The 73rd big machine club
2009.03.29 第73回 でっかいもん倶楽部 in 筑波 ―キャスタの背中―
宴会の後、 ろろちゃんとよしなし、Nに見送られて、朝の16号を走り出す。 もっともアンダーライン君は仕事に行くからここでお別れだ。6号線との交差点、呼塚で彼に手を振って別れたら、普通にすり抜けながら柏インターを目指す。すると、いつの間にか後ろがAGLAだけになってた。みんな今日はイカない方向らしい。
柏インターを入ってから一度集結し、降りる場所を確認しておく。 俺はトイレに行きたかったので、守谷でいったんトイレ休憩をしてから、一生懸命みんなを追った。や、一生懸命たって最近の俺とケーロクの高速巡航のお決まりで230前後なんだが。 しばらく走ってると、なっことか隊長の走ってるのが見えたので、AGLAはこの先だろうとさらにアクセルオン。実はこのとき、他のみんなもゆっくり走ってたらしいのだが、相変わらずちゃんと周りを見てないかみさん、ビタイチ気づかずに、そのまま土浦北まで到着してしまった。
やがて後ろからゆっくりやってきたみんなを見てビックリする始末。 土浦北から、いつものコンビニまで走り。
ここで朝メシ喰いながら、軽くダベる。 メシを食って 楽しく話しこんだあとは、カマボコを越えて筑波山を登って行く。 登ってそのまま一本走るか、それとも休憩所に入るかを隊長に確認したら「休憩所入りますよ。ボク、ツアラーなんで」と、相変わらずのしれっとしたお答えが返ってきたので、隊長のお言葉に沿って休憩所に入る。
そこでちょっとだけダベり、とりあえずキャスにコースを見てもらうため、俺の先導で走り出した。 登りは6割くらいのペースでキャスの先導をしつつ、気持ちのいい天気の元、 いつものワインディングを楽しむ。当然、キャスもピッタリと後ろをついてくる。ミラー越しだから少ししか見てないのだが、相変わらず危なげない、綺麗な走りだ。 走りきってUターンポイントを回り、 今度は8割くらいのペースで走り出した。 走り出してしばらくして、俺はすっかり驚かされる。いや、キャスが俺より速いのはわかっているが、それでも買ったばっかり、乗り始めたばっかりの単車だ。普通は、も少しシンドそうに走るもんだろう。しかも初めてのワインディングなんだから。なのに、まるきし余裕でついてくるのだ。 ビックリするやら感心するやらで、俺はうれしくなってくる。
が、ムキになって100%で行くことはない。 いや、それが大人気ないとか、ずるいとか、そう言うことでは一切なく、そのまったく逆だ。今のキャスの感じだと、きっと俺が100%で行っても楽勝でついてくるだろう。そしたら、間違いなく俺の心が折れるじゃないか。そんでものすげぇムキになって、結局すっ転ぶのは見えてるじゃないか。 勝ち負けで言うなら、この段階ですでに俺が負けているわけで。 「キャスタ、やっぱ速ぇなぁ」 メットの中で舌をまきつつ、 やけに楽しいランデブーを終えて、いったん休憩所へ。 「かみさん、あれで何%くらいすか?」 「80%くらいかな。つーかなんで楽勝でついて来るんだよー」 「最初だからもう少しゆっくり行って欲しかったなぁ。二回くらいケツが流れましたよ」 こっちこそ、そう言ってくれて少しほっとしたつー話だ。 もともと某所に上がるのもキャスタに誘われて行きだした俺だし、その時の走りを見て感動して、ハヤブサを買ったときも誘われるまま迷わず上がった経緯があるくらいだから、キャスタってのは 俺にとってひとつの目標だ。ヤツが遠くに行っちゃったりで、なかなか一緒に走る機会が少ないけど。 最近はそれなりにケーロクにも乗れてきて、ソコソコの自信はついてきたけど、でもやっぱりキャスタと走るってのは、なんか特別な感じがする。 昨日の夜、rakにあおられてたから少しはやり合おうみたいな気持ちもなくはなかったのだが、いざ走ってみたらそういう感じじゃなくなってしまった。 やりあうとかってより、成長を見てもらう感じかな。
ココで大喰らいのRVTがガス欠になってしまった。 キャスが残念そうにしてるのをみて、Caruma君が「俺のR600乗っていいよ」と声をかける。R600にまたがったキャスに誘われ、俺もケーロクで出た。すると、走り出してすぐ、最初の長めに曲がりこむ左を越えたところで、キャスタがいきなりウインカーを出して停まった。 「ダメだ、俺このバイク乗れない! すんげぇ切れ込む!」 Uターンすると言うキャスにケーロクを乗らせて、俺がCaruma君のR600を借りて乗ってみた。 すると確かにひどく切れ込む。俺のケーロクも切れ込むと言われているが、も、そんな話じゃなく盛大に切れ込んでいく。Uターンポイントまで行くまでの間に、アテ舵を当てたりイロイロやってたら、それでもなんとなく乗り方がわかったので、復路はなんとかキャスに着いていけた。 休憩所に戻り、俺が言葉を発する前にキャスタがCaruma君に向かって大声をあげる。 「何だこのクソバイク。話になんねー!」 鬼か。 ま、キャスはCaruma君と仲が良いからこう言うわけで、俺とマルの掛け合いみたいなもんだ。 もっとも、俺とキャスタの意見は合致したのだが、そのあと乗ったGO!!!君とAGLAはあんまり気にならないって言ってたから、乗り方との相性なんだろう。俺は冗談かと思うくらい切れ込みを感じたんだけど。ホント、単車ってのは乗り方や乗る人によって、ずいぶん感想が変わるもんだ。 そのあと、隊長となっこがのんびり一周したり、俺とAGLAが風返しまで攻めに行ったりと、各自好き勝手に走る。AGLAはパープルがずいぶん速くなった。高速じゃ置いていかれるし、なんとか差をつけられるのは風返しくらいしかないんじゃないだろうか。風返しで抜かれたらAGLA組に入ろう。 もしくは愛人にしてもらおう。
なんだかんだ100kmくらいワインディングを走って、太陽が真上に昇るころ。 午後から用事のあるキャスタとAGLAは、帰らなきゃならない。んで、隊長やCaruma君、なっこに、「このあと、どうする?」と聞いてみると、みんなどっちでもいいよと言う。本来ならこの段階で、ビーフラインは決まったようなもんだが、俺がココのところの疲れでしんどくてギブアップしてしまった。 つわけで、高速に乗って帰りながら、流れ解散となる。
写真はなっこのCBRにキャスタがまたがってるところ。ニーハンに見えるね。
途中でガソリンを入れて土浦北から乗り、高速の入り口でいったん停まって最後のアイサツ。 「また走ろうぜ!」「気をつけてなー!」 それぞれ言い合って走り出したところで、本日のCrazy Marmalade でっかいもん倶楽部は、ここちよい蒼天に恵まれつつ無事に終了した。久しぶりにキャスタと走って、改めてヤツの速さとか上手さを感じ、それ以上にキャスタと走る楽しさを実感した一日だった。 俺をこの世界に連れてきた男。 その背中は大きく、力強かった。それでもいつかは追いついてみたいと思う。それはライバルとか敵とか言う話ではなく、目標であり、この世界へ連れてきてくれたキャスタへの恩返しみたいなもんだ。じゅんやrakを追うのとはまた違った、もっと観念的な意味で、俺はこれからも彼を追うだろう。 ま、誰にも追いつけないまま、歳食って速いの乗れなくなるかもしれないけど。 「そのときはそのとき、ちっちゃいの乗って追いかけるさ。ヤツラが遅くなるまで」 俺は前をすっ飛んで離れてゆくAGLAの背中を追いながら、そんな風に考えてクスリと笑った。
みんな、ありがとう。 楽しかったよ。 また、ガッチりでもまったりでもいいから、みんなで走ろうね。
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