The 114th big machine club

2012.06.23-24 第113回でっかいもん倶楽部 in 大郷戸

―タイミング(前編)―

 

なんだか疲れてる。

そんな風に感じたのは、たぶん、もう一ヶ月ほど野宿してないからだろう。その真偽はともかく、そう思っちゃったら仕方ないので、どこかでソロキャンプしようと決めた。んで、そんなコトをちらっとブログやミクシィで書いたら、それに反応したのが『天才』ろろちゃん。

「ダムでやるの?」

「そうだねダムでやろうか」

と、一瞬で大郷戸ダム宴会が決まる。すると、「週末にソロキャンプしようと思ってた」言いながら、茨城の猪ハンターよしなし先生がやってくる話になり、続いて群馬のグリズリーeisukeさんが、「行けそうなら」と参加を表明し、結局、いつもの山賊宴会

いや、まあ楽しいに決まってるから、これっぱかしも文句はないんだけど。

 

仕事がハネた午後一時過ぎ、俺は相棒ユリシーズに荷物を積む。

今までの荷物の中では、イチバン軽く出来た。

グリーンの細長いバッグには、新しく買ったコット(キャンプベッド)とアルミテーブル、テントポールやペグなんかが入っている。買い換えたおかげで、コットの重量と仕舞い径が半分になったので、いろいろと詰め込むことができた。

振り分けバッグの方にはテントとシュラフ、食器やバーナ、そのほか細かいアイテム。

今回は一泊なので、靴下以外の着替えが入っていないから、バッグ内はスカスカだ。そしてリュックはほとんどカラ。俺は「めちゃめちゃ荷物を減らせたなぁ」と、ご満悦で独り言ちた。このときはまだ、それがあとでどんな事態を引き起こすか、ちっともわかっちゃいなかったのだ。

自己満足レヴェルで軽くなった荷物にほくそ笑み、北へ向けて走り出す。

 

混んだ道を避けてウラを抜けながら走っていると。

少々雲は多いものの、キャンプへ行くには上出来の天気だ。

ジャケットのベンチレーションから抜ける風が気持ちいい。

 

国道を少しだけ走って、県道19号から筑波を目指す。

慣れた道を気持ちよくすっ飛ばしていると。

 

筑波山が見えてきた。

このまま県道を北上して、岩瀬の駅前から国道50号を横断。

食材を買うために、コメリへ滑り込んだ。

 

と、駐車場に、『見覚えのあるバカでかい単車』が駐車(とま)っている。

秩父のタンクトップアーティスト、タツヤだ。

来るなんてヒトッコトも言ってなかったのだが、ろろちゃんやよしなし、eisukeさんが参加表明したことを分かってるはずなのにリアクションがないから、もしかしたらと思ってたらやっぱりだった。いっそ気持ちいいほど分かりやすい男である。

『袖の長さと、脳の複雑さは比例する』と言う、俺の学術論文が証明された。

 

「あんだおめ、やっぱ来たんけ。そうじゃないかと思ってたんだよ」

「かみさん、かみさん、変なヒトがいる」

それはおまえだろうとツッコむ間もなく、コメリの中からろろちゃんが姿を見せた。

げらげら笑って挨拶をしたら、ろろちゃんはキャンプ場へ。

俺とタツヤは、晩飯の材料を調達しに店内へ。

 

酒や食い物を買い込んで表に出ると、

「曲がるところがうろ覚えだから、一緒に行きましょう」

「よしわかった、ぶっちぎってやるぞう」

のこり数キロの道を、すげぇ久しぶりにタツヤと走る。

なんだかやけにうれしくて、ミラー越しに撮ってみた。

そういや最近タツヤとは、呑んだくれるばっかりで走ってなかったなぁ。

 

数キロ走れば、そこは大郷戸ダム。

現場に到着すると、それぞれに準備を始める。

ろろちゃんは、エアポンプ内蔵のマットを持ってきてた。

マットの一部にポンプが入ってて、そこを押すとふくらむのだ。

しゅこしゅこしゅこ

「君は何をしてるんだい?」

「心臓マッサージの練習だよ」

「ぎゃはははっ!」

しょっぱなから飛ばすろろちゃん。

 

さて、笑ってばかりもいられない。俺の方も準備しよう。

荷物を解いてテントを張って、コットを組み立てたら。

コットをサマーバケイションモードにして準備完了。

 

すとととっと、可愛らしい排気音が聞こえてきた。

よしなし先生がメイトで到着。

 

準備が整った者から、どんどん宴会にとりかかる、いつものスタイル。

買って来た砂肝を串に刺して、串焼きの準備が整ったところで、

「んじゃ、お先にかんぱーい!」

ジャックダニエルソーダ割でスタートだ。

 

ガスバーナを二つ持ってきたタツヤ。

片方でイタリアン鍋『タツ・イタリアーナ』を作りながら、もう一方で肉を焼く準備をしている。

確か一ヶ月前のキャンプのあと、

「酒をやめてベジタリアンになる」

とかほざいてたはずだが、どうやら大方の予想どおり『禁酒・禁肉』に失敗したようだ。

まさに予定調和。

 

一方、俺は最初のつまみを焼きだす。

前回、しいたけの網焼きがとても美味かったので、今回はふたパック買って来た。

 

しいたけを食いながら、呑んだくれてバカ話して笑う。

いつもと同じ光景なんだが、いつもと同じく楽しい。

凝り固まっていた心が、だんだんほぐれてゆく。

しいたけの次は、シマホッケ。

美味かったけど、脂が散るので後の掃除がメンドーだ(´・ω・`)

 

よしなしは、初投入のコンパクト炭火コンロでモツ焼き。

バラすとVHSビデオテープくらいの大きさになるコンロで、俺も一時期ほしかったんだが、『炭火は、炭の運搬がうっとうしい』という散文的な理由で却下した。やはりコンパクトさと軽さでアルコールストーブにかなうバーナは存在しないのだ。なんてドヤ顔で吠えてたのだが……

ストーブのアルコール残量をチェックした瞬間、唖然とするかみさん42歳。

「うっわ、ほとんど無くなってんじゃん!」

ランニングテストした時からは『考えられないほどのイキオイ』で、アルコールが減っている。

結局、砂肝を焼き終わったあたりで、あえなく燃料切れとなった。

 

あたりまえっちゃ当たり前なんだが。

アルストで長時間の料理をすると、熱がこもって燃焼効率がよくなる=燃費が悪くなる。かといって、『料理中に火を止めてストーブを冷ます』ってわけにもゆかない。さすがにこれは、使い勝手がよくない。つーかアルコールをたくさん持ってゆくなら、重量的にはガソリンバーナでもいいわけだ。

バイクのガソリン使えるし。

結果、残念ながらトランギアは、『宴会用のメインバーナとして』わずかにチカラ及ばないようだ。今回、初めて長時間の料理をしてみて、アルストの欠点が実感できた。次回からは、メインをガソリンバーナに変更して、アルストは湯沸し&ソロツーリング用にする。

つわけで自作アルストの製作も、これにて終了。

いいかげんやめようと思ってたところだから、まあ、ちょうどいいきっかけだろう。

ガソリンバーナも無駄にならないから、コレはこれでよかった……のかなぁ?

 

ろろちゃんは、いつものガスストーブ&スキレットで焼肉。

陽が出てるうちは、「暑くて食う気がしない」つってたけど、夕方になったら元気になったみたいだ。そして夕方と言えば、ブヨの活動時間。ここでの油断があとをひいて、ろろちゃんは食われまくってた。つーか結局、eisukeさん以外の全員、何ヶ所か食われたんじゃなかったかな?

 

タツヤは前回の俺に触発されて、アスパラを焼いている。

アスパラとかしいたけは、網焼きするとホントにおいしいよね。

 

と、クルマがやってきた。

誰が来たのかはわかってるので、みんなで笑いながら写真を撮ってお出迎え。

 

群馬の灰色熊ことeisukeさんが、大量のキャンプグッズや食料とともに到着。

 

見る間に城砦を築いてゆく。

と。

eisukeさんのマキを入れた箱の中に、俺の放火魂をガッチりキャッチするモノが入っていた。

石炭。

実は本物の石炭を手にとって見るのは、これが初めてだったので、焚き火が大好きなかみさん42歳、かなり興奮気味だ。「うおー! ホントに石だよ。これが燃えるってんだから、そらぁたまらんなぁ」とすっかりご満悦。ろろちゃんが不安そうな顔をしてるのも、見て見ないふり。

 

タツ・イタリアーナ。

非常に美味しいんだが、なんと言うかパンチがない。

なぜなら俺たちは普段、ろろちゃんの作る『ろろイタリアーナ』を食っているからだ。タツヤが不満そうに、「チーズ、ひと袋入れたんですよ?」などとクチを尖らすが、残念ながらろろちゃんは、業務用のチーズをまるごと入れた上、ポテトチップまで放り込むのだ。

次回の健闘を祈るよ、タツヤ君。

 

買ってから数年越しで、ようやく日の目を見た虫よけ松明(たいまつ)。

結局、焚き火を焚いちゃったので、効果のほどはイマヒトツよくわからなかった。

 

このあたりの騒ぎは動画にしてあるから、見てもらえれば雰囲気はわかるだろう。

12分45秒と長い動画なので、ヒマな人だけどうぞ。

 

とまあ、こんな感じでにぎやかな時間が続く。

 

後編に続く

 

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