エンカイレポート
ゴールド・エクスペリエンス
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2011.04.29 〇日目 前夜祭 ―どうしてますか―
待ってましたの春休み、ゴールデンウィークに突入した。 すぐにでも荷物を積んで走り出したいところだが、震災の影響はこんなところにも現れる。いつもなら家で引きこもってるナオミが、「ひとりでマンションの五階に居たくない」つーのだ。だったら、実家に帰ればいいじゃん。そうだね、そうするよ。チケット取れた、土曜日に出発するね。 俺の出発も、翌日の30日(土曜日)になってしまった。 クチは災いの元。
つわけで、出発前日の金曜日。 俺たちは、『茨城の賞味期限切れマニア』とは違って、普通の胃袋を持っている。なので、家を長く空けるということは、冷蔵庫の中身を整理しておかなきゃならない。当然、出発前日のこの日、冷蔵庫の中身はカラに等しい。 「んじゃさ、ナリさんトコ行こうぜ。あと、ポンちゃんの店にも行こう」 「そうだね、そうしようか」 どちらの店にも震災後に顔を出してないので、そのゴキゲン伺いの意味もこめて、「どうしてる?」と挨拶がてら遊びに行こうつーわけだ。俺はナリさんもポンちゃんも大好きなので、この二軒をハシゴ出来るって言うのは、最高に嬉しい。 それじゃあ早速、そのステキプランを実行に移そうじゃないか。
まずは築地のナリさんの店、『しんのす』へゆく。 電車自体はあまり好きじゃないのだが、目的地が最高なので、えらい元気なかみさん。 ナオミとしゃべったり、持ってきた小説を読んだりしながら乗り換えてゆく。つーか、こないだ宇都宮までユリシーズを取りに行った時も思ったけど、乗り換えを、携帯のナビに頼ってる人が多くなった。乗り慣れてないっぽい人たちは、みんな携帯を開いて確認してる。 もちろん俺もそうなんだけど、ホント便利な時代になったよね(ジジむさいです)。 地下鉄の中で、すげぇ小雪に似てるのに、なぜか感動できない女性が、俺の前に座った。どういうメカニズムでそうなのかは判らないが、とりあえず『やる気のない小雪』と言う名前を付けさせてもらう。キレイじゃないとかじゃなくて、覇気が感じられないところが、非常に残念。 そんな風に遊んでたら、あっという間に築地へ到着した。
しんのすのウラには、ナリさんの単車が停まっていた。 早速、マフラーが外されてるってのが、とっても『らしい』よね。
んで、お店の正面に回る。 久しぶりの、しんのす。 店に入るとナリさんが見えなかったので、普通にカウンターへ座って呑んでた。 やがてナリさんが顔を出してくれ、しゃべりながら呑んだくれる。 左奥が、さきイカのフライ。右が鶏のから揚げで、手前がふわふわたまごのオムレツだったかな?
見た目は何てことないフライドポテトなんだけど、やけに美味しかった。 日本酒に切り替えてたのに、わざわざビールを頼み直したくらい。やたら後を引く味で、あっという間に完食。きっとドラッグ的な何かが混入されているに違いない(店主の風貌が風貌だけにシャレにならないのでやめましょう)。 そのビールも、もちろん、グラスごとキンキンに冷えて出てくる。 美味いツマミと、ナリさんの笑顔。これで酒のすすまない訳がない。 ナリさんがナオミに気を使って、地域ネタの話とか面白い話を振ってくれてるのだが、俺はもちろん、そんな気遣いをすっかりフルシカトで、単車の話を振りまくる。もっとも、最近はナオミも多少ついてこれるようになったから、三人で楽しく話せた。
「かみさぁ、もうSS乗らないの?」 「どーっすかねぇ。今ンとこ、ビューエルにベタ惚れですからねぇ」 「そーかぁ、もったいないなぁ」 俺ごときに、あのナリさんがそう言ってくれるのは、すごく嬉しい。確かに某所の速度域では、ビューエルの高速戦闘力じゃ歯が立たないのも判ってる。「200出ればCなら」なんて言えるのは本当にひと握り、Rクラスの人間の話であって、少なくとも俺の口にするレヴェルではない。 それでも。 二度とあの速度域で走れなくなってしまうとしても(続けてなければ維持するのは難しい)。 俺は今、自分の単車の『曲がり』に、コテンパンなのだ。 そんな風にナリさんへ伝えた。 「まあ、かみのコトだから、またSS乗るんだろうけどな」 ちょっと伝わり方に問題があったようだ。
そのうち、お店の方が忙しくなってきた。 長居してると、気ぃ使いなナリさんのジャマをしちゃうので、キリのいいところで席を立つ。 ナリさん、ご馳走様でした。めちゃめちゃ美味しかったです。 でも、ナリさんとはやっぱし、ゆっくり話したいですね。 近いうち、俺んちで呑んだくれましょう!
てなわけで、店を後にした俺たちは、そのまま松戸へ向かう。 電車を待ってる間、『皇国の守護者』を読んでいる、かみアンダーザぼたん海老。
松戸駅から携帯のナビウォークで道を調べつつ、徒歩15分くらいかな? レブステーキへ到着。 相変わらず、バイクのお客さんが居たので、なるべく隅っこに座った。 なんたって、ステーキ屋さんに入るなり、「お腹いっぱいだから酒とつまむものを」などと、「なにしに来たんだよ、おめ」言われても仕方ない、アホなワガママ言ってるわけで。とにかく目立たず騒がず、ポンちゃんの暇な時に、ちょこっと話せれば満足なんだから。
つわけで、はしっこのカウンター。 温泉たまごの乗ったサラダをつまみながら、ワインをいただく。 やがて手の空いたポンちゃんがやってきて、三人でバカ話。 もちろん、内容はイッコたりともココには書けない話ばっかりだけど。
そのうちまたお客さんが来たので、ポンちゃんが席を外す。 なのでこちらは、ナオミとふたりでしゃべりながら、静かに酒を呑んでいた。すると、しばらく奥に引っ込んでいたポンちゃん、「おなかいっぱいでも、これなら行ける感じ?」と、ニヤリ と笑いながら持ってきてくれたのが、ミクシィの方でも写真をアップした例の、 さがり肉のにぎり寿司。 これがもう絶品の美味さだった。俺ももちろん、「美味い、美味い!」と騒ぎながら喰ってたが、ナオミにいたっては軽く涙目になってしまうほど。さがり肉ってのは脂身が少なく、すごく柔らかくてさっぱりしてるから、なるほど確かに酢メシとの相性がベストマッチングだ。 「んーまーいーっ!」 どのクチが「目立たず静かに呑む」とか言ってんだって話だが、まあ、コレは仕方ないだろう。
ナリさんやポンちゃんと楽しく話し、うまい料理をいいだけ食って、しこたま呑んだ俺たちは。 大満足で夜の街を歩き出した。 「明日から楽しいツーリングなのに、前日からこんな幸せでいいんだろうか」 そんな風にちょっと不安になっちゃうくらい、実に楽しい夜だった。
最高の前夜祭を終えて。 明日からは、単車をまたいで走り出す。 しかも、今回は琵琶湖でダチと宴会。
楽しみすぎて、変なテンションになってきたぞ。
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