エンカイレポート
ゴールド・エクスペリエンス
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2011.05.03 四日目(中編) ―七色の楽園―
現場にはすでに、たくさんのダメ人間が集まっていた。 よしなし、mioちゃん、OTOさん、ムラタ、tenwillさん、tedさん。そこに、ろろちゃんとポコさん。そして一番大事な俺。この段階で、すでに九人。しかもココに来てるってことは、『お客さんだったり、ひとりで動けないヒトは楽しめない』よ、って言うスタンスを理解してるはず。 ならば、楽しい宴会になることは間違いない。 とりあえず、お互い軽くアイサツしたら、テキトーに単車を停めて荷物を解く。tenwillさんとtedさんはロケットIII乗りでmio公の友達。ヤロウがあることないこと吹いてるはずなので、きっと、俺のことを誤解してる。いずれは、その辺の誤解も解かなければならないだろうが。 まずはテントの設営だ。
デイキャンパーが多くてスペースが取れなかったとのことで、えらい詰まって設営している。 コレだと隣のいびきが気になったり、夜中に電話して誰かと話したり出来ないので、実はけっこう不便だったりするのだ。なので俺は、いったん別の場所にテントを張って、あとで移動しようと決めた。んで、宴会用の荷物だけ運んでると。
奥のファミリーが、手前の山賊におびえてる様子が見える。
と、ここでポコさんが、わざわざ買い込んで来てくれたタープを張り出した。
雨の可能性もあったので、持ってきてくれたのだ。 大変ありがたい話なのだが、ポコさんはこの後、ちょっとした悲劇に見舞われる。
ムラタやよしなし、ろろちゃんも設営を手伝っていた。
俺の方は、単車置き場と宴会ポイントを往復しながら、荷物を運んでいた。すると、ユリシーズを停めた場所の前を、黒い単車に乗ったが全身黒の男が、きょろきょろしながら走ってゆく。俺は思わず両手を上げ、黒いカタマリに向かって大声を上げた。 「タカシぃ! ここだ、ここ!」 真っ黒に塗ったGSX−R750に、買ったばかりのテントやシュラフを積んで現れたのは、今朝、埼玉を出発してやってきたタカシだった。行き過ぎる前に気づいたタカシは、Uターンして戻ってくる。駐車場は満杯なので、俺と同じ歩道の路肩へ単車を停めた。 「おう! お疲れちゃん。すっ飛ばしてきたんけ?」 「かみさん、どうも。いや、ゆっくり巡航してきましたよ」 怪しいもんだ。
つわけでタカシが早速、新品テントを張り出す。
さすがに初めてで、ちょこっと苦労してたので、俺も少しだけ手伝った。 それから、ポコさんの張ったタープのとこへゆき、とりあえずハイボール缶を開ける。 宴の始まりだ。
左から、OTOさん、ムラタ、tedさん、tenwillさん、mio公。 と、腰を落ち着けるまもなく、こんだ福井から、かっくんがやってきた。
ポコさんと握手を交わす、かっくん。
かっくんも、そのままテントの設営&宴の準備にかかった。
左のtedさん、今回はクルマだったのだが、途中から誰より本人がそれを悔しがってた。んで真ん中のバカはすっ飛ばして、tenwillさん。ちょっとありえないくらいデカいアサリやエビを差し入れしてくださった。ハマグリと同じかヘタすりゃ大きいくらい。 ふたりともRIIIなんて単車を選んだ時点で、神経がまともじゃないのはわかってる。 そのうち一緒に走ったり、また呑んだりしたいものだ。
と、あたりに不穏な空気が満ちる。 シックスセンスにピンと来て振り返ってみれば、松戸の大魔王、マスターじゃないか!
今回はなんと、かの有名な彼女、『パンダちゃん』も一緒に来てくれた。 何が有名なのかは、マスターんとこ『ポンコツ侍』を読めばわかる。 俺はポンコツ侍を読んでから彼女にとても会いたかったので、今回の登場でめちゃめちゃテンションが上がった。ちなみに、俺だけじゃなくナオミもすげぇ会いたがってたので、彼女が来てるのを知った時、えらい喜んでた。
爆音が聞こえてくる。 「お、V−MAXじゃんか、いいねぇ」 「かみさん、あれ、フラちゃんじゃないの?」 「よしなし、なに言ってんだ? フラのV−MAXが、あんなにキレイな訳ないだろう。ヤツのポンコツマックスは、もっとずっと下品な赤だ。それにだいたい、後ろに女の子が乗ってる段階で、フラナガンではありえないに決まってる」 などとテキトーに暴言を吐いていると。
お土産のタイヤキをぶら下げて、フラがやってきた。 前日、「風邪ひいたんで、行けそうもないです」などと、ヌルいことを言ってたので、ろろちゃんと俺で「おめ、ぜってー顔出せよ」「フラちゃん、ボクを人殺しにする気かい?」などと、冗談でいじめてたのだが、少し熱が下がったので、顔だけ出しに来てくれたのだ。 しかも、なんと彼女を乗っけて。 フラのくせに。
左でしゃがんでるのがOTOさん、背中向けてんのがムラタ。んでフラナガンと彼女。 奥の方では、新たにやってきた単車の鑑賞会。 誰がやって来たかといえば、すり抜けなしで来たあと、そのままイオンで買出しをしてきたメタボ会の面々と、彼らに途中で捕獲された板乗りだ。板乗りはGSX−R1000を手放して手に入れた、新しい単車でやってきていた。
この日のためにブログにも書かず、ひっそりと納車をすませたM109Rリミテッド。 事情を知らなかった(ともっちさんと俺は知っていた)連中が、大うけして喜んでいた。確かに板乗りの使い方なら、重さにさえ慣れれば、R1000よりもマルキューの方が向いてるだろう。マルキューのドッカン加速と爽快なトルク感は、筆舌にしがたいからね。 俺はもう、重くて乗れないけどね。
やってきたメタボ会の面々は、そのままテント設営に入る。
なれない板乗りを見かねて、ともっちさんと、ますた君(俺が好んで使ってるマスターの活用形:アクセントは『増田君』と同じ)&パンダちゃんもお手伝いしている。あんま甘やかさなくていいのに。 準備の終わった連中から、もちろん、ガンガン呑み始める。
この段階で俺はもう、嬉ションしちゃいそうな状態だ。
ムラタとろろちゃんは、もう、確実に酒が回ってるね。 フラと彼女は帰るので、アルコールは呑んでない。 そしてもちろん、俺にしろムラタにしろ他の人には言わないセリフを、フラナガンにだけはガンガンかましてゆく。むしろ嬉々として叫ぶ。 「なんだよフラちゃん、なんでノンアルコール?」 「あんだフラ、おめ、帰るんけ?」 「すみませんムラタさん、かみさん。今日は帰ります」 「帰れると思ってんのが甘いよ、フラちゃん」 「わーった。おめーは帰っていいけど、彼女は置いてけ」 バカ話して、ゲラッゲラ笑う。
ロケットチームでは、mioちゃんが早速、色々と作り始める。
tedさん、tenwillさん、OTOさん、mioちゃん。何を話してるのかは定かでないが、mio公がメシ喰っててクチがふさがってるから、きっと普通に健全な会話だろう。どう見てもmioちゃんだけ、人間の色が違うのは、この写真ひとつでも一目瞭然だ。
ポコさん、フラナガン、かっくん。 みんな普段なら、それぞれ責任のある仕事についてる、ちゃんとした大人のはず(すくなくとも、そう化けてるはず)なのに、ココまで底抜けに笑う画ってのが、もう、たまらないだろう? 俺はこの画を見ただけで、なんだか嬉しくてニコニコしてしまうんだが。 みんな楽しそうに笑ってるのが、どうにも嬉しくて、
俺も顔が緩みっぱなしだ。 身体も緩みっぱなしとか、そう言う話は聞きたくない。
珍しいというか、面白い組み合わせ。
OTOさんと板乗り。 ふたりとも始めたばかりだから、アウトドアグッズが気になってしょうがないんだろう。 想像だけど、たぶん間違ってないはず。
この日、美味い食い物で空前の人気を博した、メタボ会の野営地。
う〜ん、どう見てもサイボーグさんがメタボ会なのはおかしい。
ますた君の彼女にして俺のアイドル、パンダちゃん。
お酒が好きなんだが、酔っ払ってやらかして、あとでマスターに叱られると言う、イキモノとして俺と同じ共通点を持っている。なので最近はお酒を控え気味らしいのだが、さすがに今日の宴会で、『酒好きが呑めない』と言うのは可哀想だ。 当然、優しさライセンス特A級の俺は、パンダちゃんに提案をする。 「呑みたかったら、呑んじゃおうよ。後で、俺も一緒にマスターに叱られてあげるから」 パンダちゃん、ニコリと笑ってた。ちょう可愛い。 ま、最悪、『マスターとナオミが結託して説教大会になる可能性』もあるが、その時はその時。 今を楽しむことの方が大事なのだ(いいコト言ってる風だけど、最低です)。
肌寒い中、タンクトップで次々と食い物を焼くmio公は、テキヤと呼ばれて大人気。
この後頭部はよしなし。ヤツの後頭部は、このあと大変な事件を引き起こす。
みんなで呑んだくれながら、ワイワイやっているのだが。 土手の上の道路を、単車が通った瞬間、
プレーリードッグになる面々。みんな好きだねぇ。 と。 ↑の写真を見て気づくだろうか? さっきポコさんとみんなが張ってくれたタープが、さっくり撤去されている。 コレはなぜかと言えば、酔っ払って『頭上に何かがある』のが気に入らなくなった(らしい)俺が、ろろちゃんたちが止めるのも聞かず、独断で撤去してしまったのだ。せっかく苦労して張ってくれたのに、なんとも非道い話である。 ポコさんもまさか初対面の人間に、こんな仕打ちを受けるとは思わなかっただろう。 つーか普通にタープを張ったまま、こっちが移動すればよかったじゃん。 マーマレ読んで俺に会いに来た人ならまだしも、俺とは関係なくかっくんやともっちさんに会いに来た人にコレはないと、今、レポを書きながら冷静に思う。とは言え、覆水盆に返らず。ダメならこれっきりだろうし、気にせず笑ってる人なら、いつかまた会って呑めるだろう。 そんとき、「あん時はかみさん、非道かったよねぇ」なんて笑えればいいな。 いや、反省はしてます。
そうこうするうち、三重のダチ『おーが』が、途中でナオミを拾いつつ合流する。
左から、おーが、ナオミ、ろろちゃん、ポコさん、かっくん。
こっちは画面左隅がろろちゃん。奥がナオミで、手前の親子三人が、左からおーがの長男UKT、愛妻『飼い主ちゃん』、長女のNNKだ。おーが一家とは、かれこれ10年来の付き合い(子供らはもちろん違うけど)で、俺とはじめて会ったときから意気投合したバカ夫婦だ。 俺はずっとおーがに、俺の気持ちいいダチと会って欲しかったのだが、今回、それが叶った。
天気は微妙ながら、なんとか雨も降らず。 琵琶湖畔は、すっかり山賊に席巻されている。
松戸の大魔王にして鬼才、マスターことますた君。 会って話したり、ヤツの日記を読めばすぐわかるが、頭の切れがハンパなく、笑いのセンスも一級。能力的には非常に優秀な人間なのに、コントロールする人格の方がダメ人間なので、結果的にやらかすことがむちゃくちゃになると言う、最高に楽しいオトコだ。 絶対、ヒャクパー、悪党のはずなのに、たいていの人はヤツが好きになる。 気に入らなければ問答無用、誰であろうと『バールのような物』でメッタ打ちにするナオミでさえ、この写真を見て、「マスターかわいいい」とか精神の安定を疑われかねないことを言ってた。 とにかく、不思議なオトコである。
まだまだ明るいのだが、宴はすでに絶好調。 しかも、まだまだバカが集まってくる。 楽しすぎて、ちょっと頭がおかしくなってきた。
これもきっと、酔っ払ったなりに何かを感じて、それっぽい写真を撮ろうとしたんだろうね。 たぶん、手前の草に焦点を当てたかったんじゃないかな。 覚えてないけど。
大阪の弟と、名古屋の弟。
バカでまっすぐで単純。単車に乗ること、曲がり道を走ることが大好きな連中。 要するに、俺とほとんど同じような生物だ。 まあ、高貴さとか品格みたいなものは、俺と比べちゃ可哀想だけど。
秩父のフリークライマー。
最初はダメ人間っぷりを隠してたのだが、俺やpoitaさんと会うなり、「なんだ、アレでいいのか」と開き直っちゃって、今じゃすっかりロケットスリー乗りを代表する変態。つっても、言い切るほどロケット乗りを知らないけど、まあ、ココまでアレなヤツはそう居ないだろう。 ここまで頑(かたく)なにタンクトップを着続けるヤツも。 たぶん、来年くらいには四十肩になってる。
マルキュー乗りの三人。 かっくん&ともっちさんは中部だからともかく、マスターは関東だから、彼らがそろうのは珍しい光景。そして、俺はかつてマルキューに乗ってたから、この三人とも出会えたわけだ。そう考えると、縁ってモノの不思議さを改めて実感する。
酔っ払ってバカやったり、くだらない話で大笑いしながら、フト気づくと。
おーがとかっくんが、仲良くしゃべってたり。 昨日までなら考えられない光景に、思わずにやりとしてしまう。
サイボーグさん(だよね?)が、ハンドブロアで火をおこしてる光景を見ちゃった、
火遊び芸人、かみさん41歳、満面の笑み。 酔っ払ってて詳しくは覚えてないけど、とにかくこのハンドブロアが気に入っちゃって、ムダに風を浴びせまくった挙句、火の粉だの灰だのをアホほどまき散らかして、誰かに怒られた気がする。怒られたつーか呆れながら注意された様な記憶が、ほんのり残ってる。 とは言え、いかに泥酔しても、そこはエリートビジネスマンのかみさん。
連絡が入れば一瞬にして、やり手ビジネスマンの顔に戻る。 つーかこれ、誰と話してたんだっけ?
大騒ぎしながら楽しい時間を過ごすうち、太陽が西に隠れた。
美しい琵琶湖の夜景をバックに、しかし、宴はもちろん終わらない。
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