The 87th big machine club
2009.11.28-29 第87回 でっかいもん倶楽部 in 茨城大子 ―炎のチカラ(前編)―
さぁ、今日はキャンプだ、キャンパーだ、キャンペストだ。 荷物を詰め込んだバッグは、すでにフューリィに装着済み。なので、仕事がハネた午後一時半ころだったか、準備万端のGO!!!君と一緒にいったん家に帰り、最後の仕上げに、今回最大の荷物を積むことにする。そう、タンデムで一緒に行くことになった、マーマレード宴会部のNだ。 迎えに行ってみると、バッグに入りきらなかった二人前のシュラフをバックパックに詰め、
背中に背負って準備万端のNさん。その姿は、 どう見てもNASAの宇宙飛行士か、よく言ってASIMOにしか見えないが、フューリィにはもうこれ以上、イッコの荷物も積めないので、ぜひとも頑張っていただく方向で。
GO!!!君と三人で、ひとしきりダベったら、それじゃ出発進行っ!
つってもNや荷物を満載してるので、もちろんすっ飛ばしはしない。渋滞する16号をのんびり抜け、柏インターから常磐道へ。目的地までは高速100キロ&下道30キロくれぇなんだが、Nのケツがどこまで耐えられるのか見当がつかない。 幅が狭くて厚みが薄く、おまけに後端へ行くほど斜めになってるフューリィのタンデムシートは、タンデムツーリングするには、ちとスパルタン過ぎるのだ。なのでNに合わせて休憩を挟みながら、ボチボチ走る。GO!!!君も今日はツアラーモードなので、一緒にのんびり走ってくれた。
俺とGO!!!君だけならありえない距離だろう、50キロ地点のサービスエリアで休憩。 とは言え、いつもなら無いはずの休憩や走り方は、なんだか逆に新鮮で楽しい。もっともNの方は、ケツは痛いわシートからずり落ちそうになるわで、そんな余裕もなかっただろうが。ま、これでカスタムシートなりシシーバーなりを購入する際の障害が皆無となったことだけは間違いない。
美しくも目が痛むほど晴れ上がった空の下、常磐道名物の強風が俺たちを煽る。 重心が低い上に荷物満載で安定感のあるフューリィは、そんな強風をものともせずに、淡々と距離を稼いでゆく。ただ、やはりと言うか当たり前と言うか、半ヘルで走るには、ちと寒かったようだ。寒風に顔を切り裂かれながら、高速を降りるころにはすっかり冷え切っているかみさん。 那珂で高速を降りたら、ちょこっと戻って国道118号へ乗る。後は一本道だ。 しばらく走ったところでコンビニに入り、Nの休憩がてらPOPOさんに電話するも出ないので、「先に行ってる」とメールのあった、ろろちゃんに電話してみる。数コールで出たろろちゃんにキャンプ場の場所を聞いて、一服したら出発。飛ばしてないし距離も短いからムダに元気だ。 「上小川の駅まで来たら連絡くれ」 と言われてたんだが、ハイテンションかみさんの得意技、話を半分しか聞いてなかったので、ものすごく威風堂々と下小川の駅へ向かおうとする。うしろに乗ったNが俺の肩を叩き、同時にGO!!!君も飛んできて、ふたりに「上小川だよ」と諭される。 Uターンして118号に戻り、ようやく上小川駅へ到着。
原付のあんちゃんたちが遊んでる対面に単車を停め、電話を入れるとほどなく、ろろちゃん登場。 「これがフューリィかぁ……綺麗なうちに写真撮っておこう」 と、イキナリろろちゃんに突っ込まれつつ、駅前の商店で酒や食い物を買い込む。
「寒いからホットワインが飲みたいなぁ」と思った俺はワイン、Nは「ウミがあるー!」と大騒ぎしながら焼酎「海」を買いこむ。さらに「寒くて普通のビールはたくさん飲めないだろう」と、黒ビールも購入。無事に酒とつまみを 手に入れたら、ろろちゃんの先導でキャンプ場へ。 道がだんだん寂しくなり、ついには舗装が途切れてダートになる。 Nが「お、降りる」とヘタれはじめた辺りで、
キャンプ場に到着した。 すると、ろろちゃんとPOPOさんの他にも、なにやら見慣れた顔と単車がある。 「あんだ、よしなし。『行けるか微妙』なんて言いつつ、しっかり来てんじゃねーか」 ニッコリ笑ったよしなしに、「俺、カメラ忘れちゃったから、今回も写真頼む」とオーダーし、
フューリィの品評会をやってる連中を尻目に
テントを張る。
GO!!!君も買ったばかりのテントを張る。 つっても彼はもともと山岳部なので、キャンプ自体はお手の物だ。要するに「キャンプ道具を買ったから、それを使ってみたくてキャンプに参加する」と言う、一般的には本末転倒、マーマレード的には至極まっとうな理由で参加しているのである。
ろろちゃんも、クルーザ買っちゃえばいいのに。
さて、キャンプ宴会といえば、何はなくとも火を起こさなくてはならない。 だが、そこはさすがにPOPOさん。すでに薪(まき)の束を四束ほど購入してあると言う。 もちろん火もおこしてある上に、
なんとシチューまで煮込んでるってんだから、まさに最強のキャンパー。このほかにもイロイロと面倒を見てくれて、むしろダメ人間たちのお父さん状態になってしまってる。甘やかされたバカガキの俺たちは早速、買ってきた酒を呑みながら、速攻で宴会状態に突入した。
あれ、ろろちゃん。タバコやめたんじゃなかったっけ?
GO!!!君は飲まないから、手に持ってるのは紅茶だ。こう書くとイイワケっぽいけど本当に紅茶だ。
炎を囲んで、呑み、語らう。ま、最高の時間であることは間違いない。
まだ走ってきた寒さが抜け切らないGO!!!君とNは、防寒仕様で飲み食い。 俺? 俺はもう、嬉しくてムダに元気な犬みたいなもんだよ。
大量の薪を見て「これなら燃料の心配は要らないな」とムダにエンジンのかかった俺は、
自分の焚き火台も引っ張り出した。
コレはPOPOさんの焚き火台。
シチューやワインにはパンだと思って買ってきたパンは、あっという間にハゲタカの餌食。
自分の焚き火台に、薪を積んで準備をしたら、
POPOさんのよりふた周りほど小さい焚き火を起こし、
ろろちゃんの買ってきてくれたタラバを焼く。 その間にもバカ話をしながら呑んだくれる面々。呑んでないのは下戸のGO!!!君くらいだ。もっともGO!!!君はウチでも酔っ払い相手にシラフで話してるので、慣れたもんである。相手が酔っ払ってるから明日は忘れてるだろうってトコまで織り込み済みで相手してくれる。 ありがたい話だね(ホンキで感謝しましょう)。
火を見ながらしゃべったり呑んだりするのは楽しい。
そしてろろちゃんは、あいかわらず山賊にしか見えない。
タラバもいい感じに焼けてきた。むしろ焼けすぎの感さえある。
ここで、どうにも火力が弱く感じてきた、放火オヤジかみさん。
試しに自分の焚き火台で薪を縦に組んでみたりするのだが、なかなかうまくいかない。 そのうち飽きてきて、ワインだビールだと呑んだくれる方に専念し始める。一旦こうなると俺は泥酔するまで食わないので、バカ酔いするまえにNが「なにかと喰わせよう」と試みる。 もちろん、そんな試みは二秒で粉砕だ。 そして明日の朝、後悔するのだ(胸を張るところじゃありません)。
POPOさんはとにかく、鬼のようにマメなヒトだ。 シチューを作ってくれたり、飯を炊いてくれたり、マーボ豆腐を作ってくれたりするので、普段は宴会場でくるくる働いているNも、今日は座ったままでうれしそうだ。ま、彼女には泥酔者の世話や二日酔い者の帰宅幇助など、後々の仕事が山積してるんだけどね。
GO!!!君も、POPOさんの炊いてくれたご飯を食べる。
俺はもちろん、酒をガブガブ。
「そういえば、銀が来るんじゃなかったか?」 銀星に電話を入れてみるも繋がらない。 んでNが「じゃぁ、銀子に電話してみる」と、銀星の彼女の銀子に電話を入れるとすぐに繋がった。
どうやらココまでの来方を教えているようだ。デタラメ教えてハメてやりゃよかったのに。
やがて、銀がクルマでやってきた。 銀が来たので間髪入れず「フューリィ乗っていいから、買出しに行ってこい」といじめると、なんだかんだでいつの間にか、GO!!!君が買いだしに行くことになった。脚が長くて似合うかと思ったが、GO!!!君だとちょっと身体が細すぎるかな。フューリィとあわせて縦横に細いから尖って見え た。 最近、隊長の名を返上して「スイーツ部長」になったGO!!!君は、甘いものを買うために、
夜の闇へと消えてゆく。
するとクルマから荷物を降ろした銀は、おもむろに鍋を作り始めた。
ナニを作るのかと興味深く見守っていると。
キムチ鍋だつーんで、思わず大爆笑。 なぜなら、その横ですでによしなしが、キムチ鍋を作っていたからだ。 「ぎゃははははっ! 銀、よしなしに対する挑戦か?」 「ははは。い、いや、あの……」 「よしなしのキムチ鍋、だいなしじゃねーか」 するとよしなしが嬉しそうに、「銀ちゃん、だいなしの称号は君に譲るよ」と笑っていたが、いやいや、よしなし……もとい、だいなし先生。そんな甘い話は転がってませんよ、世の中。心配しなくてもこの程度の失敗じゃ、だいなしの称号は動きません。あなたのものですからご安心を。
俺の焚き火台は小さい。 なのにアホほど薪をくべたので、網が置けなくなってきた。
なので薪の上に、直接ソーセージを置いて焼いてみる。
う〜ん、スパイシーっつーか、むしろカーボンフルっつーか。
銀と銀子は鍋の準備を終えて、煮込みに入ったようだ。
一旦休憩。
その合間にも、バカ話をして大笑いする。
人気のない夜のキャンプ場に、バカどもの嬌声が響き渡る。 ま、イチバンうるさかったのは、俺かよしなしだろうけど。
火を囲んで、飲み食いしながらくっちゃべると言う、至福の時間を過ごしていると。 静かなエンジン音が聞こえてきた。
スイーツ部長の帰還だ。 GO!!!君にフューリィの感想を聞いたりしつつ、炎のそばまで戻る。
甘いものがいいヒトは甘いものを喰い、酒がいいヒトは酒を呑みながら。
焚き火に顔を火照らせて、心地いい酔いに身を任せつつ、いろいろと話をする。
だからー! ろろちゃん、カッコよく炎を見つめてるけど、禁煙は?
も、まるっきり禁煙のきの字もないろろちゃんと、だいぶん出来上がってきたPOPOさん。
そのうち銀の鍋も出来上がり、喰ったり飲んだりはさらに続く。
POPOさんもよしなしも、真っ赤だ。もちろん、言ってる俺も泥酔だ。 だが、 ずいぶん時間が経ったように感じても、スタートが早いから、まだまだ宵の口。 夜はまだまだ、これからだ。
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