エンカイレポート
呑んじゃうもん倶楽部
2012.08.25 レブステーキ宴会
土曜の午前中、仕事をしてると電話が入った。 もちろん相手は今日いっしょにボルダリングへゆくタツヤだ。 秩父からやってきたタンクトップレジェンドは、電話口で「ユウヒにmio肉(秩父の『ひつじや』と言う精肉店で売っているモツ)を買って来たんだけど、間に合わなかった」つってる。もっとも、間に合わなかった原因は、ヤツが途中でアウトドアショップへ寄り道したからなのだが。 相変わらずのダメっぷりに笑い、「先に俺の家へ向かえ、追いつくから」と電話を切る。
すると程なくして折り返しの電話。 「あんだ、どした?」 「セルが回らない。エンジンがかからなくなっちゃった」 「ぎゃははははっ! やるなぁ、さすが秩父のレジェンド! ビューエルさん越えてるじゃん」 からかいつつ、仕事がハネてからエリック牧場(パーツ置き場)にあまってたバッテリを持って、バーベキューに行ってるためユウヒ本人がいないユウヒベースへ向かう。すると、シャッターの閉まったベースの前に、伝説の男が『ぽつんと座って』いた。 「ぎゃははははっ! いやぁ、いい画だなぁ。いや、ちとまて! 動くな、写真撮るから」 いいだけからかってから、バッテリをつないでエンジンをかける。 ロケットスリーから近所迷惑な爆音が響いたところで、とっとと出発。
無事にボルダリングを終えて、腕や足、背筋までぷるぷる言わせながら戻ってきたら。 ナオミが帰るのを待って、レブステーキへ出発だ。 初めて使うスイカに感動し、「おぉ、俺って都会人だ」などと、わけのわからない発言をするタツヤ。 ひと駅電車に揺られて、松戸駅に下りたところで、すでに動く気のないかみさん42歳。 「タクシー乗るぞぅ! かみは歩かないんだ」 わめきながらタクシーに乗ってレブステーキへ。
レブは相変わらず盛況で、ちょっとオモテで待つ時間があった。 そこへ連絡をくれていた、マサリューさんが合流。 「おひさしぶりです」「どもども」 とアイサツしてるうちに席が空いて、ザッツ・レブステーキタイム!
ナオミが200g、俺とタツヤが300g、マサリューさんが1ポンドをオーダーし。 三人が生ビール、俺は赤ワインを飲みながら、バカ話して笑う。マサリューさんの話を聞いて、ゲラッゲラ笑ってるところへ、ステーキがやってきた。そしてその瞬間、全員で大笑いしながら肩をすくめる。すべてのステーキが、明らかにオーダーした量の1.5倍ほどでかい。 たぶんナオミのが300近く。俺のとタツヤのはポンド越え。 マサリューさんのに至っては、も、笑うしかない。 あわてて携帯を取り出し、写真を撮るのだが。 「しまった! マサリューさんの前で撮ったら、ステーキのサイズがわからない!」 すげぇデカい肉なのに、この写真だとビタイチ伝わらない。 比較対象をカンペキにまちがった。
それぞれのステーキをおいしく食べて、呑みながら話していると。 「ツマミを頼みましょうか」 マサリューさんがそういいながら、ミックスグリルを注文した。 1ポンド以上食ったあとにツマミで頼むモノでは、断じてないと思うんだが。
ところが。 そのあと隣へ来たお客さんが、カレーやチャーハンを食ってる姿を見て。 『マサリューさんの発するなにか』をキャッチしちゃったのだろう、ノリで生きてるタツヤはともかく、普段は小食なナオミまで、「チャーハンが食べたい」と言い出したからさあ大変。「おいおい、大丈夫か?」と心配する俺をよそに、マサリューさんがトドメの一撃になる言葉をつぶやく。 「さがりステーキをトッピング出来るんですね。それじゃあ、トッピングで1ポンド」 いやいやいや、おかしいから。 『トッピング』という言葉の中に、1ポンドなんて単位は存在しないから。
「マサリューさん、おかしいおかしい! 1ポンドってのは一食ですよ。しかも多目の」 「いや、これだけ美味かったら、二、三枚はいけますって」 せんべいじゃねぇんだから的なセリフを吐くマサリューさんをなだめすかすと。 「う〜ん、そうですかぁ? それじゃあ、間をとって300gで」 それでも充分、ひととしての領域からはみ出してますけどね。 ステーキ屋のチャーハン、さがりステーキ300g乗せ。
「んまーい! チャーハンやばい! すっごい美味しい!」 「ホントだ! かみさん、マジ美味いっすよ」 「どれどれ、おぉ! ラードとニンニクがすげぇ効いてて、めちゃめちゃ美味いな!」 「それじゃ、もう二三杯ほど注文しときま……」 「ぎゃははは! おいタツヤ! このひとを止めろ!」 さらに注文しようとするマサリューさんを、なんとか三人で押しとどめつつ爆笑し。 呑みながらバカ話をする。
やがてお客さんもひと段落し、ポンちゃんが顔を出した。 しばらくその場で話し込み、ちょっと込み入った話になったので、俺とナオミとポンちゃんで表に出ると、外のテーブルで酒を呑みながら話し込む。マサリューさんとタツヤを置いてきてしまったのだが、彼らは彼らで笑いながら話してくれていた。 一度、席に戻ってわびると、ふたりとも気にするなと笑ってくれる。 こういうところが気兼ねなくて、俺は彼らが好きなのだ。
やがてマサリューさんの呼んだ代行がやってきて。 「今日はありがとうございました!」 「いや、こちらこそ楽しかったです! また近いうち呑みましょう!」 と挨拶を交わすと、マサリューさんが帰ってゆく。 それから、俺は携帯を取り出した。俺んちで宴会するはずだったのが、期せずしてレブでの宴会になってしまったので、タカシに電話して「レブで宴会やってるから、俺んちじゃなくてレブへ来い」と伝える。なんだか振り回すようなことになってしまって、タカシには悪いことをした。 まあ、そのぶん美味い肉を食わしたから、それで勘弁してもらおう。
相変わらずオモテで呑みながら、ポンちゃんと話し込んでいると。 いつのまにか、席にタツヤがいない。 「あれ? アイツどこ行ったんだ?」 と思って店内をよく見てみれば。 さすが秩父の人妻ハンター。目を離したとたん、ちょっかい出してる。 ものすごい早業で、となりの主婦の席へ移動したタツヤは、年上のおねぇさんたちを相手に、ゴキゲンで呑んだくれていた。さっき俺が、「おねぇさん、この男に近づくと妊娠しちゃうよ」と警告しておいたんだが、マダムキラー・タンクトップ相手では、ムダだったようだ。 世の女性のみなさん、タツヤには充分、気をつけるように。 近づくなら安全無害な、かみさんにしましょう(`▽´)b
やがてR750でやってきたタカシとふたり、ポンちゃんのバイクをまたいで騒ぐ。 するとポンちゃん、奥からキーを持ってきて、タカシに「乗ってくれば」と笑う。 タカシは一瞬、固まってしまってから、「い、いや、大丈夫です」とあわてて首を振る。 まあ、こっちはこっちで伝説のマシンだからね、色々と。
最後のお客さんとタカシにステーキを焼いて、戻ってきたポンちゃんと話す。 俺はもう、楽しくて楽しくて、いいだけ酔っ払ってしまった。 そして、先ほどタツヤが嫌がらせ電話をかけたとき、居留守を使って出なかった、三重のおーがへ電話を入れる。なぜ居留守とわかったかと言えば、ヤツが電話に出ないので、ナオミがおーがの嫁『飼い主ちゃん』に電話を入れて確認したのだ。 「ああ、なんやさっきから、電話なんぞ出んつって逃げまわっとるで」 だから言っただろう? ゼッタイに復讐されるぞって(雨の夏ツーリング参照)。
俺からの電話に、ようやくあきらめたのだろう。 早くも疲れきった様子で、おーがが電話に出る。 「なんや! いや、聞かんでもわかるわ」 「ぎゃははははっ! いやぁ、ほら、タツヤがこないだの仕返しをしたいつってさぁ」 十年以上になる付き合いの、気心の知れたバカとバカ話しつつ、俺はますますゴキゲン。 さんざいじめたあと、またなと電話を切った。 それから、まだ数年の付き合いだが、なんとなく似た匂いの男と、バカ話やまじめな話をしながら、酒を呑んで笑いあう。ポンちゃんって男は、もちろんむちゃくちゃでいい加減で、時にはおっかない男なんだが、それを補ってありあまるほど、気持ちのいい男でもある。 そしてなにより、俺はこの男の笑顔がたまらなく好きなのだ。 いや、ホモじゃねぇけんども。
やがて、そろそろ日付の変わろうかという時刻。 電車で来てる俺たちは、終電に乗らなくちゃならないので、残念ながら楽しい宴会もここらでおひらきだ。結局、ちょっとしか話せなかったタカシに詫び、ポンちゃんや店の女の子にアイサツをしたら。すっかり重たくなったおなかを抱えて、俺とタツヤ、ナオミの三人は駅へ向かう。 「タツヤ、合コンするなら俺も呼べよ。のっぴきならない状況に追い込んでやる」」 「あたしも行く! そーっと影から動画の撮影する」 などとタツヤをからかいながら、なんとか終電に乗ったところで。
呑んじゃうもん倶楽部は無事に終了。 マサリューさん、タツヤ、ポンちゃん、タカシ、それにおーがと飼い主ちゃん、ありがとう! 相変わらず底抜けにバカで、最高に大笑いした、楽しい時間だったよ!
またタイミングが合ったら、呑んで食って騒ごうぜ!
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