってるのはジャックダニエルのコーヒー割り。超ぉ美味いんだが、今まで誰ひとり美味いと言ってくれたことがないつー逸品。

 

珍しいと言えば珍しいが、いつもと言えばいつものメンバー。

みんなでバカ話したあと、途中で分離して、俺はナリさんと某所がらみの単車の話をした。

んで、友人の結婚式に行くと言うナリさんは、夕方ごろだったかな? バイクに乗って帰ってゆく。今日は呑めなかったから、近いうち、ゆっくり呑みたいなぁ。ナリさんが呑めないと申し訳ないから、お店の方じゃなくて、俺んちかナリさんトコ以外で。

 

それから、ろろちゃん&ねえさんとバカ話しつつ呑んだくれる。

ナオミもまったりモードに入り、いつ誰がなんの話で盛り上がったかも忘れちゃった。ま、いつもの気の置けない連中だから、俺も呑んだり寝たりまた呑んだり、なんかグダグダしてた気がする。んで、途中からは呑まなくなって、翌日に備えたんだっけか。

結局、翌日お休みのろろちゃんに引きずられて、仕事がある@ねえさんまで連泊してった。

ま、呑んじゃうもん倶楽部には、よくある現象だ。

 

三日目 9月6日(月)

 

「おあよー!」

翌朝おきて、ねえさんやろろちゃんとご挨拶。それから野菜ジュースを飲んで二度寝した。んで頭痛に苛まれつつ起きたら、ねえさんは出勤してて、ろろちゃんはマンガ読んでた。ツーリングに行くと言うろろちゃんに、「また呑もう」と声をかけて、俺は仕事へ向かう。

なにやら、仕事がいいだけ混んで、ヘロヘロになりつつも、仕事が終われば元気なかみさん。

家に戻って風呂に入り、準備万端、整えて待っていると。

オモテにバイクの音がする。

「お、きたな」

実はこの日、北海道にツーリングに行って、そのまま向こうに住むことを決めたKZHIROが、引越しの準備がてら東京に帰ってきてたのだ。んで、『彼女と一緒に遊びに来る』つってたんで、昨日、酒を控えてまで体調を整えて、迎撃体制を作っていたのである。

ぴんぽーん!

鳴ったきり入ってこないのでドアを開けると、俺の目の前に可愛らしい女の子が立っていた。

「おぉ、遠いトコよく来たね。いらっしゃい!」

「こんにちは、はじめまして」

きちんとアイサツする彼女からちょっと離れて、KZHIROが笑っている。そこでピンときた。きちんとアイサツできるてのは、初対面の時に大事だ。KZHIROは彼女の印象を良くしようと、わざわざこんな風な演出にしたのだろう。その気遣いが可愛らしくて、俺は思わずにやり。

(へへ、彼女を大事にしてるな。イイコトだ)

オッサン臭い感想は心に仕舞って、ふたりを中に招き入れる。

KZHIRO。房総ツーリング以来、まだ二度目のはずなんだが、ちっともそんな気がしない。

見た目は若いが、実はじゅんとタメくらいのはず。しっかりと気遣いのできる男だが、若干、使いすぎの感があるか。いや、一般的には必要なことなんだが、俺んちはホラ、ちょっとアレだから。まぁ、もちっと慣れてくりゃ、もちっとお気楽になるだろ。『気遣い出来ない』よりはずっといい。

なにより、ツーリング先に永住するってスタンスは大好き。

 

彼女のなっちゅ。実にオトナ。むしろKZHIROのがコドモ。

 

バイクに2ケツで来てるから、風呂に入りたいだろうと、ナオミがシャワーを勧める。

んで、ついでに洗濯物も出させて、洗濯機を回す。こういうのは、ロングやってないとなかなか気づきづらいもんだが、そのへんはさすがにナオミさん。KZHIROとなっちゅも、喜んでくれたようで、まずはひと安心。ふたりとも風呂に入って、楽なカッコに着替えたら。

さて、それじゃ呑んだくれるか。

「ビールでいいか? つーか呑めなんて言わないから、呑めなかったら茶でも……」

「呑みます」

にゃはは、嬉しいねぇ。

 

KZHIROとなっちゅの話を聞きながら、楽しい酒を呑む。

ナオミもふたりを気に入ったみたいで、食い物出したりあれこれ世話を焼いていた。ふたりとも、ウチの定番である酒の肴みたいな(つーか酒の肴なんだが)おかずを気に入ってくれて、喜んで食ってるもんだから、ナオミも張り切って色々出し、俺はそれを見てうれしくなる。

実に穏やかで、気持ちのいい夜だ。

 

途中でナオミとKZHIROが、なっちゅの知らないヒトの話で盛り上がり、彼女が話に入れなくなる時があった。普段の俺なら、そこで別の話を振るんだが、このときはちょっとイジワルつーか、なっちゅが『どんな子なのか知りたい』ってのもあって、あえて黙ってトイレに行った。

すると、トイレの中に聞こえてくる笑い声に、いつの間にかなっちゅの声が混じってる。

出てゆくと、なっちゅは上手に話に加わっていた。

ここで、俺はカンペキに彼女を認め、当然、謝罪の意味でその話をした。

「今さ、KZHIROとナオミの話になっちゅが入れなかったから、どうするかなって思ったんだよ。ほら、黙ったままなのか、ふくれっちゃうのか、悪いけど興味があったから。そしたら、上手に話しに入ってったじゃん? だからさKZHIRO。俺、子のこのこと呼び捨てにすっから」

要するに「この子が気に入った」って話をしたわけで。

KZHIROが嬉しそうに、そして誇らしげに笑ってうなずいた。

 

楽しませてもらうって姿勢じゃなく、てめぇでガンガン楽しんでいける。

大事なことつーか当たり前のことなのに、できねぇオトナ、いや、そんなのはオトナとは言わねーか。できねぇヤツが意外といる。ましてなっちゅは、ほぼ俺の娘と言っていい年齢だ。だから、最初は俺の中に、「多少ことは大目に見よう」なんて傲慢な思いがあった。

が、出会って話してみれば、それが間違いどころか、とても失礼だったことに気づかされる。

なっちゅはきちんと、自分で自分のメンドウを見れる、ひとりのオトナだった。

やっぱり年齢じゃねーんだな。

 

「つーかさ、ギャルだったらベランダに寝袋で寝かせようと思ってたんだよ」

「あははは!」

「はははっ! あ、でも、こいつの昔の写真とか、ギャルギャルしてるのありますよ」

「なにー! それは見たい!」

バカ話して、笑って、呑んで。今日で会うのが二回目だっつー10コ以上下の男。初めて会う娘みたいな歳の女。そんな、『カタガキ』なんぞ何の意味もない、自立した単車乗り同士の、実に楽しい宴会。最初に『失礼な不安』を抱え、その反動でテンションの上がっちゃった40歳は。

この日、一番ガキだった。

 

真面目な話、バカ話。

ふたりの馴れ初めや、これからのこと。

いろんなことを話し、呑み、笑い、あっという間に時間が過ぎてゆく。走り疲れのふたりと、仕事&連日呑み疲れの俺は、ほぼ同時に眠くなった。ふたりを寝床に転がし、お休みを言って寝室にゆき、嬉しい出会いにニヤニヤしながら、ベッドの中にもぐりこんだところで。

三日連続の呑んじゃうもん倶楽部は、ここに無事、終わりを告げた。

いつもの連中、珍しいヤツ、初めてのヤツ。

どいつもコイツも気持ちよくて、すごく幸せな時間を過ごせたよ。

 

KZHIROとなっちゅ。

おまえらなら、きちんと自分らで自分らの道を切り開いていけるだろうよ。

こっちに来たときはいつでも遊びおいで。俺もそっち行った時は顔を出すよ。

もちろん、エラソーな先輩じゃなく、対等のダチとして。

また、どっかで呑んで話して、笑おうぜ!

 

そして遊んでくれた、GO、mioちゃん、まさ琉さん、@ねえさん、うわばん、ろろちゃん、ナリさん、電話参加のダメ人間たち。みんな、ありがとう。いつもいつも楽しくて、俺は幸せすぎて怖い気さえするよ。でも、まだまだ足りないけどね。

また呑んで、喰って、騒ごう!

タイミングが合ったら、走りにも行こう!

そんで、お互いを幸せに出来れば、それが最高だよね。

 

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