solo run

能登ツーリング

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2008.05.03 能登を離れ、白川から三重へ

 

「世界遺産の白川郷が見たい」

俺とNの意見が一致したので、今日は能登を離れて白川郷を見学にゆく。

その足で千葉へ向かえば、夜までにはゆうゆう帰りつけるだろう。それでも念のために、移動はなるべく高速を使おう。明日の朝、moto君と成田のサーキットを走ろうなんて話も出てるから、できるだけ早く帰りたいし。そう思った俺は、和倉からすぐ、高速に乗った。

撮影:タンデマーN

田鶴浜道路、能登道路とつなぎ、今浜で降りて国道471号で斜めに東海北陸自動車道を目指す。んで、高速を抜けてる間から、そろそろ車が増えてきた。しかも、片側一車線しかないので、抜くに抜けない。その上、石川県は風が強い。この段階で、けっこう体力を削られた。

さらに下道471を走ってるあたりから、昨日のワインディング三昧のツケが出てきた。

 

わりとヘロヘロで、東海北陸自動車道、城端SA。

 

余裕っぽく花とか撮ってるけど、かなり来てる。

 

荷物のないワインディングの楽しさを知った後のタンデムダラダラ走りは、精神的にも肉体的にも、なかなかに削られるモノがあるようだ。

 

カメラを出して、写真を撮ったりしながら、気を紛らわせて走る。

と。

白川近くなって、目の前に冠雪した山が見えた。

慌てて速度を落とし、写真を撮る。走りながら撮るの、だいぶ慣れた。

 

美しい自然の姿に、少し心癒される。

世界遺産の白川郷は、どれだけキレイなんだろう。

景色に、期待はイヤでも膨らむ。

 

やがて、道の駅『白川郷』へ到着。

 

だいぶん死んでるね。

 

でも、山はきれいだ。期待に胸が膨らむ。腹はもとからだほっとけ。

 

と、道の駅でNがひどい祭りの情報を見つける。

10月からか。

 

んで、下道を走って白川郷へ向かったのだが。

 

到着した合掌造りの家は、確かに趣があった。

 

しかし。

しかしだ。

なんだこの観光地観光地した、あまりにも品のない店々は。

イラついたので写真は撮ってないが、とにかくヒトが多いのと、あまりにも観光化された毒々しい土産物屋のノボリやカンバン、景色も見ずにバクバク食ってる連中の姿にあきれてしまい、俺の中で急激に気力が萎えてきた。後ろのNもメット越しでさえわかるほど辟易としてる。

「帰るか?」

「帰ろうか」

なんだかむなしい気持ちで、白川郷をあとにした。

 

何とか見つけた、俺の欲しい感じの風景。

 

山も、なんだか苦笑してるように見える。

色々仕方のない部分もあるだろうが、白川郷の観光地っぷりは、やはりちょっと悲しい光景だった。

 

心が萎えたら、疲れがどっと出る。

この段階で、午後1:00になっていた。

心の折れた俺は、moto君に明日のサーキットを断る電話を入れる。行くつってたのに行けなくなったことを謝り、しばらく話して電話を切ると、しばらくぼけーっと景色を眺めて休憩した。こっちはさすがに美しい自然が残っているが、なんだか少し車が多い気がするなぁ。

 

この川沿いを走る白川街道を南下して、東海北陸自動車道を目指す。

 

水の色が変わってるのは、なんだろうね。

 

冠雪もこっちはいくらか少ないようだ。

 

Nもお疲れ気味。ま、地べたには疲れてなくても座るんだけどね、こいつは。

 

んで、走り出したのだが。

モノの数分で『moto君に断りを入れて正解だった』と思い知らされることになった。今回最大最長の渋滞が、俺を待ち受けていたのだ。せまく曲がりくねったトンネルだらけの道が続き、バスがすれ違うたびに渋滞が起こる。やがてつながった車の熱気で、頭がボーっとして来た。

すり抜けはそんなに苦手じゃないのだが、それも場合による。

左の路肩は急激に斜めってて使えないし、対向車線もびっちり詰まっているので抜くのが難しい。だが、こんなものバカ正直にクルマの間で待ってたら、俺の精神は崩壊するだろう。空腹の比じゃない不機嫌っぷりに、あとで被害をこうむるのはNだ。それはかわいそうだ。

という人道的かつ騎士道精神あふれる判断をした俺は、意を決してすり抜けだした。

前が見えないブラインドコーナーを、首を伸ばして少しでも見えるようにしながら進む。前で対向車線のバスが苦労してるのを見ると、そこまで一気に反対車線を走る。とにかく、少しでも前へ、前へ、と『死ぬときは前のめり』精神で進むうち渋滞の先頭らしきものが見えてきた。

工事渋滞だ。

工事部分をどうにかすり抜け、少しは先が開けるかと思ったのだが、先を走る二台のバスが、曲がりくねった道に四苦八苦するので、結局、歩くような速度でしか走れない。しかし反対車線を使ってさえ、バスを抜くスペースがない。黒い排気ガスを浴びながら、俺はじれる。

なんkmくらいだろう。

反対車線が完全に空き、向こうまで見える直線に入ったところで、バスをごぼう抜きにしてようやく先頭へ出る。このころには、いい加減シンドくなってきたのだろうNも、とにかく走り出せたことが嬉しいみたいで、ほうっとため息をつくのが聞こえるようだった。

 

ほうほうの体で東海北陸自動車道に乗り。

すぐに『ひるがの高原』SAへ入って、ようやく人心地ついた。

 

速攻で、飛騨牛の串焼きを買いに走るN。おまえは正しい。

 

肉食っとけば、俺の機嫌が悪くなることは少ないからね。

 

五平餅は、ちょっと甘かったかな。

 

ここでもう、関東へ帰ることは完全にあきらめ、三重のダチおーがの家に向かう。

関PAで給油と休憩。

 

ここで会ったカップルに、隼をほめられた。

メッキ部分を。

軽く納得が行かないので、近いうちにまた塗り替えるかも知れん。

 

名神から名古屋高速、東名阪を抜けて四日市ジャンクションから伊勢湾岸へ。

おーがの家のそばで電話する。

 

渋滞を愚痴りながら、泊めろと強要する俺。

ま、強要つーかココまで来て泊まっていかなかったら、逆に怒るバカなんだけどね。

おーがん家の駐車場に隼を入れて。

 

おーがJr.のUKTと、生まれて三ヶ月の愛娘NNKをまたがせる。

 

UKT&おーがの愛妻にして俺の愛人、飼い主ちゃん。

 

同じくUKTと、三重で最も残念な男、おーが。

 

久しぶりの再会に、話はつきない。

駐車場で隼やおーがのモンキーに乗って遊んだり、とにかく(今のところ)俺の大変なついているヤツの愛息UKTと遊んだり、生まれたばかりの娘NNKのいろんな逸話を聞いたりしてから、ようやくおーが家の中へ入る。と、ヤツは即、ビールを持ってきてくれた。

長い付き合いだからね。よくわかってるよ、この男は。

またしばらく話してから、おーがのハイエースに乗り込んで、晩飯を食いに出る。

おーがって男はでかくてものすげぇ喰うので、安くて旨いところを良く知っているのだ。案の定、連れてってもらった焼き肉屋は、『5000円食い放題』と普通で聞いたら絶対旨くない条件なのにもかかわらず、霜降りカルビを筆頭に、どれもアホほどうまかった。

肉屋さんに併設された焼き肉屋だからだろうが、それにしてもアレはすげぇ。

当然ながらけっこう混んでて、入るまでにちょっと待たされたが、アレだけ旨くて安ければそれも仕方ないだろう。霜降りカルビがつかないだけで3000円になるつーし、近所にあったら間違いなく、俺のウエストサイズが暴走を始めるのは必至だ。

てなわけで、帰ってきてからも夜中(早朝?)まで、話の尽きることはなかった。

 

いよいよ明日は、能登ツーリングも最後だ。

 

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