The 30th small machine club

2008.07.20 第30回ちっちゃいもん倶楽部 in ケモノ道

〜プレケモライド大宴会〜

当日編はこちら

 

GSX-R1000の納車でテンション上がったまま、さて、それじゃぁケモに行こうか。

今回はオフロード装備を着たまま走るにはちと暑かった。

なので、ホームセンターボックスに装備や着替え、必要な品をつめて夕方4:00ころかな? ランツァをまたいで走り出す。リアタイアを新品に交換してるから、今度こそムダに減らさないようロートラクションで走るぞと 、強い決意を胸に16号を南下する。

すると途中で、ビュエルが一台、中途半端な速度で走っていた。

いや、暑いとは言え気持ちのいい天気だから、のんびりと走ってるなら何も文句はない。逆にすっ飛ばしてゆくなら、それこそ『おー! ビュエルはやっぱカッケーなぁ』で済む。ところがこのビュエル、ものすげぇ中途半端にふらふら走るので鬱陶しくて仕方ないのだ。

「もー、ジャマ臭いなぁ。ちょろちょろしないで、行くなら行けよ」

と思いながら、それでもロートラ走行と決めてるから、早めにシフトアップして、もわーっと走る。どひゅん!と消えるビュエルは、しかしすり抜けがモタモタして危なっかしく、行く行かないの意思表示がはっきりしない。イラついてたら途中で別方向に行ってくれたので、ほっと胸をなでおろす。

 

そのまま大多喜街道に入り、

途中のコンビニでmoto君に電話を入れ、買出しするものがあるかどうか確認したら。

さてD山目指して走ろうか。

 

上機嫌の天気にこっちも機嫌よく、クルマと一緒にのんびり。気持ちいいなぁ……

ばるん!

イラっ。

今度はさっきと別の黒いビュエルがやってきて、俺の後ろについた瞬間、どけよとばかりにフカしやがった。なので道を譲ってやるのだが、前に出たくせにちっともイカない。フラフラよれて走ってるのをしばらく眺めたところで、ついに我慢の限界を迎えてしまった。

ばいん!とイッパツ空ぶかしを入れると、ランツァのシフトをふたつ蹴り落としてクラッチミート。ビュエルの前へ出て、そのまま逆走入りのすり抜け開始。すると、俺を先導車にしようと言うのだろう、後ろから黒いビュエルがハイビームくれながらついてきた。

「ジョートーじゃん。そこまでするなら、遅れないでついてこいよ?」

気合を入れてすり抜けをはじめる。もうタイアが減るとかどうでも良くなってたので、かなりアベレージを上げてすっ飛ばした。ミラーに見えるライトが段々小さくなり、やがて完全に消えたところで、あっと声をあげて大切なことに気づくかみ@うっかり気分。

ヘイ大将! D山に行く交差点、だいぶん前に通り過ぎてますぜ。

結局、タイア大事にとか言いながらムダに減らし、50kmくらい遠回りして、時間やガソリンの残量までギリギリと言う体たらく。半泣きで遠回り、ポプラを数えながらようやくD山に到着した。ホント、この性格はどうにかならないものか。どうにもならないんだろうね。もういいや、頑張って生きていくよ。

 

さて、宴会をやる駐車場に入ってゆくと、もう、みんな集合してる。

左からirohaとヤツの嫁さんのMちゃん。真ん中座ってるのがオーちゃんの後輩アオで、黒いタンクトップがオーちゃん。右奥で座ってる赤いのがmoto君の嫁さんのTちゃんで、イチバン右がよしなし。これにmoto君と彼の愛息N君、後から来るトモゾーと俺で前日宿泊組は全員。

 

オーちゃんの後輩である初見のアオや、同じく初見のirohaの嫁さんMちゃんにご挨拶するも、なにやらこいつら『バーベキューの準備をしよう』という意気込みがまったく感じられない。クソ暑い駐車場で、ぼけっと立ち話をしてる。どうしたんだと思ってると、moto君が困った顔で口を開いた。

「かみさん、問題が発生しました。あそこ見てください」

言われた先を見てみれば、青い車が一台停まっている。

「あそこの場所にトラックとキャンピングを入れたいんで、あの車の移動待ちなんです」

なるほど、合点がいった。

それじゃあとバカ話をしながら待ってると、moto君が俺のランツァで遊び始めた。

いつものバックライド。相変わらず鬼のようなバランス。

てな感じで遊んだりしゃべったりしながら、ヤツラが移動するのを待った。しかし、待てど暮らせど動く気配がない。中で死んでるんじゃねーかってくらい。どうもおかしいと様子を見に行ったオーちゃんとアオが瞳をギラギラ輝かせて帰ってくる。なにやら少し興奮気味だ。

「中にふたり居て寝てるんだけど、女の方がノーパンですよ!」

「毛ぇ見えましたよ! スカートも横にすんげぇスリットが入ってる!」

確かにそれならヒートアップもするだろう。

 

本来であれば俺も、『なになに? それは確認しなくては』と真っ先に飛び出すところだが、このときはもう、ノーパンより毛より、とにかくビールが呑みたかった。いい加減限界だったので、moto君に『もう、あの横にトラック停めちゃおうぜ?』と強引な提案をする。

言ってもmoto君だってそういうのは大好きだから、にやっとしながら二つ返事でトラックを動かし始めた。シボレーのV8が轟音を上げようが、周りでバカが騒ごうが、しかし、件(くだん)のふたりは起きる気配さえない。そのあまりに不自然な熟睡ぶりに、ここである疑惑が持ち上がる。

「もしかして、あいつらクスリでも喰ってんじゃねーの?」

半分冗談、半分本気でそんな話をしてると、

「俺もそんな風に思ったんで、オーとふたりで念のために警戒してるんですよ」

まじめな顔でうなずくmoto君。つーかまぁね、君の持ってる警棒は100歩譲って警戒と認めてもいい。バーベキューに警棒持ってきてる段階で、かなりアレだとは思うけど。でもね、オーちゃんが腰にぶら下げてるナタは確実にやりすぎ。何をカチ割る気だおまえ。

 

クスリで出来上がっちゃってる(推定)ハッピーカップルの車を挟み込むように、トラックとキャンピングを駐車するmoto君。そして、それを誘導するように見せつつ、何度もノーパンを確認している、白いタンクトップのアオと黒いタンクトップのオーちゃん。おまえらは〜!

 

すると隙をついてirohaも確認してるのには、思わず苦笑してしまった。

と。

苦笑している俺の横で、よしなしが単車を下ろすために、リアハッチを開いた……

ちょ、SLっ!

地獄のキックマシンXLRだと思ってたらよしなしのバカ、いつの間にかセルつきケモマシンを新たに購入してやがった。『あんだおめ、買い替えか?』聞いたら『増車ですよ』ってニヤっと笑う。バッカだなぁとうれしくなって大笑いしてると、moto君が異議を唱え始めた。

「これじゃぁ、よしなしさんヘバらないじゃないですか。つまんないなぁ」

相変わらず鬼。

 

さて単車も降ろし終わり、それじゃぁバーベキューの準備を始めようかつーんで、色々引っ張り出すのだが、ここで忘れ物エースのmoto君が、次々とその豪腕ぶりを見せつける。

宴会用テントの骨だけ持ってきてテント部分を忘れるとか、バーベキューグリルのアミだけ忘れるとか、『ピンポイントでにっちもさっちも行かなくなる状況』を作り出すmoto君の天才ぶりに、みんな大笑い。本人は『連帯責任でみんなが悪い』とか、旧日本軍ばりのムチャ言ってるけど。

もっとも、天気がいいからテントはなくても問題ないし、アミはirohaとMちゃんが車でふもとまで買いに行ってくれたので、なんとか大惨事には至らなかった。いや、大げさじゃない。アミがなかったら『排水溝の鉄の格子で焼こう』とか『バイクのマフラーで焼こう』とか、聞いただけで確実な大惨事が予想される意見が次々と提案されてたんだから。

 

アミやそのほかのものを買い込んだirohaが戻ってくれば、さぁ、宴の始まりだ。

とは言え、例のハッピーカップルがまだ起きてこない。俺やmoto君はヤツラの動向が気になって、バーベキューを全力で楽しめないところがある。受験生が『何をやるにも心のどこかに受験が引っかかって楽しみきれない』のと、心理メカニズムとしてはほぼ同じだ。

そしてオーちゃんとアオのノーパンズは違った意味で気になって仕方ない

も、好きにしてくれ。

 

やがて陽もとっぷりと暮れ、時々野犬の吠える声が聞こえ始める。

 

まさに山の宴会の醍醐味と言う状況で、オーちゃんが買ってきた花火にも火が入る。もちろんN君は大ハシャギ……ああ、そうだよ。その通りだよ。N君と同じかそれ以上に、俺も大ハシャギしていたことは認めるよ。年齢差35歳をものともせず、元気に花火大会だよ。

と。

ここへ来てついに、ハッピーカップルに動きが!

途端にあたりが、ピンっと緊張に包まれる。

バーベキューにあるまじき緊張が走る中、彼らはおとなしくエンジンをかけて去っていった。拍子抜けしつつも安堵のため息をつく、俺とmoto君。さぁ、心に引っかかってたトゲも抜けた。受験生的に言えば、『試験が終わった』どころか『いつの間にか合格してました』ってくらいのテンションだ。

呑むぞー!

 

紙コップ探すのめんどうだっつって、空き缶でコップ自作してるよしなし。明日キックしなくて済むもんだからって、ムダに元気なのだ(よしなしのセルを残念がりすぎです)。

 

Tちゃん、N君、moto君のmotoファミリー。仲が良くて微笑ましい。

 

しかし、ラブラブだとなんかイジワルしたくなるね。完全、moto君の影響だね。

 

こっちは、irohaとMちゃんの夫婦。Mちゃんが虫除けローソクを蹴っ飛ばし、熱いロウを浴びてしまって『熱い!』と叫んだ瞬間、すぐにirohaが飛んできて様子を見てあげてた。やさしいなぁと思ってそれを口にすると、照れたirohaが照れ隠しに暴走し始める。

 

「か、顔を踏んでくれっ!」

だいなし。

ま、こう言うトコがirohaらしくて、俺は大好きなんだけど。

 

俺はN君に『花火のヒト』もしくは『花火のおっさん』と認識されたらしい。

ニコニコしながら花火を持ってきて渡されるので、やたら花火してた。

 

irohaと俺。ふたりとも超ゴキゲン。

 

やがて、ブンブンと軽快な音を立てて軽トラックがやってくる。よく見ると、運転席にはオフロードヘルメットをかぶった男が乗っているじゃないか。そう、登場時に必ず何かやらかさなきゃ気がすまないこんな男、ひとりしかいない。変態ケモ魔人ことトモゾーだ。

「ぎゃははははっ! なんでメットかぶってんだよ!」

「なにが? 俺は今、ラリーの途中なんだよ。ところでここはドコ?」

出会い頭のイッパツで集団を沸かせたら、トモゾーももちろん、そのまま宴会に加わる。

 

呑み、喰い、しゃべり、笑う。

俺の愛してやまない、宝物のような時間が過ぎてゆく。

 

ご機嫌に出来上がってゆく、ケダモノども。

 

ナニゴトかワルだくみをしてるに違いない、アオ&トモゾーの後ろで、N君をあやしてるオーちゃんと、マメに働くiroha。オーちゃんはmoto君に『悪人O氏』なんていわれてるけど、チビのための花火といい、他の気遣いといい、言うほど悪人じゃない。悪いのは酒癖だけだ。

俺も人のコトは言えないけど。

なんつってる矢先、オーちゃんがちょっと悪酔いをし始めた。酔っ払いらしく一度気になったら延々と気になるようで、しきりにぶつくさ言い出すのをまぁまぁと何とかなだめすかし、揉め事にならないように、少し集団から離して寝かしつける。

寝かしつけるったってもちろん地べたの上なんだけど。

 

オーちゃんが寝たあたりから、安心したのだろう、俺の記憶は飛び飛びになってくる。

猪木トモゾーとアオにモロコシもらってるMちゃん。

 

つーかどんだけアオ気に入っちゃってるんだよ、俺。しかも背ぇ届いてないよ。

 

Mちゃんとトモゾー。トモゾーは黙ってりゃオトコマエ。一秒たりとも黙ってないけど。

 

ガンガン呑んで、ゲラゲラ笑い、トモゾーがトラックのステレオで音楽をかけ始めれば、狂乱も絶好調だ。山の中ってのは誰にも迷惑かけずに騒げるから、最高に楽しい。もう、このままみんなで、ずーと呑んだくれて宴会やってたい気分だ。楽しくて、楽しくて。

『昼間っから酔っ払っちゃって、ふらふら車道に出そうになってる身寄りのないおっさん』チックな俺と、『それを見かけて助けに入ってる通りがかりの人』チックなトモゾー。そして『えぇい、余計なことをするな! ワシはまだ元気なんじゃっ!』とか言い出しそうな俺の顔。

改めてみると、自分でも軽く残念な気持ちになるね。

 

しかし、どんなに楽しい時間にもやがて終わりは来る。呑みつくし、あるいは睡魔に負けて、ひとり寝、ふたり消え、と戦死者が出始めた。トモゾーと俺、TちゃんとMちゃんくらいが最後まで飲んでたんじゃねーかな? かなり夜中まで呑んでたと思うけど、記憶は怪しい。

さて、そろそろ寝ようかつー話になるんだが、俺と彼らには大きな違いがある。

みんな車の中で寝れるが、自走の俺は寝る場所がないのだ。

いや、別にテントを忘れたとかそういう話ではない。夏の夜なら寒いこともないだろうし、そこらでごろ寝すればいいだろうと高をくくってたわけだ。バーベキュー用のイスを並べて寝床を作った俺は、ステキな宴の余韻をかみ締めながら、最高の気分で眠りについた。

のだが……

 

 

 

 

 

 

 

やはり寒かったらしい。

タオル一枚で山の寒さに対向しようとする、哀れなドンキホーテ、かみ。

画(え)的に哀れすぎ。や、本人はそれほどつらくないんだけど。むしろ二日酔いがつらい。

 

つわけで、二日目に続く

 

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